【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~   作:嘘つき熊さん

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前回のあらすじ:1キル返しのクリスマス

デュエルは有りますが、ほどんど一方的な展開です。


第百五十三話 女神のお年玉

 ふと目が覚めると、そこは辺り一面が白い部屋だった。そしてその部屋の中央には、こたつに入った金髪碧眼の美女である転生の女神の姿があった。

 

 白銀の翼を持つボンキュッボンボディの絶世の美女が古代ローマ人が来てそうな白い一枚布を纏った服(トガって言うんだっけ)と言う本来なら色っぽい服装のはずなのだが、その姿のままこたつに入っているせいで違和感しか覚えない。

 

 いやいやいや、俺は孤児院の連中と共に年越しを行い、新年の挨拶をした後に眠りについたはずだ。つまりこれは…どういうことだってばよ?

 

「お久し振りですね」

「…えぇ、そうですね」

 

 女神がこたつに入って手元のミカンの皮をむきながら話しかけてきた。なんとか返事を返したものの、まだ現状把握が追い付かない。

 

 ここは何処で、俺は何故ここに居るのか?考えが纏まらない。

 

「ここは貴方の夢の中です。貴方や私がここに居るのは、私が貴方の夢の中にお邪魔しているからですよ」

「当たり前の様に人の頭の中を読むの止めてくれませんかね?」

 

 こちらの混乱具合を把握したらしく、女神が微笑みながらこちらの疑問への答えを返してきた。

 

 どうやらそういうことらしい。つまりこれが俺の今年の初夢ってことか?嘘だろ?

 

「ほら、貴方もそんなところに立っていないでこたつに入りませんか?」

「それじゃあお言葉に甘えて…失礼しますよ」

 

 この空間では暑さも寒さもほとんど感じないのだが、俺だけ立ちっぱなしで居るのが何となく悔しかったのでこたつに入ることにした。

 

 おっ、掘りごたつか。前世の友人の家にあったな。小さい頃にやったかくれんぼでは人気の隠れスポットだったなぁ。

 

「ミカンありますよ。食べます?」

「その皮だけ残ったそれをミカンと言い張りますか」

 

 こたつの上には女神が食い散らかしたミカンの皮、熱々のお茶が入った湯呑が1つ。

 どうやらミカンもお茶も俺にくれるつもりは無いらしい。

 

「今回、貴方の夢にお邪魔したのには訳がありましてね」

「はぁ…」

 

「見事に三幻魔編を乗り切った貴方に、私からお年玉を上げようと思ったのですよ」

「えっ、マジですか?」

 

 この世界に転生してから十年以上経ったが、今までそんなことを言ってきたりはしなかったんだが…。

 第一、三幻魔の事件とかもう半年前だから、本当に今更…って感じしかしないぞ。

 

 貰える物は貰いたいが、この女がらみのことって大体ロクな内容じゃないだろしなぁ…。

 

「ただし、条件があります」

 

 女神がそう言い終えると同時にこたつの上に手をかざす。すると淡い光に包まれてこたつの上にあったミカン(皮のみ)と湯呑(中身無し)が跡形もなく消え去った。

 そしてそれらの代わりに現れたのは…デュエルディスクと1つのデッキだった。

 

「私とデュエルしましょう」

「そんなことだと思いましたよ」

 

