GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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シエル
「見どころですか?そうですね・・・
副隊長が・・・副隊長で・・・副隊長に・・・
はい?もう、そんな時間ですか。
では、#13始まります。」


#13 バレットガール

目覚ましのアラームで目が覚めた。

「ん...頭痛てー...」

慣れない酒を飲んだせいか、寝落ちしてしまったようだ。

水道で顔を洗うと、昨日の記憶が戻ってきた。

「確か...極東支部の人達が歓迎会を開いてくれて...」

クロサキ達が極東に到着した日の夜、盛大な歓迎会が開かれた。

コウタとジュリウス、両隊長の挨拶に始まり、

ユノさんがオレ達の為に、歌を披露してくれた。

「昨日は楽しかったな...」

その後、誰かが酒を持ってきて、歓迎会は夜中まで続いた。

「未成年が酒なんて飲むもんじゃないな...」

自分で戻ってきた記憶がない。

おそらく誰かが運んできてくれたんだろう。

少しふらつきながら部屋を出た。

 

+++++

 

 

アナグラ ロビー

 

ロビーに向かうと、ジュリウスが頭を抱えてうずくまっていた。

「?...隊長?」

「ああ...クロサキか」

ジュリウスは何故か落ち込んでいた。

「なあ...クロサキ...俺は昨日どうなった?全く記憶がないんだ...」

「えっ!...それは...」

心当たりはある...だが言える訳がない。

完全無欠のジュリウス隊長が、"酒癖"が悪いだなんて...

一杯飲んだだけで泥酔してしまったジュリウスは、

終始、愚痴をこぼしては(主にグレム局長)、ギルに介抱されていた。

「なあ、教えてくれないか。誰に聞いても、教えてくれないんだ。」

そりゃあ、あんな姿を目の当たりにしたらな...

「大丈夫でしたよ...いたって普通でした。」

そう言うオレの顔は、多分引きつっていたと思う。

「そうか...なら良いんだ。」

風にあたってくる。と、ジュリウスはロビーを去っていった。

「オレも気を付けよう...」

酒にだけは飲まれないようにしようと、決意したクロサキだった。

 

+++++

 

 

アナグラ ラウンジ

 

オレはシエルに話があると呼びだされていた。

「お待たせしました。」

シエルの手には資料が握られていた。

「ああ、話ってのは?」

シエルがオレの隣の席に腰かける。

「はい...先日付き合っていただいた時に違和感のあった

バレッドのことなんですが....」

確か、挙動がおかしいとかで整備班に相談しに行ったはずだ。

シエルが手元の資料を基に説明する。

「整備班の方によると、回復弾のオラクル細胞の結合が変異していたそうです...

固着した細胞が・・・進化した・・・に加え・・・

結果的に、状態異常回復効果が発揮されるバレット、になっているそうです。」

なるほど、分からん。

長く続いたシエルの話は、バレッドをあまり使用しないオレにはさっぱりだった。

「つまり...どういうことだ?」

「推論にすぎないという前提で、恐らくブラッド同士の"血の力"による感応波の相互作用では...

と仰っていました。」

...オレの理解力が足りないのか...?

「私もまだ信じられないんですけど...

ブラッドアーツのように特殊なバレッド...いわば"ブラッドバレッド"に進化した...

そう、サカキ博士は仰ってました...」

ようやく理解することが出来た。...多分。

つまり、血の力によって進化するブラッドアーツのように、バレッドも血の力で進化したのだった。

「すげぇな...大発明だな!」

オレは素直に感心した。

「はい...嬉しいです!

