【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~   作:嘘つき熊さん

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前回のあらすじ:素人詐欺。

今回の対戦相手は墓守の長です。

今話はアニメGX第17話辺りのオリ主視点です。


第百六話 墓守の遺跡

デュエルアカデミア入学から2か月が経った6月の初旬、購買部の改革が終わってようやく多忙から解放された俺は、アカデミアの授業が終わった後にハノイスタイルに着替えて1人でアカデミアの島内にある古代遺跡へとやって来ていた。

 

遺跡はアカデミアの裏手のある山を越えた先に存在するので、俺が全力でその山の周囲の森の中を走り抜けても遺跡へ到着する頃には夕方になっていた。

 

もちろん、入り口にある元アーチ状だったと思われる半壊した門をくぐり、古代ローマや古代エジプトのような石造りの建物の残骸が残るだけのこの古代遺跡に来たのには訳がある。

 

セブンスターズの行方をワイト達に島内をくまなく探してもらってからもう1か月以上が経過している。それでもまだ奴らの足取りを追えない理由を考えると、ワイト達の視界を妨げる何かが彼らの探索を妨害しているか、ワイト達がまだ未調査の場所に潜伏していると考えるのが妥当だろう。

 

そして、ワイト達にはこの危険な古代遺跡に対しては決して遺跡内部に入らずに外周から様子だけを探るように頼んでいた。つまりこの遺跡の詳細な調査は今まで実行しておらず、今日初めて遺跡の内部を調査するわけだ。

 

この遺跡は島の火山にかなり近い上、墓守世界に通じる門を開くための装置が遺跡内の何処かでいまだ稼働状態で存在する。しかも2年後には異世界へのゲートまで出現すると言う、割と危ない遺跡なのだ。

 

当然、一般人を同行させるわけにはいかないので、倫理委員会にはハノイの騎士として単独で本日この遺跡を調査することを事前に伝えてある。この遺跡周辺には俺以外の人間は存在しない。

 

全く探知できないが、多分レインだけは何処か近くには隠れていて、こちらを監視しているんだろうけどさ。

 

久し振りに一人で人気のないところを行動する為、島中に散開してもらっていた大半のワイト達には休んでもらい、余力のある1体だけ残って貰って他のカードの精霊たちと一緒に俺と行動を共にしてもらっている。

 

常時ワイト達を100体以上人間界に存在させ続けながら他の精霊たちも出現させるなんてことをしたら俺の魔力が干からびるからな。驚愕!?ラーイエロー寮で学生のミイラが見つかる!?なんてニュースになりかねない。

 

「さて、遺跡入り口からこの遺跡中央部までの道のりには人気は無し。墓守世界の扉を開いてしまう危険物である怪しげな円形の遺物も無し、だな?」

 

『バニー!』

 

俺と一緒に遺跡中央部の石畳の上に立ち、周囲を探索していたバニーラが楽しそうに俺の問いに対して返事をした。

 

う~ん、やはり可愛いなぁ!

 

この感情は今の俺の元となった『白河クロト』少年の影響が強いんだろうな。彼はバニーラ大好きだったからなぁ。

 

『こちら西部探索隊、人っ子一人いないでゴザルな』

 

『ボクの目をもってしても何も見つけられなかった』

 

俺とバニーラが立っているこの遺跡中央から西エリアを調査していた伝説の剣豪MASAKI、メカレオンが帰ってきたが、特に何も発見できなかったようだ。

 

『こちら東部捜索隊、何も見つからなかったのう』

 

『ワイトもそう思います』

 

遺跡の東エリアを調査していた斬首の美女、ワイト(1体だけ)も戻ってくるが、こちらも成果は無かったようだ。

 

『こちら北部捜索隊だ。異常なし』

 

『本当に何もなかったですねぇ』

 

遺跡の北エリアを調査していたエルフの剣士とホーリー・エルフも戻って来た。やはりと言うべきか、何もなかったようだ。

 

あとはアクエリアたちが向かった南部エリアだけだが…。

 

『お~い、クロト~。何か見つけたよ~』

 

『アクエリア~。そんなにブンブン振ったら危ないんじゃないかな~』

 

『リュ~ン!』

 

そんなことを考えていると、遺跡の南エリアを調査していた水の精霊アクエリア、キーメイス、プチリュウも戻って来た。

 

最近ようやく俺の名前をまともに呼ぶようになったアクエリアの手にはあの異世界へつながる円形の遺物と言う危険物が握られている。

 

その円形の文様の中央にある目のような部分からは怪しい緑色の光が放たれ始めていた。

 

 

えっ?何で持って来てんの?見つけたら触らずに知らせてくれって口を酸っぱくして頼んだよね?

