【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~   作:嘘つき熊さん

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ハートランドシティ騒動のエピローグです。

そして、DM世代の一番のトンデモ人物とのデュエルとなります。

※筆者の勘違いにより、闇のゲーム状態でなくてもラーの効果でリアルダメージが入る表現となっていたので、内容を修正しました。

※ハートランドシティでのデュエルによるリアルダメージはは全てリアルソリットビジョンによるものとしているので、あちらへの修正はありません。


第五十四話 三幻神と海馬瀬人

怒涛のGW初日が終わり、深夜過ぎに帰ってきた俺に、シスターは何も聞かずに「おかえり」と出迎えてくれた。事前に帰りが遅くなることは伝えていたとはいえ、ありがたい話である。そのまま温め直してもらった遅い晩御飯を食べ、風呂に入ってそのまま就寝した。

 

今しがた目覚めて携帯端末に入っていたユーリからの連絡メールに目を通す。どうやらあのデュエルの後すぐにロジェとセルゲイは捕縛されたようだ。この年で殺人者にはなりたくないからな。生きていてよかった。

 

そして、つい先ほどDr,ドクトルも捕縛されたらしい。洗脳されていた少女たちは全員半透明のカプセル状の入れ物で眠らされており、外傷はないらしい。どうやらR18タグは付けなくて済みそうだ。

 

今はオベリスクフォースたちの搬送、主犯格たちの事情聴取、ハートランドシティの復旧作業、カード化された人間の回復方法の樹立、洗脳された人間の洗脳解除方法の確立、ハートランドシティの住民の心身のケア、食料・医療物資の搬入と支給、情報統制とメディアへの記者会見など、様々な作業が継続中らしい。完全に復旧するには約3年はかかる見込みだそうだ。

 

ユーリたち葉月財閥は、主に食料・医療物資の搬入と支給とハートランドシティの住民の心身のケアに協力していくとのこと。他の作業はLDSやランサーズに引継ぎ済みで、ユーリやデニスたち本人も部下に引継ぎを終わるであろう本日の昼頃にはこちらに戻ってくるっぽい。

 

コナミ以外には昨日何処に言っていたかを説明していなかったので色々と聞かれたがスルーした。だが、テレビ番組で昨日のハートランドシティの様子が放映され、そこでDホイールを走らせるハノイの騎士が映った時点でバレた。リンにすごく怒られた。ホント、オカンみたいな娘だ。

 

 

そして、昼頃にバレットを伴って孤児院へやって来たセレナにあーだこーだと文句を言われまくった数分後、ユーリやデニスもこちらに帰って来たらしく、帰るついでに孤児院に寄って行った。

 

「昨日はお疲れ様。クロトのおかげで随分と早く事件が一段落したよ」

 

「そう言ってもらえると手伝った甲斐があったな」

 

「ランサーズも早くリーダーシップを取れる人材を育てていかないと、なんて赤馬所長が言っていたよ」

 

「うむ。ランサーズの今後の重要課題だろう。本来は部外者の我々に部隊指揮を頼むくらいだからな」

 

デニスの労いの言葉にしんみり言葉を返し、ユーリの言葉にバレットが同意を示す。

 

「おっ、またクロトのDホイールが映ったぞ」

 

「おー!すげー!クロトのDホイールが空を飛んでるー!」

 

「Dホイールってあんなにスピードが出ても安定した運転が出来るほどに完成されてきているのね」

 

「おい!クロトの後ろに乗っているのはユーリじゃないか?ズルいぞ!次は私が後ろに乗るからな!」

 

コナミ達は昨日のハートランドシティのニュース映像に釘付けである。暗い話題は文字だけで放送され、ピックアップされるのは復旧活動にいそしむランサーズやLDSの職員や海馬コーポレーション&I2社の社員、住民のケアを行う葉月財閥の医療チームたちである。それに…。

 

『見たんですよ!本当ですって!バイクみたいな乗り物に乗って空を飛ぶ白いローブの少年が居たんです!』

 

『ビルの合間から青い巨人が見えたんですよ!ビックリしましたね!』

 

『ガレキの隙間から赤い巨大な竜が見えたんだー』

 

『夜を吹き飛ばすかのような黄金の太陽みたいな竜が居たんだよ!』

 

現場に居たアナウンサーが現地の人間にインタビューしている。テレビ画面には、うっすらと三幻神の姿が映っていた。ついでにDホイールで空を飛ぶ白ローブの仮面男の姿もぼやけながらも映っている。この世界のネットワークがもう少し発展していたならハノイの騎士の偽物がわんさか出てきただろう。

 

テレビを見ていた全員がこちらを振り返ってこちらをジト目で見てくるが、無視である。我関せずのスタンスで昼食後のコーヒーを飲んでいると、孤児院のチャイムが鳴らされる。誰だよ…なんて思いながら扉を開けると、そこには…。

 

「お前が白河クロトで間違いないな?」

 