 遊戯王の世界だからね。

 

~~~

 

 辺り一面が真っ白な部屋にて転生の女神と向き合い立つと、いつの間にか俺と女神の左腕にはソード型のデュエルディスクが装着されていた。

 

「このままデュエルを始めるには、この部屋は殺風景ですね」

 

 周囲を見回した女神が指をパチン!と鳴らすと、真っ白だった部屋が星空を散りばめたような部屋に一変した。

 

 まるで宇宙空間に浮いているような錯覚を起こしそうだ。ふと思い出したが、デュエルリンクスのフリーデュエルであった背景にそっくりだな。

 

「まさかアンタとデュエルすることになるとは思いませんでしたよ」

「ふふっ、手加減は不要ですよ?」

 

 俺に前世OCGカードを全て渡してきたような相手に手加減なんてできるとは思っていないし、するつもりもない。

 

 前世で死んでしまった俺を転生させてくれたことやチート能力を貰ったことには感謝している。

 だが、せっかくの遊戯王ワールドをあんなとんでもない状態にしてくれたのには少々思うところがあるので、遠慮なくぶちのめさせてもらうつもりだ。

 

「でも、せっかくだからあの世界では使えないデッキとか使ってみたいよな」

 

 デュエルディスクの性質上、リンクモンスターは使えなさそうだが、あの世界では存在しないサイバース族メインのデッキを使ってみたい。【斬機】辺りにしようかな。

 

 

「「対戦、よろしくお願いします」」

 

 挨拶は大事だ。古事記にもそう書いてあるはず。

 

 

「「デュエル!」」

 

 

◆白河クロト LP:4000 手札:5枚。

 

vs

 

◆転生の女神 LP:4000 手札:5枚。

 

 

「先攻は私が貰います。ドローフェイズ、ドロー」

女神 手札:5→6枚。

 

 俺と同じカードプールを持つ相手に先攻を取られた上にドローまでされるとか、不利すぎると思う。せめて先攻ドローは止めて欲しかったなぁ。

 

「私は手札から魔法カード【バンデット~盗賊~】を発動しますよ」

女神 手札:6→5枚。

 

「ちょっ!?おぃぃぃ!」

 

 OCGカードプールどころか未OCGカードとかも使ってくるのかよ!?

 

【バンデット~盗賊~】※漫画オリジナルカード

通常魔法

①:相手の手札を全て確認し、その中から1枚選択して自分の手札に加える。

 

<クロトの手札>

①斬機ナブラ

②斬機方程式

③サイバネット・マイニング

④灰流うらら

⑤無限泡影

 

「貴方の【灰流うらら】を貰いますね」

女神 手札:5→6枚。

 

「くそっ!仮にも女神が使うカードとは思えないな!」

クロト 手札:5→4枚。

 

 まさか、『黄泉天輪ホルアクティ』とかやってくるつもりじゃないだろうな!?

 

「ふふっ、心配しなくてもあんな有名なコンボは使いませんよ」

 

「そもそもカードゲームで平然と心読んでくるの止めろや!」

 

 DM時代の王国編で、海馬瀬人がペガサスに挑んだ時の心境がちょっとだけ理解できたな。

 相手の心を読んで来てあらゆるカードを使いこなす相手とか、どうやって戦えばいいんだって話だよ。

 

「私は手札から魔法カード【絶望の宝札】を発動しますね」

女神 手札:6→5枚。

 

「いやいやいや!それは反則だろ!!」

 

【絶望の宝札】※漫画オリジナルカード

通常魔法

①:自分のデッキからカードを3枚選んで手札に加える。それ以外のカードは全て墓地へ送る。

 

<女神が手札に加えたカード>

①光の創造神 ホルアクティ

②ソウル・チャージ

③貪欲な壺

 

女神 手札:5→8枚。

 

「そのサーチカードは…【黄泉転輪】使わないだけでやること同じじゃねーか!」

 

「はて?なんのことやら…私は手札から魔法カード【ソウル・チャージ】を発動して墓地の三幻神を呼び出しますね」

女神 手札:8→7枚。

 

【ソウル・チャージ】

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

(1):自分の墓地のモンスターを任意の数だけ対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、自分はこの効果で特殊召喚したモンスターの数×1000LPを失う。

 

<女神のフィールド>

オシリスの天空竜 ★10 ATK7000

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000

ラーの翼神竜 ★10 ATK0

 

女神 LP:4000→1000

 

 当然、呼び出すのはアニメ仕様の三幻神か。特殊召喚できないラーなんて居なかったんや…。

 

「そして今、女神の名の下に神を束ねる!」

 

「原作の名言を汚すな」

 

「フィールドの三幻神をリリースして、手札から【光の創造神 ホルアクティ】を特殊召喚します」

女神 手札:7→6枚。

 

【光の創造神 ホルアクティ】

効果モンスター

星12/神属性/創造神族/攻 ?/守 ?

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上の、元々のカード名が「オシリスの天空竜」「オベリスクの巨神兵」「ラーの翼神竜」となるモンスターをそれぞれ1体ずつリリースした場合のみ特殊召喚できる。

このカードの特殊召喚は無効化されない。

このカードを特殊召喚したプレイヤーはデュエルに勝利する。

 

<女神のフィールド>

光の創造神 ホルアクティ ★12 ATK?

 

 

「【光の創造神 ホルアクティ】の効果により、私はデュエルに勝利します♪」

 

 

『ジェセル!』

 

 

「何も出来ない間に負けた…」

 

 先攻1ターンキルなんて前世でも時々あったけれど、心を読んでピーピングして来る上にぶっ壊れ性能のアニオリカードまで使ってくるとか、こんなんどうやって勝てって言うんだよ…。

 

