GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
「んー?前説?よし、任せとけ!
俺がユノの素晴らしさをたっぷりと...
え、もう時間!?なんか、俺だけ短くないか...」
#12 さて、極東
アナグラ 支部長室
フェンリル極東支部、通称"アナグラ"に到着したオレ達は、まず支部長室に通された。
「ブラッド隊長、ジュリウス・ヴィスコンティ以下隊員各位、到着しました。」
ジュリウスの後ろに並ぶ。
「ようこそ極東支部へ!」
目の前の男性はそう言った。
狐のような細い目に眼鏡をかけたその人は、ペイラー・サカキと名乗った。
「エミールが世話になったようだね。出来れば直接会いたいと思っていたんだ。」
「ああ!コイツですよ、コイツ!あのマルドュークを撃退した奴!」
ロミオがオレを前に押し出す。
「ほう...君が...ありがとう、私からも礼を言うよ。」
「あ、どうも...」
それだけ言うとオレは下がる。
何となく恥ずかしくなったからだ。
「さて、すぐにでも任務に入ってもらいたいところだけど...
まずは、極東支部が置かれている状況について説明するよ?」
そう言うとサカキは、少し難しい顔をする。
「一つは"黒蝶病"...赤い雨によって発症する病気だね。
そして、もう一つは...」
「"感応種"ですね...」
ジュリウスが言葉をつなぐ。」
「そう!いわゆる接触禁忌種と呼ばれる、新種のアラガミだ。
...君らブラッドは交戦経験があるんだよね?」
確か、マルドュークがそうだったはずだ。
「知っての通り、感応種は"偏食場"...つまり特殊な感応波を用いて、
周囲のアラガミを従わせる能力を有している。
本来なら、アラガミの一種である神機も、感応波の影響で機能停止してしまうけど...
君たち"ブラッド"はその感応波の干渉を押しのけてこれを撃退した。
...実に素晴らしい、とても心強いよ。」
改めて、言われると少し誇らしかった。
「さて、この二つの問題の解決を君たちにも協力してほしい、
というわけさ...どうだろう?」
「ええ、承りました、最善を尽くしましょう。」
その言葉にサカキも胸を撫で下ろす。
「ありがとう、こちらも惜しみないサポートをしよう。
ここを自分たちを家だと思って、くつろいでくれれば幸いだ。
....さて、話が長くなってしまったね。」
一息おいて、扉が開いた。
「博士ー!歓迎会のスケジュールを...あれ、もしかして、ブラッドの人達?」
一人の青年が入ってきた。
「ありがとう、コウタ君!そうだよ、彼らがブラッドだ。」
「極東支部第一部隊隊長、藤木コウタです!これから、よろしくね。」
第一部隊...エミールのいるところか...
「ブラッド隊隊長ジュリウス・ヴィスコンティです。
こちらこそよろしくお願いします。」
「あー、今は歓迎会の準備をしてるからさ、
その間、ゆっくりと極東支部の中を見て回ると、良いよ。」
コウタが言い終わる前にナナの目が輝く。
「歓迎会って私たちの?ごちそうでるの!?」
そういや楽しみにしてたもんな...
「ナナ...いきなり図々しいぞ!!」
そう言うロミオも気になっているようだ。
「おう!期待しておいていいよ。極東のメシはうまいぞ!!」
『やったー!!』
またしても二人は息ピッタリだった。
+++++
アナグラ ロビー
「おお!君はクロサキではないか!!」
ロビーを散策していると、聞き覚えのある声で呼ばれた。
振り返ると、見知った青年と初対面の少女が立っていた。
「あなたが...ブラッドの副隊長さん?」
少女がオレに話しかける。
「私はエリナ、エリナ・デア=フォーゲルバイデといいます。」
そう言うとオレの顔をじっと見る。
「?何かオレの顔に付いてる?」
「いや...なんか、強そうに見えなくて...」
初対面でなんて失礼なことを...
「極東はどうだい?フライアも優雅だが、ここも趣があるだろう。」
「ちょっと!今は、私が話しているだから!」
「そう、ここに居るのはエリナ!
