【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~ 作:嘘つき熊さん
今回の相手は、アークファイブの登場人物の瑠璃とのデュエルになります。
緩くデュエルするだけのつもりが、少々長めの話になってしまいました。
※遅くなりましたが、デュエル後の後半部分は、アンチ・ヘイト要素注意です。
<クロト視点>
地元のデュエル大会が終わり、GWが過ぎ去って梅雨に時期がやってきた。
俺は先ほどまで休日を利用してツァンと駅近くの図書館で歴史の勉強をしていたが、今は息抜きに少し前にようやく購入したスマートフォンを片手にとあるサイトを確認していた。
「あっ、それって最新モデルの携帯電話じゃない」
「スマートフォンって言うらしいぞ。これがあれば今までの携帯電話よりもより快適に屋外でも、インターネットで調べ物が出来るんだ」
「へぇ~。携帯電話なんて電話機能とメール機能さえあればいいと思うけど…それで、何のサイトを見てるのよ。まさか、エッチなサイトじゃないでしょうね!」
「こんな公共の場でそんなもん見るか。デュエルモンスターズ公式HPで少し前に更新されていたリミットレギュレーションを見てるんだよ。ほら」
「あっ、ホントだ。何々…。ちょっと!【増援】が準制限になっているじゃない!」
「あのカードは制限でもおかしくない強さだから仕方ない」
<禁止カード>
【キャノン・ソルジャー】 New!
【トゥーン・キャノン・ソルジャー】 New!
【混沌帝龍-終焉の使者-】 New!
【カオス・ソルジャー -開闢の使者-】 New!
【サウザウンド・アイズ・サクリファイス】 New!
【苦渋の選択】 New!
【次元融合】 New!
【悪夢の蜃気楼】 New!
【強欲な壺】 New!
【天使の施し】 New!
【血の代償】 New!
【停戦協定】 New!
【破壊輪】 New!
【王宮の勅命】 New!
【マジカル・エクスプロージョン】 New!
<制限カード>
【月読命】 New!
【マシュマロン】 New!
【同族感染ウイルス】 New!
【魔導戦士 ブレイカー】 New!
【異次元の女戦士】 New!
【ドル・ドラ】 New!
【ならず者傭兵部隊】 New!
【魔鏡導士リフレクト・バウンダー】 New!
【人造人間-サイコ・ショッカー】 New!
【Emヒグルミ】 New!
【星守の騎士 プトレマイオス】 New!
【No.16 色の支配者ショック・ルーラー】 New!
【ギャラクシー・サイクロン】 New!
【ライトニング・ボルテックス】 New!
【サイクロン】 New!
【スケープゴート】 New!
【ツインツイスター】 New!
【激流葬】 New!
【魔のデッキ破壊ウイルス】 New!
<準制限カード>
【アビス・ソルジャー】 New!
【暗黒のマンティコア】 New!
【強制転移】 New!
【増援】 New!
【成金ゴブリン】 New!
【非常食】 New!
【高等儀式術】 New!
【レベル制限B地区】 New!
【グラヴィティ・バインド-超重力の網-】 New!
【ゴブリンのやりくり上手】 New!
<エラッタ(OCG順守)>
【キラー・スネーク】 New!
【処刑人-マキュラ】 New!
【死のデッキ破壊ウイルス】 New!
よっしゃ!【強欲な壺】と【天使の施し】が逝った!俺がデッキに入れていてもほぼ来ないくせに相手はガンガン使ってくるインチキカードなんて禁止されてしまえばいいんだよ!
それにしても、結構な量が更新されているな。【キラー・スネーク】と【死のデッキ破壊ウイルス】はエラッタされたか。彼らはもう終わりですね…。おぉっ、【ダーク・ダイブ・ボンバー】はまだエラッタ無しで制限止まりか、良いねぇ!…ん?
「【No.16 色の支配者ショック・ルーラー】が制限になっているな…」
あのカードは赤馬とアポリアくらいにしか使っていないはずなんだが…アポリアがわざわざこんなことをするとは思えないし…あの赤マフラーめ、公式サイトに密告しやがったな?
「【No.16 色の支配者ショック・ルーラー】?聞いたことのないカードね?」
「これ」
不思議そうな顔をしているツァンに【No.16 色の支配者ショック・ルーラー】を見せる。効果テキストを呼んでいるツァンの顔色がみるみる青くなっていき、それから次第に赤くなっていく。面白い奴だ。
「何これ!こんなの禁止でしょ!ばっかじゃないの!」
「俺に言うなよ…。公式が制限カードで良いって言うんだから、制限カードで1枚は使用していいんだよ」
「信じられない…」
ツァンはまだ文句が言い足りないようだ。気持ちはわかるけどな。
それにしても、くくくっ!馬鹿な赤マフラーめ!【No.16 色の支配者ショック・ルーラー】なんて1枚使えればゲームエンドまで行けるから、禁止じゃなければそれでいいんだよ!