DM時代から数年で大きく成長した、海馬モクバらしき人物が、黒服2人を連れて孤児院の玄関に立っていた…。

 

~~~

 

海馬モクバに連れられてやってきたのは海馬コーポレーションが保有する童実野町にある巨大なデュエル会場であった。プロリーグが行われている会場並みに大きいんじゃないかな?…この会場って、劇場版で使用された会場か?

 

そして、言われたとおりに会場の中央にあるデュエルフィールドへ向かうと、そこには予想通りの人物が立っていた。例の白銀色の針金コートに黒のインナーを着用している鋭い目をした男性。首元にはデュエルモンスターズのカードを模したペンダントをぶら下げており、人を殴ったら殴殺できそうな鋼鉄製のアタッシュケースが彼の足元に置かれている。どうみても海馬瀬人である。海馬モクバが出てきたらそう来るよな…。

 

「ふぅん、貴様がハノイの騎士、いや白河クロトか」

 

「あっ、はい」

 

今はハノイの騎士の恰好はしていない。ペガサス経由で正体はバレバレだったらしい。ペガサスなら必要以上の人間以外には喋らないだろうと思ったので特に口止めしていなかったし、海馬コーポレーションにはいずれバレていただろうから、別にいいかな。それは置いておいて、まずは目の前のこの男のことを少し詳しく思い出すとしよう。

 

 

海馬瀬人。彼の説明は次の一文で大体あっていると思う。童実野町の支配者である。

 

【青眼の白龍】と言うDM時代では4枚しか存在しない最高クラスのレアカードを3枚組みこんだデッキを愛用する、海馬コーポレーションの現社長。DMの主人公、武藤遊戯とは何度も死闘を繰り広げた。

 

登場時は卑劣な優等生と言った感じだったが、遊戯に闇のゲームで敗れて罰ゲームを受ける。その後に再登場した後は遊戯の祖父を誘拐してデュエルで倒し、彼が持つ最後の【青眼の白龍】を目の前で破り捨ててソリッドビジョンによる死の体験をさせたことで遊戯の怒りを買い、再び闇のゲームで敗北した後、マインドクラッシュという罰ゲームを受けて心を砕かれる。

 

王国編の中盤で心を取り戻し、弟モクバへの兄弟愛を思い出して弟を取り戻すために王国へ乗り込み、遊戯を(インチキな方法で)倒した後に、王国の主でモクバを誘拐した犯人ペガサスへ挑むが、マインドスキャンと【トゥーン】の前に敗れる。

 

その後、イシズ・イシュタールからエジプトの石板を見せられた後に神のカード【オベリスクの巨神兵】を託され、全ての神のカードを集める為にバトルシティを開催、その準決勝戦で遊戯に敗れた。そして、武藤遊戯がグールズ首領であるマリク・イシュタールの操る【ラーの翼神竜】を打倒するのを見届けることになる。原作の漫画版だとここで彼の出番は終わる。

 

アニメ版DMだと、バトルシティの最中に起こる乃亜編、バトルシティ編後に起こるドーマ編、KCグランプリ編に登場し、漫画版では登場しない記憶編にも登場し、闇遊戯ことアテムが冥界に旅立つのを見届けることになる。目の前にいる海馬瀬人は恐らくこの後者であると思われる。

 

 

「御託は良い。さぁデッキからカードの剣を抜け!!ハートランドシティで見せたお前の力、俺に示して見せろ!」

 

デュエルしろって意味だよな?海馬瀬人とのデュエルか。武藤遊戯に並ぶ彼を倒すことが出来れば、今後のデュエルにも自信が付くよな。良し、俺の今までの修行の成果を確認するチャンスだと思ってデュエルを受けてみるか!…デュエルを受けないと家に帰してくれなさそうだしな!

 

「分かりました。…では、参ります!」

 

海馬瀬人は見たこともないデュエルディスクを構えて俺にデュエルを迫ってくる。…見たこともない?いや、アレって漫画版の続編と言われる劇場版『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』(以後DSOD)』で開発していた新型デュエルディスクか。この世界でも開発に成功したんだな。…つまり、海馬瀬人のデッキはDM時代の物ではなく、DSOD世界のデッキか、DSOD世界とDM世界の混合デッキである可能性も出てきたな…。

 

それにしても、ハートランドシティで見せた力か。やはり三幻神のことはバレていたか。そりゃそうか。ソリッドビジョンシステムに関わる全ては海馬コーポレーションには筒抜けだろうし。リアルソリッドビジョンですら、海馬コーポレーションの特許が…とかなんとかって言ってたしな。(ハゲの話は半分聞き流していたので詳しくは覚えていないオリ主)

 

ちなみに、俺をここまで連れてきた海馬モクバとその部下たちはここにはいない。俺に付いてきたコナミ、ユーゴ、リン、セレナ、バレット、ユーリ、デニスを連れて、会場を見渡せる貴賓席へ招いていたようだ。完全に見世物状態である。コナミ以外には神のカードを所有していることは伝えていないんだが、彼らになら俺の出自も含めて説明してもいいかもしれないな。もちろん、そうなった場合はこの世界がアニメやゲームの世界であることは黙っておく。いい気分はしないだろうしね。

 

「デュエル開始の宣言をしろ!磯野!」

 

俺の後ろに向かってなにやら命令している海馬瀬人。振り返るといつの間にか先ほど海馬モクバが連れていた黒服の1人が立っていた。そうか、この人がある意味で有名なあの磯野だったか。

 

「はっ!デュエル開始ー!」

 

黒服の磯野が謎のポーズを取りながらデュエル開始の宣言をする。リアルで見ると本当に謎のポーズだ。

 

「真の勝者はただ1人! いくぞ!」

 

「対戦、よろしくお願いいたします」

 

挨拶は大事だ。古事記にそう書いてあるはず。

 

「「「デュエル!」」」」

 

 

◆白河クロト LP:4000

 

vs

 

◆海馬瀬人 LP:4000

 

 

「先攻はオレが貰う!オレのターン!ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

海馬瀬人 手札:5→6枚

 

「オレは手札から魔法カード【強欲な壺】発動!デッキからカードを2枚ドローする!」

海馬瀬人 手札:5→7枚

 

「オレは手札から魔法カード【ドラゴン・目覚めの旋律】発動!手札を1枚捨てて発動できる。攻撃力3000以上で守備力2500以下のドラゴン族モンスターを2体までデッキから手札に加える。オレは手札を1枚捨て、デッキから【青眼の白龍】2枚を手札に加える!」

海馬瀬人 手札:6→5→7枚

 

墓地に送ったカードは…【エメラルド・ドラゴン】か。青眼はさっきサーチした2枚で最低2枚。なんとなーくもう手札に3枚揃える手段を持ってる気がするな。伝説のデュエリストのドロー力ってやべーからな…。

 

