GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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ブラッドに新たなメンバーシエルが加わった。
候補生がそろったブラッドはより一層任務に取り組むが、
また、新たな事件が起きようとしていた。


#9 雨は降り出す

フライア 局長室

 

ブラッドの面々は局長室に集まっていた。

「とっとと理由を聞かせてもらおうか。

なぜ、最前線の極東地域にこのフライアを向かわせるのだ?」

葉巻を手にグレムがラケルに問いかける。

「極東支部において、ブラッドと神機兵の運用実績がほしいのです。」

ラケルはいつもの調子で続ける。

「神機兵の安定した運用を目指すなら、もっと様々なアラガミのデータがないと...

本部は認めてはくれないでしょう...」

「ふむ...しかしだな...」

グレムは渋い顔をする。

当然だ。現在の極東はまさにアラガミの宝庫。そんな危険地帯に好んで近寄るものはまず居ない。

「極東支部には葦原ユノ様がいらっしゃいます、本部に対して発言力がある彼女への助力なら、

決して無駄な投資にはならないかと...」

「確かにな...ラケル君、神機兵とブラッド

どちらも本当に損害を出さずに済むんだろうな?」

「ええ...信頼を裏切ることはありませんわ...」

「ふーむ」

グレムは再び考え込む。

「なあなあ、極東にユノが居るんだよな?」

ロミオが小声で話しかけてきた。

「そう言ってましたねー」

またか、と思いつつ適当に返す。

「オレ、大きくなったら...極東に行くんだ...」

「あんた何歳だよ。」

と、漫才をしてると

「うるさいぞ、貴様ら!!」

怒られた。しかもオレの方を向いて。

「よし、わかった!後で稟議書を提出しておいてくれ。

レア君だけ残りたまえ、あとは下がっていいぞ。」

「感謝いたしますわ...では...」

オレ達は部屋を後にした。アッカンベーを忘れずに。

 

 

こうして現在フライアは極東に進路をとっている。

 

+++++

 

 

フライア ロビー

 

「神機兵の出撃準備が進められてるらしいな。」

ギルが話しかけてきた。

「ああ、極東に少しずつ近づいてきてるからな。」

「あんなもんに大金をかけるぐらいなら...いっそ...」

ギルが口をつむぐ。

「言おうとしてることは分かるよ。」

「まあ、気にすんな...忘れろ。」

「オレが使ってやる!だろ。」

「!...お前に言った俺がバカだったよ...」

冗談のつもりが本気で呆れられてしまった。

そんな会話をしていると、シエルがやってきた。

「副隊長、局長がお呼びです。

次の作戦についてお話があるとか。」

隊長もシエルも呼ばれてるらしい。まぁ、当然ながら答えは、

「断る!」

だってあのおっさん嫌いだし...

「ダメです。行きますよ。」

渋々オレはついて行く。

「いーやだー。ギルー代わってー。」

「あきらめて、話聞きに行ってこい。」

その様子にギルはまた呆れていた。

 

+++++

 

 

局長室

 

局長室に入って来た時、レア博士と入れ違いになった。

なんか怒ってたみたいだけど、どうしたんだろう。

「ブラッド隊長、ジュリウス・ヴィスコンティ、以下二名入ります。」

隊長に続いて進む。

オレをみて局長が眉を吊り上げたのは気のせいだろう。

「ラケル博士から話は聞いているだろうが...

神機兵の無人運用テストおよび、その護衛をしてほしい。

詳しくは...あークジョウ君。」

そう呼ばれた男は、いかにも研究者な、白衣に眼鏡といった出で立ちだった。

「はい...えージュリウスさんと、シエルさんは

確か、ラケル博士とレア博士の元で...」

「ええ、我々は両先生の元で育ちました。

ですので、神機兵の運用テストで搭乗したこともあります。」

マジで?とシエルに聞くと彼女は静かにうなずいた。

「ならば話は早い、要するに神機兵の戦う様子を観察しつつ、

もしもの時には、守っていただきたいのです。

なるべく一対一で戦う状況を作りたいので、まずは付近のアラガミを一掃してもらいます。」

ん、それって...

「露払いをしろ...ということですか?」

「そういうことだ。今回の主役はあくまでも神機兵だ、ということ肝に銘じておけ、いいな。」

「了解しました...」

少なくとも、オレは納得いっていなかった。

そう思いつつ、オレ達は局長室を後にした。

 

+++++

 

 

蒼氷の峡谷

 

「これが神機兵の実力...」

周辺のアラガミを一掃し終えたオレ達は、神機兵の戦いを間近で見ていた。

神機兵はシュウの翼を剣で切り裂くと、そのまま頭部を掴み地面に叩き付けた。

「これじゃあ、どっちがアラガミか分かったもんじゃないな。」

ギルが静かに嘆く。

確かに、神機兵の動きは人間というより、まるで獣そのものだ。

神機兵の立ち回りに複雑な感情を抱いていた時だった。

-ブラッド各員聞こえるか-

突然、通信が入る。

-帰還の途中で赤い雲を見かけた!恐らく..."赤乱雲"だ!そっちからは確認出来るか?-

全員で空を見上げる。西の空に赤黒い雲がみえた。

「こちらギル...こちらからも赤い雲を確認した。」

「噂には聞いてたけど...初めて見た...すっげぇ...」

オレも、もう一度空を見上げる。

妙な胸騒ぎをおぼえた。

 

「総員即時撤退だ。一刻を争うぞ!」

ジュリウスは焦っていた。

-すでに、赤い雨が降り始めました。ここからの移動は困難です-

シエルが応答する。

「くっ...フラン!輸送部隊の状況は?」

「周囲にアラガミの反応が多数みられます。

輸送部隊単体での救出はできませんね...」

マズイ状況だ。このままでは...

「ブラッド各員、防護服を着用、及び携行し、シエルの救援に急行してくれ!

戦闘時に防護服が破損する可能性が高い、なるべく交戦は避けるよう、心がけろ!

シエルはその場で雨をしのぎつつ、救援を」

「待て!勝手な命令を出すな。」

突然、会話が遮られる。

「グレム局長...」

「神機兵が優先だろ。おい、アラガミから神機兵を守り続けろ。」

「ばかなっ...あの雨の中では戦いようがない!」

グレムが声を荒げる。

「俺がここの最高責任者だ!いいから命令を守れ!神機兵を守れ!」

たまらずジュリウスがカウンターに拳を叩き付ける。

「人命軽視も甚だしい!あの雨の恐ろしさは、貴方も知っているはずだ!」

ジュリウスが局長に掴み掛ろうとした時だった。

-隊長...隊長の命令には従えません-

シエルからだった。

「シエル....!」

-救援は不要です...不十分な装備での救援活動は、高確率で、二次被害を招きます-

そう言うシエルの声は少し震えていた。

-よって、上官であるグレム局長の命令を優先し、各部隊その場で待機すべきと考えます-

そう言うとシエルは通信を切った。

「シエル!応答しろ!シエル!」

無線が切られているようだ。

「ふん、なかなか良く躾けているじゃないか。結構、結構。」

ジュリウスがグレムを睨む。

その時だった。

-あのー、隊長...-

新たな通信が入る。

「どうした!ナナ!」

ナナは少し狼狽えているようだった。

 

-副隊長がね...神機兵に乗って行っちゃった...-

 




一応前編です。シエルは健気ですね。いい子です。

さて前書きをあらすじにしてみました。
気に入らない方はコメントください。

次回も主人公が見せてくれますよ~
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