わが盟友、エリック・デア=フォーゲルバイデの妹、すなわち...
このエミール・フォン・シュトラスブルグの妹と思ってくれれば良い。」
「誰がアンタの妹よ!!」
犬猿の仲ね...最初の頃のギルとロミオのようだった。
二人の喧嘩にあっけにとられていると、
「ほんと、ごめん!」
不意に後ろからコウタに声をかけられた。
「二人とも第一部隊の隊員で筋は悪くないんだけどさ...」
コウタとオレは二人に目を戻す。
まくし立てるエリナに対し、エミールは優雅に返していた。
「まあ、ご覧の通り、いつもあんな感じでさ...」
「大変そうだな...」
オレは苦笑いする。
コウタもため息をついた。
「とりあえず、仲良くしてやってよ。悪い奴らじゃないから。」
さっき失礼なこと言われたばかりだが...まあ忘れよう。
「ああ、もちろんだ。」
コウタはその言葉に満足すると、いまだに言い争う二人を連れて任務へと出て行った。
+++++
コウタ達と別れてからしばらくして、アナグラを散策していると、別の部屋にたどり着いた。
「整備室...」
整備室と書かれた部屋の中では、一人の少女が黙々と神機に向かって作業していた。
(邪魔しちゃ悪いな...)
そう思い、そこを離れようとした時、足元の機材につまずき盛大に転ぶ。
「のわっ!!」
転んだ拍子に、積み重なった書類の束が、頭上に落ちてくる。
「あててて...」
辺りに書類やら素材やらが散乱してしまった。
「大丈夫...?」
先程まで作業をしていた少女が駆け寄り、声をかける。
少女は赤いゴーグル装着し、オーバーオールとスポーツブラという大胆な恰好をしていた。
「大丈夫だ...問題ない...」
腰をさすりながら立ち上がる。
「邪魔して悪かったな...」
「うんうん、気にしないで。」えーっと...」
「オレはクロサキ、クロサキ・レイジだ。」
握手を求め手を差し出す。
「私は楠リッカだよ。...レイジ君か...もしかして、ブラッドの人?」
リッカも手を握り返す。
目線の先にはクロサキの腕輪があった。
ブラッドの腕輪は通常の色とは違って黒い色をしている。
「ああ、副隊長やってる...リッカは整備班の人だよな?」
「そうだよ。私が皆の神機のメンテナンスをしてるんだから。
多分、君たちの神機のメンテナンスも担当すると思うよ。」
誇らしげにそう言うと、リッカは散らかった書類を片づけ出す。
手伝いながら彼女を見ると、オレと同じくらい年のようだ。
「あらかた、片づけ終わったな。」
「うん、ありがとね。」
リッカが微笑む。その顔は少し幼く見えた。
「いや、元はといえば...オレが散らかしたんだし。」
オレは、ばつが悪そうに頭をかく。
「あははっ!...君、面白いね。」
「よく言われるよ...」
無邪気に笑うリッカに対してオレは苦笑いする。
「あ...オレ、そろそろ行かないと。」
時計を見ると、歓迎会の始まる時間だった。
「うん、じゃあ後でね!」
「ああ、じゃあな。」
部屋を出ようとした時、ふと思い出してリッカの元に戻る。
「忘れてた。」
そう言うと、オレは指でリッカの頬の汚れを拭う。
機械油だろうか?少しベタベタする。
「ほっぺに汚れ、ついてんぞ。」
「えっ!?あ、ありがと...」
リッカは突然のことに少し驚いた様子だった。
「んじゃな!」
オレは右手をあげて挨拶すると、部屋を後にして歓迎会の会場に急いだ。
部屋には、呆けた様子で立ち尽くしたリッカだけが残された。
書きたかった...リッカが書きたかったんだよ...後悔はしていない...
出会いをねつ造しました。
でも、リッカが可愛いから許してヒヤシンス!あ、すいません...
さて、しばらく更新が不定期になります、ご了承ください。
それでも良い方はこれからも応援お願いします。