 

おいおい、死んだわ俺ら。

 

 

予定調和の如く、円形の遺物から強烈な緑色の光が放たれ、その光に連動するように遺跡に各地から緑色の光の柱が次々と現れ出す。

 

慌てて空を見上げると、空に見える太陽が3つに増え、空一面の景色が歪んで行くのが分かった。

 

その景色を見て本能的に危険を感じた俺は、カードの精霊たちを全員カードに戻して遺跡を離れようとするが結局間に合わず、その光は俺達全員を呑み込んでいった…。

 

~~~

 

光が収まり、周囲を確認できるようになってから、俺は初めて俺達全員が墓守の世界へと飛ばされてしまったことを認識した。

 

先ほどまで朽ちていた入り口のアーチ型の門は一切欠けることなく新品同様の状態でそこにあり、遺跡の中央にはピラミッドに酷似した建物が悠然と佇んでいる。ピラミッド状とはいっても途中で平らになっており、正面から見ると台形だけどな。

 

3つの太陽の近くには巨大なオベリスクが見え、その他にも石造りの立派な建物が所狭しと並び立ったその場所はまさに神殿と呼ぶにふさわしい姿だった。

 

周囲を見回してとりあえず全員無事なのを確認して安堵した後、まずはトラブルの元を運んできたアクエリアに対して一言文句を言ってやろうと思った。

 

「アクエリア~。触るなって言っただろ~?」

 

『ゴメンゴメン。あんまりしつこく言ってくるからフリかと思って、ね?』

 

やるなよ?やるなよ?ってか?んなわけあるか!

 

「ね?じゃないよ。全く…どうしたものかなぁ」

 

殆ど謝るつもりのないアクエリアは放置して、改めて周囲を見回す。

 

「さて、出来ればその物騒なモノをこちらに向けるのは止めて貰いたいんだが、どうだろうか?」

 

俺達の周囲にはさっきから俺達を取り囲むように何十人もの墓守の精霊たちが立っており、その全員がこちらに長槍の穂を突き付けてきている。

 

黒い頭巾を被ったその男たちは【墓守の長槍兵】達だろう。

 

「貴様たち、一体何者だ!灰色のローブに黒い仮面だと?怪しい風体をしおって!まさか、墓荒らしか!」

 

「違う」

 

見た目で判断するのはよくないと思うな。

 

「ここは神聖なる王家の墓!貴様たちのような者たちが居ていい場所ではない!」

 

それならこのまま帰るんで、道を開けて貰えませんかね?

 

「この墓を暴かんとする不届き者め!生きたまま石棺の中に入れて埋葬してくれようぞ!」

 

止めて下さい。死んでしまいます。

 

「断る、と言ったら?」

 

俺が戦闘要員以外のカードの精霊たちをカードに戻し、臨戦態勢を取りつつ相手を挑発する。

 

「ふっ、威勢のいい小僧だ」

 

そんな中、墓守の精霊たちの中から一際身分の高そうな髭面のオッサンが現れた。あれは【墓守の長】だな。

 

【墓守の長】の左右にはハゲ頭の巨漢【墓守の番兵】、如何にも物知りそうな老婆【墓守の呪術師】が控え、更にその後ろには緑髪の美女【墓守の暗殺者】が居る。

 

「お前がここのリーダーか?」

 

「如何にも。私がここの長だ。墓荒らしの小僧よ」

 

「違うと言っているだろう」

 

メカレオンの隠蔽能力が効く相手は人間と低レベルの精霊たちに対してのみだ。【墓守の長槍兵】だけならともかく、【墓守の長】には通用しないだろう。

 

第一、多勢に無勢だ。人間界の自動拳銃で武装した程度の相手ならともかく、レベル4以上の墓守の精霊たちがこれほどいる状況では、リアルファイトに持ち込んでは俺達に万が一にも勝ち目は無いだろう。

 

最悪、虐殺になりかねないが師匠たちを召喚するしかないかもな。

 

「お前の他にもお前たちの世界からやって来た人間は居た。その全ての人間が1人を除いて掟により墓荒らしとして処刑された」

 

1人を除いて?アニメGXだとダークネス仮面を被った吹雪さんのことだろうが、彼は墓守の世界に来るタイミングは無かったはず。一体、誰のことだ?

 

「生きたまま石棺の中に入れられ葬り去られる。お前もそうなる」

 

「それは御免だな」

 

「それにはワシと試練の儀式を行い、勝たねばならない」

 

そう言って墓守の長は、自身が持つデュエルモンスターズのカードをドヤ顔で見せて来る。

 

「デュエルか。受けて立とう」

 

良し、何はともあれ何とかデュエルに持ち込めそうだな。ここでリアルファイトに持ち込むよりは遥かに生存率が上がったぞ。まずはこの状況を乗り越えるために全力を尽くそう。ブレスレットも一応装備しておこうかな。

 

「勇気ある若者だな。お前が負けたら生きたまま肝を抜かれ、ミイラにされると言うのに…」

 

肝を抜かれようが石棺にぶち込まれて埋められようが、結局死ぬじゃねえか。

 

~~~

 

神殿のピラミッドもどきの建造物を階段を上へと昇った先にある、頂上にある儀式場の広場にて俺と墓守の長はデュエルディスクを構えて対峙していた。その手前には何処まで続くかもわからない奈落がある。落ちたらきっと助からないゾ。

 

