【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~ 作:嘘つき熊さん
今回はデュエル無しのストーリー補足回です。
学園対抗デュエル初日が終了し、各校の代表選手たちが島外にある宿泊施設へと船で戻っていくのを船着場近くの崖から確認した後、俺はデュエルアカデミア本校へと足を向けていた。
せっかくアニメ第三期に登場する重要人物が1年早くやって来ているので、色々と動向を調査しておこう、と言うわけでカードの精霊たちには島中に散ってもらって情報を集めて貰っている。
そんな彼らとの合流ポイントとしている本校舎へ急ぐ中、ヨハン達留学生組よりも気がかりになっている人物たちについて思考を巡らせている。
恐らくは女神による世界改変と俺と言うイレギュラーが居ることによる世界への影響を大きく受けたであろう三人だ。
まず一人目はウエスト校の引率教師であるプロフェッサーコブラ。
「以前にも見かけたが、いつ見てもスゲー髪型だよな」
通称『本田レベル100』と言われたりする天を突くような尖ったリーゼントのような髪型をしており、黒髪に太いモミアゲ、鋭い眼に割れたアゴと言うコワモテであり、筋肉質で引き締まった浅黒い肌の上に紫色のアカデミア教師服を着た男だ。
そして、アニメ原作では、元軍人で現アカデミア教師であり、過去に交通事故で失った養子を生き返らせるためカードの精霊ユベルの復活を目論んで第三期の騒動の戦端を開いた人物だ。
平日の夕方にアモン・ガラムと共に半裸になって立派な筋肉を曝け出し、そのままリアルファイトに突入すると言う謎シーンを視聴者に見せつけた人物でもある。
次に同じくウエスト校に所属する1年生のリック。
「夏休みにもハノイの騎士として会ってはいたが、どうやら本当にリック本人っぽいな。何で生きているんだろうか?」
先ほどのコブラの養子であり、アニメ原作だと幼少期に交通事故で死亡している人物だ。ちなみにアニメ遊戯王には同名人物が2人ほどいる。
逆立った金髪にデュエルアカデミアの青い制服を着た童顔の少年で、一見すると何もおかしい部分はない。パっと見はゾンビとかではないと思う。多分、エドの父親の様に世界改変の影響で生き残ったのだろう。
アニメ原作では彼の死が切っ掛けでコブラはユベルの復活を目論むことになっていくわけだが、この世界では既にユベルが存在している上にリックが生きている。
もしかするとこの世界ではアニメ原作三年目の異世界編の事件は発生しないのかも知れない。いや、楽観視は出来ないか。
最後にアカデミア本校の教師である佐藤浩二。
「確か、アニオリの【スカブ・スカーナイト】ってカードを使う人だったよな」
ワカメみたいな黒い髪に丸眼鏡を掛けた暗そうな男だ。この世界の彼は、三幻魔事件の時は海外支部に出向していたらしいが、数日前に本校に戻って来ていたそうだ。
彼はアニメでは一話限りの登場なので上記二人よりは重要度は下がるが、十代に与えた影響度で言えばコブラと同じくらいだと思う。
アニメ原作では、元プロデュエリストだったがプロのタイトル戦にて体調を崩した事によりその夢に破れ、家計のためデュエルアカデミアの教師になった。
アニメ第三期では座学などで不真面目十代が授業崩壊を引き起こしており、十代に対して強い憎しみを抱いていたところをコブラに見透かされ、彼の手下となって十代と対峙することとなる。
『自分が楽しければ良い』という十代の考え方を真っ向から否定した人物であり、彼の凄惨な死に様も合わせて十代闇堕ちの一因となっている。
十代にも非はあるのだが、十代自身に注意喚起をしなかったり、明日香に『古臭い授業』と言われるなど、彼に非が無いわけではない、と言うのが前世での視聴者兄貴たちの評価だったと俺は記憶している。
アニメ原作とこの世界との立場の乖離が今後どのような影響を与えるのか、彼らの動向には気を付けておきたいところだ。
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『クロト、結局あの黒髪のツンツン頭とハゲデコ頭のオッサンは何してたんだ?』
『リュリュ~ン?』
本校舎への移動中に合流したカードの精霊のメカレオンとプチリュウの話を聞いていた際、万丈目とノース校の一ノ瀬校長らしき人物の話が出て来た。
メカレオンたちにはそれぞれ森と空から各校のお偉方(コブラ以外)の動向を探って貰っていた。
アニメGXではデュエルアカデミア本校以外のアカデミア関係者の登場人物はかなり少ない。第一期に少しだけ登場したノース校の一之瀬校長とノース校生徒数名、第二期に登場した橘一角、第三期に登場するコブラと留学生4人以外は登場しなかったはずだ。よって上記以外の連中に関してはそれほど重要視はしていなかったが、念のためという奴だ。
