【未完】遊戯王GXタッグフォース~2度目の人生は赤帽子の幼馴染~   作:嘘つき熊さん

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いよいよGXタッグフォース原作ストーリーに突入です。

今回のお相手は、アカデミア教師の矢ヶ城利之となります。

※今回より、デュエル描写を試験的に変更しています。今後筆者的にしっくりくればこのまま採用する予定です。

※原作に突入しましたので、前話までのアンケートは終了となります。ご協力いただきましてありがとうございました。アンケート結果は今後のストーリー展開の参考にさせて頂きたいと思います。

※前回とはまた別のアンケートも用意してみました。具体的には斎王琢磨をどれくらいインチキ能力にするかですね。彼はやろうと思えばアニオリドローカードで開幕エクゾディア召喚とかできちゃいますからね。その匙加減を検討中です。


原作開始1年目 セブンスターズ編
第九十話 アカデミア実技試験


2月中旬、ついにこの日がやって来てしまった。今日はデュエルアカデミア高校の入学試験の実技試験が行われる日だ。

 

アニメGXでは新学期は10月からなのだが、この世界ではGXタッグフォースシリーズの設定を元に構成されているせいか、入学式が4月でその前の筆記試験が1月末、入学試験日が2月となっていた。

 

アニメ原作と同様であるならば今日は電車が遅延してしまうはずなので、試験開始1時間前に会場である童実野町の海馬ランドへ到着するように、俺が通うかがやき中学校の制服を着て家を出た。コナミも一応誘ったが、「後でいいや」とのことらしい。

 

タッグフォースのゲームではアイツは5月からの編入生扱いとなっている為、もしかすると今日の試験に間に合わない運命なのかも知れないな。

 

「あっ、白河。おはよう~」

 

「おぉっ、ツァン。おはよう」

 

試験開始1時間と5分前に会場に到着した俺は、同じくその時間にやって来ていた彼女が通う中学校の制服を着たツァンと合流した。

 

彼女は俺の住んでいるかがやき市の隣の市に住んでいる為、事前にこの時間に集まるように連絡を取っていたのだ。だが流石にこの時間だと眠そうだ。いつものツンツンした感じと言うか、キレがない。

 

それよりも…。

 

「ツァン、髪型変えたんだな」

 

そう、今まではタッグフォース4時代のモブっぽい髪型だったが、今日はタッグフォース5以降の可愛らしいゆるふわな髪型になっていて、頭頂部付近に小さめの赤いリボンが付いている。いわゆるイメチェン、高校生デビューという奴なのだろうか。

 

「え、ええそうよ。わ、悪い!?」

 

何故か顔を真っ赤にして睨まれた。これもツンデレ行動の一つなのだろうか。ツンデレってよく分からない。

 

「いや、似合ってるよ。可愛い可愛い」

 

「か、可愛いって言うな!」

 

今度は顔をより真っ赤にして怒られた。耳まで赤い。見たまんま褒めたつもりだったんだが、やはりツンデレってよく分からない。

 

「…こほん。それよりも白河、アンタの予測が当たってるわよ。ほら、電車が遅れているってさ」

 

「本当だ。危なかったな」

 

ツァンは少し落ち着いたのか平常心を取り戻したようだ。先日購入したらしい新型スマートフォンでニュースを見ていたらしく、その画面を俺に見せてきた。

 

その画面には駅の装置トラブルにより童実野町と俺の住んでいる町のかがやき市とを繋ぐ電車が30分ほど遅延しているとのニュースが表示されていた。

 

電車遅延30分か。今後の影響を考えるとやはり早めに家を出て来て正解だったな。俺も自身のスマートフォンを確認しようとするとメッセージが一件送られてきていることに気付いた。

 

中身を確認すると宛先はコナミからで、満員電車の中で電車が止まり、立ち往生を食らっているらしい。早めに出てきておいて本当に良かった。

 

「アンタの受験番号は何番?」

 

「俺は3番だな」

 

「ふっふ~ん。ボクは2番だよ」

 

「やっぱりお前が2番かよ。俺は筆記試験の時に歴史の問題で2問ほど怪しい問題があったからなぁ」

 

「ボクは国語の1問以外は自己採点では満点だったもんね~」

 

ツァンは勝ち誇って自身の受験票をこちらの頬にペチペチ当ててくるが、見てて可愛らしいので放っておこう。

 

