【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~   作:嘘つき熊さん

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日常回&精霊界での修行回です。

デュエルはありません。


第七十三話 幕間:白河クロトの日常3

夏休みが終わり、2学期も過ぎて、冬休みも終わった。そして、今は中学二年生の三学期となっていた。

 

本日の授業がすべて終わった放課後に、俺は所属する料理部で作ったクレープの試食をコナミ、ユーゴ、リン、セレナに頼んで、その感想を待っているところだ。

 

「小豆入りのクレープなんて初めて食べたけど、美味いなこれ」

 

「うめー!クレープと言えばバナナだよな!」

 

「美味しい!中のイチゴとクリームの組み合わせは反則級ね!」

 

「美味いぞ!チョコレートの甘みとクリームは相性抜群だな!」

 

ふふふっ。長年一緒にいる彼らの好みなど、既に把握済みよ!なので、この感想は嬉しいが予想の範囲内だ。

 

「副部長!俺達の分はないんですか!?」

 

「副部長!私たちの分は何処ですか!?」

 

俺の後ろでコナミ達の試食を見ていた後輩たちが騒ぎ出したので、適当にベリーやマンゴーをトッピングしたクレープを渡しておいた。ちなみに、2年生は俺を除くと幽霊部員しかいない。

 

料理部で使用する材料は全て経費で落ちるので俺の懐は痛くない。生地の元さえ作ってしまえば何個作ろうが、その後の手間はそれほどかからないのもいい。

 

「うめー!やっぱり副部長はお菓子なら部長よりも美味いよな!」

 

「美味しいー!副部長のお菓子はいつ食べても美味しいわー!」

 

お菓子はシスターに習って昔から作っているからな。コナミやリンへの賄賂やユーゴやセレナへの餌付け、柳さんへのお礼など、使用用途が幅広いからな。

 

料理も練習しているのだが、そちらの腕前は、シスターはもちろんのことながらこの料理部の部長にも遠く及ばないんだよな。

 

その後、料理部のルールである『他の人の料理を貰ったら、自分たちが作った料理を返す』と言うルールに則り、後輩たちからクレープと交換と言うことで色々とお菓子を貰った。

 

そのお菓子を食べ、そのお菓子の改善案を後輩たちと話していると、料理部の部屋の扉を開けてこの料理部の部長がやってきた。

 

「高橋部長、こんにちわ。クレープ食べます?」

 

「白河君、こんにちわ。私はもう部長じゃないわよ。クレープは後で貰うわ。もちろん、メープルシロップ味はあるのよね?」

 

「ありますよ。お返しはたい焼きがいいですね」

 

「分かったわ。あとで作っておくわ。それで、この前の相談の続きをしたいんだけど…」

 

部長はあの話の続きをしたいようだが、他の後輩たちの目が気になるようだ。分からなくもないな。

 

「大丈夫ですよ高橋先輩!ボクたちはそろそろ帰りますから!」

 

「卒業デュエル、頑張ってくださいね高橋先輩!」」

 

気を利かせた後輩たちがいそいそと帰り支度を済ませて部屋から出ていく。

 

「もう、あの子たちったら…あら?そちらの方達は料理部の部員じゃないわよね?」

 

「高橋部長。彼らは俺の友人ですが、デュエルに精通している者ばかりなので、多分一緒に聞いてもらった方がいい結果になりますよ」

 

「そうなの?ならお願いしようかしら。そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は高橋愛。この料理部の元部長よ」

 

「赤羽コナミだ」

 

「速水ユーゴだぜ!」

 

「風祭リンです」

 

「葉月セレナだ」

 

高橋元部長の自己紹介の後、コナミ、ユーゴ、リン、セレナがそれぞれ自己紹介をする。

 

俺と同じ2年のコナミは既にどんな話なのかを把握したようだが、まだ1年のユーゴ、リン、セレナはよく分かっていないようだ。一応、説明しておこうか。

 

「『かがやき市』の中心に立っているこの『かがやき中学校』には、とある伝説があってね」

 

「「「伝説って?」」」

 

条件反射的に、あぁ!って返しそうになった。危ない危ない。

 

「『卒業式の日に、校庭の外れにある伝説の樹と呼ばれる桜の樹の下で、女の子からデュエルを挑まれて、デュエル後に告白されて生まれたカップルは永遠に幸せになる』って言う伝説よ」

 