俺はリミットレギュレーション更新の確認を終えて、スマートフォンを鞄に仕舞った。
「さて、そろそろ勉強を再開しようかな。来週は出かける用事があるからここに来れない分、今日のうちに進めてしまわないとな」
「そう言えばそんなことを言っていたわね。何処に行くのよ?」
「ハートランドシティ。知り合いに頼まれて、復興活動のボランティア活動だよ」
「そう…。じゃ、じゃあボクも一緒に付いて行っても…」
「えっ?」
「な、何でもないわよ!馬鹿!さっさと勉強するわよ!」
「えぇ…」
何か言いかけたから聞き直しただけなのにこれだ。思春期の女の子は気難しいな。セレナはもっとシンプルなんだけど、あの娘が特殊なだけかな。
~~~
<クロト視点>
それから次の週の休日の昼前時、俺はハートランドシティにある、葉月財閥の系列会社のビルにある社長室にやってきていた。なんでも復興活動をするためにユーリが自ら新たに会社を興したんだとさ。とても年下とは思えない。行動力の化身かよ。
「いらっしゃいクロト。今日も働いてもらうよ?」
「いらっしゃい。今日もクロトの働きに期待しているからね?」
入室するなりいきなりこれである。ニヤニヤしているユーリとデニスは気楽に言ってくれるけど、今日の作業はなかなかの重労働である。こんなもん中学生にやらせんなよ…。
ちなみにユーリとデニスは通信制の学校に通っていて、既に超一流と言われる高校の卒業資格まで取っているそうで、今は超一流の大学レベルの講義を受講しているらしい。年齢は俺の方が1つ上だが、学歴だけで言えば俺より遥かに上だ。そもそも、ユーリとデニスはこの会社の社長とその直属の部下だしな。15歳未満でも就労していいんだなこの世界。
「クロトの担当エリアはいつも通りここだよ。君が【ラーの翼神竜】のリアルソリットビジョンを出して壊しまくったエリアだ」
「わ、悪かったとは思っているよ?」
「でも、その顔は反省はしているけれども後悔はしていないよね?まぁ、当時は状況が状況だったし、仕方ないとは思うけどね。幸いにも民間人には人的被害も出ていないからね」
ここハートランドシティでは、俺ことハノイの騎士は一種の英雄扱いを受けているが、当時のハノイの騎士の行動に対して批判されている部分もあるのが実情だ。
実のところハートランドシティの建物の被害のいくらかは、調子に乗ってリアルソリットビジョンで神を召喚しまくった俺の所為だったそうだ。その情報は俺自身も事件のしばらく後で知ったのだが、住民に対して隠していい情報ではないので彼らへの情報公開をした結果、彼らの怒りの一部を買うことになったわけだ。そりゃそうだよな。
俺が破壊した建物の被害総額は億単位にも昇っていたらしく、そのお金の建て替えをしてくれたのがユーリたち葉月財閥、海馬社長たちの海馬コーポレーション、ペガサス会長のI2社だ。この負い目があるので、基本的に俺はユーリたちの依頼は断りづらいのだ。なので、あのテロ事件の日から時折こうしてボランティア活動を手伝っている。
この辺りの事情に関してはユーゴ、リン、セレナには話していない。コナミは勝手に把握しているだろうけどな。俺が自主的にボランティア活動に参加していると思っているはずだ。
「そう言えば、セレナたちはどうしたんだい?彼女のことだから、君の後ろを子犬の様について回っているかと思ってたんだけど?」
「セレナたちは、このビルに入る前に舞網チャンピオンシップの時に知り合った友人たちを見つけたらしくてな。コナミ、ユーゴ、リンたちと一緒にそっちに向かったぞ」
「あぁ、LDSの赤馬社長に嫌われているクロトだけ仲間外れにされたって言うあの大会か」
「うるせーよ。とにかくそういうことだ。俺はもう作業に向かうぞ。現場にはバレットさんが居るんだろ?」
「そうだよ。作業の詳細は彼に聞いてくれ」
「OK」
さて、久しぶりに会った友人への挨拶も終わったことだし、そろそろボランティア活動を開始するとしよう。
~~~
<クロト視点>
バレットの指示に従って作業をしていたら、気が付けばもう夕暮れ時になっていた。長時間の作業のおかげでこの辺り一帯にある瓦礫はほぼ取り除くことが出来た。これで俺がハートランドシティに与えてしまった被害に対して、少しでも贖罪出来ているといいんだけどな。
「クロト、今日はもういいだろう。お疲れさまだな」
「バレットさんもお疲れ様です。それにしても流石の指揮でしたね。とても作業がしやすかったです」
「それを言うならお前の力の方こそ凄まじいものだったぞ。オカルトのことはよく分からないが、お前が片手で重機を使わないと運べないような瓦礫の塊を軽々と持ち上げた時は我が目を疑ったぞ。だが、お前のおかげで本来の日程よりかなり早く終わることが出来た。礼を言わせてくれ」
「いえ、この辺りが荒れているのは俺の所為でもありますからね。気にしないでください」
「そうは言うがな、お前は民間人に危害を加えていたテロリストを鎮圧したんだ。それは世間一般で言えば褒められる行為だ。あまり気負うな」
「ありがとうございます」
そう言ってもらえると多少は気が楽になるな。この町を見る度に、もっと俺が上手くやっていれば…なんて身の程を知らない後悔を覚えるからな。
「残りの作業はこちらでやっておく。葉月財閥への報告も含めてな。お前はセレナお嬢様たちと合流して先に帰っていてくれ。あぁ、そうだ。セレナお嬢様はお前がちゃんと屋敷まで送り届けてくれよ?」
「分かっていますよ。彼女の容姿だと良からぬことを考える馬鹿が絡んでこないとも限りませんからね。ボディーガード役は必要でしょう」
「はぁ…。君は共に戦場に立つ時はこれほど頼もしい味方は居ないと思えるほどの人物なのだが、こういうことに関しては本当に鈍いな」
「こういうこと?何の話です?」
いや本当に何の話だ?オベリスクフォースは殲滅して久しいし、今更彼女を狙うような勢力は居ないと思うんだけど…まさか、見落としがあるのか?
「まぁいい。では、お嬢様を頼んだぞクロト」
「頼まれました。では、お疲れさまでした」
何だがよく分からないが、とにかく今日の作業は終わりだ。また時間が取れたら手伝いに来よう。そう思いながらこの場所を後にして、コナミたちとあらかじめ決めていた集合場所に向かった…。
~~~
<クロト視点>
もうすぐ夕日が沈みそうな時間帯に、復旧したハートランドシティの広間にやってきた。いつもの様に勝手に出てきて肩や腰に引っ付いているバニーラやプチリュウを撫でつつ、コナミ達との集合場所に向かう。どうやらコナミ達は既にやってきていて俺を待っていたようだ。
「お~、クロト。お勤めご苦労様~」
「おぅ、今日もボランティア活動に勤しんできたぜ」
こちらに気付いたコナミが手を挙げながらこちらに声を掛けてきたので、同じように手を挙げながら返事を返し、すれ違いざまになんとなくパシーン!とハイタッチをする。
「あの、貴方が白河クロトさん?」
リンとセレナの後ろに隠れていて見えなかったが、コナミ達の他にもう一人女の子が居たようだ。黒に近い紫色の長髪を後ろでまとめ、羽のヘアアクセサリー、イヤリングをつけている少女。先ほど見かけた黒咲瑠璃だ。そもそも彼女を見かけたからセレナやリンが反応して話しかけに言っていたから特に不思議なことはないけどな。
「うん?そうだけど、君は?」
「初めまして。私は黒咲瑠璃よ」
「そうか。君が黒咲瑠璃さんか。ではこちらも初めまして。白河クロトだ」
瑠璃が自己紹介をしてきたので同じように俺も自己紹介を返す、白河クロトとしては初対面だし、わざわざ第一印象を悪くする必要問題だろう。
「うん、やっぱり見間違いじゃない…。あの時にうっすらと見た羽が、今ならはっきり見える…」
瑠璃が何か呟いたようだったが、周りの話し声にかき消されてよく聞き取れなかった。口の動きから、羽がどうとか言っていた気がするが…ん?瑠璃の視線が、俺の肩や腰に向いて固まっているが、もしかしてバニーラたちが見えているのか?