そもそも彼女が受験勉強に付き合ってくれなければ俺の成績はもう少し下だっただろうしな。悔しいとは思うが特に怒る理由が無い。

 

「いつものことだけど、1番は三沢大地ね。さっき白い学生服を着て会場に入っていくのを見かけたわ」

 

「三沢は常に全教科満点だからな。同点での同率1位は狙えてもアイツを超えて1位になるのは無理だろう」

 

どうやら三沢は既に会場に来ているらしい。俺の様に電車遅延の可能性を見越していたのかもしれないな。

 

「さて、とりあえず会場はもう空いているみたいだからさっさと屋内に入ろう。この時期に屋外に居ると流石に寒い」

 

「それもそうね」

 

俺とツァンは試験会場の外でやっていた試験受付を済ませて海馬ランドに入り、受験者の控え場所となっている会場の観客席に座った。

 

少し前の席にはツァンの言う通り白い学生服を着た三沢が座っていて、自分のデッキを見直しているようだ。まめな奴だ。

 

「あの対面に座っている観客席で偉そうにこちらを見てくる青い服の連中とかが、アカデミア本校中等部からからエスカレーター式で上がってきた学生なわけね。ボクたちの入学試験は連中にとっての見世物ってわけ?」

 

「そうなるな。青い服がオベリスクブルー、黄の服がラーイエロー、赤の服がオシリスレッドだな。ツァンは女生徒だから入学したらオベリスクブルー確定なわけだが、男子の俺はこの入学試験で最優秀成績を取ったとしても高校入学だからラーイエロー止まりだな」

 

「何で男子だけ違いがあるのよ?」

 

「知らない」

 

ふと話の話題に上がった対面にある観客席を見渡してみると見知った顔がちらほらと見えた。丸藤亮、天上院明日香、万丈目準、藤原雪乃、原麗華、宮田ゆま、樋口桜、海野幸子、宇佐美彰子、属性デッキ六人衆も居るな。

 

タッグフォースシリーズのファンならではの懐かしい気持ちになる。最後にタッグフォース3をプレイしたのは前世の十代後半だったからなぁ。

 

亮さんと明日香がこちらに手を振ってきていたので軽く返しておいた。藤原が「何であの子がここに居るの?」みたいな表情でこちらを見てくるがこちらはスルーだ。宮田が何故かダークロウの仮面を付けたり被ったりしているがこちらもスルーだ。

 

万丈目は原作同様に取り巻き達を引き連れているが、その表情は原作と違って真剣だ。デッキも本来の物より遥かに強力なものになっているだろう。この前会ったネオス仮面こと遊城十代もかなり強かったし、今の彼らならきっといい勝負が出来ることだろう。

 

そして、彼らの下の観客席に居るのはデュエルアカデミアの教師陣だろう。デュエルアカデミアの実技担当最高責任者のクロノス・デ・メディチが居るので間違いない。あの変な髪型の金髪と特徴的な濃ゆい顔は見間違えようがない。

 

あと、居るかも知れないなと思っていた響紅葉の姉、響みどりの姿も見える。黒髪の長髪に赤のアカデミア職員のコートを着ているな。

 

漫画原作と同じでオシリスレッド1年生の担任を務めるのだろうか。アニメでは同学年の生徒は全員同じ教室で同じ授業を受けていたが、その辺りはどう変わってくるのだろうな。

 

「あっ、実技試験が始まるみたいだよ。110番代の学生が呼ばれ始めた」

 

ツァンと会話したり辺りを見回しているうちに随分と時間が経っていたようだ。アナウンスが鳴り始め、受験生たちが次々に中央の試験会場へと向かっていく。

 

海馬ランド内に用意されたデュエルコートは4つ。それぞれに仕切りがされていてデュエルが始まると隣のデュエルコートは見えないようになるようだ。

 

それぞれのデュエルコートに試験官となるデュエルアカデミアの教師が立っており、受験生はコートの地下から円形のエレベータを使ってコート内に上るように入ってくる。

 

何故こんな面倒な仕掛けを作っているのかまでは俺は知らない。

 

「受験生も大半が大したことないけど、教師のデッキもそこまで強くないね」

 

「そうだな。受験生はともかく、教師は試験用デッキだからだろう。どちらもアドバンス召喚を主軸としたロースピードなデッキが多いな」

 

