【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~   作:嘘つき熊さん

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原作介入できそうなところはなるべくちょっかいを掛けます。

今回の被害者は、アニメGXのタイタン戦です。


第八十三話 タイタン

中学三年生の夏休みが始まった8月中旬、俺はI2社の管理するサーキットへとやってきていた。

 

今日は第1回JRDG(ジャパン・ライディング・デュエル・グランプリ)に出場しているユーゴ、リン、セレナの3人のチーム・YRSの臨時ピットクルーとして、こうしてコナミやデニスと一緒にピットレーンに待機している。ユーリはウォーワゴンで俺達ピットクルーに指示を出している。俺達だけだとピットクルーが人数不足なので、ホイーラーが戻って来たらラストホイーラーのユーゴ含めて4人全員でタイヤ交換することになっている。

 

「決勝の相手もユーゴ達の相手じゃなさそうだな」

 

「準決勝もユーゴが3人抜きしていたから、ボク達ピットクルーの出番はなかったくらいだからね~」

 

「確かに。でもライディングデュエルのチーム戦か~。ユーゴ達を見ていると本当に面白そうだよな~。オレもメンバーを集めて参加すればよかったな~」

 

俺の意見にデニスやコナミも同意のようだ。コナミは普段から女の子と遊んでばかりいるので、こういう情報に疎い。コナミがJRDGの情報を知った時には既に参加者募集期間は過ぎていたのだ。ザマァw。リア充は弾け飛んでどうぞ。

 

「それにしても、3人以上のチームで良いのなら、クロトもユーゴ達のチームに入れて貰えばよかったじゃん」

 

「俺はDホイール部じゃなくて料理部だしな。ピットクルーとして手伝うならともかく、当たり前のように彼らの中に入るのは図々しいだろ」

 

Dホイール部の三人は、俺が去年譲ったD-ホイールを3人で1台を使い回して乗っている。そう言うチームの絆がある場所に部外者が入るのは気が引ける。

 

「ボクもあの子たちは気にしないと思うよ。むしろセレナとか喜びそうだと思うな」

 

「去年の春からずっとこの大会に向けて勉強と練習をしてきたあの三人と比べると、俺はそれほどの熱意を持っていない。昔はともかく、今はもうライディングデュエルだと彼らには勝てないだろうしな」

 

そんなことを話ながら試合の状況を見ると、ファーストホイーラーのリンが相手選手2人抜きした後に相手のラストホイーラーに敗れ、セカンドホイーラーのセレナにチェンジするためにそろそろこのピットレーンに戻ってくる。

 

「ほら、リンが帰って来るよ。ピットクルー、ホイール交換準備」

 

「「「了解!」」」

 

ユーリの指示を受け、各員が配置に付く。ユーゴもホイール交換を手伝うためにピットレーンに入ってくる。そしてそのすぐ後にリンの乗ったD-ホイールがピットレーンに戻ってきた。

 

「よっしゃー!良い感じだったぞーリンー!」

 

「ふふっ。ありがと。でも流石に決勝戦で三人抜きは無理ね」

 

「お疲れリン。ほら、これで水分補給しておくといい」

 

ホイール交換に入る直前、すれ違いざまにファーストホイーラーとしての役目を終えてきたリンへ水を渡す。

 

「ありがとクロト。セレナは?」

 

「私の準備は完了している」

 

ピットレーンには既にセカンドホイーラーのセレナが待機している。

 

「コナミ、ユーゴ、デニス、そっちの作業は終わったか?」

 

「こっちはOKだ」

 

「おぅ、バッチリだぜ!」

 

「ボクの方も何とか終わったよ」

 

「ユーリ、準備完了だ」

 

「了解。皆ご苦労だったね。セレナ、準備はいいかい?」

 

「あぁ。行ってくる」

 

ホイール交換も終わり、セカンドホイーラーのセレナがD-ホイールに乗り、デッキをセットする。

 

「クロト、約束は覚えているだろうな?」

 

「ん?あぁ、覚えているぞ」

 

「良し!じゃあ勝ってくるから、ちゃんと私の勝つ姿を見ているんだぞ!」

 

「おぉ、見てる見てる。なに、お前なら勝てるさ」

 

「当然だ!」

 