「あの、突然だけど、私とデュエルしてもらえないかしら?」
そんなことを考えていたら、瑠璃からいきなりデュエルを挑まれた。この世界では、挑まれたデュエルを断るのはとても失礼な行為だ。それに、以前彼女に渡したカードをどれくらい使いこなせているか、また俺が考えもしないようなコンボや戦術を見せてくれるのではないか?と期待しているのもある。こちらの期待に関しては、過去にカードを渡したことのある子達全員に共通するものだけどさ。
「いいよ」
俺は肯定の言葉を返す。正直に言うと、俺は彼女やハートランドシティの住人には町を破壊してしまった負い目があるため、断りづらかったというのが一番の理由だ。
アニメアークファイブでは、アカデミアに侵略された後のエクシーズ次元の住人はアカデミアが侵略行為に使用したリアルソリットビジョン、と言うかデュエルそのものを嫌う傾向があったが、この世界ではオベリスクフォースのテロ行為は原作に比べるとそこまで長い期間ではなく、なおかつ他の町からすぐに救助が来てオベリスクフォースたちがデュエルによって殲滅された為、そこまでデュエルに対して悪印象はないようだ。
「そう。良かった。じゃあ少し移動しましょうか」
そう言うと彼女は広場の端の方に移動し始めたので、俺も追従することにした。確かにこんな広場の真ん中でデュエルのするのは他の通行人の邪魔になるだろうからな。
視線を感じたのでふと横を見ると、コナミ、ユーゴ、リンは面白そうなものを見る目をしているが、セレナは少し複雑そうな顔をしている。そんなに早く帰りたかったのか、済まないな。
「瑠璃、クロトは強いわよ。油断しちゃだめよ」
「瑠璃~。頑張れよ~」
「分かってるわリン、ユーゴ。ただ、私だってハートランド・デュエル・スクール「スペード校」に所属するデュエリスト。簡単に負けるつもりはないわよ!」
ユーゴとリンは瑠璃側の応援に付くようだ。舞網市でどんな出会いをしてどのような話をしたのかは知らないが、アニメ原作では殆ど会話が無かった彼らが仲良く話しているのを見ると、なんだか少し嬉しいな。
アニメ原作では、エクシーズ次元にあるハートランド・デュエル・スクール「スペード校」に兄の黒咲やユートが所属していたが、瑠璃が所属しているかは不明だったはずだが、この世界では兄たち同様の道を歩んでいるようだな。
「クロト、瑠璃とデュエルが終わったら、次はオレとデュエルな!」
「ズルいぞコナミ!瑠璃の次は私がクロトとデュエルするんだからな!」
コナミとセレナはマイペースだ。俺と瑠璃のデュエルの勝敗自体にはあまり興味がなさそうだ。ちなみに瑠璃の次のデュエルはどちらともしない。そろそろ帰らないと孤児院の晩御飯に間に合わなくなるからな。
デュエルの前に、黒咲瑠璃について改めて考えておこう。
アニメ版アークファイブには最初に1つの世界があり、その世界は高度な科学力を有しており、リアルソリットビジョンもその世界で生まれた技術だ。ただ、この世界はズァークと言う青年が覇王龍ズァークとなって滅ぼしてしまい、赤馬零王とその娘であるレイが覇王龍ズァークを封印することに成功するものの、世界&ズァーク&レイは4つに分かれてしまう。
黒咲瑠璃はレイが4つに別れた際の1人であり、4つの次元に別れた世界の1つであるエクシーズ次元で生きていた少女だ。他の3つの次元にそれぞれ存在する、柊柚子、セレナ、リンと同じ顔を持つ。(視聴者的にはそれほど似ているようには見えなかったが)。
同じエクシーズ次元で生まれた黒咲隼の妹として育ち、兄妹ともにユート、神月アレン、笹山サヤカと言った同年代の友達と一緒に日々を楽しく過ごしていたが、融合次元のアカデミアと呼ばれる組織のトップとなったプロフェッサー赤馬零王の指示により、エクシーズ次元は次元戦争と言う名の侵略行為を受けてしまう。
エクシーズ次元の人々がアカデミアの手先であるオベリスクフォースや侵略者たちによって次々とカード化される中、瑠璃だけはデニス・マックフィールドの手引きを受けたユーリ自らの手によってカード化されることなく拉致されてしまう。
融合次元に連れ去られた後、Dr.ドクトルのパラサイト・フュージョナーにより洗脳され、融合次元まで助けに来た兄の隼と戦ったり、同じく洗脳されたセレナと共に榊遊矢と戦ったりしたが、最終的には4つの次元が1つの次元に戻ろうとしている最中に、娘のレイを蘇らせようとしている赤馬零王の手によって柚子シリーズの4人は1人に統合されてしまう。
その後、復活した覇王龍ズァークが倒されて世界に平穏が戻った後、瑠璃、リン、セレナの3人は、柊柚子の精神の中で生きるだけの存在となっており、アニメ最終回が終了してもその状態から変化することはなく、世界からは実質消滅したような感じになっていた。
アニメ最終回が彼女にとって救いだったのかどうかは彼女自身にしか分からないが、あの結末に納得がいかなかった当時の視聴者の俺としては、今のこの状態の方が好きだな。この世界ではオベリスクフォースもDr.ドクトルも処理したので、あとはユート辺りと末永く幸せに爆発して欲しい。
デュエリストとしての彼女はレベル(ランク)1・風属性・鳥獣族で統一された【LL(リリカルルスキニア)】と言うカテゴリのテーマを使用する。意味は「叙情的な」「サヨナキドリ」だそうだ。レベル1モンスターの高速展開による高速エクシーズ召喚でダイレクトアタッカーのエクシーズモンスターを呼び、相手を瞬殺してくるなかなかに怖いデッキだ。決して油断はできない。
~~~
<クロト視点>
通行人の邪魔にならないように、広場の端に寄ってデュエルディスクを構える。俺がデュエルをする様子を見せると、肩や腰に引っ付いていたバニーラとプチリュウはゆっくりと俺の体から離れて俺と距離を取る。
『バニー!』
『リュ~ン!』
どうやら応援してくれるようだ。その心遣いに感謝しつつ、対面にいる対戦相手、黒咲瑠璃と向き合う。
「「対戦、よろしくお願いします」」
挨拶は大事だ。古事記にもそう書いてあるはず。
「「デュエル!」」
◆白河クロト LP:4000、手札:5枚
VS
◆黒咲瑠璃 LP:4000、手札:5枚
「先攻は私が貰うわ!私のターン!ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」
黒咲瑠璃 手札:5→6枚。
「自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。私は手札から【LL-ターコイズ・ワーブラー】を特殊召喚!」
黒咲瑠璃 手札:6→5枚。
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-ターコイズ・ワーブラー ★1 DEF0