そしてその調査結果として、どうやらノース校の一之瀬校長が万丈目と接触して、一ノ瀬が万丈目に何か渡していたらしいことが判明した。
「多分だけど、アームドドラゴンのデッキ関係の話じゃないかな?」
元々知り合いの彼らが出会って話をすること自体に特に違和感はない。そして彼らの間で物のやり取りがあったと言えばアームドドラゴン関連だろう。どんな理由があるのかは知らないが、恐らく万丈目にアームドドラゴンデッキを託したのだろう。
つまり、アニメ原作と少し流れは違うけれど、万丈目はアームドドラゴンデッキを再び手に入れたということになるのかな?ただ、今更リメイク前のアームドドラゴンを手に入れてもな。【おジャマ】と組み合わせるにしてもリメイク後の方が断然強いからなぁ…。
『あっ、クロトだ!』
『ワイトもそう思います』
『バニー!』
夕日に照らされた校舎へ到着すると、入り口付近で同じくカードの精霊であるキーメイス、ワイト、バニーラたちと合流した。
キーメイスたちにはアニメGX第二期で起こる『アカデミアに飾られてある人形が動き出す』と言うイベントの前兆があるかどうかを確かめて貰っていた。
『今のところの話だけど、あのお人形さんには特に変化はなさそうだね~』
『ワイトもそう思いますゾ』
「そうか、ならひとまず安心かな」
『バニ~!』
アニメ本編では十代の活躍によって被害らしい被害は無かったものの、イベントの発生時期が少しズれるだけで下手をすれば死人が出かねないイベントだ。
この世界はアニメ世界と似ているようで所々違い部分が多い。今後起こりえる可能性のある面倒事は俺の手に負えそうな範囲であるうちに潰しておきたい。
「いっそのこと、今のうちに人知れずに人形を海に沈めてしまえばいいんじゃないか?」
『それは止めておいた方が良い』
学園内のラウンジに移動してソファーでくつろぎながら、ふと思いついてつい言葉に出てしまった俺の独り言に反応したのは、別件で島全体を見回って貰っていた内に一人であるエルフの剣士だった。彼の隣には彼に同行していたホーリーエルフが立っている。
「おつかれさん。どうだった?」
『特に以前と変わらない様子でしたね』
エルフの剣士とホーリーエルフの2人には、以前サルのデュエリストを研究していた研究所へと足を運んで貰っていた。
あの施設は、アニメ第三期にてプロフェッサーコブラが拠点として利用する場所であり、アニメよりも早くこの島にやって来た彼ならばこのタイミングで下見くらいするのでは?と考えたからだ。
結果から言えばその心配は杞憂に終わったようだ。彼があの施設で行う所業はシャレにならないからね。ひとまずは安心だな。
「ところで、さっき人形を海に沈めない方がいいって言ってたのはどういう理由なんだ?」
『ぷぷっ、ホントにクロトは馬鹿ね~♪』
「!?」
人の質問に対し、ニヤニヤと人を小馬鹿にしたような表情で言葉を返してきたのは、天井の壁をすり抜けて頭から宙吊り状態で現れた水の精霊アクエリアだった。
そのホラー染みた光景に内心ちょっとビビったのは内緒だ。それを指摘されると何となく悔しいので素知らぬ顔を通しておく。
『あの人形ちゃんって人間への憎悪を糧にして動き出すんでしょ?』
「そのはずだな」
アニメ原作では、使いづらいカードを使用してデュエルに負けたアカデミア生が腹いせにそのカードを破ったことで、その光景を見ていた人形アリスの心に邪なカードの精霊(なにそれ?)が入ってしまった。
それが原因でそのアリスと言う名の人形は全てのデュエリストを憎むようになり、アカデミア生に復讐しようとすると言う話だったはずだ。
『アンタは自分に危害を加えようとする人間を憎まないわけ?』
「メチャクチャ憎むだろうな」
『つまり、そういうことよ』
したり顔のアクエリアの説明を聞いて、他の精霊たちも頷いている。どうやら同意見の様だ。
つまり、どういうことだってばよ?えっ、理解していないのって俺だけなの?ちょっとだけショックだ。
その後、チクチクと馬鹿にされながらも詳しい話を聞いてみると、呪いの人形アリスが動き出す前に彼女自身に何か危害を加えようとすると自衛のために動き出すと言うことらしい。
放置しているとそのうち人間への恨みを募らせて動き出して人を襲い始め、先手を打って破壊しようとしても自衛のために動き出す呪いの人形とか、対処が面倒くさいな!呪いの人形って物理的に破壊しても再生しそうなイメージあるからなぁ。
アリスを成仏?させるにはデュエルの楽しさを教える必要があったはずだが、デュエルでボコるくらいしか出来ない俺には彼女の対応は無理そうだしな。逆に恨みを増幅させそうで怖い。