「自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。オレは手札から【カイザー・ブラッド・ヴォルス】を特殊召喚する!」

海馬瀬人 手札:6枚

 

<海馬瀬人のフィールド>

カイザー・ブラッド・ヴォルス ★5 ATK1900

 

「更にオレは手札から【アサルトワイバーン】を召喚する!」

海馬瀬人 手札:5枚

 

<海馬瀬人のフィールド>

カイザー・ブラッド・ヴォルス ★5 ATK1900

アサルトワイバーン ★4 ATK1800

 

「オレはカードを2枚伏せてターンエンドだ」

海馬瀬人 手札:3枚

 

 

◆白河クロト LP:4000

 

vs

 

◆海馬瀬人 LP:4000、手札:4枚。伏せカード:2枚

 

<海馬瀬人のフィールド>

カイザー・ブラッド・ヴォルス ★5 ATK1900

アサルトワイバーン ★4 ATK1800

 

 

静かな立ち上がりだな…。海馬瀬人の伏せカードは厄介な物が多い。警戒して挑むべきか、神のカードによるごり押しでいくか…悩ましいな。

 

「俺のターン!ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

クロト 手札:5→6枚

 

「俺は手札から魔法カード【古の呪文】発動!このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。自分のデッキ・墓地から「ラーの翼神竜」1体を選んで手札に加え、このターン自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにアドバンス召喚できる。俺はデッキから【ラーの翼神竜】を手札に加える!」

クロト 手札:5→6枚

 

「オレは手札から永続魔法【千年の啓示】発動!手札から幻神獣族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。自分のデッキ・墓地から「死者蘇生」1枚を選んで手札に加える!」

クロト 手札:5→4→5枚

 

「ラーを墓地に送ったか…」

 

やっぱりラーの戦いを間近で見ていた人間ならこの意味を理解するか。ただ、伏せカードが気になるから、まだライフちゅっちゅさせるわけにはいかないよな。

 

「俺は手札から【リアクター・スライム】を召喚する!そして効果発動!自分フィールドに「スライムモンスタートークン」(水族・水・星1・攻/守500)2体を特殊召喚する。このターン、自分は幻神獣族モンスターしか召喚・特殊召喚できない!」

クロト 手札:4枚

 

<クロトのフィールド>

リアクター・スライム ★4 ATK500

スライムモンスタートークン ★1 DEF500

スライムモンスタートークン ★1 DEF500

 

「【古の呪文】の効果により、このターン俺は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにアドバンス召喚できる。【リアクター・スライム】と【スライムモンスタートークン】2体をリリース!降臨せよ!【オシリスの天空竜】!」

クロト 手札:3枚

 

会場を覆い尽くすような雄々しい赤き天空竜が姿を現す。

 

<クロトのフィールド>

オシリスの天空竜 ★10 ATK?

 

「出たか、【オシリスの天空竜】…!」

 

「言うまでもないとは思うが、【オシリスの天空竜】の攻撃力と守備力はコントローラーの手札×1000ポイントになる。俺の手札は今3枚。よって…攻撃力は3000だ」

 

<クロトのフィールド>

オシリスの天空竜 ★10 ATK? → 3000

 

「バトルフェイズに移行!【オシリスの天空竜】で【アサルトワイバーン】を攻撃!超電導波サンダーフォース!!」

 

「甘いぞ小僧!リバースカードオープン!速攻魔法【コマンド・サイレンサー】発動!相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手ターンのバトルフェイズを終了し、デッキから1枚ドローする!」※アニメオリジナルカード

海馬瀬人 手札:3→4枚、伏せカード:2→1

 

ちっ!DMでもオシリスの攻撃を防いだアニオリの速攻魔法か!

 

「メインフェイズ2、俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」

クロト 手札:2枚

 

<クロトのフィールド>

オシリスの天空竜 ★10 ATK3000 → 2000

 

オシリスのステータスは手札に依存する。あまり防御カードを伏せられないのが困りものだな。

 

 

◆白河クロト LP:4000、手札:2枚。伏せカード:1枚、永続魔法:1

 

<クロトのフィールド>

オシリスの天空竜 ★10 ATK2000

 

vs

 

◆海馬瀬人 LP:4000、手札:4枚。伏せカード:1枚

 

<海馬瀬人のフィールド>

カイザー・ブラッド・ヴォルス ★5 ATK1900

アサルトワイバーン ★4 ATK1800

 

 

召喚・特殊召喚したモンスターを襲うオシリスの召雷弾の存在は知っているはず。どう立ち回ってくる?

 

「小僧、貴様がどれほどのデュエリストかは知らん。だが大事な事をひとつ忘れているぞ。貴様は今、オレという、地上で最強のデュエリストを敵にしているという事だ!」

 

「…?」

 

妙に格好いいポーズでそんなことを言ってくる海馬瀬人。いきなりなんだ?手札も4枚あるし、この状況で勝算があるって意味だろうけど…。

 

「オレのターン!ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

海馬瀬人 手札:4→5枚

 

「オレは手札から魔法カード【トレード・イン】発動!手札からレベル8モンスター1体を捨てて発動できる。自分はデッキから2枚ドローする!」

海馬瀬人 手札:4→3→5枚

 

墓地に送ったのは【青眼の白龍】か。前のターンにサーチしていたカードだな。

 

「オレは手札から魔法カード【天使の施し】発動!デッキから3枚ドローして2枚墓地に送る!」

海馬瀬人 手札:4→7→5枚

 

どんな引きだよ。墓地に送ったのは…儀式魔法の【カオス・フォーム】?墓地から発動できるタイプのカードじゃないはずだけど…。

 

「オレは手札から魔法カード【天声の服従】発動!

海馬瀬人 手札:4枚

 

「ゲッ!そのカードは…まさか!?」

 