「【LL-ターコイズ・ワーブラー】の効果発動!このカードが手札からの特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分の手札・墓地から「LL」モンスター1体を選んで特殊召喚する。私は手札から【LL-コバルト・スパロー】を特殊召喚!」
黒咲瑠璃 手札:5→4枚。
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-ターコイズ・ワーブラー ★1 DEF0
LL-コバルト・スパロー ★1 DEF100
「【LL-コバルト・スパロー】の効果発動!このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから鳥獣族・レベル1モンスター1体を手札に加える。私はデッキから【LL-サファイア・スワロー】を手札に加える!」
黒咲瑠璃 手札:4→5枚。
「私はレベル1の【LL-ターコイズ・ワーブラー】と【LL-コバルト・スパロー】でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!来て!ランク1【LL-リサイト・スターリング】!」
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:2
「【LL-リサイト・スターリング】がX召喚に成功した場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる、そのモンスターの攻撃力・守備力は、このカードのX素材の数×300アップする効果があるけれど、今回は発動させないわ」
「【LL-リサイト・スターリング】が持つ効果の1つ、X召喚したこのカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは相手も受ける効果を使う為かな?」
「あら?まだ説明していないのに良く知っているわね?」
そりゃ、この世界だと俺が君にあげたカードだしな。
「そして、【LL-コバルト・スパロー】をエクシーズ素材としてエクシーズ召喚した【LL-リサイト・スターリング】は相手の効果の対象にならない効果を得るわ」
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:2 ※相手の効果の対象にならない。
これで【LL-リサイト・スターリング】には、モンスター効果を無効化する【禁じられた聖杯】や【デモンズ・チェーン】などの対象を取るカードを使えず、戦闘で破壊するとその戦闘ダメージがこちらにも発生するようになる。当然、向こうはその戦闘ダメージを自分だけ回避する手段を用意するだろうな。
そして、『エクシーズ素材としているエクシーズ召喚した』ではなく、『エクシーズ素材としてエクシーズ召喚した』と言うテキストなので、例え【LL-コバルト・スパロー】をORUとして消費して取り除いたとしても、その付与した効果は失われないのだ。
「そして【LL-リサイト・スターリング】のORUを1つ消費して効果発動!1ターンに1度、このカードのORUを1つ取り除いて発動できる。デッキから鳥獣族・レベル1モンスター1体を手札に加える。私はデッキから2枚目の【LL-ターコイズ・ワーブラー】を手札に加える!」
黒咲瑠璃 手札:5→6枚。
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:2→1
ORUとして墓地に送ったのは…【LL-コバルト・スパロー】だな。
「自分フィールドに鳥獣族モンスターが存在する場合に発動できる。このカードと鳥獣族・レベル1モンスター1体を手札から特殊召喚する。私は手札から【LL-サファイア・スワロー】と、2体目の【LL-ターコイズ・ワーブラー】を特殊召喚!」
黒咲瑠璃 手札:6→5→4枚。
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:1 ※相手の効果の対象にならない。
LL-サファイア・スワロー ★1 DEF0
LL-ターコイズ・ワーブラー ★1 DEF0
「【LL-ターコイズ・ワーブラー】の効果発動!このカードが手札からの特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分の手札・墓地から「LL」モンスター1体を選んで特殊召喚する。私は墓地から【LL-コバルト・スパロー】を特殊召喚!」
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:1 ※相手の効果の対象にならない。
LL-サファイア・スワロー ★1 DEF0
LL-ターコイズ・ワーブラー ★1 DEF0
LL-コバルト・スパロー ★1 DEF100
「私は手札から【愚かな埋葬】を発動!デッキからモンスター1体を墓地へ送る。私はデッキから2枚目の【LL-コバルト・スパロー】を墓地に送るわ!」
黒咲瑠璃 手札:4→3枚。
「私はレベル1の【LL-サファイア・スワロー】【LL-ターコイズ・ワーブラー】と【LL-コバルト・スパロー】でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!麗しき翼を持つ鳥たちよ。戦場に集いて気高く輝け!エクシーズ召喚!舞い降りよ!ランク1【LL-アセンブリー・ナイチンゲール】!」
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:1 ※相手の効果の対象にならない。
LL-アセンブリー・ナイチンゲール ☆1 ATK0 ORU:3
「【LL-アセンブリー・ナイチンゲール】の効果により、このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。そして、【LL-コバルト・スパロー】をエクシーズ素材としてエクシーズ召喚したことでは相手の効果の対象にならない効果を得る」
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:1 ※相手の効果の対象にならない。
LL-アセンブリー・ナイチンゲール ☆1 ATK0→600 ORU:3 ※相手の効果の対象にならない。
「そして【LL-サファイア・スワロー】をエクシーズ素材としてエクシーズ召喚したX召喚した風属性モンスターは、X召喚に成功した場合、自分の墓地の「LL」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてORUとする。私はこの効果を発動して、墓地の【LL-コバルト・スパロー】を【LL-アセンブリー・ナイチンゲール】のORUとするわ!」