ちなみに俺のカードの精霊たちは既にカードに戻っている。もし俺が勝っても相手がゴネるようなら師匠たちを召喚して強硬突破する予定だからだ。その場合、この遺跡の大半が吹き飛ぶことになるが、俺は知らん。

 

「それでは始めようか」

 

「対戦、よろしくお願いします」

 

挨拶は大事だ。古事記にもそう書いてあるはず。

 

 

「儀式、開始!」

 

「デュエル!」

 

 

◆ハノイの騎士(白河クロト) LP:4000、手札:5枚。

 

vs

 

◆墓守の長 LP:4000、手札:5枚。

 

 

墓守の長とのデュエルは闇のデュエルだ。

 

お互いにLPダメージを受けるとリアルダメージを負うというクソ仕様なので、なるべくダメージは受けないように心がけたいな。

 

 

「先攻はワシが貰う。ワシのターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

墓守の長 手札:5→6枚。

 

「ワシは手札から【墓守の司令官】の効果を発動!このカードを墓地に送り、デッキからフィールド魔法【王家の眠る谷-ネクロバレー】を手札に加える!」

墓守の長 手札:6→5→6枚。

 

【墓守の司令官】

効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1600/守1500

このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。デッキから「王家の眠る谷-ネクロバレー」1枚を手札に加える。

 

「ワシは手札からフィールド魔法【王家の眠る谷-ネクロバレー】を発動!」

墓守の長 手札:6→5枚。フィールド魔法:0→1枚。

 

【王家の眠る谷-ネクロバレー】

フィールド魔法

(1):フィールドの「墓守」モンスターの攻撃力・守備力は500アップする。

(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、お互いに墓地のカードを除外できず、墓地のカードへ及ぶ効果は無効化され、適用されない。

 

「ワシは手札からモンスターを裏側守備表示でセット!」

墓守の長 手札:5→4枚。

 

<墓守の長のフィールド>

裏側守備表示モンスター

 

「そして手札から魔法カード【王家の生け贄】を発動!ワシは手札の【墓守の従者】を墓地に送る。お前も手札のモンスターを墓地に送らねばならぬぞ?」

墓守の長 手札:4→3→2枚。

 

【王家の生け贄】

通常魔法

「王家の眠る谷-ネクロバレー」が自分フィールド上に存在している時に発動する事ができる。

お互いの手札にあるモンスターカードを全て墓地に捨てる。

 

「ちっ、私は手札から【時械神ラツィオン】と【時械神サディオン】を墓地に送る」

ハノイ 手札:5→3枚。

 

「そして手札から魔法カード【墓守の石版】を発動!墓地から【墓守の司令官】と【墓守の従者】を手札に加える!」

墓守の長 手札:2→1→3枚。

 

【墓守の石版】

通常魔法

自分の墓地の「墓守の」と名のついたモンスター2体を選択して手札に加える。

この効果は「王家の眠る谷-ネクロバレー」の効果では無効化されない。

 

「ワシはカードを1枚セットしてターンエンド!」

墓守の長 手札:3→2枚。伏せカード;0→1枚

 

 

◆ハノイの騎士(白河クロト) LP:4000、手札:3枚。

 

<ハノイのフィールド>

モンスター無し

 

vs

 

◆墓守の長 LP:4000、手札:2枚。伏せカード;1枚。フィールド魔法:1枚。

 

<墓守の長のフィールド>

裏側守備表示モンスター

 

 

相変わらず【王家の眠る谷-ネクロバレー】は厄介なカードだな。

 

相手の手札は【墓守の司令官】と【墓守の従者】だと既に割れている。問題は伏せモンスターと伏せカードか。【墓守】なら面倒なリバースモンスターである可能性が高いだろろうな。

 

だが、ここは墓守の世界。つまり異世界だ。他の人間や破滅の光、ダークネスなどの目を気にする必要はない。よって…。

 

お前の戦術は全てカードパワーによるごり押しでぶち破らせてもらおう!

 

 

「私のターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

ハノイ 手札:3→4枚。

 

「私は手札から魔法カード【テラ・フォーミング】を発動!デッキから【神縛りの塚】を手札に加える!」

ハノイ 手札:4→3→4枚。

 

【テラ・フォーミング】

通常魔法

(1):デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。

 

「私は手札からフィールド魔法【神縛りの塚】を発動!」

ハノイ 手札:4→3枚。フィールド魔法:1枚。

 

【神縛りの塚】

フィールド魔法

(1):フィールドのレベル10以上のモンスターは効果の対象にならず、効果では破壊されない。

(2):フィールドのレベル10以上のモンスターが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。破壊されたモンスターのコントローラーは1000ダメージを受ける。

(3):フィールドのこのカードが効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから神属性モンスター1体を手札に加える。

 

「私は手札から【時械神ミチオン】を召喚!」

ハノイ 手札:3→2枚。

 

<ハノイのフィールド>

時械神ミチオン ★10 ATK0

 

【時械神ミチオン】

効果モンスター

星10/炎属性/天使族/攻 0/守 0

このカードはデッキから特殊召喚できない。

(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードはリリースなしで召喚できる。

(2):このカードは戦闘・効果では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(3):このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に発動する。相手のLPを半分にする。

