仮面ライダー龍騎 Bloo-dy Answer 作:ホシボシ
もう全部書き終えることができたんで一気に更新させていただきます(´・ω・)b
戦いが始まる。
そんな仮面ライダーたちを少し離れたところで見ている者がいた。
「………」
仮面ライダーディケイドだ。
王蛇たちが戦闘を開始するのを確認すると、ライドブッカ―からファイナルアタックライドのカードを抜き取る。
しかしそれをディケイドライバーへ装填しようというところで、右腕が動き、後ろを指した。
「なぜ俺がここにいるとわかった?」
「ユダだ」
羽黒レンが答えた。
ディケイドは本来イレギュラーの存在なはず。
それを事前に知らせることなく参加させるのであれば、なにかしらの救済措置はほしいと訴えたのだ。
ましてや世界崩壊まで話が進むのであれば、なおさらのことである。
『ディケイドの参戦を認めるから、現れたら教えてくれ。それくらいの肩入れはあってもいいはずだ』
ユダはそれを了承したというわけだ。
「どの道、アンタは俺たちを全員倒すつもりだ。そうだろ?」
「ああ」
「改めて問いたい。折原アイをどう見ている?」
「折原アイは『広がり』を生み出す存在だ。消すことが正しい」
ふと、ディケイドは右を見る。
花京院ミユキが歩いてきた。
「ユダに判決は破壊と言ったらしいじゃない。どういう意味なのかしら」
「道具は使い終わったらどうする? 捨てるだけだ。それを少し言い換えただけにしかすぎない。お前らの──お前らの世界の役割はもう終わった」
「この星はもういらないってこと?」
「そうだ。残り続ける意味はない。お前たちは所詮、ひと時の起爆剤でしかなかった」
花京院はいつの日か見た白昼夢を思い出した。
ひとつの地球から、もう一つ地球が生まれ、それが繰り返されていくつもの星が生まれていく。
はじめは地球に似た星しかなかったが、時が経って枝分かれが進むにつれて、いろいろな色の星が生まれていった。
あの時はただのスペースファンタジー、荒唐無稽な銀河物語くらいにしか思っていなかったが、今ならあのSFの意味がわかるというものだ。
きっとこの星も、あの中の一つだったに違いない。
「今、アンタが証明してくれた」
声がして、ディケイドは左を見た。辰巳シンジが歩いてくる。
「オレたちの存在には意味があったんだってことを」
「………」
「繋げることができたんだろ? 仮面ライダーを」
そう言って取り出したのは、龍騎のカードデッキだった。
なぜだ? ディケイドは思った。あのデッキは確かに破壊したはず。
「それもユダか?」
「いや、違う!」
改めてシンジは叫ぶ。
「ここに生きる人々、ここにやってきた人々にも意味がある! ボクはそう信じたいッ!」
デッキを突き出す。
すると、シンジの前方にエネルギーで構成された鏡が現れた。
同じくしてVバックルが装備され、シンジは腕を斜めに突きあげる。
「変身!」
デッキをセットすると鏡から半透明になったドラグレッダーが飛び出して周囲を飛行する。
鏡に映っていたのはシンジではなく、龍騎。
鏡から鏡像が発射され、シンジを通過した。
さらにもう一体、鏡像が発射される。
最初に発射された鏡像が戻って来て、二つが一つになると、高速回転しながらシンジに重なりその姿が龍騎となった。
明らかに今までとは違う変身エフェクト。
ディケイドはなにがあったのかを察する。
「愚かな話だ。鏡合わせのように、永遠に繰り返している」
ライドブッカーを剣にして、走り出した。
「かもしれない。でも無意味じゃない! それに──ッ!」『ソードベント』
龍騎も剣を握ると、全速力で走りだす。
「戦わなければ生き残れない!」
ディケイドと龍騎は互いに剣をぶつけ合い、睨み合った。
◆
『ソードベント』
王蛇がベノサーベルを装備したのを見て、アビス、ベルデ、タイガは同時に走り出した。
三対一、普通に考えれば有利のはずだ。
しかし奇しくも、三人はほぼ同じタイミング、同じスピードで前に出ていた。
だから王蛇が体を思い切り回転させて振るったサーベルに、同時に命中することになる。
「いってぇ!」
アビスは火花を散らして後退していく。
思い切りぶん殴られたのはいつぶりだろうか?