「ふぅん、気付いたか。だがもう遅い!2000LPを払い、モンスターカード名を1つ宣言して発動できる。相手は自身のデッキを確認し、宣言されたモンスターがあった場合、その内の1体をお互いに確認し以下の効果から1つを選択して適用する。確認したカードを、このカードを発動したプレイヤーの手札に加える!」

海馬瀬人 LP:4000→2000

 

「あばばばば…」

 

「オレは【オベリスクの巨神兵】を宣言する!」

海馬瀬人 手札:4→5枚

 

お、【オベリスクの巨神兵】をデッキから奪われたぁー!?そういやDMでもあのカードで遊戯からオシリスを奪ってたっけ…。

 

「オレは手札から魔法カード【黙する死者】発動!自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できない!俺が墓地から【青眼の白龍】を守備表示で特殊召喚する!出でよ!【青眼の白龍】!!」

海馬瀬人 LP:4000→2000、手札:3枚

 

海馬瀬人のフィールドに、海馬瀬人の代名詞である青き眼を持つ最強の白龍が降臨する。

 

<海馬瀬人のフィールド>

カイザー・ブラッド・ヴォルス ★5 ATK1900

アサルトワイバーン ★4 ATK1800

青眼の白龍 ★8 DEF2500

 

「この瞬間!【オシリスの天空竜】の効果発動!召雷弾が【青眼の白龍】を襲う!」

 

「しかし!オレの【青眼の白龍】は神の効果すら耐えきる!」

 

<海馬瀬人のフィールド>

カイザー・ブラッド・ヴォルス ★5 ATK1900

アサルトワイバーン ★4 ATK1800

青眼の白龍 ★8 DEF2500 → 500

 

ヤバイ、海馬のフィールドの3体の生贄が揃ってしまった…。

 

「貴様にも神を見せてやる!オレはフィールドのモンスター3体を生贄に捧げる!我が絶対の神となりて、我が領域に降臨せよ!天地を揺るがす全能たる(パワー)によってオレに勝利をもたらすのだ!【オベリスクの巨神兵】召喚!!」

海馬瀬人 手札:2枚

 

<海馬瀬人のフィールド>

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000

 

地面から青き巨神兵が姿を現し、赤き天空竜と対峙する。

 

「この瞬間!【オシリスの天空竜】の効果発動!召雷弾が【オベリスクの巨神兵】を襲う!」

 

「だが!同じ神たる【オベリスクの巨神兵】は当然その効果に耐える!」

 

<海馬瀬人のフィールド>

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK4000 → 2000

 

「バトルだ!【オベリスクの巨神兵】で【オシリスの天空竜】に攻撃!ゴッド・ハンド・クラッシャー!!」

 

「迎え撃て!【オシリスの天空竜】!超電導波サンダーフォース!!」

 

オベリスクの巨神兵 ★10 ATK2000

vs

オシリスの天空竜 ★10 ATK2000

 

青き巨神兵の拳を受けた赤き天空竜が地に伏し、赤き天空竜の雷光を浴びていた青き巨神兵も大地に還る。

 

「【オベリスクの巨神兵】と【オシリスの天空竜】は相打ちか」

 

「ふぅん。フィールドからオレのモンスターが居なくなって安心したか?甘いぞ小僧!リバースカードオープン!【緊急儀式術】発動!自分フィールドに儀式モンスターが存在しない場合、自分の手札・墓地から儀式魔法カード1枚を除外して発動できる。このカードの効果は、その儀式魔法カード発動時の儀式召喚する効果と同じになる!」

海馬瀬人 伏せカード:1→0

 

「儀式魔法…?…このデュエルで儀式なんて…あっ」

 

さっき墓地に送っていたあのカードか!

 

「オレは墓地の【カオス・フォーム】を除外し、その効果を【緊急儀式術】の効果として発動!レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地から「青眼の白龍」または「ブラック・マジシャン」を除外し、手札から「カオス」儀式モンスター1体を儀式召喚する。オレは墓地の【青眼の白龍】を除外する!」

 

最悪だ!このタイミングで【カオス・フォーム】から出てくるレベル8なんてアイツしかいねーじゃん!?

 

「オレは手札のこの儀式モンスターを儀式召喚する!出でよ!【ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン】!フハハハハハッ!!」

 

海馬瀬人の高笑いと共に青黒い体ながらも所々発光している刺々しい感じになったブルーアイズが姿を現す。

 

<海馬瀬人のフィールド>

ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン ★8 ATK4000

 

「バトルフェイズは継続している!やれ!【ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン】!混沌のマキシマム・バーストォ!!」

 

それは…流石に食らうわけにはいかないな!

 

「俺は伏せカードの永続罠【光の護封霊剣】を発動!相手モンスターの攻撃宣言時に1度、1000LPを払って発動できる。その攻撃を無効にする!」

クロト LP:4000→3000、伏せカード:1→0、永続罠:1

 

【ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン】は、効果対象に取れず効果では破壊されない貫通効果を持った攻撃力4000のモンスターだ。しかも守備表示モンスターを攻撃した場合の貫通ダメージは2倍。彼を相手に守備表示でモンスターを出すのは愚策だろうな。

 

「ふぅん、悪あがきを…オレはカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

海馬瀬人 手札:2→1、伏せカード:1

 

 

◆白河クロト LP:3000、モンスター:0、手札:2枚。伏せカード:0枚、永続魔法:1、永続罠:1

 

<クロトのフィールド>

無し

 

vs

 

◆海馬瀬人 LP:2000、手札:1枚。伏せカード:1枚

 

<海馬瀬人のフィールド>

ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン ★8 ATK4000

 

 

フィールドの状態は向こうの方が優勢だけど、LPはこちらがわずかに有利。ラーは墓地に眠っていて俺の手札には【死者蘇生】がある。向こうの墓地には墓地発動のカードは無く、手札誘発は神には効かない。罠も効かない。それは海馬瀬人も良く知っているはずだ。ただ、あの自信に満ち溢れた顔が、何か有るんじゃないかと思ってしまう。

 