~~~

 

 その後も何度かデュエルしたのだがその度にぶっ壊れのアニオリカードを使われて先攻1ターンキルを食らう羽目になった。

 

「私の先攻、ドロー。あっ、【封印されしエクゾディア】シリーズが揃いましたので私の勝ちです♪」

「ふざけんな」

 

 そもそも女神は初期手札を操作することも容易くできるらしく、まともなゲームにすらならなかった。初手エクゾとかどうやって防げばいいんだ…。

 

~~~

 

 こちらも対抗してホルアクティをデッキに仕込んで対抗しようとすると…。

 

「私は手札から【ライオウ】を召喚します」

女神 手札:6→5枚。

 

<女神のフィールド>

ライオウ ★4 ATK1900

 

【ライオウ】

効果モンスター

星4/光属性/雷族/攻1900/守 800

このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事はできない。

また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送る事で、相手モンスター1体の特殊召喚を無効にし破壊する。

 

「そして手札から魔法カード【天声の服従】を発動しますよ」

女神 LP:4000→2000、手札:5→4枚。

 

「!?」

 

「貴方のデッキから【光の創造神 ホルアクティ】を私のフィールドに召喚条件を無視して攻撃表示で特殊召喚しますね♪」

 

「あぁぁぁぁぁっ!流石にデッキピーピングは止めろやぁぁぁっ!」

 

【天声の服従】

通常魔法

(1):2000LPを払い、モンスターカード名を1つ宣言して発動できる。

相手は自身のデッキを確認し、宣言されたモンスターがあった場合、その内の1体をお互いに確認し以下の効果から1つを選択して適用する。

●確認したカードを、このカードを発動したプレイヤーの手札に加える。

●確認したカードを、このカードを発動したプレイヤーのフィールドに召喚条件を無視して攻撃表示で特殊召喚する。

 

「【光の創造神 ホルアクティ】の効果により、私はデュエルに勝利します♪」

 

『ジェセル!』

 

 デッキピーピングにより戦術がバレ、【光の創造神 ホルアクティ】をピンポイントで逆利用されると言う地獄が待っていた。

 

~~~

 

「私は永続魔法【魔力の布施】を発動します。発動処理として1000LP回復しますよ」

女神 LP:4000→5000、手札:6→5枚。

 

【魔力の布施】※アニメオリジナルカード

永続魔法

このカードの発動時の処理として、自分は1000LP回復する。

ターンプレイヤーは自分のメインフェイズ時に魔法カードの発動枚数を宣言して発動する。その枚数1枚につき互いに500LP回復する。

宣言枚数に足りない場合、ターン終了時に1000ダメージを受ける。

 

「そして【魔力の布施】の効果発動。魔法カードの発動枚数は…とりあえず1億枚にしておきます」

 

「はっ?」

 

「【魔力の布施】の効果でお互いに500×1億ポイントのライフ回復ですね」

 

女神 LP:5000→50000005000

 

クロト LP:4000→50000004000

 

「ライフポイント500億!?ビートダウンによるデュエル勝利の道が消えた…!?」

 

 その後、エクゾディアを揃えられて敗北した。

 

~~~

 

「私は手札から魔法カード【運命の宝札】発動しますね」

女神 手札:6→5枚。

 

「おい」

 

【運命の宝札】※アニメオリジナルカード

通常魔法

サイコロを1回振り、出た目の数だけ自分のデッキからカードをドローする。

その後、出た目の数だけデッキの一番上からカードをゲームから除外する。

 

「ダイスロール、当然、最大値。デッキから6ドローしてデッキトップから6枚除外しますね」

女神 手札:5→11枚。

 

「インチキドローも大概にしろ」

 

「あっ、手札に【封印されしエクゾディア】シリーズが揃いました♪」

 

「クソが」

 

 当たり前の様にエクゾディアを揃えられて敗北した。

 

~~~

 

 俺は1勝どころか1ドローすることすら出来ずに先攻1ターンキルを連発され続けた。

 

「先攻1ターンキル率100%とか、もう一人で壁とデュエルしてろよ…」

 

 俺も幼少期は自重せずに色々な先攻1ターンキルを仕掛けた身なのであまり強く文句も言えない立場だが…これは流石に酷くない?

