【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~   作:嘘つき熊さん

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今作の自称ハノイの騎士(偽)の対戦相手は大体酷いデッキに出くわすので、1発限りのオリキャラが犠牲になることは仕方ないことでしょう。

6/23 表記を最新フォーマットに変更しました。


第四話 ハノイの騎士(偽)2

<アナザー視点>

 

 1週間前の大会予選で敗退した鈴木、佐藤、田中の三人は、鈴木の家に集まって大会本選のテレビ中継を見ていた。

 

「お、コナミじゃん。相変わらず赤い帽子とジャケット来てて分かりやすいな」

「周りにいるのは同じ孤児院の先輩たちみたいだね」

「…」

 

 ブラウン管のテレビ画面には、大会出場が決まっていたシード枠の選手の紹介が終わり、大会予選を突破した選手が紹介されていた。

 そしてそれら代表選手16人の中でも一際目立つ異色の少年が映される。

 

「あいつがハノイの騎士か」

「不気味な仮面に白一色のローブ。田中の言っていた通りだね」

「ハノイ…」

 

 テレビ画面をにらみつける田中。

 あの惨敗から1週間が経ち、多少は落ち着いたものの当時の無力感を思い出し、胸中穏やかにはいられなかった。

 

「気にするなって!デュエリストは負けるときもあるさ」

「そうそう」

 

 そんな田中を励ます鈴木と佐藤。その言葉に、落ち込んでいた田中の気持ちは随分と和らぐ。

 そんな中、代表選手全員の紹介が終わり、大会本選1戦目の試合が開始されようとしていた…。

 

~~~

 

<クロト視点>

 

 ハノイスタイルで顔は隠れているとはいえ、大勢の人達の前に出るのは流石に緊張するな。

 前世ではありえなかった体験だし、元々目立ちすぎるのは好きじゃないんだよね。

 

「ハノイの騎士さん、本大会に対する意気込みを教えてください」

「優勝。それ以外にあるか?」

 

 小学校低学年の背丈しかないハノイスタイルのコスプレ変人が放つ不遜な物言いに、他参加者が不快感を示す。

 この格好をしていると何故か無意識に本来のハノイの騎士のロールプレイみたいな台詞やしぐさをしてしまう。

 

「生意気なガキが」

「ふん」

「泣かしてやる」

 

 案の定、ヘイトを稼ぐことに成功してしまったようだ。

 

~~~

 

 本戦の参加者は16人でトーナメント形式の勝ち抜き戦だ。つまり、4回勝ては優勝だ。

 参加者を見る限り、原作キャラはコナミと…約一名見覚えのある髪型の少年がいるな。

 

「それでは第一試合を開始いたします。両選手は対戦コートの内側へお入り下さい」

 

 いきなり第一試合からで驚いていたが、その動揺を見せないように対戦コートに入る。

 対面するガラの悪そうな中学生くらいの少年には見覚えがない。

 ただ、先ほどの俺の発言がよほど気に入らなかったらしく、やる気満々のようだ。

 

「クソガキ!最初の脱落者にして赤っ恥をかかせてやるぜ!」

「ほう?やれるのならやってみるがいい。やれるのならな」

「舐めやがってぇ!」

 

「両者いい感じに盛り上がっていますね!それでは第一試合、開始して下さい。」

 

 大会実況者の一声の後、デュエルが開始される!

