GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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グレム
「なんだ、オレに何の用だ?
なに?前説?なんで俺がそんな事しなくてはならんのだ!
俺は忙しいのでな、失礼するぞ!」



#20 約束のおでんパン

アナグラ 研究室

 

「ナナにいったい何があったんですか?」

クロサキとシエルとジュリウスの三人は、サカキ博士の研究室に集められていた。

隣の集中観察室では、ナナが休んでいる。

そこならばナナの血に力の影響が、外部に漏れる心配はないらしい。

「ふむ...どこから話そうか...

まず、君たちが血の力を発現する時、その周囲に強力な偏食場パルスを発生させるんだけど...」

サカキはちらりと、集中観察を見る。

「前回の任務遂行時に、アラガミの異常行動の引き金となった強力な偏食場パルス...

これはナナ君から発せられた、と推測している。」

「つまり、ナナが血の力に目覚めた...?」

その言葉にサカキが頷く。

「うん...その結果、アラガミを呼び寄せてしまったんだろう。

いや...正確には、コントロールする術を知らないまま、

血の力に目覚めてしまった、と捉えるべきなのかもしれないね。」

あの時、ナナは自分だけ逃げることを拒絶していた。

そしてさらに、自分を庇ったせいでロミオが傷ついた。

恐らくその出来事が、血の力の暴走に拍車をかけた、とサカキは分析した。

「何はともあれ...彼女の精神状態が安定するまでは

面会も遠慮してもらった方が、良いだろうね。」

 

 

+++++

 

 

分かっていた...自分が普通の女の子とは違うってこと...

「私が居るから...皆が...」

そんなことを考えていた時だった。

突然、大きな揺れに襲われる。

「え、何!?」

-外部居住区にアラガミが侵入!討伐隊及びブラッド隊が...-

直後、警報と共に緊急放送が流れる。

その声は切羽詰まっており、一刻を争うようだった。

「聞こえるか、ナナ君!無事かい?」

外からサカキ博士の声が聞こえてくる。

「サカキ博士!これって...私のせいじゃないんですか?」

考えたくはなかった。

「いや、それは明確に否定しておこう。

老朽化していた第6外壁からの侵入だよ。」

サカキはそう言うが、ナナは複雑な心境になる。

「でも、ナナ君、君はそこで待機しておいてほしい。

危険なので、くれぐれも戦場に出ないように。」

「はい、分かりました...」

「それじゃあ、また。後で、そっちに行くよ。」

ナナはベッドに座り込む。

皆の役に立てない...逆に、迷惑をかけてしまう...

そう思うと、一つまた一つと涙がこぼれた。

それでも、ナナは涙を拭うと、何かを決心したように部屋を後にした。

 

+++++

 

 

目の前のアラガミを一閃する。

断末魔をあげる暇もなく、アラガミは崩れ去った。

「ふぅ...盛り付けはいらなかったか?」

この辺のアラガミはあらかた片づけ終わった。

壁にもたれかかり、休もうとする。

その時だった。

-大変です!ナナさんが神機を持って...-

聞き終わる前に、クロサキは走り出していた。

 

市街地を一台のトラックが走り抜ける。

その後ろを、数体のオウガテイルが追いかけてくる。

と、ヴァジュラが目の前に立ちふさがるが、ギリギリ避ける。

トラックはそのままアラガミを引き付け、郊外の寺院まで来た。

トラックから一人の少女が降りる。ナナだった。

ナナはヴァジュラ、そしてオウガテイル達と対峙する。

 

ブーストハンマーで、オウガテイルを次々となぎ倒す。

「ここから、どうしよう...」

まだ、オウガテイル増え続けている。

「一体ずつでも...」

だが、前に踏み出そうとするナナの前に、ヴァジュラが立ちふさがる。

ヴァジュラの咆哮に、足がすくむ。

だが、必死に自らを奮い立たせる。

「お母さん、私...皆を守りたいんだ。だから...力を貸してね...」

ヴァジュラがナナに牙を剥く、思わず目を背ける。

鋭い牙がナナを貫く...が、その瞬間は来なかった。

「えっ...?」

見ると、銃撃でヴァジュラが吹き飛んでいた。

「ああ、力を貸そう。」

声の主はジュリウスだった。

「みんな...!?...なんで来たの!私のそばに来ちゃダメだって!!」

ナナが叫ぶ。だが、それを無視して交戦を開始する。

「偉いぞ、ナナ。よくアナグラを守ってくれた。」

ジュリウスはそれだけ言うと、アラガミの群れに向かっていく。

-けど、ナナさん。単独行動は良くないですよ?-

-こちらブラッドβ!こっちは何とかなりそうだ!-

シエルとギルから通信からも通信が入る。

皆が私の為に戦ってくれてる...そう思うと、

なんだかほっとして、力が抜けた。

「おっと、大丈夫か?」

後ろから誰かに支えられた。

「ロミオ先輩!」

「どんな敵が来たって、ブラッドなら余裕だよ。だから、ナナは...

泣きたいときに、思いっきり泣けば良いよ。」

その言葉に。救われたような気がした。

「よっしゃ!もいっちょ行ってくる!」

ロミオも駆け出す。

クロサキが後ろから、ナナの肩に手が置く。

クロサキは無言でうなずくと、アラガミに切り込む。

「副隊長...みんな...ありが...とう...」

ナナの心にもう、迷いはなかった。

涙をこらえて前を見据える。頼れる仲間が目の前にいた。

「戦うよ...皆と一緒に...」

ナナはそう決心すると、ハンマーを構えた。

 

+++++

 

 

「みんな...ありがとう...」

あの後、無事シエルとギルと合流できたオレ達は、

あれだけ無数にいたアラガミを、ものの数分で片づけてしまった。

ナナから発せられていた偏食場パルスも、だいぶ収まっているらしい。

だが、ナナの顔は晴れない。

「でもさ...ほら...私、また...

こんな風に迷惑かけるかもしれないから...」

その言葉にシエルが首を振り、ロミオが声を荒げる。

「ばっか!そんなこと気にしないで、

泣きたいときには思いっきり泣いたらいいんだよ!」

皆が無言で同意する。

「でも、でも...」

泣き出しそうなナナに、クロサキがおでんパンを差し出す。

「お母さんとの、約束だろ?」

 

『ナナがね、これ食べて、幸せって言ってくれると...お母さんも幸せなの。

だから、ナナ...』

 

(泣かない...怒らない...寂しくなったら...)

ナナはおでんパンを受け取り、一口食べる。

「えへへ...冷めちゃってるよ...

でも、おいしい...すごく...おいしいよ...」

今まで食べた中で、最もおいしく感じられた。

涙を眼に浮かべて、皆を見る。

「皆...ありがとう。」

ナナの心にも、何かが目覚めた瞬間だった。

 




というわけで後編でした。
本編書くためにムービー見返してたら、ちょっと涙ぐんでしまいました...
拙い文章でこれが伝わるかどうか分かりませんが、
ぜひ、感想よろしくです。

次回は日常回という名のキャラエピ消費回!
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