(4):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードを持ち主のデッキに戻す。

 

「レベル10のモンスターをリリース無しで召喚するだと!?」

 

「バトルフェイズに移行!【時械神ミチオン】で裏側守備モンスターに攻撃!」

 

時械神ミチオン ★10 ATK0

vs

裏側守備モンスター → 墓守の番兵 DEF1900

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF1900→2400

 

「ふっ、攻撃されてリバースしたこの瞬間に【墓守の番兵】のリバース効果が発動する!【時械神ミチオン】を手札に戻すといい!」

 

【墓守の番兵】

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1000/守1900

リバース:フィールド上の相手モンスター1体を持ち主の手札に戻す。

 

「【墓守の番兵】のモンスター効果は、相手モンスター1体を対象に取る効果だ。【神縛りの塚】により【時械神ミチオン】を対象に取ることはできず、その効果は不発だ。更に【時械神ミチオン】の戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる」

 

「なんだと!?」

 

「バトルフェイズを終了。ここで【時械神ミチオン】の効果発動!相手のLPを半分にする!」

 

「うおぉぉぉっ!」

墓守の長 LP:4000→2000

 

「メインフェイズ2に移行。私はカードを1枚セットして手札から魔法カード【命削りの宝札】を発動!デッキから3ドロー!」

ハノイ 手札:2→1→0→3枚。伏せカード;0→1枚

 

【命削りの宝札】

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。

(1):自分は手札が3枚になるようにデッキからドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。このターンのエンドフェイズに、自分の手札を全て墓地へ送る。

 

「私は更にカードを2枚セットしてターンエンド!エンドフェイズに【命削りの宝札】の効果により手札の【時械神ラフィオン】を墓地に送る」

ハノイ 手札:3→1→0枚。伏せカード;1→3枚

 

 

◆ハノイの騎士(白河クロト) LP:4000、手札:0枚。伏せカード:3枚。フィールド魔法:1枚。

 

<ハノイのフィールド>

時械神ミチオン ★10 ATK0

 

vs

 

◆墓守の長 LP:2000、手札:2枚。伏せカード;1枚。フィールド魔法:1枚。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF2400

 

 

「戦闘・効果で破壊できないモンスターが、効果の対象にもならなくなるとは…」

 

「サレンダーするのか?」

 

「ぐっ、否だ!ワシのターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

墓守の長 手札:2→3枚。

 

「ワシは手札からモンスターを裏側守備表示でセット!」

墓守の長 手札:3→2枚。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF2400

裏側守備表示モンスター

 

「ワシはこれでターンエンド!」

 

「エンドフェイズに伏せカードの罠カード【砂塵の大嵐】を発動!【王家の眠る谷-ネクロバレー】と伏せカードを破壊する!」

ハノイ 伏せカード:3→2枚。

 

【砂塵の大嵐】

通常罠

このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

(1):フィールドの魔法・罠カードを2枚まで対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

「ネクロバレーが!?」

墓守の長 フィールド魔法:1→0枚。伏せカード:1→0枚。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF2400→1900

裏側守備表示モンスター

 

破壊した伏せカードは【降霊の儀式】だったか。墓地に対象となるモンスターが居なかったから発動できなかったんだな。

 

 

◆ハノイの騎士(白河クロト) LP:4000、手札:0枚。伏せカード:2枚。フィールド魔法:1枚。

 

<ハノイのフィールド>

時械神ミチオン ★10 ATK0

 

vs

 

◆墓守の長 LP:2000、手札:2枚。伏せカード;0枚。フィールド魔法:0枚。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF1900

裏側守備表示モンスター

 

「私のターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイフェイズに移行。このタイミングで【時械神ミチオン】はデッキに戻る。そしてメインフェイズへ移行!」

ハノイ 手札:0→1枚。

 

<ハノイのフィールド>

モンスター無し

 

「伏せカードの永続罠【メタル・リフレクト・スライム】を発動!【メタル・リフレクト・スライム】を守備表示で特殊召喚する!」

ハノイ 伏せカード:2→1枚。永続罠:0→1枚。

 

【メタル・リフレクト・スライム】

永続罠

(1):このカードは発動後、効果モンスター(水族・水・星10・攻0/守3000)となり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する。このカードは罠カードとしても扱う。

(2):このカードの効果で特殊召喚されたこのカードは攻撃できない。

 

<ハノイのフィールド>

メタル・リフレクト・スライム ★10 DEF3000

 

「更に【メタル・リフレクト・スライム】をリリース!EXデッキから【神・スライム】を特殊召喚する!」

ハノイ 永続罠:1→0枚。

 

<ハノイのフィールド>

神・スライム ★10 ATK3000

 

【神・スライム】

融合・効果モンスター

星10/水属性/水族/攻3000/守3000

水族モンスター+水属性・レベル10モンスター

このカードは融合召喚及び以下の方法でのみEXデッキから特殊召喚できる。

●自分フィールドの攻撃力0の水族・レベル10モンスター1体をリリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる。