やる気も十分となったセレナがD-ホイールを走らせてコースに躍り出る。そしてあっという間に相手のラストホイーラーと並走を始める。

 

相手のラストホイーラーは前2人と比べてなかなか優秀なデュエリストだったようだが、ファーストホイーラーのリンが残した布石も上手く使いこなしたセレナの敵ではなく、アッサリとセレナの勝利に終わった。

 

こうして、第1回JRDG(ジャパン・ライディング・デュエル・グランプリ)の記念すべき最初の優勝チームは、参加者最年少のチームYRSに決まり、この後しばらくはテレビや新聞を大いに賑わせたのだった。

 

~~~

 

JRDGの開催日から数日後の夜、俺はツァンが言っていたタイタンの出現場所にやってきていた。もちろん、顔を隠す為にバリアンスタイルだ。

 

「こ、これが闇のゲーム…うわぁぁぁ!助けてくれぇぇぇ!」

 

そんな時、路地裏の奥の方から男性の悲鳴が聞こえてきた。どうやら現れたようだな。俺はその声の元へ急行した。

 

駆けつけてみると、腰を抜かしたサングラスをかけたスキンヘッドの青年の前に全身を黒のスーツと黒の帽子で覆った2m近い大男が立っていた。見覚えのある仮面も付けているし、コイツがタイタンで間違いないだろう。

 

「愚か者めぇ。この闇のデュエリストからぁ、逃れられるとでも思ったのかぁ?」

 

アニメで見た通りの特徴的な声と喋り方だ。原作ファンの一人としては少し感動を覚えつつ、青年と大男の間に割り込む。

 

「き、君は…」

 

「早くここから逃げな。時間稼ぎくらいはしてやるよ」

 

「あ、ありがとう!君も気を付けてくれよ!」

 

そう言うと青年は全力で逃げだす。

 

「ま、待てぃ!」

 

「おっと。ここを通りたければ、このオレを倒してから行くんだなぁ?」

 

逃げた青年を追おうとする大男の前に立ち、行動を妨害する。

 

「貴様ぁ!何者だぁ!この私を闇のデュエリスト、タイタンと知っての行動かぁ!?」

 

「オレの正体を知りたいってか?教えてやるよぉ!今明かされる衝撃の真実ぅ!」

 

このタイミングでやっておくか。俺はマントから手を出して天にかざし、高らかに叫ぶ!

 

「バリアルフォーーーゼ!!」

 

「!?」

 

俺の周囲をまばゆい光が包み込み、胡散臭い『バリアン』共通の姿から、とあるバリアンの姿へと変化していく…!さぁ、威風堂々と名乗りを上げよう!

 

「ジャジャーン!オレ、ベクター!」

 

胸の中央に付けた赤の宝石を紫色に輝かせ、胸の宝石を抑えていた両手を左右に振り払う。我ながらそこそこのベクターポーズの再現である。宝石の光が収まる頃には、俺は灰色の肌に胸元にバリアンの紋章を付け、腰に同じく黒の布を巻いた背中に黒い翼を持つ白髪の男性型バリアン、ベクターの姿になっている。

 

「バリアン?ベクタァ?馬鹿にしおって!貴様などの用はない!とっとと片付けてやるわぁ!」

 

怒りながらもデュエルディスクを構えるタイタン。意外と動揺していないな。向こうも変な格好をしている分、この手の相手に耐性があるのかもしれないな。

 

俺もデュエルディスクを構えながら、タイタンと少し距離を取る。

 

 

「「対戦、お願いします」」

 

バリアンであっても挨拶は大事だ。古事記にそう書いてあるはず。

 

「「デュエル!」」

 

 

◆ベクター(白河クロト) LP:4000

 

VS

 

◆タイタン LP:4000

 

 

タイタンか。使用デッキは【デーモン】。セブンスターズ加入前の状態だと、サイコロデーモンだのチェスデーモンと呼ばれるモンスター群を使用するはずだ。サイコロデッキか。嫌な記憶が蘇りそうだ。

 

「先攻は私が貰う。私のターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行」

タイタン 手札:5→6枚。

 

「私は手札から【ジェネラルデーモン】を墓地に送って効果発動!このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。デッキから「万魔殿-悪魔の巣窟-」1枚を手札に加える。」

タイタン 手札:5→6枚。

 

「私は手札から【インフェルノクインデーモン】を召喚!」

タイタン 手札:6→5枚。

 

<タイタンのフィールド>

インフェルノクインデーモン ★4 ATK900

 

【インフェルノクインデーモン】の効果は自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う効果。このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、その処理を行う時にサイコロを1回振る。2・5が出た場合、その効果を無効にし破壊する効果。このカードがフィールド上に存在する限り、お互いのスタンバイフェイズ毎に「デーモン」という名のついたモンスターカード1体の攻撃力をエンドフェイズまで1000ポイントアップする効果がある。

 