少しでも、皆のお役にたちたかったので...嬉しいです。」

そう言って、彼女は微笑む。

「あの、もし良ければ、君も一緒にこのバレッドの試験運用に行きませんか?」

シエルが尋ねる。

「もちろん!行こうぜ!」

その答えに、もう一度シエルの顔が輝く。

「はい!それでは、準備が済むまでお待ちしてますね!」

 

+++++

 

 

鉄塔の森

 

ブラッドバレッドの性能には、目を見張るものがあった。

初動も早く、その威力も申し分なかった。

シエルの射撃の腕もあるのだろうが、改めて"血の力"の凄さを感じた。

ミッション終了後、当然のようにシエルは興奮を隠せないようだった。

「"意志の力"によって新たな力を生み出す、ブラッドバレッド...

この仕組みを、細かく解明できれば、さらに戦術の可能性が広がると思うんです!」

「そうだな...きっと強力な武器になる。」

「すごく...わくわくしています!

君と...ブラッドの皆と...極東支部の皆さんと力を合わせて...

私、ブラッドバレッドの研究を進めて...もっと、もっと...皆の役に立ちたいです!」

来た頃とは比べ物にならないくらい、シエルは明るくなっていた。

それも皆のおかげだろうか?

「ああ、もちろん応援するぜ。ガンバレよ!」

「はい!」

シエルは嬉しそうに笑った。

オレもその笑顔につられて笑った。

 

+++++

 

 

アナグラ ブラッド区間

 

オレとロミオとギルは自室の前にいた。

「いやーホントに極東は美人さんが多くていいなー。」

ユノの生歌を聴けたロミオは昨日から上機嫌だった

(ジュリウスとは正反対だ...)

「でも、ちょっとボロい?」

ロミオが辺りを見回して言う。

確かに、所々装飾が欠けていたり、塗装が剥げていたりしていた。

「オレは嫌いじゃないっすけどね。」

「フライアが貴族趣味なだけだろ...これぐらいが普通だ。」

ギルがロミオの疑問に答えた時だった。

「普通...?それはちょっと聞き捨てなりませんね...」

隣の部屋の扉の前に居た女性が、口を挟む。

「これが普通なら、サテライトや他の居住区はどうなんですか?」

そう言ってギルに詰め寄る。

「誰だ、あんた。」

「高峰サツキ...フリーのジャーナリストです。」

その言葉にギルは顔をしかめる。

「ああ、そうかい。俺はそういった奴らが苦手なんだ...ロミオ、後は頼んだ。」

ロミオの肩に手を置くと、ギルは自室に戻ってしまった。

ロミオはオレの顔を見た後、サツキに頭を下げた。

「すいません...」

「あら、意外と素直?」

サツキは驚いたようだった。

その時、部屋の扉が開き、中から見覚えのある女性が出てくる。

「あれ、サツキ、先に行ったんじゃないの?」

二人は知り合いなのか...

親しそうに話す二人を見てそう思った。

「あ、あなたたちは...確か、ブラッドの...」

ユノがこちらに気付く。

すかさず、ロミオがユノの手を握る。

「初めまして!俺、ロミオです!ユノさんの大ファンで、ユノさんの歌、いつも...」

「はいはい...握手会はマネージャーを通してからにしてくださいねー。」

見かねたサツキがロミオを引き離す。

ロミオは少し残念そうだ。

「じゃあ、私、コウタ君に話があるから。後で迎えに来るわ。」

すれ違いざまにサツキに話しかけられた。

「あの子と仲良くしてあげてくださいね。あの子、同年代の友達が少ないから...

それと、彼のことしっかり押さえておいてくださいよ。」

サツキはロミオを見る。

ロミオは懲りずにまたユノに話しかけていた。

「ぜ、善処します...」

「それでは、ジュリウス隊長にもよろしくお願いしますね。」

それだけ言うと、サツキはエレベーターに乗って行った。

なぜ隊長の名前が?と思いつつ、オレはロミオを引きはがす作業に入った。

 




今回は少し短めです。
報われないヒロイン、シエル...ファンの人はゴメンね...
ちょっとだけ時系列を書き換えました。

さて、次回はやってまいりました!
リッカのターン!お楽しみに!
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