もし動き出したらアニメ通り十代に押し付けよう。もしくは女たらしのコナミ辺りで任せてしまっても良いだろう。どうせコナミの部屋には既に吸血鬼とか住み着いているわけだし、そこに呪いの人形が増えることになっても大差ないだろう。
『ルビルビ~』
誰も居ないラウンジで精霊たちと話し込んでいると、ソファーの裏から紫のリス?猫?とにかくそんな感じの小動物が顔を出した。尻尾には赤い宝石が付いており…って、コイツ、マジか。
「お前、もしかしてルビーカーバンクルか?」
『ルビ~!』
アークティック校の代表選手ヨハンの精霊の1体、【宝玉獣 ルビー・カーバンクル】がそこには居た。
前世も思ったが、コイツってポケ〇ンのエー〇ィーに似てるよな。
「おーい、ルビー!」
『ルビ~!』
そんなしょうもないことを考えていると、【宝玉獣】デッキの使い手であり、アニメGX第三期最重要人物であるヨハン・アンデルセンが現れた。
身長は十代より少し高く、十代みたいな髪型をしているがこちらは青髪であり、袖部分にフリルが付いているオベリスクブルーっぽい制服を着た青年だ。
「こんなところに居たのか。うん、お前は?」
「本校生徒1年の白河だ。よろしく、ヨハン・アンデルセン」
名を問われるかと思って先に答えておいた。『彼は自由人すぎて話が通じづらいから、要点だけを話すことにしよう』というわけだ。
もちろんこれはアニメ原作を知る俺の先入観、と言うか偏見である。彼とは初対面なので、アニメ原作とこの世界の彼との違いは現状では不明だ。
「なんだ、オレのことは知っているのか。ヨハンで良いぜ!」
朗らかで爽やかな笑顔を向けて来るヨハン。その顔にはこちらに対する害意や悪意などは微塵も感じられない。
だが、油断はできない。アニメ版はともかく、漫画版であれば彼もプラネットシリーズ所有者の1人だ。
プラネットシリーズの所持者はアースを持つ十代以外は黒幕に操られて闇のゲームを仕掛けてきたりする見える地雷なのだ。
そして、この世界に元々存在するプラネットシリーズは数年前のDD事件以降、何者かの手によって行方不明となっている。
漫画版のラスボスにしてプラネットシリーズを悪用していた黒幕のトラゴエディアは、この世界では精霊の力を持つものの(俺視点では)原作ほどの悪人ではない。
そしてその彼が作ったプラネットシリーズもこの世界ではただのカードだろうし、そもそも今の俺としてはそれほど脅威と思えるほどの性能のカードでもない。
それでも、万が一と言うこともあり得る。油断せず、なるべく無難に話を終わらせたいところだ。
「そこにいる精霊たちはお前の仲間か?」
「そうだな」
中には俺をおちょくることにしか全力を出さないメスガキとか、気付いたら俺の二の腕にかじりついている虫女もいるけどな。
「へぇ~。この学園にはオレや十代みたいに精霊を見える奴がいっぱいいるんだな!」
「そうかも」
どうやら十代にはもう出会ったようだ。たちってことは、コナミや万丈目にも会っているのかもな。
十代と会った時にはアニメ通りに「伝説って?」「あぁ!それってハネクリボー?」的な会話とかやったんだろうか?ちょっと見たかったな。
んん!?十代と会った!?つまり、ハネクリボーやネオス、そしてユベルとも会ったってことか!?
ヨハンとユベルって水と油なみに相性悪いと思うんだが、色々と大丈夫だったのか!?
「あっ、やべっ!もうこんな時間か!帰りの船が無くなっちまう!じゃあ白河、またなー!」
「えっ、あっ、はい」
そう言うと、ヨハンはルビーカーバンクルを肩に載せて走り去っていった。
十代と会った時の話を聞きそびれてしまったな。でもまぁ、多分大体はアニメ通りだろうから別にいいか。
「それにしても、ほとんど一人で喋ってたなアイツ」
嵐のような男が立ち去った後、少々気になることは出来たものの本来の用事自体は済んだ俺は自身の寮へと帰って行った。
今回は主にアニメ第二期の修学旅行編に起こるアリスイベントと第三期に起こる異世界編に関する事前調査回でした。
現在の主人公はこの世界の十代とユベルの関係性に対してあまり情報を得ていないので、『この世界のユベルは宇宙に送られたりせず、幼い頃からずっと離れずに十代と一緒に居た』と思っています。
念の為にコブラたちの動向も調査していますが、現状は光の結社編に起こるイベントに関する調査を優先しているため、今の主人公がコブラについて新たな情報を得る可能性は低めです。
次回の更新は2月中旬予定です。
戦車様、メイン弓様、誤記報告ありがとうございました。修正しました。
未完の本作の今後の扱いについて
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