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:1 ※相手の効果の対象にならない。
LL-アセンブリー・ナイチンゲール ☆1 ATK600→800 ORU:3→4
「更に、このカードは直接攻撃でき、X素材を持ったこのカードは、その数まで1度のバトルフェイズに攻撃できる効果。1ターンに1度、ORUを1つ取り除いて発動でき、ターン終了時まで、自分フィールドの「LL」モンスターは戦闘・効果では破壊されず、自分が受ける戦闘ダメージは0になる、この効果は相手ターンでも発動できる効果を持つ。だったかな」
「えぇ、その通りよ。私はカードを2枚セットしてターンエンド」
黒咲瑠璃 手札:3→1枚。伏せカード:2枚。
◆白河クロト LP:4000、手札:5枚
VS
◆黒咲瑠璃 LP:4000、手札:1枚、伏せカード:2枚。
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:1 ※相手の効果の対象にならない。
LL-アセンブリー・ナイチンゲール ☆1 ATK800 ORU:4 ※相手の効果の対象にならない。
俺の知る限りだと【LL】のテーマはモンスターのみOCG化され、専用サポートなどは存在しないはず。ならばあの伏せカードは汎用魔法罠。もしくは種族サポートカード辺りか。わざわざエクシーズ召喚したモンスターを【ゴッドバードアタック】のリリースにするとは考えづらい。となれば、専用補助系か、フリーチェーンの除去系だろうか。ともかく、破壊しても問題は無いだろう。
「俺のターン!ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メイン…」
白河クロト 手札:5→6枚。
「このタイミングで【LL-アセンブリー・ナイチンゲール】のORUを1つ消費して効果発動!ターン終了時まで、自分フィールドの「LL」モンスターは戦闘・効果では破壊されず、自分が受ける戦闘ダメージは0になる!」
LL-アセンブリー・ナイチンゲール ATK800→600 ORU:4→3
誘発即時効果の【LL-アセンブリー・ナイチンゲール】の効果を発動されたか。こちらの妨害札を警戒してこのタイミングで発動したのかな?ともあれ、このターンでの戦闘・効果破壊無効+戦闘ダメージ0にされてしまうので、このターンで倒し切るにはバーンダメージか何らかの特殊勝利条件を満たす必要があるが、至難の業だな。ここは素直に相手フィールドの処置に専念するとしよう。
「デュエルを継続するぞ。メインフェイズへ移行!俺は手札から永続魔法【闇の護封剣】を発動!このカードは発動後、2回目の自分スタンバイフェイズに破壊される。このカードの発動時の効果処理として、相手フィールドに表側表示モンスターが存在する場合、そのモンスターを全て裏側守備表示にする!」
白河クロト 手札:6→5枚。永続魔法:0→1
「そうはさせない!リバースカードオープン!速攻魔法【サイクロン】発動!フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する!私は永続魔法【闇の護封剣】を対象として発動し、【闇の護封剣】を破壊させてもらうわ!」
黒咲瑠璃 伏せカード:2→1枚。
チェーン①闇の護封剣
チェーン②サイクロン
むっ、裏側守備にして効果破壊耐性を無効化しようと思ったんだが、防がれてしまったな。
「効果処理を行うぞ。チェーン②【サイクロン】により永続魔法【闇の護封剣】は破壊される。チェーン①【闇の護封剣】の効果だが、永続魔法は効果処理時に破壊されるなどして場に存在しない場合、その効果処理は適用されない為、不発だな」
白河クロト 永続魔法:1→0
効果の対象にならず、効果で破壊されないモンスターの対処は本当に難しいよな。リンク環境なら【星鍵士リイヴ】や【グラビティ・コントローラー】でそこまで苦労せずに対処できるんだが…【サイバース・クアンタム・ドラゴン】使うか?いや、確かアレにはテキストにリンクモンスターの文字が書かれているし、余計な混乱を招きそうだから止めておいた方がいいか…。
「俺は手札から儀式魔法【影霊衣の万華鏡】を発動!このカード名のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、自分の手札・フィールドのモンスター1体をリリース、またはリリースの代わりにEXデッキのモンスター1体を墓地へ送り、手札から「影霊衣」儀式モンスターを任意の数だけ儀式召喚する。俺はEXデッキのレベル4【虹光の宣告者】を墓地に送り、手札からレベル4【ユニコールの影霊衣】を儀式召喚する!」
白河クロト 手札:5→4→3枚。
「EXデッキのモンスターを儀式召喚のリリースに使用する!?」
<白河クロトのフィールド>
ユニコールの影霊衣 ★4 ATK2300
今、瑠璃がチラッと自分の伏せカードを見たな。なら、伏せてあるのは召喚反応系かな?【LL】デッキなら激流葬辺りだろうか。
「墓地に送られた【虹光の宣告者】の効果発動!このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから儀式モンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。俺はデッキから【クラウソラスの影霊衣】を手札に加える!」
「この効果の処理の前に、【ユニコールの影霊衣】がフィールドに居る時のモンスター効果を説明しておこう。このカードがモンスターゾーンに存在する限り、EXデッキから特殊召喚された表側表示モンスターの効果は無効化される」
「なっ!?エクストラモンスターの効果封じ!?」
「【ユニコールの影霊衣】の儀式召喚成功時に何か効果を発動するか?」
「…リバースカードオープン!罠カード【激流葬】発動!モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動でき、フィールドのモンスターを全て破壊する!流石にそのモンスターはフィールドに残しておけないわ!」
黒咲瑠璃 伏せカード:1→0枚。
やはり召喚反応系か。こちらの今後の展開を考えて発動させるかを悩んだんだろうが、発動させたか。【LL-アセンブリー・ナイチンゲール】の効果でこのターンは「LL」モンスターは戦闘・効果では破壊されないから、破壊されるのは俺のフィールドのモンスターだけだからな。
チェーン①虹光の宣告者
チェーン②激流葬