そんなことを考えている間にも、王蛇はタイガを柄で打ち、何度も斬りつけている。
「野郎!」『ソードベント』
アビスセイバーを構えて走り出す。
王蛇へ切りかかろうとして、腕が止まった。
王蛇はタイガの首を掴みながら振り返り、そのままタイガを前に出した。
盾にしているのだ。
さあどうするか。タイガをよけつつ後ろにいる王蛇を攻撃すればいいのだが──なかなかうまくいかずに動きが鈍ってしまう。
すると王蛇はタイガの背を蹴り飛ばした。
タイガは勢い余って、アビスに抱き留められる形となる。
「あ! すんません!」
アビスはすぐに手を放すが、そこで悲鳴。
投げ飛ばされたベルデがタイガに当たり、そのタイガは前にいたアビスに当たり、三人巻き込んで地面に倒れる。
『ファイナルベント』
王蛇はバク宙で距離を取りながらもカードを発動。
着地と同時に前方にマグナギガが現れ、王蛇はベノバイザーの先端を背中に当てる。
展開していくマグナギガ、アビスは慌ててデッキからカードを抜き取った。
『アドベント』
王蛇の右にアビスハンマーが現れ、キャノン砲を向ける。
王蛇は舌打ちと共に予備動作をキャンセルし、自らもデッキからカードを抜く。
『アドベント』
召喚されたメタルゲラスがアビスハンマーを妨害しようと走っていく。
しかしアビスの契約モンスターは二体だ。
すぐに呼び出されたアビスラッシャーが割り入り、剣を交差させてメタルゲラスの突進を受け止めた。
『ファイナルベント』
王蛇の背後に出現するベノスネーカー。
だが待ってましたとベルデが指を鳴らした。
「今です!」
「はい!」
タイガが頷き、カードを抜いた。
『フリーズベント』
既に跳んでいた王蛇は、鼻を鳴らして着地する。
振り返ると、そこには時間が止まったように固まっているベノスネーカ―が見えた。
機能停止――かに、思われたが、そこでベノバイザーが弾け飛び、ベノバイザーツバイに形を変えた。
【サバイブ】
王蛇サバイブ。
ベノスネーカーの姿が弾き割れ、破片の向こうには強化形態となったベノスネーカーがしっかりと動いていた。
サバイブになったことでフリーズベントの効果が切られたのだ。
しかし、それは計算の内である。
『コピーベント』
なるほどと──王蛇は思う。
ベルデは、王蛇サバイブをコピーするつもりなのだ。
しかし姿や武器はコピーできても、カードまでは複製できない。ましてやミラーモンスターもだ。
よって、そこまでの脅威ではないと思っていたが、その考えはすぐに間違いだと気づく。
ベルデが使ったコピーベントは、ベルデのものではなく、ライアのものなのだ。
事前に受け取っていたのだろう。ライアの使うコピーベントは武器を複製できるというもの。アドベントカードはライダー裁判において武器と設定されているらしい。
フリーズベントが複製されて適応されたのだ。
「強化モンスターは少しの間しか止められないかも!」『ファイナルベント』
「了解! まあもう終わる!!」『ファイナルベント』
アビスラッシャーと、アビスハンマー、二体のモンスターが合体し、アビソドンが具現した。
アビスダイブ。
弾丸を連射し、王蛇とベノスネーカ―を攻撃しつつ、さらに巨大な回転刃を展開させて突っ込んでいく。
さらにバイオグリーザが、舌でベルデを持ち上げて、振り回し、投げ飛ばした。
その勢いを味方につけて、ベルデは飛び蹴りで飛んでいく。
デスバニッシュ、ライダーキックバージョンとでもいえばいいだろうか?