受験生のデッキはバラバラだが大体は【ワイルド・ラプター】や【吸血ノミ】に装備魔法【覚醒】を付けたり、【ホーリー・ドール】に装備魔法【エルフの光】を付けたりする【装備ビート】だ。

 

その中でも比較的強い奴は【ゴブリン突撃部隊】や【マハー・ヴァイロ】と言った(当時としては)優秀なモンスターに【デーモンの斧】と言った(当時としては)強力な装備カードや【鎖付きブーメラン】などの罠カードを用いた【グッドスタッフ】寄りのデッキを使っているようだ。

 

対する教師陣のデッキは様々だ。

 

【ダークヒーローゾンバイア】や【魂を喰らう者バズー】と言った優秀な効果モンスターを用いて攻めるデッキを使う者もいる。

 

【人喰い虫】、【ハネハネ】、【スケルエンジェル】などのこれまた優秀なリバースモンスターを【光の護封剣】で守りながら【太陽の書】や【砂漠の光】でリバースさせて、効果を発動させつつアドバンス召喚のリリース要員を残して相手を翻弄するデッキを使う者もいる。

 

【機動砦のギア・ゴーレム】や【ビッグ・シールド・ガードナー】などの高防御力で固めたデッキなど多岐に渡る。

 

中でも低攻撃力高防御力の機械族【機動砦のギア・ゴーレム】に装備魔法【閃光の双剣-トライス】で攻撃力を下げ、魔法カード【機械複製術】でデッキから特殊召喚して三体並べて、魔法カード【右手に盾を左手に剣を】で攻守逆転させて連続攻撃により1ターンキルする戦術を見せてくれた教師は尊敬に値すると思う。 

 

「あっ、あの子は融合召喚を使うみたいね」

 

「あぁ、あの青い髪の少年は丸藤翔だな。この前の学園祭で顔見知りになったけど、どうやらアカデミアにお兄さんが居るらしいな」

 

「へぇ~。確かに学園祭で見かけたけどやっぱり知り合いだったんだ。【ビークロイド】使いって初めて見たけど、優秀なモンスターが多いんだね」

 

「その分、素のステータスは低めだから扱いが難しいんだけどな」

 

会場を見てみると、教師の召喚したダイレクトアタッカーの【レッグル】を相手に、丸藤翔は【パトロイド】で相手の伏せカードを確認した後に手札から魔法カード【融合】を発動して手札の【ジャイロイド】と【スチームロイド】を素材に【スチームジャイロイド】を融合召喚し、勝負を決めたようだった。

 

「あの銀髪の女の子も見覚えがあるね」

 

「彼女はレイン恵だ。俺の知る限りだと主に【アンデット族】を使用するシンクロ使いだな」

 

「あの娘もやっぱり知り合いだったんだ。それにしても珍しい名前なのね」

 

「お前が言うか?」

 

「う、うるさいわね!」

 

ツァンが横から小突いてくる。やはり名前のことは多少気にしていたようだ。今後は気を付けよう。

 

会場に視線を戻すと、レインのフィールドには後攻1ターン目からフィールド魔法【アンデットワールド】が発動された状態で【死霊王 ドーハスーラ】、【真紅眼の不死竜】、【ジャック・ア・ボーラン】が立っている。

 

相手の教師のフィールドの伏せカードは全て破壊されていたらしく、攻撃表示の【魂を喰らう者バズー】1体のみしか残っていない状態で呆然としている。無理もない。

 

どうしてこうなるまで放っておいたんだ!彼はもう終わりですね…。

 

案の定、その後にすぐに瞬殺された教師は膝から崩れ落ちた。対面にある観客席からざわめきが起こっている。

 

丸藤亮、天上院明日香、万丈目準は目を見開いている。そして明らかに今までとはレベルの違うデュエルを見せつけられてブルー男子生徒やイエロー男子生徒がビビっている。レッド男子生徒は何が起こったのかよく分かっていないようだ。

 

当のレインはこちらをチラッと見るとわずかに勝ち誇ったかのような微笑みを見せたがそのまま何も言わずに会場を後にした。人目のある今はこちらと関わるつもりはないようだ。

 

「うわ、出た」

 

「うん?あぁ、コナミか」

 

ツァンの嫌そうな呟きを聞いて彼女の視線を追うと、後攻1ターン目で楽しそうに【インフェルニティ】デッキをガン回しするコナミと姿と、その正面にいるFXで有り金全部溶かしたような人の顔をした教師の姿が見えた。