「効果処理を行う。チェーン②【激流葬】により、フィールドの全てのモンスターは破壊される。だが、そちらの「LL」モンスターは効果破壊耐性持ちだからそのままだな。そしてチェーン①【虹光の宣告者】の効果によって俺はデッキから【クラウソラスの影霊衣】を手札に加える」
白河クロト 手札:3→4枚。
これで瑠璃の伏せカードは全て無くなったな。このターンは戦闘ダメージを与えられないから倒しきれないが、あの厄介なエクシーズモンスターには退場してもらっておこう。
「俺は手札から魔法カード【儀式の準備】を発動!デッキからレベル7以下の儀式モンスター1体を手札に加える。その後、自分の墓地の儀式魔法カード1枚を選んで手札に加える事ができる。俺はデッキのレベル6儀式モンスター【ブリューナクの影霊衣】を手札に加え、更に墓地の儀式魔法【影霊衣の万華鏡】を手札に加える」
白河クロト 手札:3→5枚。
「俺は手札から【クラウソラスの影霊衣】を捨てて効果発動!このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから「影霊衣」魔法・罠カード1枚を手札に加える。俺はデッキから【影霊衣の降魔鏡】を手札に加える!」
白河クロト 手札:4→5枚。
「俺は手札から【ブリューナクの影霊衣】を捨てて効果発動!このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから「ブリューナクの影霊衣」以外の「影霊衣」モンスター1体を手札に加える。俺はデッキから【トリシューラの影霊衣】を手札に加える!」
白河クロト 手札:4→5枚。
「トリシューラの儀式モンスター!?まさかその効果は…!」
「俺は手札から儀式魔法【影霊衣の降魔鏡】を発動!影霊衣の降魔鏡」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地の「影霊衣」モンスターを除外し、手札から「影霊衣」儀式モンスター1体を儀式召喚する。俺は墓地のレベル3【クラウソラスの影霊衣】とレベル6【ブリューナクの影霊衣】を除外し、手札からレベル9【トリシューラの影霊衣】を儀式召喚する!」
白河クロト 手札:5→4→3枚。
<白河クロトのフィールド>
トリシューラの影霊衣 ★9 ATK2700
「【トリシューラの影霊衣】儀式召喚に成功時に効果発動!このカードが儀式召喚に成功した時に発動できる。相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1枚選び(手札からはランダムに選ぶ)、その3枚を除外する!この効果は対象を取らない効果だ。そちらの耐性をすり抜けるぞ!俺はフィールドの【LL-アセンブリー・ナイチンゲール】!墓地の【LL-コバルト・スパロー】!そしてそちらの手札1枚を除外する!」
「くぅっ!やってくれるわね!」
黒咲瑠璃 手札:1→0枚
<黒咲瑠璃のフィールド>
LL-リサイト・スターリング ☆1 ATK0 ORU:1 ※相手の効果の対象にならない。
「俺はまだ通常召喚を行っていない。俺は手札より【マンジュ・ゴッド】を召喚!」
白河クロト 手札:3→2枚。
<白河クロトのフィールド>
トリシューラの影霊衣 ★9 ATK2700
マンジュ・ゴッド ★4 ATK1400
「【マンジュ・ゴッド】召喚成功時に効果発動!このカードが召喚・反転召喚に成功した時に発動できる。デッキから儀式モンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。俺はデッキから儀式魔法【影霊衣の反魂術】を手札に加える!」
白河クロト 手札:3→2枚。
「三種類目の儀式魔法!?」
「俺は手札から儀式魔法【影霊衣の反魂術】を発動!「影霊衣の反魂術」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリースし、自分の手札・墓地から「影霊衣」儀式モンスター1体を儀式召喚する。俺はフィールドのレベル4【マンジュ・ゴッド】をリリースし、墓地のレベル4【ユニコールの影霊衣】を儀式召喚する!」
白河クロト 手札:2→1枚。
<白河クロトのフィールド>
トリシューラの影霊衣 ★9 ATK2700
ユニコールの影霊衣 ★4 ATK2300
「エクストラモンスターの効果封じの儀式モンスターの儀式召喚を許してしまうなんて…」
「このカードは通常召喚できない。自分の手札・フィールド・EXデッキからカード5枚以上を裏側表示で除外した場合のみ特殊召喚できる。俺はEXデッキからカードを5枚裏側表示で除外して、手札より【百万喰らいのグラットン】を特殊召喚!」
白河クロト 手札:1→0枚。
<白河クロトのフィールド>
トリシューラの影霊衣 ★9 ATK2700
ユニコールの影霊衣 ★4 ATK2300
百万喰らいのグラットン ★1 ATK?
「【百万喰らいのグラットン】の攻撃力・守備力は、裏側表示で除外されているカードの数×100アップする。このカードはモンスターゾーンに存在する限り、リリースできず、融合・S・X召喚の素材にもできない。1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターを裏側表示で除外する!この効果も対象を取る効果じゃないぞ」
<裏側表示で除外されているモンスター>
①外神ナイアルラ
②旧神ヌトス
③虹光の宣告者
④バハムート・シャーク
⑤餅カエル
<白河クロトのフィールド>
トリシューラの影霊衣 ★9 ATK2700
ユニコールの影霊衣 ★4 ATK2300
百万喰らいのグラットン ★1 ATK?→500
「バトルフェイズに移行。【百万喰らいのグラットン】で【LL-リサイト・スターリング】を攻撃!ダメージステップ開始時に【LL-リサイト・スターリング】を裏側表示で除外する!」
<黒咲瑠璃のフィールド>
モンスター無し
「そんな…」
このターンに与えられる戦闘ダメージは0だ。これ以上攻撃しても意味ないな。
「メインフェイズ2に移行。…ターンエンドだ」
◆白河クロト LP:4000、手札:0枚
<白河クロトのフィールド>
トリシューラの影霊衣 ★9 ATK2700
ユニコールの影霊衣 ★4 ATK2300
百万喰らいのグラットン ★1 ATK500
VS
◆黒咲瑠璃 LP:4000、手札:0枚、伏せカード:0枚。
<黒咲瑠璃のフィールド>
モンスター無し
調子に乗って儀式召喚しまくった挙句、手札無し、伏せカード無し、墓地発動カード無し。やりすぎだ、俺はアホだな。
瑠璃が【ブラック・ホール】のような全体除去の魔法カードを引くだけで俺のフィールドは壊滅する。
「私のターン!ドローフェイズ、ドロー!…駄目ね。私はこのデュエル、サレンダーするわ」
黒咲瑠璃 手札:0→1枚。
た、助かった~!危ねぇ~!!
