GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
「なんだ、オレに何の用だ?
なに?前説?なんで俺がそんな事しなくてはならんのだ!
俺は忙しいのでな、失礼するぞ!」
アナグラ 研究室
「ナナにいったい何があったんですか?」
クロサキとシエルとジュリウスの三人は、サカキ博士の研究室に集められていた。
隣の集中観察室では、ナナが休んでいる。
そこならばナナの血に力の影響が、外部に漏れる心配はないらしい。
「ふむ...どこから話そうか...
まず、君たちが血の力を発現する時、その周囲に強力な偏食場パルスを発生させるんだけど...」
サカキはちらりと、集中観察を見る。
「前回の任務遂行時に、アラガミの異常行動の引き金となった強力な偏食場パルス...
これはナナ君から発せられた、と推測している。」
「つまり、ナナが血の力に目覚めた...?」
その言葉にサカキが頷く。
「うん...その結果、アラガミを呼び寄せてしまったんだろう。
いや...正確には、コントロールする術を知らないまま、
血の力に目覚めてしまった、と捉えるべきなのかもしれないね。」
あの時、ナナは自分だけ逃げることを拒絶していた。
そしてさらに、自分を庇ったせいでロミオが傷ついた。
恐らくその出来事が、血の力の暴走に拍車をかけた、とサカキは分析した。
「何はともあれ...彼女の精神状態が安定するまでは
面会も遠慮してもらった方が、良いだろうね。」
+++++
分かっていた...自分が普通の女の子とは違うってこと...
「私が居るから...皆が...」
そんなことを考えていた時だった。
突然、大きな揺れに襲われる。
「え、何!?」
-外部居住区にアラガミが侵入!討伐隊及びブラッド隊が...-
直後、警報と共に緊急放送が流れる。
その声は切羽詰まっており、一刻を争うようだった。
「聞こえるか、ナナ君!無事かい?」
外からサカキ博士の声が聞こえてくる。
「サカキ博士!これって...私のせいじゃないんですか?」
考えたくはなかった。
「いや、それは明確に否定しておこう。
老朽化していた第6外壁からの侵入だよ。」
サカキはそう言うが、ナナは複雑な心境になる。
「でも、ナナ君、君はそこで待機しておいてほしい。
危険なので、くれぐれも戦場に出ないように。」
「はい、分かりました...」
「それじゃあ、また。後で、そっちに行くよ。」
ナナはベッドに座り込む。
皆の役に立てない...逆に、迷惑をかけてしまう...
そう思うと、一つまた一つと涙がこぼれた。
それでも、ナナは涙を拭うと、何かを決心したように部屋を後にした。
+++++
目の前のアラガミを一閃する。
断末魔をあげる暇もなく、アラガミは崩れ去った。
「ふぅ...盛り付けはいらなかったか?」
この辺のアラガミはあらかた片づけ終わった。
壁にもたれかかり、休もうとする。
その時だった。
-大変です!ナナさんが神機を持って...-
聞き終わる前に、クロサキは走り出していた。
市街地を一台のトラックが走り抜ける。
その後ろを、数体のオウガテイルが追いかけてくる。
と、ヴァジュラが目の前に立ちふさがるが、ギリギリ避ける。
トラックはそのままアラガミを引き付け、郊外の寺院まで来た。
トラックから一人の少女が降りる。ナナだった。
ナナはヴァジュラ、そしてオウガテイル達と対峙する。
ブーストハンマーで、オウガテイルを次々となぎ倒す。
「ここから、どうしよう...」
まだ、オウガテイル増え続けている。
「一体ずつでも...」
だが、前に踏み出そうとするナナの前に、ヴァジュラが立ちふさがる。
ヴァジュラの咆哮に、足がすくむ。
だが、必死に自らを奮い立たせる。
「お母さん、私...皆を守りたいんだ。だから...力を貸してね...」
ヴァジュラがナナに牙を剥く、思わず目を背ける。
鋭い牙がナナを貫く...が、その瞬間は来なかった。
「えっ...?」
見ると、銃撃でヴァジュラが吹き飛んでいた。
「ああ、力を貸そう。」
声の主はジュリウスだった。
「みんな...!?...なんで来たの!私のそばに来ちゃダメだって!!」
ナナが叫ぶ。だが、それを無視して交戦を開始する。
「偉いぞ、ナナ。よくアナグラを守ってくれた。」
ジュリウスはそれだけ言うと、アラガミの群れに向かっていく。
-けど、ナナさん。単独行動は良くないですよ?-
-こちらブラッドβ!こっちは何とかなりそうだ!-
シエルとギルから通信からも通信が入る。
皆が私の為に戦ってくれてる...そう思うと、
なんだかほっとして、力が抜けた。
「おっと、大丈夫か?」
後ろから誰かに支えられた。
「ロミオ先輩!」
「どんな敵が来たって、ブラッドなら余裕だよ。だから、ナナは...
泣きたいときに、思いっきり泣けば良いよ。」
その言葉に。救われたような気がした。
「よっしゃ!もいっちょ行ってくる!」
ロミオも駆け出す。
クロサキが後ろから、ナナの肩に手が置く。
クロサキは無言でうなずくと、アラガミに切り込む。
「副隊長...みんな...ありが...とう...」
ナナの心にもう、迷いはなかった。
涙をこらえて前を見据える。頼れる仲間が目の前にいた。
「戦うよ...皆と一緒に...」
ナナはそう決心すると、ハンマーを構えた。
+++++
「みんな...ありがとう...」
あの後、無事シエルとギルと合流できたオレ達は、
あれだけ無数にいたアラガミを、ものの数分で片づけてしまった。
ナナから発せられていた偏食場パルスも、だいぶ収まっているらしい。
だが、ナナの顔は晴れない。
「でもさ...ほら...私、また...
こんな風に迷惑かけるかもしれないから...」
その言葉にシエルが首を振り、ロミオが声を荒げる。
「ばっか!そんなこと気にしないで、
泣きたいときには思いっきり泣いたらいいんだよ!」
皆が無言で同意する。
「でも、でも...」
泣き出しそうなナナに、クロサキがおでんパンを差し出す。
「お母さんとの、約束だろ?」
『ナナがね、これ食べて、幸せって言ってくれると...お母さんも幸せなの。
だから、ナナ...』
(泣かない...怒らない...寂しくなったら...)
ナナはおでんパンを受け取り、一口食べる。
「えへへ...冷めちゃってるよ...
でも、おいしい...すごく...おいしいよ...」
今まで食べた中で、最もおいしく感じられた。
涙を眼に浮かべて、皆を見る。
「皆...ありがとう。」
ナナの心にも、何かが目覚めた瞬間だった。
というわけで後編でした。
本編書くためにムービー見返してたら、ちょっと涙ぐんでしまいました...
拙い文章でこれが伝わるかどうか分かりませんが、
ぜひ、感想よろしくです。
次回は日常回という名のキャラエピ消費回!