「ぐぉあッ!」
アビソドンの弾丸を受けていたため、王蛇はろくな防御がとれずに、蹴りを真っ向から受けてしまった。
地面を転がっていき、さらにはベノスネーカーも爆発して消滅する。
ちなみにライダー裁判において契約モンスターが破壊された場合、一定の時間をおいてから復活するが、その間はブランク態と呼ばれる状態になる。
ただし他にモンスターを獲得している場合はそれを防ぐことができるようだ。
今回、王蛇は既にマグナギガとメタルゲラスを獲得していたため、ブランク態になることはなかった。
『ファイナルベント』
立ち上がろうとした王蛇が押し付けられる。
飛び掛かってきたデストワイルダーは、そのまま王蛇を引きずって走り出した。
背中から大量の火花が散る。苦痛の中で王蛇は笑っていた。
手は動く、さらに仰向けで狙いを定めやすい。ツバイから毒液を発射して、デストワイルダーの顔を撃った。
「真実にどれだけの価値があると思う?」
「ッ?」
王蛇が立ち上がろうとしたとき、アビスが覆いかぶさってきた。
「一番大切なのは、どんだけドラマチックかってことだろ!?」
アビスを退かすため、王蛇がツバイを向けようとする。
しかし手首にヨーヨーが絡みつき、その動きを封じた。
ベルデだ。
「ものの価値がわからねぇ男だな。こんな面白そうな事件、他にはないぜ!!」
アビスはそう叫んで王蛇をしっかりと掴んだ。
タイガが飛び上がり、デストクローから冷気が放射されていく。
「死を超えるものがそこにはある! ビビってんだろ!?」
「それは──」
王蛇は何かを言おうとして、やめた。
適切な言葉を探しているうちに腹部に爪先が突き刺さったからだ。
タイガは、アビスごと王蛇を刺したのだ。
爪の周りには氷がまとわりついており、巨大な氷柱が二人を貫いている。
「あッ!」
タイガがのけ反った。
ツバイから伸びた剣が、蛇のようにしなり、タイガの背中から突き刺さって心臓を貫いていた。
王蛇はただでは転ばなかったのである。
「まあ、いいさ」
王蛇が呟く。
まず、アビスが消え去った。
「今回は、俺の負けで」
そして王蛇と、タイガが消え去った。
王蛇はこの瞬間が嫌いではなかった。
きっと、どこかの世界では、本当に死んでいる。そんな気がしてならない。
だから王蛇にとってこの瞬間は死に一番近づける時間なのだ。
◆
ドラグセイバーとライドブッカーが激しく打ち合っている。
ディケイドが真横に振るった一閃を、龍騎は受け止めるが、強い衝撃に押されて地面を滑っていく。
なんとか踏みとどまり、前に出るが、既にディケイドはカードを装填している。
『ファイナルフォームライド』『リュリュリュリュウキ!』
その時、龍騎が高く飛び上がった。
『エラー』
「なに……?」
そして、そのまま剣を振り下ろしながら落下する。
龍舞斬。
ディケイドは剣を横にして一撃を受け止めるが、激しい衝撃に一瞬動きが止まってしまった。
そこを龍騎は見逃さない。
前蹴りでディケイドの腹を蹴ると、一閃を刻み付けた。
「………」
痛みよりも疑問が勝った。
ディケイドはしばし沈黙し、理由を探る。
一つだけ思い当たる。あの異なる変身プロセス。
「新たなる因子か……、修正が必要だ」
次の一閃はしっかりと防御する。
組合い、弾きあう。
人間離れしたスピードで振るわれたライドブッカー龍騎の装甲を傷つけていく。
そうやってある程度龍騎を切った後、ディケイドはオーロラを出現させてその中に消えていった。
ディケイドがいた場所にはナイトが振るった剣がある。
「くッ! 厄介な!」
ナイトは周囲を探るが、気配はない。
するとまたオーロラがいくつも現れた。
『アタックライド・イリュージョン!』
オーロラから三体のディケイドが飛び出して、それぞれのライダーに襲い掛かる。
龍騎たちはそれなりにライダー裁判を見て、参戦してきたからこそディケイドの異質性がわかるというものだ。
当然ライダーの強さはスペックはもちろんだが、一番は変身者に依存している。
ディケイドの動きは素人のそれではない。
文字通りレベルが違うのだ。軍人だとかそういうものでもなく、本当に殺すための動きが洗練されている。
龍騎たちも場数は踏んできたが、ただの雑誌社の人間や詐欺師では、すぐに戦士に圧倒されてしまう。
「…うッ! あぁ!」
斬られ、蹴られ、ライアが地面を転がっていく。
