GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
「前説?なんで俺がそんなこと...
えー、今回は俺の過去についての話だ。
興味ない奴はさっさと帰ってくれ。
これで良いだろ?じゃあな。」
アナグラ ロビー
「おお、ギルじゃないか!」
ロビーでギルと雑談をしていると、一人の男が声をかけてきた。
「ハル...さん...?」
ギルは目を丸くして、驚いていた。
「極東に来てんなら、言ってくれりゃあいいのに...」
「いや...ここに居るって知らなかったっすよ。」
二人の会話について行けず、置いてけぼりを食らうオレに相手の男が気がつく。
「ん...?お前さん、もしかして...」
いきなり話を振られ、少々取り乱してしまう。
「ああ...紹介する、真壁ハルオミさん
グラスゴー支部で、一緒のチームを組んでいた。」
グラスゴーは確か、ギルがブラッドになる前に居た支部のはずだ。
「ハルさん、今所属している"ブラッド"の副隊長のクロサキです。」
「よろしくです。ハルオミさん。」
「ああ、良いよ良いよ、ハルさんで。」
なんとも軽いというか、気さくな人だ。
「そっか...グラスゴー以来か...なんだかずいぶん、昔な気がするな。」
「そうですね...ハルさん、そういえば極東出身でしたね...」
二人で昔を懐かしむと、ハルオミが口を開く。
「極東支部はゆるくてなー、ブラッドみたいにしっかりとした部隊編成でもないんだが...
まあ...一応、極東支部第四部隊の隊長をやらしてもらってる。」
「ハルさんが隊長っすか...」
「何だよギルー、これでもちゃんとやってるんだぜ。」
ギルの言葉にハルオミが苦笑する。
すると、階段の上から別の声がする。
「ハルさーん!サカキ博士への報告書、先に出しに行ってきますよー。」
「はいよー」
と、適当に返事を返した。
「今のは...?」
オレがハルオミに尋ねる。
「ああ...今のが第四部隊の唯一無二の隊員、台場カノンちゃんだ。
まあ、色々と問題があって、頼りないんだが...」
ハルオミが声のボリュームを少し下げる。
「まあ...出るとこ出てるから良いなあ、的な。」
ああ、極東には変な人ばかりだ...
「また、セクハラで査問会に呼ばれますよ...」
ギルもさすがに呆れている。
"また"というのが気になったが、まあ...気にしないでおこう。
「さて、ちょっと失礼するわ。サカキ博士に呼ばれてるんでな。
近々二人で飲むぞ、そこの副隊長さんもな。じゃ、またな!」
そう言って、ハルオミはエレベーターに乗り込んでいった。
「悪いな...変なところ見せちまって...悪い人じゃないんだ...」
そう言いつつ、ギルは嬉しそうだった。
+++++
エレベーターの中で、ハルオミは昔を思い出していた。
頼れる後輩と愛する妻との日々。
そして、それが崩れ去った日のことも。
「そうか..."あの日"からずいぶん経つのか...」
オレが極東に転属されたのも、ギルが極東に来たのも何かの運命かもしれない。
そう思いつつ、ハルオミは目的の階で降りて行った。
+++++
『でも、まぁ失敗したって良いじゃない。
諦めなければ、きっといつか成功するでしょ。』
『こんな風に、お互いが支えられるだけ、支えあうのって...
相当、素敵なことだと思うんだよ...ね?ギル。』
彼女はいつだって明るくて...いつだって笑っていた。
人一倍真っ直ぐな人で...いつも、自分より皆のことを考えていた。
『ねぇ...ギル、分かってるよね...』
あの日も...
『私...ギルのことを襲いたくないの...』
あの時も...
『だから...お願い、ギル...私を...』
あの瞬間も...
『殺して...』
彼女は自らを犠牲にした。
ギルはそこで目が覚めた。
自室の机に向かって、そのまま寝てしまったようだ。
知らぬうちに涙を流してしまっていた。
「ケイトさん...」
ギルは涙を拭うと、そう呟いた。
これも運命なのだろうか...
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アナグラ ラウンジ
ハルオミは一人で酒を飲んでいた。
先程まではギルと飲んでいたが、昔の話をし始めると
「その話は、勘弁してください...」と言って、そのまま出て行ってしまった。
その時のギルの顔は悔しいような、悲しいような顔をしていた。
「アイツもまだ...過去を背負ってんのか...」
そう呟くと、グラスの酒を飲みほした。
「飲み過ぎじゃないっすか?」
後ろから唐突に声をかけられた。
「おお、ブラッドの副隊長さんか...」
そこにはクロサキが立っていた。
「隣、良いですか?」
「おう、構わないぜ。」
ハルオミはクロサキのグラスに酒を注ぐ。
「ギルから聞いたぜ...ここに来る前も、相当無茶したらしいな?」
クロサキはグラスを置き、答えた。
「まあ、赤い雨の中、神機兵に乗って仲間助けに行ったぐらいです...」
あの時は無我夢中だったと、付け足す。
「ハハハッ、なかなか愉快な奴だな。気に入ったぜ。」
「おかげでギルに説教食らいましたけど...」
ハルオミもグラスを置く。
「そいつは多分、お前さんにケイトの姿を重ねてるんだろうな...」
「ケイト....?」
ハルオミの顔が真剣になる。
「どうせ、ギルのことだ...自分のことなんか、ほとんど話したことないだろ?」
クロサキは静かに頷く。
「そうだな...何処から話そうか...
グラスゴー支部はな、俺とギルを含めて三人の神機使いしかいない小さな支部だったんだ。
んで、そのもう一人の神機使いが俺達のチームの隊長を務めていた...」
「それが...ケイトさん...」
ハルオミはグラスに口をつける。
「まあ...俺の嫁だったんだけどな。
グラスゴーはここと比べりゃ、アラガミの被害の少なくてさ、三人でもなんとか上手く捌けてた。
その日もいつも通り、簡単な討伐任務だったんだ...」
ハルオミはグラスの酒を一気に煽る。
「まあ...要するにそのミッション中にギルは...
ケイトを"手にかける"羽目に、なっちまったんだ...」
"手にかける"...その意味はよく分かった。
「誰の目にも、他の方法は無かった...もちろん軍法上も無罪だ。
...けど、騒ぎ立てるマスコミやら神機使いがいてな。」
ハルオミの拳は握りしめられていた。
「それ以来、アイツには上官殺しのギル...
"フラッキング・ギル"っていう名前がついて回るようになった。」
そうか...だからあの時、あんなことを...
『俺はそういった奴らが苦手なんだ...ロミオ、後は頼んだ』
「誰もアイツを責めることなんて出来やしないのにな...」
「一体...何があったんですか?」
好奇心だけではない、仲間を知る上で聞いておかなければならないと思った。
「...話を戻すか。
そのミッションでは、いつも通りケイトとギルがペアを組んで、
俺が別ルートからアラガミを撃破する、ていう作戦だったんだ。」
ハルオミは目を閉じ、あの日のことを思い出す。
「その時だ...アイツが現れたのは...」
一応前編です。
長ったらしくて、読みにくかったらすいません。
次回はルフス戦になります。
キャラエピも入れれたら入れるのでお楽しみに。
それと閲覧数が2000を突破しました。
これも皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
これからもクロサキ達をよろしくお願いします。