部長が話を引き継いて説明してくれた。流石はカードもできるギャルゲーの世界と言うべきか。同じ会社が出している某恋愛ゲームとほぼ同じような設定の伝説だよな。デュエルと告白に何の関係があるのかは知らん。

 

「オレも去年の卒業式はめちゃくちゃデュエルしたなぁ」

 

コナミが去年の思い出を零す。ちなみにコナミは、当日は連続で30戦くらいデュエルして、全部勝利した後に全員をそれとなく振ったらしい。コイツ、いつか嫉妬に狂った男子か怒り狂った女子刺されるぞきっと。

 

俺?聞くなよ、悲しくなるだろ…。当日は『何でわざわざ樹の下でデュエルしてんの?』なんて話を鈴木や田中としながら普通に帰宅したよ。佐藤?奴はこの件に関しては裏切り者だからな…。

 

「へぇ~」

 

ユーゴは他人事のように興味無さそうにしているが、君は今回間違いなく樹の下に呼ばれるイケメンの一人だからな?

 

「そんな伝説があるのね…」

 

リンはチラッとユーゴの方を見たが、俺の視線に気付いたらしくすぐに目を逸らした。少し顔が赤いが、指摘しない方が良さそうだ。不興を買って腹に膝蹴りを受けて顔芸をする羽目になるのはユーゴだけで良い。

 

「何でわざわざ樹の下でデュエルする必要があるんだ?」

 

「知らない」

 

セレナは単純にデュエルする理由が分からなくて困惑しているようだ。だからと言って俺に聞かれても困るが、分かる、分かるぞその気持ち。俺も最初はそう思った。

 

「それで、その伝説にあやかってデュエルすることをいつしか『卒業デュエル』と呼ぶようになったわけだ。ここまで言えば大体わかるだろう?」

 

「高橋先輩が誰かに卒業デュエルを仕掛けようとしているけれど、その前のデッキ調整の手伝いと助言あたりをクロトに頼んだわけね」

 

「正解」

 

察しの良いリンが話を纏めてくれた。高橋元部長も彼らと話すうちに次第に打ち解けていた。これが陽キャの力か…。

 

「なるほど。それならオレも参加させてもらおうかな」

 

「オレもオレも!」

 

「もちろん、私も参加するわよ」

 

「良く分からないけど、私も参加するぞ!」

 

全員のOKが得られたので、その日は部長の卒業デュエルを成功させる為、帰宅時間ギリギリまで部室で高橋元部長のデッキ調整に付き合った。

 