【屋敷わらし】は彼の性格的にデッキに入って無さそうだから大丈夫だとは思うけど、伏せカードが【抹殺の指名者】なら神ではなく【死者蘇生】の効果を無効化されるからヤバいか?いや、そもそもこの世界のこの時代には存在しないか。ともかく、あの伏せカードが気になって仕方ない。アレは除去したいなぁ。

 

ラーに全体除去させた後でライフちゅっちゅさせても相手のライフは1残るな…。【強欲な壺】か【天使の施し】、来い!

 

「俺のターン!ドロー!…無難なカードを引いたなぁ。そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

クロト 手札:2→3枚

 

「俺は手札から魔法カード【ギャラクシー・サイクロン】発動!このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する!俺はそちらの伏せカードを破壊する!」

クロト 手札:2枚

 

「フハハハハハッ!掛かったな小僧!伏せカードは【やぶ蛇】!セットされているこのカードが相手の効果でフィールドから離れ、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。デッキ・EXデッキからモンスター1体を特殊召喚する!」

 

「はぁっ!?」

 

あれだけ自信満々の顔をしておいて、ただのブラフかよ!?どんな強心臓してるんだよ!

 

「【やぶ蛇】の効果によりオレはデッキからこのドラゴンを呼び出す!出でよ!【青眼の亜白龍】!」

 

<海馬瀬人のフィールド>

ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン ★8 ATK4000

青眼の亜白龍 ★8 DEF2500

 

ここで【青眼の亜白龍】?…カード名をフィールド・墓地に存在する限り「青眼の白龍」として扱う効果とターン1で相手モンスターを破壊できる効果があるはずだが…。迷っていても仕方ない。ここは臆せず攻める!

 

「俺は手札から魔法カード【死者蘇生】発動!自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する!俺が対象とするのは当然、墓地の【ラーの翼神竜】!甦れ、【ラーの翼神竜】!」

クロト 手札:1枚

 

会場の中空に、突如光り輝く太陽の神が金の球体姿で現れ、少年が唱える呪文により、徐々に黄金の竜の姿へと姿を変える。

 

<クロトのフィールド>

ラーの翼神竜 ★10 ATK?

 

このラーはヲーとは違い、ちゃんと【死者蘇生】で墓地より舞い戻るのだ。出すたびに古代神官文字を読む必要があるのが難点だな。ブレスレット無しだと俺は古代神官文字を読めないからなぁ。

 

「【ラーの翼神竜】の効果発動!1000LPを支払うことで、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する!神の効果破壊を前に、【ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン】が持つ破壊耐性など意味を成さない!ゴッドフェニックス発動!」

クロト LP:3000→2000

 

「ぐっ!【ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン】!」

 

<海馬瀬人のフィールド>

モンスター無し

 

あれ?城之内が瀕死になった神の効果を受けて、苦しそうにながらも平然と立ってるよこの人。セルゲイやロジェも満身創痍になったんだけどなぁ。

 

いや、よく考えたら城之内が瀕死になった不死鳥は闇のゲームでモンスターと精神が繋がっていたからか。セルゲイやロジェの時はリアルソリッドビジョンだったからかな?。もしかしてこのブレスレットで魔力を消費するのって、常時防御術を張っている消費分以外だと古代神官文字を翻訳している分だけなのか?

 

「神のカードを用いたとはいえ、よくぞオレのブルーアイズたちを倒した。それだけは誉めてやろう」

 

「…どうも」

 

「だが!それもここまでだ!自分フィールドの表側表示の「ブルーアイズ」モンスターが戦闘または相手の効果で破壊された時に効果発動!オレは手札のこのドラゴンを特殊召喚する!」

 

この条件下で特殊召喚できるドラゴン…あっ。これは終わりましたねぇ…。

 

「無窮の時、その始原に秘められし白い力よ!鳴り交わす魂の響きに震う羽を広げ、蒼の深淵より出でよ!【ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン】!」

海馬瀬人 手札:1→0

 

後光に照らされながら、その女性的とも言える流線型のフォルムを持った光の輪を背負う白き竜は空よりゆっくりとフィールドに舞い降りる。

 

<海馬瀬人のフィールド>

ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン ★10 ATK0

 

ディープ(深い)、アイズ(愛)の白竜ねぇ…。彼の前世であると思われる神官セトと深い関りを持つ、白き竜を内包する女性キサラのイメージが強く表に出たデザインなのかもな。

 

さて、問題はここから起こる効果処理なんだよな…。問題と言うか、もう終わったというか…。

 

「そして、【ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン】の特殊召喚と同時に、オレは自分の墓地のドラゴン族モンスターの種類×600ダメージを相手に与える!」

 

墓地のドラゴン族の種類は、【アサルトワイバーン】、【エメラルド・ドラゴン】、【青眼の白竜】、【ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン】、【青眼の亜白龍】の5体。つまり、600×5で3000LPダメージだ。

 

手札誘発の効果ダメージ無効カード?…今はねぇよそんなもん!

 

「小僧!貴様は墓地のドラゴンの怒りを受けろ!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁっ!」

クロト LP:2000 → 1400 → 800 → 200 → 0

 

「強靭!無敵!最強ぉ!ワハハハハハハハハッ!屈辱の重さで 地を這いつくばるがいい!!」

 

 

「…対戦、ありがとうございました」

 