「「対戦、ありがとうございました」」
~~~
<クロト視点>
デュエルが終わると、瑠璃はデュエルディスクを片付けながらゆっくりとこちらに歩いてきた。
「悔しいけれど、私の負けね。どうかしら?私は貴方に渡されたこの子達の力をちゃんと活かしきれていたかしら?」
「あぁ、俺が使った時よりもはるかに使いこなしていたように見えたよ」
瑠璃の問いに俺は思ったことをそのまま答えた。実際、俺は知識はあれど【LL】のようなピーキーなデッキを上手く使いこなせる自信は無いからな。前世でも時々使っていた【影霊衣】ですらあのザマだったわけだからな。
「あーあ」
「やっぱりこうなるのね」
「こうなるんじゃないかと思ったぜ」
コナミ、リン、ユーゴがなにやら言っている。セレナは何も言わないが少し不機嫌そうに見える。何だ?何の話だ?…あっ。さっきの話か。
「ふふっ。仮面と衣装が無い時の貴方って、少し抜けたところがあるのね?ハノイの騎士さん?」
悪戯が成功した時の子供の様に、楽しそうに笑う瑠璃。やられた。『貴方に渡されたこの子達』って、そういう意味だよな。瑠璃に【LL】デッキを渡したのって俺だけど、ハノイの騎士の姿の時だからなぁ。どうやら俺がハノイの騎士の正体だということがバレてしまったようだ。と言うより、思えば出会った直後くらいから気付いていたような様子だったな。
「はぁ~。なるほどな。やはり黒咲さんはこの子たちが見えるのか」
『バニー!』
『リュ~ン!』
デュエルが終わったことを察したのか、バニーラとプチリュウがやって来て、特等席と言わんばかりに肩や腰に引っ付く。引っ付くと言っても、重さがあるわけではないから歩きづらいわけではない。
「貴方の方が年上なんだし、瑠璃で良いわ。…えぇ、私自身も驚いてはいるけれど、以前はハッキリとは見えなかった貴方の腰に引っ付いているそのプチリュウの姿が、今ならはっきり見えるわ。貴方の肩に乗っているバニーラの姿もばっちり見えるわ」
「ハノイの騎士と一緒に居たこの子が、こうやって俺と一緒にいることでハノイの騎士=俺、と言う感じに結びつけたわけか」
「えぇ、その通りよ」
カードの精霊が見える子なんて珍しいから油断していたな。コナミは例外だから置いておくとして、ユーゴ、リン、セレナ、ユーリ、デニス、バレット。今日会った人間は全員カードの精霊を見ることが出来ない。1流のデュエリスト=カードの精霊が見えるというわけではないのだ。
「私、もしまたハノイの騎士に会えたなら言いたいことがあったのよ」
「何だ?オベリスクフォースとの戦いで俺も町を破壊したことか?それとも、君のお兄さんを叩きのめしたことか?」
先ほどとは打って変わって真剣な表情を作る瑠璃。やはり恨み節を言われてしまうのだろうか。あぁ、逃げたい。前者は俺の非であることは間違いないので申し訳ない気持ちはあるが、後者は正当防衛だと思うんだが…。
「違うわ!」
俺が少し皮肉気味に言い放つと、瑠璃は凄い勢いで否定してきた。うん、流石に言い方がハノイの騎士の時っぽく嫌味ったらしかったね。スマンな。
「ハノイの騎士、いえ白河クロトさん。兄さんを、ユートを、アレンやサヤカを、この町を、そして私を助けてくれて、本当にありがとうございました!」
瑠璃はそう言うと頭を下げてきた。えっ?どういうこと?
「俺が君たちを助けたのは、そういう依頼だったからだ。礼を言われることはしていないと思うんだが…むしろ、町を破壊したことで恨まれているんじゃないのか?」
「確かに町を壊されたことに対しては良い気分じゃないわ。少しだけどハノイの騎士のことを悪く言う人が居ることも確かよ。『もっと上手くやれなかったのか』ってね」
そりゃそうだろうな。俺も自分の家や町が壊されたらそう思う。
「でもね?それでも私たちが助けられたのは事実なの。貴方やあの紫の髪の少年があの場所に居なければ、私やサヤカは攫われていたでしょうし、兄さんやユートたちはカードにされていたと思う」
「だが…」
「だが、じゃない!他の一部の人達はともかく、私たちは貴方に感謝しているの!…それだけは貴方本人に伝えたかったの」
少し涙目になりながらそう言ってくる瑠璃。でも、そうか、こんなちっぽけな俺の行動でも、少しは人の役に立ったんだな。
「そう言ってもらえると、俺も少しだけ肩の荷が下りた気がするよ。ありがとう、瑠璃」
「えぇ、どういたしまして。クロト」
そう言って彼女は微笑む。綺麗な笑顔だな。本当に俺に感謝してくれているようだ。俺の内にある負い目の気持ちが少しだけ和らいだ気がした。
「クロト~。そろそろ話は終わったか~?なら早く帰ろうぜ?今日は色んな瓦礫を運んだおかげでクタクタだ~」
話が一段落したのを見計らって、俺達から少し離れていたコナミが歩いてくる。…ん?瓦礫を運んだ?