 

どうやら電車事故に巻き込まれてもなんとか試験時間には間に合ったようだ。

 

それにしても、コナミのテンションが満足さんが乗り移ってるみたいになってるな。相手の教師の目は、既に死んでいる。

 

「ここが地獄の一丁目だ!オレは伏せていた永続魔法【インフェルニティガン】を発動ぉ!この効果により…」

 

「お前はまだ私に絶望を与えようというのか…」

 

「こいつで血の海渡って貰おうかぁ!?オレはレベル4【インフェルニティ・デーモン】とレベル3【インフェルニティ・ネクロマンサー】にレベル2【インフェルニティ・ビートル】をチューニング!破壊神より放たれし聖なる槍よ 今こそ魔の都を貫け!シンクロ召喚!現れよレベル9!3体目の【氷結界の龍 トリシューラ】!!」

 

「やめろぉ…やめてくれ…!」

 

「ひゃーはっはっはっは!オレはフィールドのレベル9【氷結界の龍 トリシューラ】2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!現れよランク9!【幻子力空母エンタープラズニル】!!」

 

「生徒たちよ、これが絶望だ…」

 

案の定、手札、フィールド、墓地のカードを全て除外されて瞬殺された教師は膝から崩れ落ちた。対面にある観客席は阿鼻叫喚の地獄絵図だった。

 

開いた口が塞がらない丸藤亮と万丈目準、嫌な記憶が蘇ったらしく頭を抱える天上院明日香、教師と同じく膝から崩れ落ちるブルー男子生徒、ガクガク震えているイエロー男子生徒、カリスマガードしているレッド生徒、目がハートになっている一部のブルー女子生徒など、見るに堪えない。俺はそっと視線を外した。

 

『受験番号1番から10番までの受験生は、デュエルコートへお入り下さい。繰り返します…』

 

「どうやらボクたちの番みたいだね」

 

「そのようだ。じゃあ行くか」

 

「うん。一応言っておくけど、ボクがわざわざ1年も受験勉強に付き合ってあげたんだから、負けたら承知しないからね」

 

「肝に銘じておくよ」

 