 

「ボコボコにしてやるぜ!」

「対戦、よろしくお願いいたします。」

 

 挨拶は大事だ。古事記にそう書いてあるはず。

 

 

「「デュエル!」」

 

 

◆ハノイの騎士(クロト) LP:4000、手札:5枚。

 

VS

 

◆少年 LP:4000、手札:5枚。

 

 

「先攻はオレが貰う。ドロー!」

少年 手札:5→6枚。

 

 先攻は取られてしまったか。

 

「オレは手札から【グレート・アンガス】を召喚!」

少年 手札:6→5枚。

 

赤みを帯びた筋肉隆々の体を持つ、怒り狂った表情の牛が現れる。

 

<少年のフィールド>

グレート・アンガス ★4 ATK 1800

 

【グレート・アンガス】

通常モンスター

星4/炎属性/獣族/攻1800/守 600

狂ったように暴れ続けている、非常に凶暴な獣。

おとなしい姿を見た者はいないと言う。

 

「更に!オレは手札から装備魔法【一角獣のホーン】発動!グレート・アンガスに装備する!」

少年 手札:5→4枚。装備魔法:0→1枚。

 

牛の頭に鋭く大きな角が生えてきた。

 

<少年のフィールド>

グレート・アンガス ★4 ATK 1800 → 2500

 

【一角獣のホーン】

装備魔法

(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は700アップする。

(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。

このカードをデッキの一番上に戻す。

 

「伏せカードを2枚セットして、オレはターンエンド!」

少年 手札:4→2枚。伏せカード:0→2枚。

 

 

◆ハノイの騎士(クロト) LP:4000、手札:5枚。

 

VS

 

◆少年 LP:4000、手札:2枚。伏せカード:2枚。装備魔法:1枚。

 

<少年のフィールド>

グレート・アンガス ★4 ATK2500

 

 

「私のターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行」

ハノイ 手札:5→6枚。

 

 危ない、ほぼ手札事故だな…。でもこの手札なら、ギリギリでアレが狙えるか。

 

「私は手札より魔法カード【サイクロン】を2枚発動!貴様の伏せカード2枚を破壊する」

ハノイ 手札:6→5→4枚。

 

【サイクロン】

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

「【援軍】と【落とし穴】が!」

少年 伏せカード:2→1→0枚。

 

 戦闘補助の罠カードと通常召喚に反応する罠カードか。

 魔法・罠カードへのカウンター罠はなくて助かったな。

 

「更に魔法カード【いたずら好きな双子悪魔】を発動!発動コストとしてLPを1000支払う!」

ハノイ LP:4000→3000、手札:4→3枚。

 

「その効果により貴様は手札を1枚はランダムに捨て、更に1枚を選択して捨てる。貴様の手札は2枚、つまり全て手札を捨てろ」

 

「ちっ、嫌な野郎だ」

少年 手札:2→0枚

 

「そして、LPを2000ポイント支払うことにより、手札より魔法カード【終焉のカウントダウン】発動」

ハノイ LP:3000→1000、手札:4→3枚。

 

【終焉のカウントダウン】

通常魔法

2000ライフポイントを払う。

発動ターンより20ターン後、自分はデュエルに勝利する。

 

「この効果により、発動ターンより20ターン後、私はデュエルに勝利する」

「はっ!そんなゴミカード何の役に立つ!20ターン経つ前にオレがお前に勝ってるよ!」

 

 そうだな。決着はもっと早いよ。

 

「私は手札より【昇霊術師 ジョウゲン】を通常召喚」

ハノイ 手札:3→2枚。

 

<ハノイのフィールド>

 昇霊術師 ジョウゲン ★4 ATK 200

 

【昇霊術師 ジョウゲン】

効果モンスター

星3/光属性/魔法使い族/攻 200/守1300

手札をランダムに1枚墓地へ捨てて発動できる。

フィールド上の特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。

また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

お互いにモンスターを特殊召喚できない。

 

「このモンスターには2つの効果がある。1つ目は手札を1枚ランダムに墓地に捨てて、フィールド上の特殊召喚されたモンスターを全て破壊する効果」

「オレのモンスターは通常召喚モンスターだぞ?」

「2つ目の効果として、このカードがフィールド上に存在する限り、モンスターを特殊召喚できない」

「関係ないね」

 

「最後に私はカードを1枚伏せてターンエンド」

ハノイ 手札:2→1枚。伏せカード:0→1枚。

 

 