『ファイナルアタックライド――』
ディケイドへそこへ銃口を合わせた。
『ディディディディケイド!』
ディメンションブラスト。
『クリアーベント』
命中する寸前、ライアが透明になった。
ベルデとカードを交換していたようだ。
着弾した様子はないため、回避に成功し、そのまま移動を開始したと思われる。
『ナスティベント』
ディケイドと分身は頭を押さえた。脳がシェイクされ、割れるような痛みと不快感。
分身たちが次々と消えていくが――ディケイド本体の右腕は動いた。
的確に照準を合わせてナイトを狙う。放たれた弾丸はデッキを捉えたが、そこでナイトの体が鏡のように砕け散った。
『トリックベント』
今度はナイトが増えていた。残りは三人。
ディケイドはライドブッカ―を腰につけ、カードを抜く。
『カメンライド』『ファイズ!』『アタックライド・オートバジン』
迫るナイトの剣をよけながら次のカードを装填。飛行してきたロボットがガトリングで空中にいたダークウイングを撃つ。
超音波が中断された。ディケイドはその隙にナイトを組み弾くと、フォームライドを使用してアクセルフォームに変身した。
『Start Up』
ファイズが飛んだ。
紅い残像を携え、ナイトの分身たちにポインターがセットされる。
「ハァアア!」
アクセルクリムゾンスマッシュ。
次々とナイトの分身たちがφのマークと共に消し飛ぶが、奇しくも一番後ろにいたナイトが本体だった。
アクセルフォームは高速ではあるが、最後に狙われたということもあって、一番最初に行われたクリムゾンスマッシュよりは直撃までに時間差がある。
よってナイトはダークバイザーを思い切り振るい、ディケイドの蹴りを弾くことに成功した。
とはいえ弾いただけだ。
ダメージを与えたとは言い難い。
ディケイドはバク宙でなんのことはなく着地し、立ち上がった。
「きゃあ!」
裏拳を振るうと、何もない場所ながら感触があった。
空間が歪み、ライアが姿を現した。
どうやら透明化した後、ディケイドの横に回ったようだ。
不意打ちをと思ったが、足音か気配で感づかれてしまったようだ。
「ハァアア!」
だがまだだ。龍騎が吠える声が聞こえた。
ドラグクローを装備しており、装備した竜頭から火炎放射が放たれる。
「………」
ディケイドは踏みとどまる。
右に逃げようとして、そこにナイトが立っているのが見えた。
ナイトは龍騎の狙いを汲んで、ディケイドの回避ルートを予想し、先回りしていたのだ。
おかげでディケイドは判断が送れ、そうしている間に炎を真っ向から受けた。
だが受けながらも──、ライドブッカーを開けて手を伸ばす。
簡単に逆転できるカードがあるようのだった。
「……ッ?」
だが、ない。
「ッ、なに!?」
ライドブッカ―の中に、取ろうとしていたカードが入っていない。
その時、笑う声。倒れていたライアが一枚のカードを見せた。
仮面ライダーカブトのカードである。
「スリってのは……品がないから嫌いなんだけど」
「小悪党が」
衝撃を感じた。
龍騎が火炎放射を撃ちながら走ってきて、そのまま勢いをつけてディケイドをドラグクローで殴ったのだ。
ディケイドは炎に包まれて吹き飛んだ。
しかし墜落はしない。
地面に当たる前に空中にオーロラが現れると、そこを通過して消え去ったのだ。
「!」
完全にディケイドの姿が消えた。
逃げたのか? 一瞬そう思ったが──
『カメンライド』
どこからともなく。
『カブト!』
最悪な音声が聞こえてきた。
『アタックライド・クロックアップ!』
オーロラが再び出現した。
それを認識した時には既にライアの背後でディケイドが回し蹴りを行っていた。
カカカカブト。その音声が聞こえた時には既にライアのデッキがバラバラに砕けており、花京院が転がりながら粒子化して現実世界へ戻されていた。
「バケモノ!」
花京院が悔しげに叫んだ言葉が、いやに耳にへばりつく。
幸いなのはエネルギーを消費したのか、必殺技を撃った後に、クロックオーバーの音声が流れたことだ。
これで少しは対等に――
『ファイナルフォームライド――』
そうでもないか。龍騎は思わず、ため息をついた。
「修正は完了した」『リュリュリュリュウキ!』
体の自由がきかなくなる。
龍騎はリュウキドラグレッダーとなりてナイトに襲い掛かっていた。
『ダメだ! 逃げてくれレンさん!』
やはり勝てないのか?