(1):モンスターをアドバンス召喚する場合、このカードは3体分のリリースにできる。

(2):このカードは戦闘では破壊されず、相手は「神・スライム」以外の自分フィールドのモンスターを、攻撃対象に選択できず、効果の対象にもできない。

 

「融合モンスターを【融合】無しに特殊召喚!?」

 

「まだだ!【神・スライム】をリリース!」

 

その者、降臨せしむれば、灼熱の疾風大地に吹き荒れ、生きとし生ける者すべて屍とならん。

 

「貴様たちに神を見せてやる。手札から【オベリスクの巨神兵】を召喚する!」

ハノイ 手札:1→0枚。

 

【オベリスクの巨神兵】

神・効果モンスター

星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000

このカードを通常召喚する場合、3体をリリースして召喚しなければならない。

(1):このカードの召喚は無効化されない。

(2):このカードの召喚成功時には、魔法・罠・神属性幻神獣族のモンスター効果以外のモンスターの効果は発動できない。

(3):このカードが特殊召喚されている場合、このカードは攻撃宣言できず、エンドフェイズにこのカードを墓地へ送る。

(4):このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、モンスター・罠カードの効果を受けない。神属性のモンスター効果は発動ターンのみ有効となる。

(5):このカードは相手の魔法カードの効果の対象にならず、効果は発動ターンのみ有効となる。(フィールド全域に及ぶ魔法の効果は通常通り受ける)

(6):1ターンに1度、自分フィールドからこのカード以外のモンスター2体をリリースする事で発動できる。相手モンスター全てを破壊し、相手プレイヤー全てに4000ポイントの効果ダメージを与える。この効果の発動と効果は無効化されず、相手ターンでも発動できる。

 

<ハノイのフィールド>

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000

 

召喚された【オベリスクの巨神兵】はその巨体ゆえに儀式場に体が収まりきらず、俺の後ろにそびえ立つようにして佇んでいる。

 

「な、なんだこの巨大なモンスターは!?攻撃力4000!?それに、この威圧感は一体何なのだ!?」

 

「モンスターではない。神だ」

 

古代エジプトっぽい墓を守っている割には【オベリスクの巨神兵】を知らないんだな。オシリスとかラーなら知っていたのかもしれない。

 

「デュエルを続行するぞ。伏せカードの永続罠【虚無械アイン】を発動!墓地の【時械神サディオン】をデッキに戻し、デッキから【無限械アイン・ソフ】をセットする!」

ハノイ 伏せカード:1→0→1枚。永続罠:0→1枚。

 

【虚無械アイン】

永続罠

(1):このカードはフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、相手の効果では破壊されない。

(2):1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●手札からレベル10モンスター1体を捨てて発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。

●自分の魔法&罠ゾーンにこのカード以外のカードが存在しない場合、自分の墓地の「時械神」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。その後、手札・デッキから「無限械アイン・ソフ」1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。

 

「バトルフェイズに移行!【オベリスクの巨神兵】で裏側守備表示モンスターに攻撃!ゴッド・ハンド・クラッシャー!」

 

オベリスクの巨神兵 ATK4000

vs

裏側守備モンスター → 墓守の偵察者 DEF2000

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF1900

墓守の偵察者 ★4 DEF2000

 

「攻撃されてリバースしたこの瞬間に【墓守の偵察者】のリバース効果が発動する!デッキより【墓守の監視者】を特殊召喚する!」

 

【墓守の偵察者】

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2000

リバース:自分のデッキから攻撃力1500以下の「墓守の」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

 

【墓守の監視者】

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1000/守1000

相手プレイヤーが自らの手札を捨てる効果を含むカードを発動した時、このカードを手札から墓地に送る事で、その発動と効果を無効にしてそのカードを破壊する。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF1900

墓守の監視者 ★4 DEF1000

 

「だが私の【オベリスクの巨神兵】が【墓守の偵察者】を戦闘破壊したことで【神縛りの塚】の効果が発動する!1000LPダメージを受けろ!」

 

「ぐわぁぁぁっ!」

墓守の長 LP:2000→1000

 

「メインフェイズ2に移行。私はこれでターンエンドだ」

 

 

◆ハノイの騎士(白河クロト) LP:4000、手札:0枚。伏せカード:1枚。永続罠:1枚。フィールド魔法:1枚。

 

<ハノイのフィールド>

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000

 

vs

 

◆墓守の長 LP:2000、手札:2枚。伏せカード;0枚。フィールド魔法:0枚。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF1900

墓守の監視者 ★4 DEF1000

 

 

「あのようなモンスターにどうやって勝てというのだ…!?」

 

「サレンダーするのか?」

 

「ぐっ…否だ!ワシのターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

墓守の長 手札:2→3枚。

 

「ワシは手札から【墓守の司令官】の効果を発動!このカードを墓地に送り、デッキから【王家の眠る谷-ネクロバレー】を手札に加える!」

墓守の長 手札:3→2→3枚。

 