アニメだと召喚した瞬間(メインフェイズ)に攻撃力が増加していた気がするが、アニメ版の効果なのだろう。目の前のこのモンスターはOCG版みたいだな。

 

「そして私は手札からフィールド魔法【万魔殿-悪魔の巣窟-】を発動!」

タイタン 手札:5→4枚。フィールド魔法:0→1枚。

 

「【万魔殿-悪魔の巣窟-】の効果により、「デーモン」という名のついたモンスターはスタンバイフェイズにライフを払わなくてよい。戦闘以外で「デーモン」という名のついたモンスターカードが破壊されて墓地に送られた時、そのカードのレベル未満の「デーモン」という名のついたモンスターカードをデッキから1枚選択して手札に加える事ができる」

 

「私はカードを2枚セットしてターンエンド」

タイタン 手札:4→2枚。伏せカード:0→2枚

 

 

◆ベクター(白河クロト) LP:4000、手札:5枚。

 

VS

 

◆タイタン LP:4000、手札:2枚、伏せカード:2枚。フィールド魔法:1枚。

 

<タイタンのフィールド>

インフェルノクインデーモン ★4 ATK900

 

 

この時代の一般的デュエリストくらいの初動だな。伏せカードは恐らく【血の刻印】か【デスカウンター】辺りだろう。

 

「オレのターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ…」

ベクター 手札:5→6枚。

 

「おおっとぉ!ここで【インフェルノクインデーモン】の効果が発動する!お互いのスタンバイフェイズ毎に「デーモン」という名のついたモンスターカード1体の攻撃力をエンドフェイズまで1000ポイントアップするぅ!私は【インフェルノクインデーモン】の攻撃力をアップさせる!」

 

<タイタンのフィールド>

インフェルノクインデーモン ★4 ATK900 → 1900

 

「メインフェイズへ移行」

 

「オレは手札から魔法カード【闇の誘惑】を発動!自分はデッキから2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスター1体を除外する。手札に闇属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る。オレはデッキから2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスター【アンブラル・ゴースト】を除外する!」

ベクター 手札:6→5→7→6枚。

 

「オレは手札から【アンブラル・グール】を召喚するぜ!」

ベクター 手札:6→5枚。

 

<ベクターのフィールド>

アンブラル・グール ★4 ATK1800

 

「オレは【アンブラル・グール】の効果発動!1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。このカードの攻撃力を0にし、手札から攻撃力0の「アンブラル」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。オレは手札から【アンブラル・アンフォーム】を特殊召喚!」

ベクター 手札:5→4枚。

 

<ベクターのフィールド>

アンブラル・グール ★4 ATK1800 → 0

アンブラル・アンフォーム ★4 ATK0

 

「この瞬間!オレは手札から速攻魔法【地獄の暴走召喚】を発動!相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する!」

ベクター 手札:4→3枚。

 

「オレはデッキから【アンブラル・アンフォーム】の同名モンスター2体を特殊召喚するぜ!」

 

<ベクターのフィールド>

アンブラル・グール ★4 ATK0

アンブラル・アンフォーム ★4 ATK0

アンブラル・アンフォーム ★4 ATK0

アンブラル・アンフォーム ★4 ATK0

 

「何を考えているかは知らんがぁ、私もデッキから【インフェルノクインデーモン】を2体特殊召喚させてもらうぞぉ!」

 

<タイタンのフィールド>

インフェルノクインデーモン ★4 ATK900

インフェルノクインデーモン ★4 DEF1500

インフェルノクインデーモン ★4 DEF1500

 

「オレは手札から魔法カード【タンホイザーゲート】を発動!自分フィールド上の攻撃力1000以下で同じ種族のモンスター2体を選択して発動できる。選択した2体のモンスターは、その2体のレベルを合計したレベルになる。オレは攻撃力0のレベル4【アンブラル・グール】と【アンブラル・アンフォーム】のレベルを2体のレベルを合計したレベル8にする!」

ベクター 手札:4→3枚。

 

<ベクターのフィールド>

アンブラル・グール ★4→8 ATK0

アンブラル・アンフォーム ★4→8 ATK0

アンブラル・アンフォーム ★4 ATK0

アンブラル・アンフォーム ★4 ATK0

 

「オレはレベル4の【アンブラル・アンフォーム】2体ででオーバーレイ!2体にモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよランク4【No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル】!」

 

