【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~ 作:嘘つき熊さん
<クロト視点>
GW最終日、俺は以前にセレナとの約束を果たすために、セレナを連れてI2社のサーキットへとやってきていた。
「いつ見ても巨大なサーキットだなぁ…」
「楽しみだな!」
セレナは今日会ってからずっとニコニコしている。2人乗りとはいえ、よほどDホイールに乗れるのが楽しみなのだろう。ユーゴやリンも誘ったのだが、どうやら先約があるらしく、断られた。コナミ?奴はトリプルデートだとさ。一般的に男1人に女3人のデートをトリプルデートと呼ぶのかは知らん。
家を出る際になにやらセレナとリンが内緒話をしていたようだが、流石に女の子同士の内緒話を盗み聞きするほどデリカシーの無い人間ではない。ユーゴも珍しくニヤニヤしていた。先約と言うのは、ユーゴとリンとでデートでもするのだろうか?う、羨ましくなんてないんだからね!
一度セレナと別れ、男性更衣室でDホイール用のライダースーツに着替える。セレナは俺について来てそのまま男子更衣室までついてこようとしたが、流石に止めた。貸し切りとはいえ、俺の心臓に悪い。着替えが終わり、再びサーキットに戻ってくると、シートがかけられた新型ホイールと思われる物が鎮座していた。
「これが新型Dホイールか…シートが大型になっていて、(小柄な)俺とセレナなら充分に2人で乗れるサイズだな」
当然、俺にI2社のサーキットを貸し切れるほどの財力はない。天馬兄弟に今回の件を相談したところ、新型Dホイールのテスト走行と言う名目でサーキットを走行する許可を得ることが出来たのだ。本当にあの二人には頭が上がらない。
「クロト!待たせたな!」
「いや、俺も今来たばかりだ」
後ろから掛けられた声に反応して振り返ると、アニメ版アークファイブで着用していた時にそっくりなライダースーツに身を包んだセレナが居た。ボディラインが強調されて少し色気があるように見える。気のせいだろう。
『クロト君、こちらの準備は出来ている。そちらの準備が出来次第、テスト走行を開始してくれ』
新型Dホイールの開発者の人からテスト開始の合図が送られてくる。
「了解しました。じゃ、セレナ。行こうか?」
「あぁ!」
俺がDホイールの前の座席に乗って、セレナが俺の背に抱き着くようにしてDホイールに乗る。僅かな膨らみが背中に当てられるが、平常心、平常心。
「じゃ、ゆっくり走り始めるけど、最初は俺の背中を見ていればいいよ。慣れてきたら横を見て景色を見てみると良い。この景色はDホイールのようにスピードの中でしか見られない景色だからな。色々と勉強になると思う」
「あぁ、分かった」
アクセルを踏むとDホイールが独特の起動音と共に走り出す!すぐさま景色が流れるような映像と化す。
「うわわっ!」
俺がDホイールのスピードを上げていくと、驚いたセレナが俺の背に抱き着く力を強くしていく。僅かな膨らみが強く背中に当てられるが、平常心だ、平常心を保てよ俺。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫だ。私はクロトを信頼しているからな」
嬉しいことを言ってくれるね。万が一にDホイールが転倒したり、Dホイールから転落したりしてもセレナの保護はバニーラに任せてあるからほぼ問題ない。俺自身はDホイールから落ちたくらいなら何の問題もないからな。
『デュエルが開始されます。ただちに退避してください。繰り返します…』
サーキット内にアナウンスが流れ始める。今回は対戦相手は居ないのだが、様式美という奴だ。
『デュエルモードオン、オートパイロットスタンバイ』
Dホイールから、マニュアル操作からオートパイロットモードに切り替わったことを告げる音声が聞こえる。そして、デッキから初期手札を引き抜いて、ハンドルの横に着いたスタンドに置く。
「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」
俺とセレナは声を合わせてデュエル開始を宣言する。相手は居ないけどな。
『フィールド魔法【スピード・ワールドネオプラス】発動』
現在開発中のフィールド魔法【スピード・ワールドネオプラス】が発動する。このスピードワールドは、アニメ版アークファイブのなんちゃってスピードワールドに加えて、スピードワールド2で使用されていたスピードカウンターを加えたものだ。
スピードスペルでなくても魔法カードが発動できるので、スピードカウンターを何処で使用するかを考える要素が増えた以外は普通の勝ち抜き戦に近い。
「おぉー!世界が流れて行っているみたいだな、クロト!」
そんなことを考えていると、後ろのセレナがようやくスピードに慣れてきたのか、景色を眺め始めて感嘆の声を上げる。
「クロト、ありがとうな」
セレナはそう言うと頭を俺の背中に押し当ててそう言う。いきなりなんだ?
