GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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ジュリウス
「前説か...そういうのは苦手なんだ...
代わりにロミオ辺りがやってくれるだろう。
では、#14始まるぞ。」


#14 近づく距離

アナグラ ロビー

 

「よう!久しぶりだな!」

後ろから、ガタイのいい男に呼び止められる。

「あっ、どうも...お久しぶりですね、ダミアンさん。」

彼の名前はダミアン。

元神機使いで、今は若手神機使いの指導員を行っている。

フライアでも何度か、お世話になったことがある。

「極東の人だったんですか...」

「まぁ、色んな支部を飛び回ってるけどな。

そうだ...お前に良い話があるんだが...」

そう言うと、ダミアンはオレの答えを聞く前に続ける。

「"リンクサポートデバイス"ってのは知ってるか?

ここで新たに開発された、支援技術のことなんだがな。」

「リンクサポートデバイス?」

先日、極東に来たばかりのオレには初耳だった。

「やっぱり知らないか...アンタたちも、これから長い間お世話になる機能だ

使用制限もあるが...知っておいて損はないと思うぜ?」

オレも少なからず興味を持った。

「なんか、すごそうだな。どういうもんなんですか?」

「お、興味を持ったな!よし、わかりやすく説明してやろう!」

分かりやすくといったのに...

説明に熱が入ったのか、リンクサポートの魅力を小一時間程聞かされた。

ようするに、他の神機を機器に接続し、フィールド全体に特殊な効果を行き渡らせる。

...そういったシステムだった。

「まあ...色々と不便な所もあるんだが...その辺を改良したデバイスを

整備班のリッカって奴が開発してるらしいな。」

リッカ...その名前には憶えがあった。

確か、初日に会った整備班の子がその名前だった。

「そういや、近いうちに試作品ができるって話してたな...

奴を口説けば、一つぐらいもらえるかもしれないぜ?」

なるほどね...明日、顔を出してみるか...

「ありがとうございました。」

「おう、良いってことよ!がんばれよ、少年!」

ダミアンは豪快に笑うと、ロビーを去って行った。

 

+++++

 

 

アナグラ ラウンジ

 

「なんか、騒がしいな。」

ミッションの息抜きにコーヒーでも飲もうと、エントランスに訪れた時だった。

騒ぎ声の主は、テレビの前ではしゃぐコウタとロミオだった。

「何してんですか...」

少し呆れながら尋ねる。

「おお、副隊長!お前も見ろよ!シプレ!」

テレビの画面には、神機兵と誰かに似たような少女の姿が映っていた。

(な、なんだこれは...神機兵のCM?)

テクノポップな曲調に合わせて、女の子が踊る。

そして最後には搭乗員募集の大々的な告知文。

困惑するクロサキとは対象に、二人は画面に釘付けだった。

「新曲...すげぇ、良い...」

「分かってますね、コウタさん...シプレの魅力...ガチで全開でしたね...!」

「俺さ...大きくなったら神機兵に乗るんだ...」

アンタら何歳だよ...てか、仲良いな、おい...

早くも打ち解ける二人を尊敬しつつ、半分は呆れていた。

「よし!ロミオ、今日は語り明かそうぜ!」

「了解っす!とことん語りましょう!副隊長も一緒に...あれ?」

同族にされたくないクロサキは足早にその場を去った。

 

+++++

 

「あはは、シプレは今、大人気だからねー」

「だからって、あそこまで熱中しなくても...」

翌日、オレは整備室でリッカと話していた。

リッカは相変わらずの恰好で、頬の汚れもデフォルメになっていた。

「男の子はよく分からないねー。...そう言えば、何か用があったんじゃないの?」

「おお、忘れてた。」

整備室に来た本来の目的、ダミアンから聞いた話をリッカに伝える。

「情報が早いねー。それじゃあ、特別にリンクサポートデバイスの試作品をあげる。」

「おお、話が早いな。じゃあ...」

オレはリッカからデバイスを受け取ろうとしたが、その手は空をかすめる。

「その前に...いくつか守って欲しいことがあるんだ。」

リッカがキョトンとするオレを制止する。

「試作品ということは、動作の保証は無し...これだけは覚えておいて

それと、試作品の開発に協力してほしいんだ。

実験及びデータの提出、それに、必要な素材の確保とかさ」

なんか、良いように言いくるめられているような気がする...