<ベクターのフィールド>

アンブラル・グール ★4→8 ATK0

アンブラル・アンフォーム ★4→8 ATK0

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ☆4 DEF800 ORU:2

 

「ほぅ、エクシーズ召喚かぁ」

 

「オレはレベル8となった【アンブラル・グール】と【アンブラル・アンフォーム】でオーバーレイ!2体にモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよランク8【No.23 冥界の霊騎士ランスロット】!」

 

<ベクターのフィールド>

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ☆4 DEF800 ORU:2

No.23 冥界の霊騎士ランスロット ☆8 ATK2000 ORU:2

 

「更に【No.23 冥界の霊騎士ランスロット】をエクシーズ・チェンジ!現れよランク11!【No.84 ペイン・ゲイナー】!」

 

「連続エクシーズ召喚だとぅ!?」

 

<ベクターのフィールド>

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ☆4 DEF800 ORU:2

No.84 ペイン・ゲイナー ☆11 DEF0 ORU:3

 

「【No.84 ペイン・ゲイナー】は、自分フィールドのX素材を2つ以上持ったランク8~10の闇属性Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。このカードの守備力は、自分フィールドのXモンスターのランクの合計×200アップする。X素材を持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手が魔法・罠カードを発動する度に相手に600ダメージを与える。1ターンに1度、このカードのORUを1つ取り除いて発動できる。このカードの守備力以下の守備力を持つ相手フィールドのモンスターを全て破壊する」

 

<ベクターのフィールド>

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ☆4 DEF800 ORU:2

No.84 ペイン・ゲイナー ☆11 DEF0→3000 ORU:3

 

「そして【No.84 ペイン・ゲイナー】のORUを1つ取り除いて効果発動!このカードの守備力以下の守備力を持つ相手フィールドのモンスターを全て破壊する!今の【No.84 ペイン・ゲイナー】の守備力は3000!よって守備力3000以下のお前のモンスターは全て破壊だ!」

No.84 ペイン・ゲイナー DEF3000 ORU:3→2

 

この効果は対象を取る効果ではないので、【インフェルノクインデーモン】の効果は発動できない。お前にサイコロを振らせてなんてやらねぇよ。

 

<タイタンのフィールド>

モンスター無し

 

「何ぃ!?私のモンスターが全滅だとぉ!?」

 

「更に更にぃ!【No.84 ペイン・ゲイナー】をエクシーズ・チェンジ!化天を司る糸よ!儚き無幻となりて我が滅び行く魂を導け!!エクシーズ召喚!!現れろ!!【No.77 ザ・セブン・シンズ】!」

 

<ベクターのフィールド>

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ☆4 DEF800 ORU:2

No.77 ザ・セブン・シンズ ☆12 ATK4000 ORU:3

 

「攻撃力4000だとぅ!?」

 

良いリアクションだな。君、闇のデュエリスト(笑)なんて止めて、リアクション芸人になろうよ。

 

「【No.77 ザ・セブン・シンズ】は、自分フィールドのランク10・11の闇属性Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。この方法で特殊召喚したターンは、1ターンに1度、このカードのORUを2つ取り除いて発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て除外し、除外したモンスターの中から1体を選んでこのカードの下に重ねてORUとする効果を使用できないがな」

 

「更に【No.77 ザ・セブン・シンズ】には、フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードのORUを1つ取り除く事ができる」

 

「ば、馬鹿なぁ…」

 

「バトルフェイズに移行。【No.77 ザ・セブン・シンズ】でダイレクトアタック!ジェノサイドスパイダーシルク!!」

 

No.77 ザ・セブン・シンズ ATK4000

 

「ぬわぁぁぁぁっ!」

タイタン LP:4000→0

 

 

「対戦、ありがとうございました」

 

「こんな、ことがぁ…」

 

 

