玩龍喚士、あの素晴らしい世界にて。   作:生焼け魚

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妄想が溢れてきたので書いた。反省はしていないが後悔はちょっとだけしてる。


目覚め

駆け出し冒険者達が集まる地ということで知られる『アクセルの街』、その近辺に位置する森の中。普段ならほとんど人が来ることのない奥深くには小さな広場のような場所があり、木々の隙間から光が差し込んでいる。中央には一際大きな木が鎮座しており、その木の根元に、周りの風景とは明らかに異なるような雰囲気を纏う少女が居た。

 

「すぅ…すぅ…」

 

地面に寝転がり、気持ちよさそうに寝息を立てる少女。桃色の髪を縦ロールにしている彼女の顔には、幼さがまだ大きく残っている。身体もそこまで大きいようには見えず、むしろかなり小さな部類に入るだろう。

細く可憐なその腕には、何かのマスコットだろうか、白い体に黄色の毛が付いたぬいぐるみを抱えている。そして傍らには、他にも赤、青、緑、黒の4つぬいぐるみが置かれていた。

 

そんな、言ってしまえば奇妙な少女が気になるのだろうか。少女が眠っている場所の周辺を住処とする鳥や小動物が、自分達の巣から出て少女の周りに集まってきた。

最初は警戒しながら少女に近づいたりぬいぐるみをつついたりしていた彼らだったが、自分達を害するような存在ではないことを感じたのだろう。一匹、また一匹と少女の近くに座り、同じように眠り始めた。

その数は次第に増えていき、最終的にはその場に集まったほとんどが彼女の周りで眠りについていた。

 

 

見る者が見れば、「可愛い」「尊い」などと口にするその状況。暫く続いていたその静寂は、他ならぬ少女によって破られる。

 

「…う、うぅん…」

 

僅かに身じろぎをし、少ししてから起き上がる少女。それに驚いた動物達は、皆一様に慌てながら、自らの巣へと逃げ帰っていった。

そんな状況にあったことは露知らず。「ん、ふぁ…」と彼女は欠伸をし、目を擦りながら周りを見渡して。

 

「…ここ、どこ?」

 

声に困惑の色を宿しながら、そう呟いた。

 

▽△▽△▽△▽△

 

「…ここ、どこ?」

 

目が覚めたら、全く知らない場所に居た。…え、本当にここ何処?というか、何でこんな森の中にいるんだ?こんな所で寝てることなんて、普通に考えても無いと思うのだが。

そう心の中で考えつつ、今に至るまでの経緯を思い出そうとして記憶を漁り始め━━はたと気付く。

 

 

「…俺は、誰だ?」

 

…無い。記憶が、無いのだ。自分の名前や親のこと、友人のこと。果ては今まで自分がどう過ごしてきていたのかすらも。まるで最初から覚えてなどいなかった、とも考えられる程綺麗に抉り取られている。…正直、気味が悪い。

幸い自分が好きだったゲームに関する記憶や、自分の性別が男だというくらいは残っているようなのだが。それだけ覚えていても、どうやってこの状況から抜け出せと言うのだろうか。端的に言えば、詰んでいる。

 

「一体、どうしろってんだよ…」

 

 

 

…というか、起きてからずっと気になっていたのだけど。

 

「あ、あー」

 

やっぱりそうだ。…俺、やけに声高くない?しかも妙に聞き覚えがあるような……いや、それは気のせいか。

さっきも言ったように俺は男、だった筈だ。()()()()()()()()()()()()()()()()、普通はそれなりに低めな声だと思うが……待てよ。そのまさか、か?

不安を感じ、下を見ながら恐る恐る、ある所に手を入れてみる。━━やはり、無かった。記憶と一緒に、俺の息子も消し飛んでいたようである。

そして顔が下を向くと、ピンク色の何かが視界の端に入ってきた。引っ張ると「いたっ」…頭に痛みが走った。要するに、これは俺の髪ってことなんだろうか。

同時に身体をよく見れば、服もピンクを基調としたドレスのような物になっていた。それもフリフリなやつ。

 

 

これだけでもかなり混乱しているのだが、そこに、身体に意識を向けたことで気付いた違和感が襲い掛かる。それも複数……具体的に言えば4ヶ所ほどだろうか。

 

1つ目。…視点が、低い。幾ら自分が座っているとはいえ、ここまで低いものだっただろうか。記憶がごっそり無くなっているとはいえ、流石に自分の視点の高さぐらいは覚えている。

 

2つ目。というより、これを含めた残り3つとも同じようなものだからこの際纏めて言うが……額と背中、そして腰辺りだろうか。その3ヶ所に、()()()()()()()かのようなかなりの違和感を感じる。

 

腰の違和感に触れてみる。…固いような柔らかいような、それでいてぷにぷにしているような、よく分からない感触が返ってきた。ついでに、我慢出来る程度ではあるが、これまたよく分からない変な感覚も。

ある程度の長さがあるみたいだったので、見えるように手で手繰り寄せてみると……それは『尻尾』だった。白い本体に星のような模様があるそれはまるで、ファンタジー系統の作品などで見るドラゴンの尻尾のようにも思える。

 

次に背中。こちらはツルツルしているような、ザラザラしているような感触。そして、尻尾と違って薄く平べったい。同時に、先程と同じような変な感覚。

ある程度探ってみたところ、どうやら背中の違和感の正体は2つあるらしい。片方を軽く掴んで前に引き寄せると、白い本体に星のような模様が入った『翼』が目に入った。

 

最後に額。すべすべしているような感覚のそれは上の方に伸びていて、先に行くほど細く尖っている。…おそらく角、だろう。それもかなり大きいみたいだ。

 

…正直あまり認めたくはないが、今分かった自分のことを纏めてみるとこうなる。

 

・女の子

・なんかフリッフリの服

・背小っちゃい

・ドラゴン‘s尻尾&翼

・角

 

結論。『俺、龍娘(ロリ)になった』。

 

 

「…いや何でだよっ!!!!」

 

 

森の中に、虚しい叫び声が響いた。




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