そう言ってツァンと別れてデュエルコートへと向かう。さて、ようやく俺の出番だな。

 

~~~

 

円形のエレベーターに乗って地上のデュエルコートへやってくると、そこには既に相手の教師がデュエルディスクを携えてこちらを待っていた。

 

この目にかかりそうな長めの前髪とアゴ髭、そしてサングラスをかけた教師とは思えない不審者スタイル。

 

恐らく彼はタッグフォースにいた教師の誰かだろう。タッグフォースに居たモブ教師は皆こんな姿をしているから、見た目だけじゃ誰か分からない。

 

「来たか。私は矢ヵ城利之。デュエルアカデミアの教師にして、今日は君を担当する試験官だ。君の本日までの勉強の成果をテストしよう」

 

矢ヵ城利之(やがしろとしゆき)。確か「虹の楽園(レインボー・パラダイス)理論」というデュエル理論が信条らしいアカデミア教師、だっけ。

 

「受験番号3番、白河クロトです。本日はよろしくお願いします」

 

自己紹介とともにお辞儀をする。目上の人間に礼節は大事だ。古事記にもそう書いてあるはず。

 

矢ヵ城がデュエルコートに入るのを確認してから俺もコートに入り、お互いに一礼した後にデュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

 

 

◆白河クロト LP:4000

 

vs

 

◆矢ヵ城利之 LP:4000

 

「先攻は先生が貰う。先生のターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

矢ヵ城利之 手札:5→6枚。

 

「先生は手札から魔法カード【デス・メテオ】を発動!1000LPダメージを受けて貰う!」

矢ヵ城利之 手札:6→5枚。

 

【デス・メテオ】

通常魔法

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。相手ライフが3000ポイント以下の場合このカードは発動できない。

 

「くっ!いきなりバーンカードか!」

白河クロト LP:4000→3000

 

「先生は手札からモンスターをセットする!」

矢ヵ城利之 手札:5→4枚。

 

<矢ヵ城利之のフィールド>

伏せモンスター

 

「先生は手札から永続魔法【波動キャノン】を発動だ!」

矢ヵ城利之 手札:4→3枚。永続魔法:0→1枚。

 

【波動キャノン】

永続魔法

自分のメインフェイズ時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送る事で、このカードの発動後に経過した自分のスタンバイフェイズの数×1000ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

「先生は手札から永続魔法【レベル制限B地区】を発動だ!」

矢ヵ城利之 手札:3→2枚。永続魔法:1→2枚。

 

【レベル制限B地区】

永続魔法

フィールド上のレベル4以上のモンスターは守備表示になる。

 

「先生は手札から伏せカードを1枚セットしてターンエンドだ!」

矢ヵ城利之 手札:2→1枚。伏せカード:0→1枚。

 

 

◆白河クロト LP:3000

 

vs

 

◆矢ヵ城利之 LP:4000、手札:1枚、伏せカード:1枚。永続魔法:2枚。

 

<矢ヵ城利之のフィールド>

伏せモンスター

 

 

絶対に気のせいじゃない。あのデッキは間違いなく試験用ではなく彼自身のデッキだ。LP4000環境でロックバーンを仕掛けてくるとか、俺と同年代の受験生は殆ど落ちるんじゃないかこれ?

 

「ふふふ、驚いているようだね。先日、受験番号が10番以内の生徒にはデュエルアカデミアの教師が自身のデッキで相手をすることに決まってね。このデッキも先生自身のデッキさ」

 

「でしょうね。先ほどまで使用されていたデッキとは毛色が違いますからね。ですが、勝たせてもらいますよ」

 

「良く言った!さぁ、掛かってきなさい!」

 

矢ヵ城利之の所持する2つのデッキの内、【ロックバーン】に当たったようだな。ならあの伏せモンスターはバーン効果を持った【マシュマロン】か【機械犬マロン】、【デス・コアラ】辺りもあり得るか。

 

伏せカードも、相手に破壊されたらバーンダメージが発生する【コザッキーの自爆装置】、フィールドのカード枚数でバーンダメージ量が変わる【自業自得】や【仕込みマシンガン】、【停戦協定】。攻撃反応型の【聖なるバリア-ミラーフォース-】や【魔法の筒】か。

 

受験生相手に使うデッキじゃないだろ。直前まで対戦相手が分からないからメタ貼ることも難しいしな。

 

「俺のターン。ドローフェイズ、ドロー!そのままスタンバイ、メインフェイズへ移行!」

白河クロト 手札:5→6枚。

 

「俺は手札から【ブリキンギョ】を召喚!」

白河クロト 手札:6→5枚。

 

【ブリキンギョ】

効果モンスター

星4/水属性/機械族/攻 800/守2000

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4モンスター1体を特殊召喚する。

 

<白河クロトのフィールド>

ブリキンギョ ★4 ATK800

 

「レベル4以上のモンスターは【レベル制限B地区】の効果で守備表示になる!」

 

<白河クロトのフィールド>

ブリキンギョ ★4 ATK800→DEF2000

 

「召喚成功時に【ブリキンギョ】の効果発動!手札からレベル4【怪鳥グライフ】を特殊召喚!」

白河クロト 手札:5→4枚。

 

【怪鳥グライフ】

効果モンスター

星4/風属性/鳥獣族/攻1500/守1500

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから「シュトロームベルクの金の城」1枚を手札に加える。

(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手の魔法&罠ゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

<白河クロトのフィールド>

ブリキンギョ ★4 DEF2000

怪鳥グライフ ★4 DEF1500

 

「特殊召喚成功時に【怪鳥グライフ】の効果発動!そちらの伏せカードを破壊する!」

 

「残念だが、君が破壊したカードは【コザッキーの自爆装置】!1000LPダメージを受けて貰おう!」