一瞬、そんな考えが過ったが──
「折れるなよシンジ!」
ナイトが叫んだ。
「俺たちには俺たちのやるべきことがある。紡ぐべきものがある! そうだろ!!」
ナイトはデッキから一枚のカードを抜いた。
シンジと湖白を助けた際に拾っていたものだ。
『アドベント』
龍の咆哮が聞こえる。
空から飛来してきたのはドラグレッダー。
ライダー裁判参加者の、『仮面ライダー龍騎』が落としたカードで呼び出したものである。
「グオオオオオオオオオオオオオ!」
それだけではない。さらにべつのドラグレッダーが現れる。
二体の赤き龍は、リュウキドラグレッダーに絡みついていった。
つまり今、三体のドラグレッダ―が交わっているのだ。
「……ッ!?」
ディケイドはすぐに他の二体を撃墜しようとライドブッカーを向けてアタックライドのカードを構えるが、リュウキドラグレッダーはドラグレッダーと姿は一緒だ。
どれが変形させた龍騎なのかがわからず、狙いをつけることができない。
「ちッ!」
ディケイドは後ろに跳んだ。
ナイトはウイングランサーを構え、ディケイドへ向かっていく。
「目障りな……!」
オーロラが通過した。
銃と剣に変えたライドブッカ―を両手に持ち、ナイトへ歩いていく。
突き出された槍を上体をわずかに逸らすことで回避。
払いが来る前に蹴りでナイトをひるませると、ライドブッカーで切りつけ、動きが鈍ったところで弾丸を撃ち当てていく。
ナイトはすぐに前に出て槍を振るうが、ディケイドを捉えることはできない。
攻防が続き、銃声が鳴り響く。
ナイトの体から火花が散って、槍が手から離れた。
ディケイドは踏み込み、ナイトの体に幾重もの斬撃を刻んでいく。
「ぐ……ッ! やはり、強いな!」
ナイトは後退し、膝をつく。
ディケイドは銃にしていたライドブッカーを投げ捨てると、剣にしていたライドブッカーからカードを抜いた。
「消えろ」『ファイナルアタックライド』『ディディディディケイド!』
ディケイドとナイトの間に出現していくホログラムカード。
ディケイドが地面を蹴った。
カードを通過するごとに剣にエネルギーが蓄積されていくが──
「グガァアア!」
その時だった。
リュウキドラグレッダーに、シンジのドラグレッダーと、もう一体のドラグレッダーが放つ火炎が直撃した。
リュウキドラグレッダ―はディケイドとナイトの間に墜落する。
その衝撃で変身が解除され、龍騎に戻った。
痛いが──体は動く。
地面を叩き叫んだ。自らを鼓舞すると、龍騎はフラつきながらも立ち上がった。
炎の中に佇む龍騎、その複眼が赤く発光する。
だが、それがどうしたとディケイドは唸った。
龍騎に戻ったところで何かが変わるわけではない。
必殺技の対象をナイトから龍騎に変更すればいいだけだ。
『ファイナルベント』
龍騎の背後、ナイトが飛び立つのが見えた。
ディケイドが龍騎を狙うところを、逆に狙うつもりなのだろう。
だが、そうとわかってしまえば、わざわざ付き合う必要はない。
ディケイドは背後にオーロラを出現させて後退していく。
通過すれば、そこはもう『別世界』だ。
移動できるかどうかの決定権はディケイドにあるため、ナイトが同じオーロラを通過したところで、ただ単にすり抜けて攻撃が不発になるだけである。
「
オーロラ越しの複眼が、緑色に光る。
「絶対だ」