~~~

 

デュエルが終わった後、そそくさと逃げようとするタイタンが見えた。そう言えば金にならないデュエルだとすぐに逃げようとしてたっけ。

 

「幻想の呪縛、発動」

 

「ぬぉぁっ!か、体が、動かん!?」

 

咄嗟に呪縛の魔術で動きを封じ、倒れ込んだタイタンに歩み寄み、見下ろしながら問いかけた。

 

「よぉ。お前が自称闇のデュエリスト、タイタンだよなぁ?」

 

「い、如何にも!だが自称ではぬわぁい!私こそ千年アイテムに選ばれた闇のデュエリスト、タイタンだ!」

 

そう言うとタイタンは懐から取り出した千年アイテム(笑)を自慢げに掲げる。千年パズルのつもりなんだろうが、パズルにしては接続部が一切なく、表面がツルツル過ぎる。

 

「へぇ?そうかい」

 

「あぁっ!何をする貴様!返せ!」

 

タイタンから千年アイテム(笑)を取り上げて地面に叩き落とす。少し角の部分が欠けた。千年アイテム(笑)。

 

「お前みたいな催眠術と幻覚で相手を精神的に追い込んで失神させる程度の詐欺師が、これからもでかい顔をされると迷惑なんだよなぁ?」

 

「なぁっ!何故それを知っている!?…ではなく、私は詐欺師ではなぁい!本物の闇のデュエリストだぁ!」

 

まだタイタンが何か言っているが、俺は気にせずに千年アイテム(笑)の上に足を置く。

 

「さぁ、良からぬことを始めようか?」

 

「貴様、何を…まさか!止めろぉぉぉっ!」

 

「半端な気持ちで入ってくるなよ デュエルの世界によォ!!」

 

俺は魔力を込めて千年アイテム(笑)を踏み抜く。グシャッ!と言う音と共に千年アイテム(笑)はバラバラに砕け散り、中から機械のパーツが転がり出てきた。分かりきっていたことだが、やはり偽物だった。

 

「あぁぁぁぁっ!製作費数十万もした傑作がぁ!?貴様ぁ、弁償しろぉ!」

 

タイタンからの非難を無視して、更に俺は霧を発生させるアタッシュケースを踏み抜く。ゴシャッ!と言う音と共にやはり中から機械の部品が飛び散る。

 

「アタッシュケースまで!?おのれぇ!ぜぇったいにゆぅるさんぞ!ヴェクトゥアー!!」

 

凄い巻き舌で怒っている。う~ん。これ以上はあまり意味がなさそうだし、帰るか。

 

「似非デュエリスト。これに懲りたら詰まんねぇ真似をするんじゃねぇぞ?恨むならドン・サウザンドって奴を恨むんだな?」

 

動けなくなっているタイタンを放置して、俺はその場を立ち去った。ついでに警察に不審者がいると連絡しておいた。運が良ければタイタンはレアカード強盗の罪でそのまま投獄されるだろう。

 

しかし、計算が狂ったな。怒らせるのではなく、恐怖を与えることでインチキ稼業から足を洗わせるつもりだったんだが、ただ怒らせて恨みを買っただけになってしまった。良からぬ計画は失敗だな。これもきっと全てドン・サウザンドって奴の所為なんだ…!絶対に許さねぇドン・サウザンドォォォ!

 

