GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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少年は立ち上がる。失ってもなお。



Chapter1:Beginning of Blood
#1 神に抗う者


現代からそう遠くない未来...世界は"神"によって食い荒らされていた...

 

 

???

 

『父さん!!母さん!!』

 

目の前に広がる炎の海 積み木のように倒壊する居住区

 

『はあ、はあ、父さん!!母さん!!兄貴!!』

 

眼前には全てを食らいつくしたあの牙がせまっていた。

 

『レイジ!ここはダメだ!逃げるぞ!!』

『ユウト!でも、皆が...』

『もう無理だ!走るぞ!!』

 

黒髪の少年が銀髪の少年の腕を引っ張り、必至にその場を逃げ出した。

火の粉が舞う路地を抜け、ひらけた場所に出る。

 

『ガァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!』

 

凶悪な牙を剥き出し、少年達を見下ろす姿がそこにはあった。

先程のアラガミとは別の個体が二人を待ち構えていたのだ。

 

『あぁ、あぁ...』

 

その場に立ちすくむ二人にその牙が襲いかかる。

 

『レイジッ!!』

『わっ!!』

二人の少年は転がるように横に跳んだ。

間一髪だった。アラガミの牙は横を通り過ぎていき、そのまま崖下へと落ちて行った。

 

『あっ、危なかった...』

 

とりあえず危機を脱した彼は、助けてくれた友人に礼を言おうと手を伸ばした。

が、友人には届かない。

当然だった。

そこにあるはずの彼の右腕は跡形もなく食いちぎられていた。

 

『うぁぁぁぁあああぁぁああぁァァァァぁアアアアぁ!!!!!!』

 

広がる血の水たまり

廃墟に響く叫び声

沈黙し続ける親友

 

彼はこの日たくさんの"モノ"を失った。

 

+++++

 

 

それから数年後。

最前線でアラガミの脅威から人々を守る移動要塞"フライア"に一人の新人ゴッドイーターが降り立った。

友の、兄弟の想いを神機に乗せて...

 

+++++

 

 

フライア内実験室

 

頭上を見上げる。

そこにはよく分からない機械と分からなくてもヤバそうと感じる機械があった。

「あれがオレの腕に刺さるのか...ちょっと怖いな。」

『気を楽になさい...』

頭上から声が聞こえてくる。

この声は...あれ、何先生だったけ?

というか、どこから話してんだ?

そんなどうでもいいことを考えていると、

『それでは、始めますよ。...』

「えっ!ちょっ、まだ心の準備が...』

 

無情にも天井にあったドリルが少年の腕輪に突き刺さる。

その瞬間、この世のものとは思えない痛みが全身を駆け巡る。

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

なんだこれ!? 腕がちぎれる!!

あっ、でも懐かしいかも。

って、言ってる場合か!!

たまらず台から転げ落ちる。

 

「適合失敗か?」

「いいえ、ジュリウス...よく御覧なさい...」

 

「ふんぬぁぁぁあ!!」

少年は手にした神機を床に突き刺すと、ゆっくりと立ち上がった

 

「フフッ...貴方に洗礼を施した時とそっくり...」

『おめでとう。これであなたはフェンリルの正式なゴッドイーターとなりました...』

先生の言葉を聞きながら、彼は改めて決意を固めた。

 

必ずみんなの分まで戦い抜く、と。

 

+++++

 

 

フライア ロビー

 

『訓練まで施設の中を見回って来てはいかがですか。』

 

クロサキ・レイジは受付にいた少し無愛想な女性の言葉を思い出していた。

「見回るったってなぁ...どこに何があるんだかさっぱりだし...」

適当に歩き回っていたクロサキは偶然、"庭園→"と書かれた看板を見つけた。

「庭園って、あの庭園か?こんな所に?

まぁ、特に見るところないし行ってみっかな。」

 

+++++

 

 

庭園

 

ふぁ...と自然に感嘆の言葉がでた。

屋内とは思えないきれいな花畑が目の前に広がっていた。

「これは...入り浸りそうだな。」

ふと、庭園の中に目をやると、ひときわ大きい木の下に誰か座っていた。

彼はこっちに気がつくと、

「ああ、適合試験お疲れ様。」

と声をかけてきた。

「あ、えっと、ありがとう。」

「まあ、座るといい。」

彼の近くにこしを降ろす。

心地よい風が吹いてきた。

「ここは"フライア"の中でも、一番落ち着く場所なんだ。

暇があると、ずっとここでぼーっとしてる。」

「確かに、居心地がいいな。居たくなるのも分かる。」

「分かるか。」

「もちろん。」

「そうか、気に入ってもらえたのなら良かった。」

 

しばしの沈黙が訪れたのち、

 

「そういえば、まだ名乗っていなかったな。

俺は、ジュリウス・ヴィスコンティ。

これからお前が配属される、極致化技術開発局"ブラッド"の隊長を務めている。」

「......えっ、ええええええええ!!」

おいおい、むっちゃ偉いひとじゃねぇか...姿勢正したほうが良いかな?

「かしこまらなくていい。よろしく頼む。」

「は、はい。よろしくお願いします!」

その返事に満足したのか、ジュリウスは静かに立ち上がった。

「さて、またあとで会おう」

と、言い残し彼は去っていった。

 

「あれがオレの上司か...カッコイイひとだな。

モテるオーラが出てるもんなぁ...」

なんのこっちゃわからないことを思いつつ、クロサキも庭園を後にした。

 

+++++

 

 

ラケル博士研究室

 

「フフッ...彼もまた運命に選ばれた子というわけね...」

目の前に映し出された画面のカルテを見ながら彼女は微笑む。

「来たるべき晩餐の時まで、まだ時間がある...

今は彼らとの絆を深め、その時に備えなさい...」

"Blood"と記されたファイルを開く。

開かれた画面には、クロサキ、ジュリウスの他に数人の人物の顔が映し出されていた。

彼女は自らの子を見るように微笑むと、画面を閉じ研究室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第1話を御覧いただきありがとうございます。
ここからどんどん面白くしていくつもりです!
是非とも1話切りなどなさらず、次話もお読み下さい。

さちて、次回はあの猫耳娘の登場だぜ!
(次回がいつになるかわからんが)
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