矢ヵ城利之 伏せカード:1→0枚。

 

【コザッキーの自爆装置】

通常罠

セットされたこのカードを破壊したプレイヤーに1000ポイントダメージを与える。

 

「ちぃっ!だが死ななきゃ安い!」

白河クロト LP:3000→2000

 

ダメージは貰ったが、これで向こうのフィールドにこちらの行動を阻害するカードは無い。手札の1枚も妨害系の手札誘発ではなさそうだ。

 

「俺はレベル4【ブリキンギョ】と【怪鳥グライフ】でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよランク4!【キングレムリン】!」

 

【キングレムリン】

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/爬虫類族/攻2300/守2000

レベル4モンスター×2

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。デッキから爬虫類族モンスター1体を手札に加える。

 

<白河クロトのフィールド>

キングレムリン ☆4 ATK2300 ORU:2

 

「なるほど。考えたね。レベルを持たないエクシーズモンスターであれば、【レベル制限B地区】の効果を受けないからな」

 

「俺は【キングレムリン】のORUを1つ取り除いて効果発動!デッキから【The tyrant NEPTUNE】を手札に加える!」

白河クロト 手札:4→5枚。

 

「【The tyrant NEPTUNE】?初めて聞くカード名だね」

 

そりゃそうだろうな。この世界では紛失した可能性が高いプラネットシリーズの1枚だからな。

 

「俺は手札から魔法カード【二重召喚】を発動!」

白河クロト 手札:5→4枚。

 

【二重召喚】

通常魔法

(1):このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。

 

「俺は手札から魔法カード【簡易融合】を発動!俺は1000LPを払い、EXデッキから【LL-インディペンデント・ナイチンゲール】を融合召喚する!」

白河クロト LP:2000→1000、手札:4→3枚。

 

【簡易融合】

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):1000LPを払って発動できる。レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズに破壊される。

 

【LL-インディペンデント・ナイチンゲール】

融合・効果モンスター

星1/風属性/鳥獣族/攻1000/守 0

「LL-アセンブリー・ナイチンゲール」+「LL」モンスター

(1):元々のカード名に「LL」を含むXモンスターを素材としてこのカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。そのモンスターが持っていたX素材の数だけ、このカードのレベルを上げる。

(2):このカードの攻撃力はこのカードのレベル×500アップし、このカードは他のカードの効果を受けない。

(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカードのレベル×500ダメージを相手に与える。

 

<白河クロトのフィールド>

キングレムリン ☆4 ATK2300 ORU:2

LL-インディペンデント・ナイチンゲール ★1 DEF0

 

「俺は【LL-インディペンデント・ナイチンゲール】をリリース!手札から【The tyrant NEPTUNE】をアドバンス召喚する!」

白河クロト 手札:3→2枚。

 

【The tyrant NEPTUNE】

効果モンスター

星10/水属性/爬虫類族/攻 0/守 0

このカードは特殊召喚できない。このカードはモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚する事ができる。

このカードの攻撃力・守備力は、アドバンス召喚時にリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値分アップする。

このカードがアドバンス召喚に成功した時、墓地に存在するリリースした効果モンスター1体を選択し、そのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。

 

<白河クロトのフィールド>

キングレムリン ☆4 ATK2300 ORU:2

The tyrant NEPTUNE ★10 ATK0 → 1000 → 6000 ※【LL-インディペンデント・ナイチンゲール】をリリース。

 

「レベル10モンスターなのに【レベル制限B地区】の効果を受けない!?…そう言うことか!」

 

「【The tyrant NEPTUNE】はアドバンス召喚の為にリリースした効果モンスターの元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値分アップし、同名カードとなって同じ効果を得て、このカードは他のカード効果を受けない!」

 

「何てモンスターだ!?」

 

「そしてこの状況が整えば、その伏せモンスターが何であろうとも関係ない!【The tyrant NEPTUNE】の効果発動!このカードのレベル×500、つまり5000LPダメージを与える!」

 

「うあぁぁぁぁぁっ!」

矢ヵ城 LP:4000 → 0

 

 

「対戦、ありがとうございました」

 

「試験デュエル終了。おめでとう。君の勝利だ」

 

「ありがとうございました」

 

「これで君へのテストは終了だ。お疲れ様」

 

「お疲れさまでした。それでは失礼いたします」

 

矢ヵ城に挨拶をして俺がデュエルコートを出る直前、隣のコートから声が聞こえてきた。

 

「モンケッソクカゲキカゲムシャシエンシハンキザンキザンエクスカリバー…」

 

「墓地の罠カード【完全燃焼】発動!このカードを墓地から除外して、除外されている【進化合獣ダイオーキシン】を特殊召喚する!」

 

ツァンや三沢も順調そうだな。この分なら彼らも問題なくこの実技試験を合格するだろう。俺は彼らよりも一足先に受験者用の会場の観客席に戻った。

 