~~~

 

海馬瀬人、強すぎぃ!マジかよ!アニメ仕様の三幻神を全て使ったデッキで負けるとか…凹むわ~。オベリスクフォースとの戦いで『あれ?俺ってもしかして強くね?』とか思っていたけど、勘違いっぽいな。俺もまだまだってことなんだねぇ。

 

「未来とは無限。過去は一筋の足跡でしかない。オレにとって過ぎ去った過去など何の意味も持たない。よって、小僧!貴様が別世界からの転生者だろうがオレにはどうでもよい!」

 

「はぁ…」

 

「三幻神を操った腕前については一応誉めておいてやろう。だが!それだけではこのオレには勝てん!もっと精進するがいい!ワハハハハハッ!」

 

そう言い残して海馬瀬人と言う名前の暴君はアタッシュケースを手に、会場から立ち去って行った…。もしかして、三幻神を持った俺とデュエルがしたかっただけ?

 

そうして彼の背中を見送っていると、入れ違いに弟の海馬モクバが会場の中央へやってきた。さて、何を言われることやら。

 

「兄様は行ってしまったか…今日は苦労を掛けたな、白河クロト」

 

「…いえ。色々とありましたけど、【青眼の白龍】デッキを持つ海馬瀬人とデュエル出来る機会なんてそうそうありませんし、楽しかったですよ」

 

これは本音だ。やはりデュエルモンスターズのファンなら海馬瀬人とデュエルしてみたいとは思うわけよ。結果は御覧の有様だけどさ!