「このタイミングで伏せカードの永続罠【無限械アイン・ソフ】を発動!【虚無械アイン】を墓地に送り、墓地から【時械神ラツィオン】をデッキに戻し、デッキから【無限光アイン・ソフ・オウル】をセットする!」

ハノイ 伏せカード:1→0→1枚。永続罠:1→0→1枚。

 

【無限械アイン・ソフ】

永続罠

自分の魔法&罠ゾーンの表側表示の「虚無械アイン」1枚を墓地へ送ってこのカードを発動できる。

(1):このカードは1ターンに1度だけ相手の効果では破壊されない。

(2):1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●自分・相手のメインフェイズに発動できる。手札から「時械神」モンスター1体を特殊召喚する。

●自分の墓地の「時械神」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。その後、手札・デッキから「無限光アイン・ソフ・オウル」1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。

 

「ワシは手札からフィールド魔法【王家の眠る谷-ネクロバレー】を発動!」

墓守の長 手札:3→2枚。フィールド魔法:0→1枚。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF1900→2400

墓守の監視者 ★4 DEF1000→1500

 

「ワシは手札からモンスターを裏側守備表示でセット!」

墓守の長 手札:2→1枚。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF2400

墓守の監視者 ★4 DEF1500

裏側守備表示モンスター

 

「更にワシは伏せカードを1枚セットしてこれでターンエンド!」

墓守の長 手札:1→0枚。伏せカード:0→1枚。

 

 

◆ハノイの騎士(白河クロト) LP:4000、手札:0枚。伏せカード:1枚。永続罠:1枚。フィールド魔法:1枚。

 

<ハノイのフィールド>

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000

 

vs

 

◆墓守の長 LP:2000、手札:1枚。伏せカード;1枚。フィールド魔法:1枚。

 

<墓守の長のフィールド>

墓守の番兵 ★4 DEF2400

墓守の監視者 ★4 DEF1500

裏側守備表示モンスター

 

 

あの裏側守備モンスターは【墓守の従者】だろうな。

 

伏せカードが気になるところだが、ここは攻めるべきだろう。

 

「私のターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

ハノイ 手札:0→1枚。

 

「私は手札から【時械巫女】を召喚!」

ハノイ 手札:1→0枚。

 

【時械巫女】

効果モンスター

星1/光属性/天使族/攻 0/守 0

(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):「時械神」モンスターをアドバンス召喚する場合、このカードは2体分のリリースにできる。

(3):このカードをリリースして発動できる。デッキから攻撃力0の「時械神」モンスター1体を手札に加える。

(4):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから攻撃力0の「時械神」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分はこの効果以外ではモンスターを特殊召喚できない。

 

<ハノイのフィールド>

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000

時械巫女 ★1 ATK0

 

「私は【時械巫女】の効果発動!このカードをリリースしてデッキから【時械神ザフィオン】を手札に加える!」

ハノイ 手札:0→1枚。

 

<ハノイのフィールド>

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000

 

「ここで永続罠【無限光アイン・ソフ】の効果を発動!手札から【時械神ザフィオン】を特殊召喚する!」

ハノイ 手札:1→0枚。

 

<ハノイのフィールド>

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000

時械神ザフィオン ★10 ATK0

 

【時械神ザフィオン】

効果モンスター

星10/水属性/天使族/攻 0/守 0

このカードはデッキから特殊召喚できない。

(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードはリリースなしで召喚できる。

(2):このカードは戦闘・効果では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(3):このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に発動する。相手フィールドの魔法・罠カードを全てデッキに戻す。

(4):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。

(5):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードを持ち主のデッキに戻す。

 

「バトルフェイズに移行!【オベリスクの巨神兵】で【墓守の番兵】に攻撃!ゴッド・ハンド・クラッシャー!」

 

オベリスクの巨神兵 ATK4000

vs

墓守の番兵 DEF2400

 

「リバースカードオープン!罠カード【聖なるバリア -ミラーフォース-】発動!相手攻撃表示モンスターをすべて破壊する!」

墓守の長 伏せカード:1→0枚

 

【聖なるバリア -ミラーフォース-】

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

「神に罠など効かん」

 

神のカードたる【オベリスクの巨神兵】はミラーフォースを粉砕し、そのまま【墓守の番兵】を殴り倒す。

 

「私の【オベリスクの巨神兵】が【墓守の番兵】を戦闘破壊したことで【神縛りの塚】の効果が発動する!1000LPダメージを受けろ!」

 

「ぬわぁぁぁっ!」

墓守の長 LP:1000→0

 

 

