GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
「は?前説?別に話すことなんか無いな...
ん?これだけ言っとけ?はいはい分かったよ。
#11はっじまるよー!!...これ、オレじゃなくてもよくね?」
フライア ロビー
「直覚?」
懲罰から解放されたクロサキはロビーでシエルの血の力について話していた。
「はい、ラケル先生に教えていただきました。」
「知覚した敵の状況を伝達し、共有する力か...
仲間のために危険を察知するとは...シエルらしいな...」
ジュリウスが補足する。
「そうでしょうか...いまいち実感が湧きません...」
そう言いつつも、シエルは嬉しそうだ。
「ねぇ、副隊長。」
「ん?どうした?」
いつの間にか後ろに居たナナが疑問をぶつける。
「シエルちゃんの血の目覚めは副隊長のおかげだって、
ラケル博士から聞いたんだけどさ、一体どんなことしたの?」
「どんなことっていってもな...」
正直なところ、自分でもよく分かってはいなかった。
その疑問は代わりにジュリウスが答えてくれた。
「副隊長の"血の力"は、眠れる力を"喚起"し、目覚めさせる...
ということが、シエルの事例で分かったんだ。」
「つまりどういうことだ?」
オレとナナは首をかしげる。
「相手の意志や感情の爆発に共鳴して、感応し、触媒となって血の目覚めを促すということだ」
なるほど...分からん。
「つまりシエルちゃんも感情が爆発したってこと?
シエルちゃんでもそんなことあるんだねー」
理解したのかしてないのか分からない結論を、ナナは導き出したようだ。
「え!?あ、は、はい...そうですね...」
そう言うとシエルは赤くなってうつむく。
「あれーシエルちゃん、顔赤いよー?」
「ふぇ!?い、いえ!何でもありません...」
「えー怪しいなー...」
ナナがシエルの頬を突っつく。
じゃれあう二人を見ているとなんだか和む。
「シエルもよく笑うようになった。」
ジュリウスが言ってきた。
「レア博士にも言われました。肩の力が少し抜けたって。」
「そうだな、皆、表情が軽くなっている。もちろん、俺もだ。
...お前のおかげだな。」
ジュリウスが微笑むと、オレもつられて笑みがこぼれた。
+++++
嘆きの平原
「シエルってさ、射撃得意だよな。」
オレは思ったことを口に出すタイプだ。
オレ達はシエルのバレッドの検証実験に来ていた。
それというのも、シエルがオレにバレッドの挙動がおかしいと、相談してきたのが始まりだった。
銃形態をほぼ使ったことのないオレにはさっぱりだったので、
とりあえずミッションに出て、確認してみようという運びになった。
「そうでしょうか...銃を扱って長いので、そんな気はしないんですけど...」
銃身に目を向けていたシエルは顔を上げる。
「いや、すごいよ。この前のマルドゥークと戦った時、初めに狙撃したのってシエルだろ?」
あの時の高台の狙撃主がシエルだということは、後からジュリウスに聞かされた。
「...そう言われると...恥ずかしいです...」
顔を赤らめるて微笑むと、シエルは再び銃身に目を落とした。
「...?どうした?」
「あ、い、いえ、気のせいかもしれませんけど...神機が...
調子が悪いというか...いえ、違いますね...」
シエルは深く考え込む。
「なんか変わった所とかあったのか?」
「そうですね...いくつかのバレッドが今までと違う挙動になっているんです。
それも...悪くない方向に...
その分、発射時の挙動に違いが出ているので、反動制御を修正しなければ...」
頭が痛くなってきた。
「OK...落ち着いて。」
たまらずシエルを制止する。
「そうですね...詳しく調べてみようと思います。
あ、今日はありがとうございました。」
シエルが頭を下げる。
「いーよいーよ、気にすんな。」
そう言って帰ろうとすると、シエルに呼び止められた。
「あ、あの!」
「ん?」
振り向くと、シエルが恥ずかしそうにしながら、
「あの...もしよろしければ、またお願いできますか?」
とたずねてきた。
「当たり前だろ。いつでも頼んで来いよ。」
そう返すと、シエルの顔がパッと輝いた。
「はい!ありがとうございます!!」
バレッドの謎は残ったまま、オレ達はフライアに帰還した。
+++++
フライア ロビー
整備班と銃身について話すために、シエルとオレは別れた。
特に用事がなかったオレが、ロビーでくつろいでいると、
「副隊長。」
ふいに声をかけられた。
声がした方を向くとギルがいた。
「少し、話がある。良いか?」
ギルの顔はいつになく厳しい顔をしていた。
「ああ、良いよ。どうした?」
ギルはオレの正面に座る。オレも正面に向き直す。
「この前の神機兵の運用テストの件...なんであんな無茶した。」
やっぱりそれか...