 

「そうか、そう言ってもらえると助かるな。兄様はお前が神のカードを所持していることを気にしなかったみたいだし、オレや海馬コーポレーションとしてもこれ以上そのことでお前に言及することはない」

 

「ありがとうございます」

 

海馬コーポレーションとはこれからも仲良くさせてもらいたいものですねぇ。…そうだな。海馬瀬人はDSOD時代のデッキは持っていても、他のサポートカードは持っていないだろうし、一応渡してみようかな。

 

「モクバさん。良ければこれをどうぞ。お兄さんに渡してください」

 

「ん?あぁ、ありがとう。…なるほど。これがペガサスが言っていた異世界のカードか。異世界にはブルーアイズのシンクロモンスターもいるんだな…。うん?これは…?サンダードラゴン?」

 

「えぇ、そちらのサンダードラゴンたちはモクバさんへ差し上げます。貴方も最近デッキを組んでいるとペガサス氏から聞きましたので、お役に立てていただければ幸いです」

 

これは嘘である。ペガサスからそんな話は聞いていない。ただ、デュエルリンクスで海馬モクバが【サンダードラゴン】デッキのカードを使っていたのを思い出したから渡しただけである。

 

「ペガサスにデッキコンセプトまでは話していなかったんだけど…いいか。ありがとうな!大切に使わせてもらう」

 

嫌味のない爽やかな笑みを浮かべる高身長のイケメンであるモクバ副会長。…くっ!原作漫画の初登場時の見た目はただのクソ生意気なガキだったのに、成長するとこんなにイケメンになるのか…!その身長を30cmだけでいいから寄越せ!

 

「クロト~!そのデッキで次はオレとデュエルしようぜ~」

 

「クロト!お前そんな格好いいカード持ってたのかよ~!黙ってるなんて酷いぜ!また見せてくれよな!」

 

「さっきのカードって、テレビで話題になっていた三幻神っていうカードよね?」

 

「おいクロト!海馬社長とばかりデュエルしてズルいぞ!私ともデュエルしろ!」

 

「やっぱりあの時に見た夜の太陽はクロトのカードだったんだね~」

 

「ユーリの言ってた通りだったね」

 

どうやら付いてきた彼らも降りてきたようだ。俺が三幻神のカードを持っていることを知っても、面白がってはいるが、そんなに驚いていないようだ。せっかくだし、ここいらでこのメンバーには俺の来歴も合わせて説明しておくか…。

 

 

その後、俺が転生者であることや、前世のカードを持っていることなどを話したが、まともに驚いてくれるのはリンとバレットだけで、他のメンバーは「ふ~ん」って感じだった。お前ら心が広くて強すぎない?

 

ちなみに、その後に三幻神デッキでコナミやユーゴやセレナとデュエルし、一応は勝った。ただし使用したのはOCG版の方だ。それでも【神縛りの塚】で守られた先攻オシリスの制圧力は突破しがたいものだからな。

 

そう言えば、【光の創造神ホルアクティ】は使わなかったな。わざわざ神のカードを並べなくても、神のカード単体で使用した方が強いからなんだけど、いずれ機会があったら使用してみようかな。

 

そして、デュエルを観戦していたモクバが、OCG版の神のあまりの弱さに驚いていた。特にラー。バトルシティで本物を見て、兄と一緒に延々と対策を練っていたことのある彼からすると、ラーの弱体具合は受け入れ辛い内容だったらしい。