「まさかとは思うが、オレはモルモット?」

その言葉にリッカが吹き出す。

「あはは、人聞きが悪いなあ...君で実験するわけじゃないから大丈夫だよ。」

「だ、だよな!」

「今のところね...」

リッカの目が怪しく光る。

「....」

顔を引きつらせるオレに構わず、リッカは説明を始める。

「今回、君に試してほしいのは、新しいタイプのリンクサポートデバイス...

普通の神機としての機能を殺さずに、リンクサポートの機能を発揮できる!

...って、理屈では、スグレモノなんだけどね...」

そう言って、リッカは暗い顔でうつむく。

「オ、オレだったら、いつでも手伝うぜ!」

善意のつもりで言ったのだが...

「なら、これから行ってくれる?すぐにでもデータが欲しいんだ!」

その言葉を待ってましたと、言わんばかりにリッカの顔が輝く。

(は、謀ったな...!!)

「...はあ、分かったよ。準備してくる。」

抵抗を諦めて、女優の彼女に従う。

「そうこなくっちゃ!」

こうして、早朝の動作テストが始まった。

 

 

+++++

 

 

黎明の亡都

 

-リッカだよ、聞こえる?神機は使えているみたいだね-

「ああ、大丈夫だ。神機はな...」

季節は冬、早朝の冷え込みは半端じゃない。

-?...ちょっと説明するけど、そのまま聞き流して-

身震いするオレに構わずリッカが続ける。

-いま、君の神機にはリンクサポートデバイスの試作ユニットがついてる-

-それは体内のオラクルを活性化させて...いわば、君自身が"攻撃力が高い状況"になってる-

-...うん、ちゃんと機能してるんだ!神機も、リンクサポートデバイスも、両方ね!-

ん、その言い方って...

「あの...リッカさん...」

-私はモニターしてるから、このまま戦ってみて!面白いことになりそうだよ....!-

それだけ言って、通信が切れた。

「あの人絶対、楽しんでるな...帰ったら問い詰めてやる。」

リッカへの疑念を深めつつ、クロサキはアラガミの元へ向かった。

 

「すごい...」

モニターを通して、彼の戦いを見ていたリッカは驚いていた。

画面の中のクロサキは、オウガテイルの群れとシュウ相手に乱戦を繰り広げている。

「攻撃力が上がっているとは言え、この数相手にここまで立ち回れるなんて...」

かつて、この極東にも凄腕のゴッドイーターが居た。

彼の動きは、それに匹敵するものだった。

「これが、ブラッドの...彼の実力...」

あっという間に、アラガミの死体の山ができる。

彼女は感心すると共に、彼に興味が湧いていた。

(クロサキ・レイジ君か...)

 

「お帰り!まさか、ホントに機能するとは思ってなかったよ」

「やっぱりか...」

うすうす感づいてはいた。

「まあ、そんな怖い顔しないでよ。

他の人で試してみてダメだったから、諦めかけてたんだけど...不思議だね。」

リッカの言葉にオレは首をかしげる。

「先に帰ってから君のこと、少し調べさせてもらったよ。

君はブラッドで、中でも"喚起"能力を持ってて、それが何か...

触媒になった、と大ざっぱに仮定してみた。」

なるほどね...万能だな、血の力。

「そうなると今後は、君の使う時だけ機能する原因を調べながら

リンクサポートデバイスを改良していきたいんだ。

さしあたって、これからも協力をお願いすることになるけど...頼んでもいい?」

「嫌って言っても、無理やり手伝わせるだろ?」

「ふふ、分かってるね。」

そう言うと彼女は悪戯っぽく微笑む。

一瞬見せた彼女のその笑顔に、何故か見惚れてしまった。

赤面した顔を気付かれないように、慌てて目をそらす。

「じゃ、じゃあ、いつでも呼べよ。出来る限り手伝うからさ。」

「?...うん。これからも頼むね、レイジ君!」

そういえば、下の名前で呼ぶのはリッカぐらいだなと思い

何となく恥ずかしくなるクロサキだった。

 




書きたいことを書いたら長くなってしまった。
なんか...シエルとの扱いの差が...
(だって銃身使わないんだもん!)
でも、二人とも可愛いですよ、うんうん。

さて次回はギルのエピソードです。
キャラエピを交えて進めますよ!
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