~~~

 

俺が観客席に戻ると程なくして三沢が席に戻って来た。おっ、その席の後ろで立っているのは遊城十代と丸藤翔だな。それと何故かコナミも居るな。アニメに近い初対面シーンとなっているみたいだ。

 

その光景を遠目で眺めているとツァンが席に戻って来た。結果は、あのドヤ顔を見れば分かるな。

 

「そっちも勝ったみたいだな」

 

「当然!とはいえ、相手の先生も結構強かったけどね」

 

「確かにな」

 

そんな話をしていると受験生を呼び出すアナウンスが聞こえてきた。

 

『受験番号110番、遊城十代君。デュエルコートへお入り下さい。繰り返します…』

 

遊城十代の名前が呼ばれ、デュエルコートに入っていく。

 

「あれ?受験番号110番代ってもうとっくに試験終了したんじゃなかったっけ?」

 

「電車遅延に巻き込まれた生徒だろう。試験受付にはギリギリ間に合ったとかそういう話じゃないか?」

 

「あぁ、なるほどね」

 

ツァンの疑問に俺が回答していると、デュエルコートに遊城十代の姿が現れる。そしてその相手はもちろん…。

 

「なんだか他の教師の人とは少し毛色の変わった人が出てきたね」

 

「あれは確か、実技担当最高責任者のクロノス・デ・メディチだな」

 

「実技担当最高責任者ってことは、あの対戦相手の生徒はよほど目に掛けられているんだね」

 

「むしろ目の敵にされてそうな気もするけどな」

 

その後、彼らのデュエルが始まる。アニメGX原作と違い、いくつかのカードが禁止制限となっている為か、アニメと同様の展開にはならなかったものの、【E・HERO】デッキやハネクリボーを駆使していた。

 

そして最後は十代が【E・HERO フレイム・ウィングマン】と【摩天楼 -スカイスクレイパー-】のコンボを決めてクロノスのエース【古代の機械巨人】を撃破して勝利した。

 

あれ?【E・HERO(エレメンタルヒーロー)】?エレメンタルなのか?確かネオス仮面の時は【E-HERO(イービルヒーロー)】だったよな?ネオスとユベルは…一緒に居るな。どうなってるんだ?

 

そもそも十代から感じる魔力がネオス仮面の時と比べて非常に低い。一般人より少し高いくらいで今の俺よりもかなり低い。魔力を抑えている様子はないし、どうなっているんだろう?

 

「あの110番も割とやるね」

 

「そうだな。あのスカイスクレイパーでの逆転は見ごたえあったな」

 

今は考えても仕方ないか。時間はあるだろうし、アカデミアに着いてから調べるとしよう。

 