さて、憂さ払いの八つ当たりも済んだし、とっととお家に帰ろう。今日の晩御飯はハンバーグらしいからな。

 

~~~

 

夏休みも終わりが近くなった8月下旬、俺は駅近くの図書館でツァンと受験勉強をしていた。今は昼食後のまったりタイムだ。

 

「そう言えば、この前話した自称闇のデュエリストが警察に捕まったらしいよ」

 

「へぇ~。自称とはいえ闇のデュエリストって警察に捕まるもんだったんだな」

 

ツァンが飲食スペースで抹茶味のアイスキャンディーを舐めながらタイタンの末路について教えてくれた。関係ないけど、君は抹茶味ばかり食べているな。侍かな?

 

だが、タイタンに関しては本来の予定とは少し違うけど目論見が成功したな。これでタイタンが投獄されたままセブンスターズ編開始まで釈放されなければ、セブンスターズ編のメンバーが揃わなくなるはずだ。タイタンの代わりにもっと強いデュエリストが増えるかも知れないけれど、その時はその時だ。

 

「何でも路地裏で金縛りにあっているところを近所の住人が見つけて通報したらしいよ」

 

「笑えるw」

 

「ただ、闇のデュエルに関しては警察でも何も分からなかったみたいで、あくまでレアカード強奪の窃盗罪での逮捕みたい。初犯らしいから案外すぐに釈放されちゃうかもね」

 

「噂で名前が知られている時点で初犯ではないと思うけど、それは仕方のないことかもな。警察からすれば『闇のゲームって何?どういう罪に該当するの?』って話になるだろうしな」

 

ありゃりゃ。目論見は上手く行ったものの、成果はそこまで上がらなかったみたいだな。タイタンに襲われていたスキンヘッドの青年が証言してくれていれば暴行罪辺りも追加されたのかもしれないが、それでも多分あまり変わらないか。

 

「そう言えばアンタ、サイコデュエリストって知ってる?」

 

「うん?確かリアルソリットビジョンを使わずにカードの効果を実在の現象に変換できる人たちのことだっけ?」

 

ツァンが二本目の抹茶味アイスキャンディーを頬張りながら、タイタンとは別の話を振ってくる。それにしてもこの娘、噂とか事件とかに詳しいな。親とか親族に情報に携わる知り合いでもいるのだろうか。

 

「そ。なんでも童実野町付近でサイコデュエリストを自称する変な髪型の少年が居るんだってさ」

 

それは何処のサイコおじさんのことなんだろうな。今から20~30年後のアニメ5D'sに登場するあのディヴァインのことであれば、この時代だとまだ生まれて間もないくらいだと思っていたけれど、この世界だと意外と俺と同年代なのかも知れないな。

 

「闇のデュエリストだのサイコデュエリストだのと、最近は中二病ブームなのか?」

 

「さぁ?ただこっちの噂でも怪我人が出ているって話だから、アンタも童実野付近に用事がある時は気を付けなさいよ?」

 

「へぇ?心配してくれるんだ?ありがとうな」

 

「なっ!馬鹿じゃないの!?そんなわけないでしょ!あぁ、もう!休憩終わり!勉強するわよ!」

 

「了解~」

 

ツァンは残っていたアイスキャンディーを強引に口の中に放り込むと怒っていますと言わんばかりの態度で飲食スペースから移動していった。

 

いやぁ、あの手の娘をからかうのは楽しいなぁ。さて、俺も勉強に戻りますか。ディヴァインの処置は、ユーリたちに相談してからどうするかを決めるとしようかな。




以前少しだけ話題にしていたJRDG(ジャパン・ライディング・デュエル・グランプリ)編は丸々カット。これ以上重要でないオリジナル展開を入れて原作突入を遅くするのもイマイチですし、ライディングデュエルをメインにするのはGXタッグフォースと名乗っている以上、微妙かな?と思いました。

今回の被害者タイタンのデッキは【デーモン】。当時のデッキではなかなか完成度の高いデッキですが、相手が悪かったですね。

今回のオリ主のデッキは【アンブラル】。アニメZEXALでバリアン七皇のベクターが使用したデッキです。テーマカードとしては少なめですが、最低限の動きは出来ます。ただテーマ用のエクシーズモンスターくらいは欲しかったですね。

今回のオリ主は『タイタンを事前にデュエルでボコって千年アイテム(笑)を破壊しておけば、アカデミアに来ないんじゃね?』と言う安直な考えで行動しています。ゲスプレイをするのでちょうどいいと思いベクターの姿を取りました。結果は、後のお楽しみと言うことで。

次回の更新は2/24(水) AM6:00予定です。

メイン弓様、誤記報告ありがとうございました。修正しました。

オリ主にヒロインは必要でしょうか?

  • 不要だ!そういうのはいいからデュエルだ!
  • いる!原作イメージが壊れないオリヒロで!
  • いる!原作改変ものだし、原作キャラで!
  • いる!TFならモブキャラ攻略でしょ
  • いる!オリ主ならハーレムを目指せ!
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