GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
これにて終了です!!
活気のある声が飛び交い、工具の音が当たりにこだまする。
多くの人々が行き交いながら建て直しが行なわれ続けている。
シュンヤはそんな居住者達の様子を遠巻きに見ていた。
と、後ろに気配を感じて振り返る。
「あ、ギルさん。」
「サボりか?確か、お前は西ブロック担当だろ?」
「ちょ、違いますって。
今日のこと言ったら、さっさと行けって言われたんですよ...」
慌てて否定するシュンヤに、ギルは冗談だ、と笑った。
「それにしても、人ってのは本当に逞しいですよね。
つい四ヶ月前は見る影も無いくらいの惨状だったのに...」
「もう全体の五割が修復が完了したらしいな。
それだけ、ここの住人はお互いに支えあって生きてるってことだろ。」
「そうですね...」
リズム良く木槌の音が響く。
不安に苛まれていた人々も、今では笑顔を取り戻していっている。
あの時、諦めなくてよかった。
元気に走り回っている子供達を見て、シュンヤはそう思った。
「ごめーん!遅くなった~!」
人ごみを掻き分けナナが走ってくる。
何度かぶつかりそうになり色んな人に謝ってる姿を見て、二人は苦笑する。
「あいつを待ってたのか。相変わらず仲が良いな。」
「迎えに来てくれっていうもんですから。
その癖、十五分の遅刻ですけど...」
息を切らしてナナが二人の下へとたどり着いた。
「いや~ごめんね~思ったより仕事が大変で...」
「うそつけ。ナナの仕事は外壁のペンキ塗りだろ。」
ウッとナナがたじろぐ。図星のようだった。
「そ、それより早く行こうよ!
シエルちゃん、先に行ってるんでしょ?」
「ああ。ジュリウスさんも居るはずだ。」
ナナは最後まで聞かず、足早に支部へと
シュンヤはやれやれと立ち上がり、ギルと共にナナを追いかけた。
+++++
アナグラ 病室
「失礼しまーす。」
病室の扉を開けると、シエルとジュリウスが出迎えた。
「遅かったな?」
「ナナがやらかしました。」
ナナがシュンヤのわき腹を軽く小突く。
「ナナ、ちゃんと事前に時間を言っていたじゃないですか。
それに、メモにもちゃんと書いて手渡して。」
「あ...」
案の定のナナの反応に、ギルがため息をつく。
「部屋ぐらいちゃんと片付けろ。
どうせそのメモもどっかに放り出されてんだろ。」
「う...」
「図星ですね。」
「ハハッ...ナナらしいじゃないか。」
ナナがふくれっ面を見せた所で、奥のベッドから声がかけられる。
「アハハッ、相変わらずブラッドのみんなは賑やかだね。」
声の主は先ほどまでのやり取りを聞いて顔が綻んでいた。
気づいたシュンヤ達はようやくベッドへと向かう。
「すいません...えっとじゃあ...」
改めて皆がベッドに向き直る。
「リッカさん、ご出産おめでとうございます。」
「すいません。任務で忙しくて中々訪れる事が出来なくて...」
面向かって言われ、リッカは顔を少し赤らめる。
彼女の腕の中では銀髪の赤ん坊が寝息を立てていた。
「いーのいーの。わざわざありがとうね皆。
この子も喜んでると思うよ。」
そう言って、リッカはそっと我が子の頭をなでる。
「それに、この子は彼の大事な忘れ形見だから...」
少し寂しそうなリッカを見てシュンヤ達は心が苦しくなる。
今現在、ここ極東にはエイジスは存在しない。
あの戦いの後、光に包まれたエイジスは終末捕食と原初の種ごと消滅した。
サカキ博士の見解によると、クロサキの血の力"喚起"により原初の種を活性化した後、
周囲の偏食場パルスとオラクルを吸収・増幅し、
エイジスごと原初の種をワープさせたのではないか、ということだった。
しかし、奇跡にも近い諸行な為、明確な説明がつかないのが現状だ。
当のサカキ博士本人は、これで良いと諦めているらしい。
こうしてエイジスがあった場所は更地に変わり、そこにはクロサキを称える石碑が建てられたのだった。
クロサキ・レイジの消息は未だに不明のまま、捜索は打ち切られた。
「本当にショックだったんだ...でも、この子の為にも精一杯生きなくちゃって、
彼もきっとそれを望んでるだろうから...」
「そうですね...でも、俺達は誰もこの子を忘れ形見とは思ってないですよ。」
「ええ。こんな可愛い子を置いていくなんて...
戻ってきたらお説教ですね。」
「チキン5,8ピースぐらい要求しなくちゃね。」
「まぁ、アイツは殺しても死なねぇような奴だからな。
そのうちフラッと帰ってくるさ。」
「みんな...」
「という訳だ、リッカさん。
俺達は誰もクロサキのことを諦めてなどいない。
アイツが俺達を救ってくれたように、今度は俺達がクロサキを連れ戻す番だ。」
リッカは皆の顔をぐるりと見回す。
そして、涙ながらに小さく
「ありがとう...」
とつぶやき、静かに泣き始めた。
いつの間にか起きていた赤ん坊が、小さな手でリッカの頬を撫でた。
笑った顔はクロサキにそっくりなのが分かった。
「可愛かったなぁ赤ちゃん。」
旧学術都市を見下ろす丘の上でナナがつぶやく。
「そうだな。」
シュンヤは神機を素振りしながら答える。
久しぶりにブラッド全員での任務に腕が鳴っていた。
「先輩そっくりに育つとなると、そうとうなやんちゃ坊主になりかねないな...」
「そこは私達が総出で教育します。」
胸を張って言うシエルに、隣でギルが苦笑する。
「まぁ、将来が楽しみなのにはかわりないな。」
「皆、揃っているな。」
ジュリウスもやってきて、ブラッド面々が揃う。
準備を追え、皆が丘の上に並んだ。
見下ろす先にはアラガミの群れ。
終末捕食の危機が去ったとはいえ、アラガミの脅威は消える事はない。
「よーし!気合入れていこう!」
「ひさしぶりにワクワクするなぁ...!」
「まぁ、さっさと終わらせて一杯やろうぜ。」
「討伐目標を確認、いつでも行けます。」
「フッ...行くぞ!ブラッド出撃!」
神機使い達の戦いは何世代も通して続いていく。
全ては人々の明日を護るために。
今日も神機使いは戦場を駆ける。
+++++
「世話になった。ありがとな爺さん。」
見送る老父に青年は深く頭を下げる。
「礼には及ばんよ。神機使いがいるだけでも心強いからな。」
そう言って、老父はしゃがれ声で笑う。
「それにしても、砂漠の真ん中で倒れとった時はどうしたもんかと驚いたもんだ。」
「ああ...本当に感謝してるよ。
じゃあ、これで。いつかまた会いに来るよ。」
青年は神機を手に広大な砂漠を歩き始める。
老父はその背を見送りながら思い出したように声を上げる。
「おーい!そう言えば、あんた!名前なんつうんだ!」
老父の呼びかけに青年は足を止め振り返る。
そして彼は、老父に聞こえるように叫ぶ。
「オレの名前は.......」
というわけで、ついに最終回を迎えることが出来ました!
投稿開始から約一年、色んなことを(主にパソコン関連)を乗り越えて頑張ってきました。
今まで読んでくださった皆さん、そしてこれから読み始める皆さん。
クロサキ・レイジのことをこれからもお願いします!
そして、私の次回作もお読みいただければ幸いです。
それでは、皆さん!サラダバー!!!
全体を通しての感想とかあればヨロシクお願いします。
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