俺はそれ以上、遊城十代のことを考えるのは止めて、ツァンと一緒に帰った。

 

~~~

 

その夜、孤児院の他の連中が寝入ったであろう時間帯にリビングに降りてきた俺は、この日の為にずっと漬けていた秘蔵の梅酒を取り出してちびちび飲んでいた。

 

この世界に転生してから初めての飲酒だ。前世でも嗜む程度にしか飲んでいなかったが、久し振りに飲むと美味いもんだな。

 

「ぷはぁ!たまんねぇなぁ!」

 

俺は今日、この世界で紛失しているはずのプラネットシリーズの1枚、【The tyrant NEPTUNE】を使用した。そのことはあの場に居た多くの人間が目にしただろう。印象に残りやすいように【LL-インディペンデント・ナイチンゲール】を経由した1キルコンボも使用した。

 

もし、プラネットシリーズを探す奴やこの世界の【The tyrant NEPTUNE】を所持する奴がこの情報を見れば恐らく食いついてくるはずだ。俺自身を餌にしてそいつを釣り上げて叩く。

 

今までにないハイリスクな方法だが、あの娘が来年入学してくるのであればその前になるべく取り除ける脅威は処理しておきたいからな。ある程度のリスクは止む無しだ。

 

「何がたまんねぇの?」

 

「ぶぶぁっ!」

 

突如、背後から女性の声がした。あまりに不意のことだったため、せっかくの梅酒を少し吹き出してしまった。

 

それはともかく、今の俺の背後を取る存在だと!?声の主を確認するために後ろを振り返って、納得した。

 

「…なんだ、シスターか」

 

「あらあら、ごめんねクロト。驚かすつもりは無かったんだけれど…」

 

そこにはいつもの修道服に身を包んだシスターが立っていた。気配からしてあのクソ女神ではなくシスターだ。あの邪悪な気配は完全に覚えたから間違いない。昔からこの人は気配を消すのが上手い。これもクソ女神から渡された技能なのかな?

 

「ところで、私もそれ貰っていい?」

 

何より、シスターは俺が持つ梅酒にずっと目を奪われている。まるでお菓子を見た子供の用に目をキラキラさせている。この人は昔から酒好きだからな。

 

「しょうがないな。半分だけ分けてあげるから、コップは自分で持ってきてくれよ」

 

「わぁい!やったぁ!」

 

シスターは嬉しそうにコップを取りに行った。この人ってもう30代中盤だよな?見た目も言動も俺と同年代にしか見えないとか、若々しいってレベルじゃないんだろ。これもクソ女神の加護的な力なのかもしれないな。

 

コップを取って来たシスターに梅酒を分けた後、彼女は何か言いたげにしていた。…あぁ、そういうことか。

 

「乾杯」

 

「かんぱーい!」

 

シスターの持つコップに軽くこちらのコップをぶつけて乾杯をする。これも久し振りにやったな。

 

「うわっ!美味しい!こんなの何処に売っていたの!?」

 

「自分で漬けてたんだよ。アカデミアの実技試験が終わったら飲もうと思っていてね」

 

前世では時々お祝い事があるとこうして自分で漬けていた梅酒を数少ない友人たちと飲んでいたものだ。そう言えば、俺が死んでから彼らはどうなったんだろうなぁ。もう知る由もないけどさ。

 

「もうすぐしたら、クロトやコナミはデュエルアカデミアに行っちゃうんだよね」

 

「そうだね」

 

「寂しくなるね」

 

「…そうだね」

 

なんだかんだでシスターとはもう10年近い付き合いになる。寂しくないと言えば嘘になるな。

 

「もうデュエルアカデミアを卒業したとのことは考えているの?」

 

「いや、全然」

 

そんなことを考える余裕なんて無かったからな。

 

「じゃあ、デュエルアカデミアを卒業したらまたこの孤児院に戻って来てよ」

 

「…シスター?あぁ、酔ってるなこりゃ」

 

気付けばシスターは梅酒のビンの中身を既に半分ほど飲み干していた。その顔は真っ赤になっており、目も半分据わっている。いや、はえーよ。アンタは酒弱いんだからあんまりがぶがぶ飲むんじゃないよ。

 

「今はまだユーゴやリンも居るけど、いずれ彼らも居なくなるじゃない?そんなの寂しいじゃない。クロトはもう私の家族なんだから、クロトが戻りたくなったら、いつでもここに戻ってきてくれていいんだからね?」

 

「考えておくよ」

 

「ふふっ、約束…だよ…」

 

そこまで言うと、シスターは眠りに落ちた。相変わらず寝落ち早いな。とりあえず、俺が今来ている上着を掛けて置き、俺は梅酒の残りを飲み干した。

 

帰る場所に待ってくれてる家族か。もし俺にも親が居たらこんな感じなのかな。ともかくこの季節にこのまま放置したら風邪をひいてしまうな。

 

俺はシスターを起こさないように抱っこして、彼女に部屋に運んでベットに寝かせた後、自分の部屋で眠りについた。




GXタッグフォース原作とは言え、大体はアニメGXストーリーと同じです。

矢ヶ城利之のデッキは【ロックバーン】です。当時のゲームのカードプールだとかなり厄介なデッキでしたが、相手がインチキすぎました。

オリ主のデッキは【ランク4】です。汎用的なレベル4モンスターを集めたグッドスタッフ寄りのデッキで、隠し味として【簡易融合】と【The tyrant NEPTUNE】を仕込んでいました。

今後についてですが、本編ストーリーは少し更新スピードを落として週二更新で行く予定です。過去の投稿文の要修正内容やら改善したい部分がいくつかありますので、更新スピードを落とした分の余力リソースをそちらに振り分ける予定です。

次回の更新は3/6(土) AM6:00予定です。

どらやき様、白銀神雅魅様、metamoln様、戦車様、誤記報告ありがとうございます。修正しました。

斎王琢磨の運命力は?

  • 原作遵守。強化万丈目に瞬殺される。
  • 原作微強化。強化万丈目を苦戦させる。
  • 原作大強化。強化万丈目を瞬殺する。
  • 原作超強化。ずっと私のターン!
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