 

~~~

 

「ガッチャ。楽しいデュエルでしたね」

「原作の名言を汚すなクソ女」

 

 俺を散々ボコって満足したクソ女は清々しい表情で十代のモノマネしている。

 やはり十代の様に勝ち負けに拘らずデュエルを楽しめるような奴じゃないとあのセリフは似合わないな。

 

「さて、私も満足させてもらいました。約束通りお年玉を上げましょう」

「はぁ?」

 

 そう言えば…『私とデュエルしましょう』と言われただけで、『私に勝て』とは言われてなかったな。

 

「以前、貴方にはOCG化されているカード全般とおまけのカードをいくつか渡しましたね」

「えぇ、そうですね」

 

 忘れるわけがない。あのカードあるからこそこのデュエル重視の世界で俺のようなモブキャラがネームドキャラに肩を並べられるわけだからな。

 

「前に渡したのは前世の貴方が手にする機会があったカードでしたが、貴方の死後もOCGカードは増え続けています」

「はい」

 

 女神が空へと手をかざすと俺の目の前に何枚かのカードが現れた。どれも見たことのないカードだ。

 

「今回は貴方の死後に増えたカードを与えてあげようと言うわけです。いわゆるアップデートですね」

「マジですか」

 

 転生特典と言うか、チート能力のアップデートとかアリなのか?

 いや、変にケチ付けて貰えなくなっても面白くないし、このまま黙っていよう。

 

「さぁ、受け取りなさい」

「ありがとうございます。ありがたく頂戴します」

 

 あの世界は俺や他世界統合の影響により原作アニメよりも遥かにカードプールの更新が早くなっている。

 何せまだ光の結社編に突入していないにも関わらずシンクロ・エクシーズ・ペンデュラム召喚が存在する世界だ。大体俺の所為だけどさ。

 

 そう遠くないうちに俺の持つカードプールに追い付いてくるだろうと危惧していたが、カードプールのアップデートを貰えるとは素直にありがたいな。

 

「へぇ~、儀式ペンデュラムなんて出たんだ。他には…こ、これは!?ブラック・マジシャン・ガールの新規イラスト!!」

 

 女神が渡してきたカードはどれも強力なものであったが、それよりも個人的に嬉しかったのが漫画版ブラックマジシャンガール再現のイラスト違いカードが入っていたことだ。

 幼少期にペガサスに頼んで褐色バージョンの方は作って貰ったが、まさか色白バージョンが前世で登場していたとは…このカードを貰えただけでも今回サンドバックにされた甲斐があったな!

 

「貴方の物語とあの世界の結末には興味があります。簡単に死なないで下さいね?」

「色々と台無しだよ」

 

「渡したカードを上手く使い、末永く私を楽しませて下さい。期待していますよ?」

 

 そう言い残すと女神は俺の前から姿を消し、それと時を同じくして周囲の景色が歪み始めた。どうやらこの夢が終わりを迎えようとしているらしい。

 

「転生してから最悪な初夢だったけれど、得るものは多かったな」

 

 目が覚めたらコナミに今回貰ったカードを自慢しに行こう。俺は目を覚ますまでのそんなことを考えていたのだった。




今後、ホルアクティを使用する機会がなさそうだったので、他で使用機会が無さそうなぶっ壊れアニオリカードの紹介も含めて登場させてみました。

殆ど触れられなかった【斬機】テーマデッキについてはどこか別のタイミングで出そうと考えています。

次回の更新は1月下旬予定です。

メイン弓様、オメガモンX抗体様、誤記報告およびデュエル展開ミスのご指摘をありがとうございました。修正しました。

未完の本作の今後の扱いについて

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