あの事件の後、ギルは難しい顔をするようになった。
「前も言ったろ。あん時は必死だったんだ...特に理由なんかねぇよ。」
だが、ギルは納得しそうにもなかった。
「あんまり独断で無茶はするな...万が一があった場合
残された奴は一生、お前の命を背負い続けるんだ...」
さっきとは打って変わって、悲しそうな表情をするギル。
「分かってるさ、そんなことぐらい。」
「ならいいんだ...だが、"自分だけは大丈夫"とは思わない方がいい。」
そう言うと、ギルは帽子を深くかぶり直すと、
「説教くさくてすまなかったな...じゃあな...」
と言い残し、去って行った。
その背中は、何か重いものを背負っているようにも見えた。
+++++
フライアは赤い雨の中を、極東に向かって進んでいた。
-現在フライアは赤い雨の中を通過中。いかなる理由があれど、屋外への外出を....-
館内にアナウンスが繰り返し響く。
「はーい、良い子は雨の日、外に出ちゃいけないもんねー。」
ナナがつまらなそうに嘆く。
ブラッドの面々はロビーに集まっていた。
「赤い雨が続くな...」
「極東の範囲に入りましたからね。
やがて極東支部に到着するのでは?」
極東支部はアラガミの激戦地であり、赤い雨の降雨率が最も高い地域でもあった。
「そんな事より俺は、ユノに早く会いたいよ...」
「先輩そればっかりだねー」
ロミオ先輩はあいかわらずだ。
「赤い雨って、この前のテストの時降ってたやつだよな。
あれって...濡れるとヤバいんだよな。」
オレはふとたずねる。
「なんだっけ、あれでしょ...コクシャ....コクシェ...」
「違うぞナナ...コクショ病だ!」
「そう、それ!!」
息ピッタリだな...
二人のやり取りに少し呆れていると、シエルが訂正してくれた。
「"黒蛛病"...赤い雨に触れることで、高い確率で発症する病...通称、黒蛛病
現時点で有効な治療法はあらず、感染した場合の致死率は...100%とされています。」
「ぬ...濡れなきゃいいだけの話だよ。」
狼狽えるロミオに対し、ナナは
「病気はやだねー食欲なくなっちゃう...」
いたって平常運転だった。
+++++
ラケル博士研究室
-繰り返します、現在フライアは赤い雨を抜け、極東地域を南下しています-
研究室にも館内アナウンスが流れていた。
「ラケル...そろそろ教えてほしいのだけど、極東に来たホントの狙いは...何?」
かねてからの疑問をレアは口にした。
姉として、実の妹の真意だけは知っておきたかった。
だが、期待するような答えは返ってこない。
「グレム局長にお伝えした通り、神機兵とブラッドの運用ですわ、お姉様。」
ラケルは顔色一つ変えず答えた。
「なら、良いのだけど...」
これが真意ではないことぐらい、レアには分かっている。
だが、従わざるを得ない...それだけのことを彼女にしてしまったからだ。
「神機兵は私達姉妹の悲願。何があっても、成功させなくては...」
「ええ、お姉様...そのためにも、彼らにはしっかり働いてもらいましょう...」
そう言うと、端末の画面に外の様子を映し出す。
「あら、極東支部が見えてきたようですよ。お姉様、ほら...」
レアも画面を覗き込む。
古びた外観の建物と広大な居住区が映し出されていた。
サテライトを取り囲む巨大な壁。その一角にある門が開く。
様々な思惑と想いを乗せ、新たな物語の舞台の幕が開ける....
区切りよくしようとしたら長くなっちまったよ。
前書きも考えんの大変だったし...
それはそうと#11いかがでしたか?
シエル楽しそうでよかったな。
だが残念...悪いなシエル、クロサキは一人用なんだ。(スネ夫風に)
誰用かって?まあ後々ね...
さて、サブエピをはさんで、いよいよ極東編です!
キャラ多いなー...まあお楽しみに