「クロトには黙っていたけれど、私たちがこのハートランドシティに来た理由は貴方と同じよ?」
「そうだぜ。オレ達だってこの町のボランティア活動してたんだぜ」
コナミと同じく、ユーゴやリンもそんな話をしながら歩いてくる。
「クロトがハートランドシティのニュースがテレビで流れる度に難しい顔をしていたからな。ユーリに事情を問いただしたんだ」
最後にゆっくりとセレナが歩いてくる。やはり少し怒っているように見える。
「事情を知ったら居ても立っても居られなくなったんだ。その後リンたちに相談して私達にもできることをしようって話になって、今日こうやってボランティア活動を手伝っていたんだ」
そしてセレナは俺の正面に立つ。こちらをまっすぐに見つめてくるセレナに、俺は少し気後れした。
「なぁクロト。私たちはそんなに頼りないか?昔はともかく、私たちはもうクロトに守ってもらうばかりの子供じゃない。私だって、クロトの力になりたいんだ。だから、もっと私を頼って欲しい」
そして言い終わったセレナは俺の手を握ってこちらを見つめてくる。ずっとこの子達を下らない争いに巻き込みたくなくて、争いから遠ざけて一人で色々とやってきたけれど、俺が知らなかっただけでこの娘達はこんなに強かったんだな。
「いやぁ、わざわざ俺の心配をしてくれるなんて、セレナも成長したんだなぁ。よしよしいい子だな~。撫で撫で~」
「あ、頭を撫でるな!この馬鹿者が!だから、そうやって子ども扱いするなって言ってるんぞ!分かっているのか!もう!」
セレナの真剣な表情を見ているうちに非常に照れ臭くなってきた俺は、その雰囲気を誤魔化そうと茶化してセレナの頭を撫でると、セレナに頭を撫でていた腕を思いっきり弾かれた後に烈火のごとく怒られた。
「うわぁ、あれは無いわねぇ」
「最低」
リンや瑠璃からはゴミを見るような眼で見られた。コナミやユーゴも呆れ返ったような視線を送ってくる。
済まないが、素面でシリアスは苦手なんだよ…。
~~~
<榊遊矢視点>
今日も夕暮れが沈み、一日が終わる。
オレは舞網市から少し離れた警察機構とLDSが共同で管理する特別収容所から家に帰る途中の電車で、ボーっと窓の外の景色を眺めていた。
父さんが舞網チャンピオンシップの日に何人もの人間を誘拐する事件が発生してからもう2年が経とうとしていた。
オレの尊敬する父さんがそんなことをするはずがない!これはハノイの騎士やLDSの陰謀だ!と、当時のオレは声を上げてLDSに抗議していて、父さんを慕う多くの人たちもこの意見に賛同してくれていた。
だが時の流れは残酷で、オレの主張が世間に通ることが無いことがわかると、1人また1人とオレの傍から離れていった。今や母さんや幼馴染の柊柚子とその父親の柊修造、権現坂昇以外にオレの味方は居ないと言ってもいいかも知れない。
父さんの事件から大体半年後、ハートランドシティでテロ事件が発生し、それを解決した立役者の中にハノイの騎士やLDSが含まれていたというニュースが流れると、世間はとうとうオレの主張に耳も貸さなくなった。それどころか、オレのことを『犯罪者の息子』だと蔑んでくる始末!
「何で誰もオレの言うことを信じてくれないんだ。何で父さんに無実の罪を着せたハノイの騎士なんかがもてはやされるんだ!オレも父さんも何も間違ったことはしていないのに!」
オレ以外に誰も乗っていない電車の車両内にオレの怒りの声が響く。許せない!父さんをあんな目に遭わせたハノイの騎士も!それを匿うLDSも!アイツらをもてはやす世間の人間も!全員、許せない!
「でも、今日は久し振りに父さんと話すことが出来た」
そう。今日だけは何も悪いことばかりではなかった!数か月振りに父である榊遊勝と話すことが許されたのだ。今日は色んなことを父さんと話した。楽しかったなぁ!
「そうだ。父さんから受け取った伝言の解読がまだだったっけ。電車が駅に到着する前に解読してしまおう」
オレと父さんとで決めた秘密の合言葉。存在自体がオレと父さんしか知らないこの合言葉を理解できる奴なんてオレ達以外には居ない。何気ない会話の中でオレはしっかりと父さんの伝言を受け取っていた。暗号形式になっているので、オレもその場では意味が分からないのが難点だけどさ。
「えっと、何々…。家の、裏にある、大きな木の、下に、オレへの、プレゼントの、カードが、ある?」
どうやら父さんが無実の罪で捕まってしまう前日に、嫌な予感がして大切なカードを家の庭に埋めていたらしい。それをオレに託すとのこと。
「やった!父さんからのプレゼントだ!どんなカードなんだろう。何々…。そのカードは、闇属性昆虫族の、【パラサイト・フュージョナー】…?」
オレは電車が駅に到着すると後に急いで家に帰り、母さんが用意してくれていた晩御飯も食べずに、すぐさま家の裏にある大きな木の傍まで駆け寄ってその根元をスコップで掘り起こした。そしてオレは、父さんがくれた大切な禍々しく光り輝くそのカードを手にするのだった…。
リミットレギュレーション更新です。最終的に、タッグフォース1開始時点にかなり近い状態にするつもりです。
ハートランドシティは順調に復興していっていますが、完全に復旧するのは原作開始と同時期くらいになります。ハートランドシティの住民のハノイの騎士の功罪についての受け取り方は人それぞれですが、オベリスクフォースと真っ向から戦っているハノイの騎士の姿を見た人間が多いため、概ね好意的です。
瑠璃のデッキは【LL(リリカルルスキニア)】でした。優秀な展開力となかなかの耐性を持ったモンスターを駆使する強デッキです。LP4000制で連続攻撃できるダイレクトアタッカーとか恐ろしすぎます。
対するオリ主のデッキは【影霊衣】です。本来はかなり強いデッキなのですが、オリ主の精神が少し不安定で攻勢を急いでしまったため、結果的に勝ちましたが相手ターンに無防備を晒す少し無様な結果となっています。
オリ主やLDSから一切フォローされずに放置されていたトマト君こと榊遊矢が、期間は原作よりも短いですが原作より酷い状況に陥っています。原作同様に彼自身の行動については最適解ではないものの非難されるような謂れが無いことが特に酷い話です。そしてどうやら危ない物を手に入れてしまったようです。
次回の更新は2/17(水) AM6:00予定です。
戦車様、必殺雷撃人様、コダマ様、メイン弓様、誤記報告ありがとうございます。修正しました。
オリ主にヒロインは必要でしょうか?
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不要だ!そういうのはいいからデュエルだ!
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いる!原作イメージが壊れないオリヒロで!
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いる!原作改変ものだし、原作キャラで!
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いる!TFならモブキャラ攻略でしょ
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いる!オリ主ならハーレムを目指せ!