「対戦、ありがとうございました」

 

~~~

 

デュエルが終わると、墓守の長がその場に崩れ落ちる。闇のデュエルによるダメージが蓄積したのかもしれない。

 

「「「「長!?」」」」

 

倒れた墓守の長の元へ他の墓守の精霊たちに駆け寄る。そして他の精霊たちに支えられ、墓守の長が何とか立ち上がる。

 

ダイレクトアタックこそなかったものの、闇のデュエルで神の攻撃を間接的に受けたというのに、ガッツのあるオッサンだな。

 

「若者よ、見事なデュエルだった」

 

「それはどうも」

 

「今まで、この試験を乗り越えた人間は1人しかいなかった。しかし、その者もお前の様に圧倒的な力を秘めてはいなかった…試練を乗り越えたお前にこれを渡そう」

 

墓守の長はそう言いながら自身が身に着けている半分に欠けた首飾りをこちらに渡してくる。

 

半分に別れているのに現時点で俺が作ったオカルトネックレスよりも遥かに強力な魔力を感じる首飾りだ。よく見れば、この世界に転移することになった円形の遺物と似たようなの文様が刻まれており、その中央付近には赤紫の宝玉が付いている。

 

これは、アニメGXで遊城十代が墓守の長から授かった首飾りだな。

 

「残りの半分は、先に試練を乗り越えたもう一人の男が持っている。お前が再び闇のデュエルを戦わざるを得なくなった時、そのアイテムがきっと力を与えてくれるだろう」

 

これが無くても俺には師匠たちが作ってくれたブレスレットがあるから、多分何とでもなるんだろうが、一応貰っておこうかな。

 

「最後に一つ、私よりも先に試練を突破した者のことを聞いても良いか?」

 

俺は貰った首飾りをポケットにしまいつつ、デュエル前から気になっていたことを聞いてみた。

 

「ふむ、良かろう。その男はお前と同じように黒い仮面を付けており、自らをダークネスと名乗る黒き竜の使い手であった」

 

ダークネスねぇ。大方、セブンスターズに奪われたダークネスの仮面を無理やり付けられて影丸たちに利用されている男性ってところだろうな。

 

もし、闇イソノやその黒幕の方のダークネスが相手だったならば、この世界の精霊は全滅しているだろうからな。

 

「さぁ、仲間の精霊たちと共に元の世界へと戻るが良い」

 

「そうさせてもらおう。ちなみにどうやって帰ればいいんだ?」

 

「天の三つの光、一つに重なり、光の膜が現れる前に王家の墓の前より出でよ」

 

墓守の長はしたり顔でそう答え、隣に控えている墓守の暗殺者もうなずいている。

 

いや、ちゃんと教えてくれよ。知ってるからいいんだけどさ。

 

「分かった。では、世話になったな」

 

そう答えて俺は彼らと別れ、王家の墓の入り口にある門へと向かって歩いて行く。

 

道中にふと周囲を見てみると、墓守の長や墓守の暗殺者以外の他の墓守の精霊が俺を遠巻きにこちらを見ていた。だが、畏怖の表情を浮かべるばかりでこちらに危害を加えようとする様子はない。

 

どうやら先ほどの神の召喚がよほど堪えたようだな。神はともかく俺自身は墓守の精霊5体くらいを相手取ると軽く死ねると思うので非常に助かる。そのまま俺が元の世界に帰るまでは勘違いしてビビっていてくれよ。

 

「ギリギリ間に合ったな」

 

俺は門の前に辿り着くと同時に空を見上げれば、3つの太陽のような光は1つに収束を始めて景色が歪んでいく。足元からは緑色の光の柱が何本も現れ始め、その光はこちらに飛ばされた時のように俺を呑み込んでいった…。

 

~~~

 

気が付くと、俺は遺跡の門の前で倒れていることに気付いた。転移の際に気を失っていたようだ。俺が墓守の世界に飛ばされたのは夕方だったが、辺りはすっかり暗くなっていて夜になっている。

 

何でいちいち気を失わないといけないんだよ。この転移システムは欠陥品だろ。製作者に文句を言ってやりたくなる。

 

そしてふと見上げると、満月を背景にして不機嫌そうな表情のレインが俺を見下ろすように目の前に立っていた。彼女の銀髪が月の光に照らされてなかなかに幻想的な姿になっている。

 

それよりも、この位置からだとスカートの中が見えそうなので、もう少し立ち位置を考えて欲しい。俺も一応男なので、つい視線が…。

 

「…!?」

 

こちらの視線に気付いたのか、レインはスカートを抑えて一歩下がり、ゴミを見るような眼で見てくる。

 

「…不埒」

 

「いやいや、見てないから」

 

俺は彼女の罵倒を軽く流して立ち上がり、彼女を放置してアカデミアへの道を歩き出す。そうするとレインは俺の隣を歩き始め、こちらに質問を投げ掛けて来る。

 

「…詳細を」

 

彼女は墓守の世界への転移に巻き込まれなかったようで、墓守の世界に飛ばされた後の経緯を問われた。

 

そう言えば、墓守の世界でも彼女の監視が続いている可能性を考慮し忘れていた。危ない危ない。

 

答える義務はないし答えなくてもいいのだが、俺の監視が任務でもあるので、こういう時の彼女は絶対に折れないし妥協しない。延々と聞かれ続けるのは目に見えている。

 

そんな面倒なことになるのは御免なので、墓守の世界に飛ばされた後の出来事をザックリと話した。なお、墓守の長とデュエルした時に使用したデッキに関してはボカしてある。

 