◆ハノイの騎士(クロト) LP:1000、手札:1枚。伏せカード:1枚。

 

<ハノイのフィールド>

 昇霊術師 ジョウゲン ★4 ATK 200

 

VS

 

◆少年 LP:4000、手札:2枚。伏せカード:0枚。装備魔法:1枚。

 

<少年のフィールド>

グレート・アンガス ★4 ATK2500

 

 

「ははっ!偉そうなことを言ってた割には大したことないな!そんな雑魚壁モンスターを攻撃表示とはよぉ?」

「…」

 

「…ちっ。俺のターン。ドロー!そのままメインフェイズだ」

少年 手札:0→1枚。

 

「私はこのタイミングで伏せていた罠カード【ラストバトル!】発動」

ハノイ 伏せカード:1→0枚。

 

【ラストバトル!】

通常罠

自分のライフポイントが1000以下の場合、相手ターンにのみ発動する事ができる。

発動後、自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、そのモンスター以外のお互いの手札・フィールド上のカードを全て墓地へ送る。

その後、相手はデッキからモンスター1体を表側攻撃表示で特殊召喚し、自分が選択したモンスターと戦闘を行う。

この戦闘によって発生するお互いのプレイヤーへの戦闘ダメージは0になる。

このターンのエンドフェイズ時、どちらかのプレイヤーのみがモンスターをコントロールしていた場合、そのコントローラーはデュエルに勝利する。それ以外の場合は引き分けになる。

 

「このタイミングで罠カードだと?」

 

 効果が通ったか。勝ったな。

 

「ラストバトル!は、自分LPが1000以下の時、相手ターンに発動可能」

「面倒な条件だな」

「自分フィールド上モンスターを1体選び、他のお互いのフィールドと手札のカードを全て捨てる」

「…」

「その後、相手はデッキからモンスター1体を特殊召喚し、戦闘を行う。この際、プレイヤーへの戦闘ダメージは無視」

「…ん?」

 

 ふふっ、気付いたかな?

 

「ターン終了時にモンスターが残ったプレイヤーをデュエルの勝者とする。その他の場合は引き分けとする」

「おい、お前のフィールドのジョウゲンの効果って…」

「このカードがフィールド上に存在する限り、モンスターを特殊召喚できない。つまりお前はラストバトル!の効果でモンスターを特殊召喚できない」

「つまり…」

「貴様はモンスターを特殊召喚できず、バトルは発生しない。そして貴様の手札・フィールド・伏せカードは0枚。墓地のカードに発動できるものはない」

「はぁぁぁっ!?…くそっ!ターンエンドだ!」

 

「エンドフェイズ時、【ラストバトル!】の効果により、私がデュエルの勝者となる」

「ふざけんなぁぁぁ!」

 

 恨むならこのカードを作った製作者と、このコンボを考えた前世の人達に頼む。

 

「…はっ!デュエル終了!勝者、ハノイの騎士!」

 

 デュエルの合間に実況をしていた実況者が場の空気からいち早く復帰してデュエルの結果を発表する。流石はプロ。

 一方、同じように解説をしていたらしい解説者はまだ驚愕しているようだ。

 

 俺は唖然とする敗者の少年と会場の観客たちに背を向け、悠々と選手控室に戻っていった。

 選手控室が個室でよかった。本来は一般人の俺は、他人からの視線と罵倒なんかを浴びたら心がもたないかもしれないからな。




今回使用した禁止カードは【ラストバトル!】。

ジョウゲンなどで相手のモンスターの特殊召喚を封じなくても、クリッターなどで後続を確保したり、異次元の戦士などで両者モンスターを除外すると強制的に引き分けまで持っていけます。

アニメでも使われたカードだったと思いますが、エラッタでもされない限りは禁止カードから帰ってくることはないでしょうね。

次回の更新は11/14 AM8:00予定となります。

あんぴしりん様、四季式様、椎名真白様、誤字報告ありがとうございました。修正しました。

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