「何の話だ?」
「色々だ。クロトは家庭教師として色々なことを私に教えてくれた。デュエルのことや、リンたちと引き合わせてくれたこと、一般常識なんかもそうだな」
一般常識に関しては、まだまだ教えておかないことが多いんだけどな。原作と違い、手の掛かる妹みたいな感じだ。
「オベリスクフォースとの戦いの時だってそうだ。私たちを巻き込まないように自分一人で現場に向かって、万が一にも私たちに危害が加わらないようにとコナミを置いて行ったんだろ?」
「さて、何のことやら」
普段、俺達といるときはゆるキャラのようなセレナだが、この娘は身体能力が高くて頭の回転も速い。色々と気付かれているようだな。でも、肯定はしてやらない。照れくさいし。
「クロト。私はお前に、本当に感謝している…クロトと出会うまでは、私はあの大きな家で独りぼっちだった。でも、クロトと出会えたおかげで今は毎日が楽しい!」
「そうか…」
俺達といるときは底抜けに明るいから忘れがちだが、彼女はこの国有数の財団の令嬢なのだ。そして、両親は彼女が幼い時から海外にいる為、彼女は幼少期は寂しい思いをしていたのだろう。そういや彼女の両親を俺は見たことがないな。
「クロトには、これからも色々と私に教えて欲しいし、できれば、この先も、ずっと一緒に居て欲しい」
「うん、いいよ。君の為になるのなら、俺に出来ることなら何でもするし、何でも教えてあげるさ」
「うん、ありがとう」
セレナは安心したような声をあげて、俺の背中に力いっぱい強く抱き着いてきた。僅かな膨らみが強く強く背中に当てられるが、平常心。平常心だ、平常心を保てよ俺ぇ!
俺の回答に満足したらしく、彼女は強く抱き着いたままの状態で景色を眺め、その度に嬉しそうに感想を教えてくれた。…俺は割とそれどころではなかったが、なんとか誤魔化せたようである。今日は終始セレナが嬉しそうにしていたので、俺としても楽しいGW最終日を過ごせて良かったな。
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<リン視点>
クロトとセレナが孤児院を出たことを確認した後、ユーゴを連れてI2社のサーキットへ先回りし、事前に話を通しておいた天馬兄弟に案内されたサーキットの屋内にある観戦室から、備え付けのモニター越しにクロトとセレナがサーキット前でテスト走行を始めようとしている様子を見ていた。
「うーん、もどかしいわね…」
「クロトは普段は優秀なくせに、変なところで鈍いからなぁ」
私は、セレナがクロトに今までのお礼を伝えたいと相談を受けており、今回のDホイール2人乗り計画を立案し、色々と準備をしてきたのだ。
クロトの方はよく分からないが、セレナの方は明らかにクロトへ好意を抱いている。私以外は気付いていないと思うけど、セレナがわがままを言うことなんて、クロトに関わることだけなのよね。それなら、友人である私が一肌脱いであげようと思ったんだけれど…。
「おや?君たちも覗き見かい?いい趣味してるね?」
「やっほー、ユーゴにリン」
「あら?ユーリにデニスじゃない。いい趣味しているのはお互い様でしょ?」
「よーっす」
私たちがサーキットに視線を釘づけにしていると、観戦室にユーリとデニスがやってきた。やはりユーリにはこの計画はバレていたようね。今しがたやってきた二人にユーゴが緩く挨拶を返している。
「クロトにセレナが執拗にDホイールの乗り方についてレクチャーを受けていると思ったら…やはりこの件はリン、君の差し金だったか」
「やっぱ、セレナが『クロトと二人でDホイールに乗りたい』なんて思わないよな。言った本人はあまり意味を分かっていないみたいだったし、言われた当人は娘を見る父親とか、妹の成長を喜ぶ兄みたいな表情だったけどさ」
デニスがやっぱりな、なんて顔をしてこちらを見て来て、ユーゴが同意する。サーキット場では、クロトとセレナが2人でDホイールに乗り込んで走り始めた。クロトの挙動が少し怪しい。ふふっ、セレナにくっつかれて照れているわね。密着すればセレナも女の子だって意識しちゃうわよね。