 

~~~

 

GW中頃、俺はとある地域にある警察機構とLDSが共同で管理する特別収容所に来ていた。オベリスクフォースを率いてテロ行為を行っていた主犯の一人、Dr.ドクトルの事情聴取に随伴するためだ。ヤツは今、マジックミラーの先にある事情聴取を行うための尋問室で尋問官2人に質問を受けている。

 

「何故、あのようなテロ行為に走った?理由はなんだ?目的は?あれだけの災厄を引き起こしたんだ。なにか理由があるだろう?さぁ、言え!」

 

「…ウヒヒヒヒィ!光が!破滅の光が!ウヒャヒャヒャッ!…4人の、同じ顔の、少女を、集めなくては…ヒャヒャヒャー!!」

 

「おい黙れ!ちゃんと質問に答えろ!…くそっ!今日もダメか!おい!鎮静剤を注射して特別牢に戻しておけ!」

 

「はっ!さぁ来い!」

 

「ヒャヒャヒャー!!」

 

虚空を見つめて涎を垂らしたDr.ドクトルを、尋問官2人が嫌そうに引きずりながら尋問室を退出していく。これは酷い。まるで会話になっていない。そう考えながら、横で嫌そうな顔をして立っている赤マフラーに話しかける。

 

「それで?これを見て一般人の俺に何をしろと?」

 

「お前が一般人なわけがあるまい。寝言は寝てから言うがいい。それで?何かわかったことはないのか?」

 

この嫌味ったらしいクソ赤マフラー野郎には本格的に嫌われているらしい。好かれるようなことは一切してないし、俺もコイツとはなんとなく馬が合わないような気がするし、コイツと初めて会った時にボロクソに叩きのめしてやったから嫌われて当然と言えば当然だな。

 

「そうだな…。キーワードとしては『破滅の光』、『4人の同じ顔の少女』あたりだろうか」

 

「そのワードは時々だがヤツが口にしているな。もしかしたら何か意味があるんだろうが…現状はまるで分らんな」

 

俺は大体分かってきたけどね…。ここで話すとその理由を説明しないといけなくなるだろ?『前世で見て聞いたから知っていた』とか言えるわけがない。あと、根本の原因がまだ特定できていない。

 

「そうだ、奴が所持していた虫のカードは今どこにある?」

 

「奴を捕縛する前にお前が気にしていた【パラサイト・フュージョナー】のことだな?今はこの箱に封印してある」

 

そう言って、電子ロックされたうえで物理的にガチガチに固められた鋼鉄の箱を渡される。箱の表面にはお札みたいなものが貼ってあるが…特に魔力は感じない。とりあえず、赤マフラーとは距離を取って、魔力で強化した腕で強引に箱の蓋を開けた。バキィ!なんて音がして箱が変形したが、開け方が分からなかったからね、仕方ないね。

 

「ハノイ…普通にちゃんと開けろ。重機でも使わない限り強引には開けられなくなっていた状態の箱を、腕力だけで力づくで開けられる中学生が一般人なわけがないだろう」

 

赤マフラーが文句を言ってくるが、無視だ無視。さてさて、お目当てのカードは…あーこりゃダメだわ。真っ黒。いや、真っ白と言うべきか。これが元凶ですわ。どうみても破滅の光ちゃんです。こんな禍々しい強力な光の魔力は初めて見たわ。精霊界での修行が無ければ本当に即死だったかも知れん。ランサーズにも素手ではなく専用に作った機械を使って回収&封印をさせておいて正解だったな。

 

「このカードから禍々しい強烈な光の魔力を感じる。恐らくこれが『破滅の光』だろうな。この破滅の光がヤツの精神異常の原因だろう。間違っても俺以外の人間がこのカードを素手で触れるなよ?気が狂うぞ」

 

「頼まれても触るか。私にはオカルトチックな話は分からんが…リアルソリッドビジョン研究の一環としてそのカードを奴が制作したのは今から約7~8年前だそうだ。そのカードを作る前のヤツは、それほど真面目ではなかったが今のような狂った性格はしていなかったそうだ」

 

今は幻覚症状が出ている薬物中毒者みたいだからな。それにしても7~8年前か…。GXアニメで、カードデザイナーのフェニックス氏が制作した【D-HERO Bloo-D】に破滅の光が取り憑いた時期と近いな。ユベルとネオスが宇宙に打ち上げられた時期とも結構近いはずだ。

 

破滅の光に影響されたユベルが、コブラではなくドクトルを利用した?いや、それならユベルが関わった影響がどこかに残っているはずだ。…ユベルの方が俺よりも遥かに格上だし、俺が何かを見落とした可能性もあるけどさ。

 

考えられる筋書きとしては、【D-HERO Bloo-D】に取り憑くはずだった破滅の光が、何故かこの【パラサイト・フュージョナー】に憑依し、破滅の光の影響を受けたドクトルが発狂した、とかかな。下手したら、【D-HERO Bloo-D】と【パラサイト・フュージョナー】両方に憑依している可能性も…。考えたくないなぁ。

 

4人の同じ顔の少女を集めるってのは、アニメ版アークファイブでヤツがプロフェッサーの命令で行っていた行為だ。破滅の光を受けたのが原因で、その記憶が思い出されてそれを実行するためにあのテロ行為を起こした、とかかなぁ。

 

赤マフラーこと赤馬零児には、念のためDr.ドクトルの尋問は続けておいた方がいいことを助言しておいた。そして、破滅の光が宿った【パラサイト・フュージョナー】に関しては焼却処分すること、出来なければ今までと同じように人の手の届かないところに封印した方がいいことも助言した。一応、赤馬零児も俺の言うことでも納得はしたようだ。

 

先ほどの仮説が正しいのか間違っているのかを確かめるためには…行きたくはないんだが、近いうちにアメリカに行って直接確かめるしかないな。エド・フェニックスか、DDか。恐らくどちらかが持つであろう【D-HERO Bloo-D】のカードそのものをさ。




祝日の深夜残業を終えて帰宅して翌日ゆっくりしていたら、関係会社の副社長にいきなり自宅訪問されて仕事を押し付けられる中学生と言う、労働基準法を鼻で笑うような行為にオリ主はドン引きです。

三幻神を操るデュエリストが現れて、久し振りに歯ごたえのありそうな敵が出てきたことで内心ウキウキで新型デュエルディスクとDSOD時代のデッキを用意した海馬社長に、祝日に会社に呼び出されてデュエルでボコられた中学生オリ主が居るらしい。

オベリスクはパクるわ、ラーの効果によるリアルダメージも当たり前のように耐えるわと、やりたい放題された挙句に負けたそうです。えっ、アニメ神のカード使って負けるの?オリ主君さぁ。

そして、ドクトルがこの世界でもやらかした原因を調査開始。一応、ただの変態ロリコンだったというわけでなく、それなりの理由があったみたいですね。次の章へのフラグも立てたので、次の次くらいに新章に突入します。

次回の更新は、1/13(水) AM8:00予定です。

戦車様、倫太郎様、四季式様、誤記報告ありがとうございました。修正しました。

Ээ様、きりぼし様、ラーに関するご指摘ありがとうございました。加筆修正しました。

オリ主にヒロインは必要でしょうか?

  • 不要だ!そういうのはいいからデュエルだ!
  • いる!原作イメージが壊れないオリヒロで!
  • いる!原作改変ものだし、原作キャラで!
  • いる!TFならモブキャラ攻略でしょ
  • いる!オリ主ならハーレムを目指せ!
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