後日、卒業デュエルが成功して告白した男子と付き合えるようになったこと。そして、その相手がまさかの鈴木であったことが判明した。う、羨ましくなんてないさ…。

 

~~~

 

三学期が終わり、春休みに入った頃、俺は精霊界で【ダンシング・エルフ】に連れられてエルフの森にやってきていた。

 

「人間って不便よね。もう何度もこの森に来ているのに、未だに私の案内が無いと道が分からないなんてね」

 

「俺にはそもそも道が見えないんだよなぁ」

 

人間界の様に舗装された道など無く、生い茂った植物の間を縫うようにうねうね進んでいる為、道が全く覚えられない森だ。それから1時間くらい歩いた後、ようやくエルフの集落へと辿り着いた。

 

「ほら、クロト。着いたわよ。迎えはまた半日後で良いわね」

 

「あぁ、助かったよ【ダンシング・エルフ】」

 

「良いわよ。でも、帰ったら約束通り私のダンスに付き合ってよね」

 

「ダンスは…苦手なんだよなぁ。やるけどさ」

 

道案内に付き合ってもらった【ダンシング・エルフ】と別れ、集落の奥へと進んでいく。

 

「あらクロト。今日も回復魔術のお勉強?」

 

「そんなところだよ【ダーク・エルフ】」

 

「クロトじゃない!また魔術勝負しましょうよ!」

 

「【エンシェント・エルフ】か。今日は別件があるから、今度ならいいよ」

 

「「クロト~。お酒~」」

 

「ほらよ。君ら、酒に強くないんだし、飲み過ぎるなよ【ヂェミナイ・エルフ】」

 

「クロト!お菓子ちょうだい!」

 

「ほらよ。今日はクッキーな。【フルエルフ】、食べた後はちゃんと歯を磨けよ」

 

到着するまでに色んなエルフに話しかけられる。ファンタジーの設定では、『エルフは人間嫌い』みたいな設定が多いが、そもそも精霊界には人間が居ないので、ここのエルフは割と緩い。

 

「来たかクロト。彼女はもう広場で待っているぞ」

 

「お勤めお疲れ様です。【エルフの剣士】」

 

集落の奥にある広場への入り口に居た【エルフの剣士】に挨拶をして、彼女の待つ広間へと到着した。

 

「待っていましたよクロト。さぁ、早速始めましょうか」

 

「えぇ。【ホーリー・エルフ】。今日も回復魔術の指南、よろしくお願い致します」

 

夏休みに会ったトラゴエディアや、残滓とはいえ破滅の光をアッサリ消し去った師匠たちを見て、改めて実力不足を悟った俺は、修行の一環でこうしてエルフの森で【ホーリー・エルフ】に回復魔術を習っている。

 

彼女が居ないや彼女に用事がある時は【エンシェント・エルフ】と魔力弾を使った的当て勝負をしたり、【ダーク・エルフ】の魔力攻撃を防御する訓練をしたり、【エルフの剣士】と剣術の練習をしたりしている。

 

ちなみに、どれも勝ったことはない。誰だよ【エルフの剣士】が弱いとか言った奴。あんなバトル漫画みたいな動きに付いて行けるわけがないだろ!そりゃ翻弄されるわ!10mは離れた場所から一呼吸のうちに目の前に居る相手に一介の中学生が勝てるか!

 

「また魔力が乱れていますね。もう一度最初からやってみましょう」

 

「はい」

 

ちなみに、優しそうな顔をしている【ホーリー・エルフ】が一番厳しい。そして、回復魔術の指南を頼んだ際に、才能はほぼ無いと最初に言われた俺は、なかなか上達できていないので結構な頻度で怒られている。

 

「またまた魔力が乱れていますね。もう一度最初からやってみましょう」

 

「…はい」

 

この女、実はドSなのでは?と思わなくもないが、彼女の指導はかなり上手いのだろう。才能の無い俺でも徐々に成長は出来ているようで、半年間修業した今なら何とか擦り傷くらいなら瞬時に治せるようになった。もっと上達すれば異世界編で早乙女レイが負傷した際の傷の治療などに役立つだろう。当然、女の子が怪我をする事態なんて未然に防ぐつもりではあるが、念のためだ。

 

転生してから今まで色々と手を尽くしてみたものの、GX原作が始まるまでに対処できたのは、本来GX原作に関係のない勢力の排除のみ。光の結社にはある程度の邪魔は出来たと思うが、影丸、コブラ、ユベル、ダークネス。どの勢力にも有効打を与えられていないことから、恐らく今後俺がどれだけ手を出してもGX原作通りの事件は発生してしまうだろう。

 

三幻魔事件、光の結社事件、ユベルによる異世界事件、これら全てが発生してしまった場合、アカデミア本校がある島の次元に負荷をかけてしまい、ダークネスが発生する。ダークネスが発生してしまうともう人間の力では解決できない。全ての事件を十代に丸投げすることも、世界の全てを十代に賭けるなんて博打を行うこともしたくないし、させたくない。

 

せめて、ダークネス以外の事件のどれかに介入して潰してしまえるように、俺自身の力を高めるしか方法はないだろう。今は貪欲に様々な力を求めるべきだ。

 

「またまたまた魔力が乱れていますね。もう一度最初からやってみましょう」

 

「……はい」

 

とはいえ、まだまだ先は長そうである。今日も俺は使い慣れない回復のための魔力を手の平に集中させるのであった…。




説明するまでもないかもしれませんが、卒業デュエルの元ネタはアニメGXのアレと、コナミが発売した超有名な某恋愛ゲームです。

オリ主の精霊界修行再開です。魔導波を出せるようになった後は日々魔力を高める修行だけを継続していましたが、元々魔力が無く才能もないオリ主では大した効果を得られませんでした。破滅の光の対処と今後起こりそうなリアルファイト対策として本格的な修行を再開しました。

次回からは新章突入。ようやく原作一年前です。

次回の更新は2/10(水) AM6:00予定です。

オリ主にヒロインは必要でしょうか?

  • 不要だ!そういうのはいいからデュエルだ!
  • いる!原作イメージが壊れないオリヒロで!
  • いる!原作改変ものだし、原作キャラで!
  • いる!TFならモブキャラ攻略でしょ
  • いる!オリ主ならハーレムを目指せ!
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