「それで?進捗は?」
ユーリがニヤニヤしながら現在の計画の進捗を聞いてくるが、まだあまり上手く行っていない。これからが本番なのだ。
「悪くはないけれど、まだまだいつもの二人って感じよ…ん?おやおや?」
そんな時、私の最高傑作であるセレナのライダースーツに仕込んである盗聴器から、声が漏れてきた。
『クロト、ありがとうな』
『何の話だ?』
「「「「おやおやぁ…」」」」
「お前ら、趣味悪いなぁ…」
良い感じに話が盛り上がってきたようだ。私の近くでユーリとデニスがニヤニヤしている。ユーゴもクールを装いつつもちらちらと盗聴器の方に視線を寄せている。この年頃の男女は私を含めて友人の恋愛話に興味津々なのよ。今のクロトとセレナでそのような話になるかは微妙だけどね。
『オベリスクフォースとの戦いの時だってそうだ。私たちを巻き込まないように自分一人で現場に向かって、万が一にも私たちに危害が加わらないようにとコナミを置いて行ったんだろ?』
『さて、何のことやら』
オベリスクフォースの件については私も同意ね。あの変な仮面男たちに負けるつもりはないけれど、クロトが私たちを危険にさらさないように色々と裏で私たちを助けてくれていることは知っている。
『クロト。私はお前に、本当に感謝している…クロトと出会うまでは、私はあの大きな家で独りぼっちだった。でも、クロトと出会えたおかげで今は毎日が楽しい!』
『そうか…』
セレナの両親に関しては、私はその両親に頭に来ていた。孤児の私達からすれば親が居るだけで羨ましい。子供がいるのにその子供をおざなりにしているなんて、本当に頭に来る。
「セレナの両親は財閥でも最上位の幹部だからね。娘の顔を見る為だけに帰国するなんて時間は取れないだろうね」
「親が居るのに会えないなんて、なんかもったいないよな」
「そうねぇ。それでも頭には来るわね」
なんだかしんみりしてきたわね。今回の件は、セレナにとってはクロトにお礼を言いたかっただけだろうし、面白そうな展開になると期待していたのは私たちの勝手なのよね…。
『クロトには、これからも色々と私に教えて欲しいし、できれば、この先も、ずっと一緒に居て欲しい』
『うん、いいよ。君の為になるのなら、俺に出来ることなら何でもするし、何でも教えてあげるさ』
『うん、ありがとう』
「「「「…ん?今、何でもするって言ったよね?」」」」
モニター越しで映るセレナがクロトに後ろから嬉しそうに抱き着いている。クロトも満更ではなさそうだ。まるで仲の良い兄妹のような感じだ。今はまだ、ね。
いつも通りクロトはいつも通り迂闊なことを言っているが、彼はそろそろ自分が何を言おうとしているのか考えて口を開いた方がいいと思うわね…。
今後、彼らがどうなるかは私にも分からないけれど、私としてはクロトとセレナにはくっ付いて欲しいわね。だっけ、その方が面白そうじゃない!
ある意味、セレナ回と言える話です。
オリ主のお節介は、オリ主に深く関わってきた彼らにはちゃんと感謝されていることを描いておきたかったので書きました。
次回の更新は、1/16(土) AM6:00予定です。
メイン弓様、誤記報告ありがとうございました。修正しました。
オリ主にヒロインは必要でしょうか?
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不要だ!そういうのはいいからデュエルだ!
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いる!原作イメージが壊れないオリヒロで!
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いる!原作改変ものだし、原作キャラで!
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いる!TFならモブキャラ攻略でしょ
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いる!オリ主ならハーレムを目指せ!