【時戒神】は彼女のマスターであるZ‐ONEが使用するテーマだ。Z‐ONEはイリアステル幹部にすら自身のデッキの詳細を話していなかったはずなので、彼女が【時戒神】を知っているかは微妙なラインだが、面倒は少ない方がいいからな。

 

「…?」

 

一通り話し終わった後、レインは俺の手元にある円形の遺物に目をやる。

 

「これか?これは墓守の遺跡から墓守の世界に移動するための道具だ」

 

そう。俺は例の円形の遺物を墓守の遺跡から持ち出していた。この遺物が無ければ十代もセブンスターズも墓守の世界に行くことはできないはずだ。

 

アニメGX原作だと十代は墓守の長に勝利しているが、この世界でも同様に勝利できる保証はなく、負ければ埋められてしまうからな。十代の死=俺の死なので、彼へのリスクマネジメントは手が抜けないのだ。

 

これの他にも同じものが遺跡にあった場合はどうしようもないが、俺とカードの精霊たちが遺跡をくまなく探した結果この1つしか見つかっていないので、恐らくはもう無いはずだ。

 

「これを遺跡から持ち出しておけば十代たちや他の生徒が墓守の世界に飛ばされて闇のデュエルに巻き込まれる心配もなくなるだろう?」

 

「…泥棒」

 

「あー、あー。聞こえないー」

 

レインが非難の視線を送ってくるが、無視だ無視。とりあえずこの遺物は海にでも投げ捨てておこう。

 

海に捨ててもある程度の捨てた場所さえ覚えておけば、何らかの理由で後からこの遺物が必要となった場合でもアクエリアに頼めばサルベージしてもらえるし、普段から持っていても邪魔だしな。

 

~~~

 

翌日の昼、購買部入り口で変形した防火シャッターの修理が行われる中、ドローパン売り場に遊城十代やコナミと一緒に並んでドローパンを選んでいるオベリスクブルーの制服を着たオカッパの筋肉ムキムキ男が居た。なんだか既視感が…。

 

「トメさん!黄金の卵パン、まだ出てないよね?」

 

「あぁ。まだだよ。頑張って」

 

「良し!オレが当てる!」

 

「いや、オレが当てるね!」

 

十代たちと購買部のトメさんの会話を聞きながら、ようやくその光景に見覚えが有る理由を思い出した。

 

あぁ、そう言えばそろそろドローパン泥棒の大山平のイベントが発生する頃合いだった。あの様子だと、事件は無事に解決したらしいな。黄金の卵パンなんて今まで一度も縁が無かったから、このイベントは完全に忘れていたな。

 

大山平が破壊したであろう防火シャッターは、荷物搬入の際に壊してしまったということになっている。多分、トメさんの機転による嘘だろう。

 

ただ、ドローパン泥棒の被害者である購買部のトメさんが許している上に人的被害が無いなら別に言及する必要はないかな。俺は別に倫理委員会のメンバーじゃないしさ。

 

うん?待てよ?となるとこの後の展開は…スマホ構えとこ。

 

「当たった!黄金の卵パン!嬉しぃ~!うふふっ!やったぁー!」

 

十代たちがドローパン売り場でパンを選んでいる最中、その正面に立っていた天上院明日香が黄金の卵パンを引き当てて大はしゃぎしていた。

 

普段のクールな姿から想像もできないはっちゃけた姿に周りの人間は呆然としている中、俺はその光景をスマホで動画保存し続けた。

 

そして、面白い映像を取れた喜びを共感してもらう為に、吹雪さんと亮さんにその動画を転送し、明日香のテンションが落ち着いた頃を見計らってから明日香にも転送しておいたのだった…。




墓守の世界に関しては、アニメGXのシナリオにおいて吹雪の登場フラグと、十代が闇のデュエルに対抗するための首飾りの入手のために必要でした。

ですが、本作では吹雪は既にアカデミアに帰還しており、闇のデュエルもオリ主は単体でこなせてしまう為、セブンスターズの調査&妨害と十代たちに闇のデュエルをさせないために、オリ主は墓守界転移フラグを叩き折りました。

ついてに、サラ(墓守の暗殺者)と吹雪さんのフラグも叩き折ることになりました。

オリ主のデッキは【時械神】です。ただ、異世界で羽目を外せたのでつい神のカードをピン刺ししていました。

墓守の長のデッキは【墓守】です。本来なら【王家の眠る谷-ネクロバレー】による墓地封じからのビートダウンを行う厄介なデッキですが、相手のデッキが悪かったですね。

なお、同時刻の十代たちは半裸のドローパン泥棒男とデュエルをしていた模様。

次回の更新は4/14(水) AM7:00予定です。

Skazka Priskazka様、暇人game様、c+java様、誤記報告ありがとうございます。修正しました。

斎王琢磨の運命力は?

  • 原作遵守。強化万丈目に瞬殺される。
  • 原作微強化。強化万丈目を苦戦させる。
  • 原作大強化。強化万丈目を瞬殺する。
  • 原作超強化。ずっと私のターン!
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