GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
「大変だよ、おでんパンが切れた!」
シエル
「ムツミさんに材料をもらっては?」
ナナ
「次の配給までおでんのタネが無いんだって...」
シエル
「はあ、大変ですね...」
アナグラ ロビー
少女は一人思い悩んでいた。
「やっぱり、ここはストレートに...
いや、それだと無視されたらどうしよう...」
「...」
「そうだ、手紙!手紙を書いて渡せば...
あ、ダメだ。私、文才無いや...」
「...」
「って、何時からそこに!?」
エリナはいつの間にか、そこに居たクロサキに驚く。
「いや、お前が百面相始めたところから...」
「してないから!」
そう言って、エリナはそっぽを向く。
「なんか、悩み事か?」
クロサキの問いにエリナはそのまま口を開く。
「...あのさ...一緒にミッション行きたくない人って、いる?」
エリナの質問にクロサキは少し考える。
「オレは居ないな。ちゃんと自分の仕事してくれれば...」
「そういうのじゃなくて!」
半ば、くい気味にエリナが口を開く。
「ほら、その人が好きとか、嫌いとかさ、あるでしょ。
そういう気持ちの話。」
「そういうことは、考えないようにしてんな。」
「ふーん、オトナの意見ってヤツね...」
そんな年変わんないだろう...
「でもさあ、相手がそうだったら?」
クロサキは首をかしげる。
「私ね、お兄ちゃんが居たの。
かっこよくて、優しくて、極東のすごいゴッドイーターで...
でも三年前、ミッションに行ったきり、帰って来なくてさ。」
エリナの顔が曇る。
「だから私、ゴッドイーターになって真っ先に、お兄ちゃんのこと、調べたの。
最後のミッションは、親友のソーマさんって人と一緒だった。」
ソーマ...あの時の...
クロサキは支部長室前で会った青年のことを思い出していた。
「その人のこと、お兄ちゃんはいつも褒めてた。
ソーマさんには悪いうわさが付きまとってたけど、
自分の身は自分で守るんだって、ソーマさんを悪く言う必要はないと思う。
でも、あの人は自分のせいだって、ずっと思ってるみたいで...」
エリナがクロサキに向き直る。
「私ね...ミッションにアサインされてるんだ。
前にミッションに行った時、すごく気を使われちゃって、
それ以来、一緒のミッションを避けちゃってる。」
それが悩みの正体か...
「あのね...」
「一緒に行ってほしい...だろ?」
「うん...私、上手く話せないかも知れないから...お願いします...!」
エリナが頭を下げる。
「おう、オレに任しとけ!」
クロサキはエリナの肩を軽くたたいた。
+++++
アナグラ ラウンジ
「やあ、クロサキではないか!」
ラウンジを歩いているとエミールがやって来た。
「ん?誰だっけ?」
「何?人違いだったか!?
なら、自己紹介しよう!僕はエミール...」
「だあ、悪かった!冗談だから!」
「なんだ、やはりクロサキだったか。」
なぜ、人違いという思考に行きつくんだ?
怪訝な目で見つめるクロサキに構わず、エミールは続ける。
「どうだい?これから紅茶でも飲み交わしながら、世界の平和にでも話し合わな...」
「断る。エリナを待たせてるんだ。」
クロサキは足早にそこを去ろうとする。
「む、待ちたまえ!エリナは寛容な少女だ。数分ぐらいなら...!」
エミールが食い下がる。
「忙しいんだって!第一、紅茶は苦手なんだよ!」
「なら、これから好きになればいい!」
「あーもう!しつこい!」
「ならば、紅茶を飲むか、僕を倒していくか、どちらを選びたまえ!
何を言っているか分からないだろう。僕は今、葛藤している。君をこのまま...」
「じゃあ、遠慮なく。」
オレの右ストレートにエミールの盛大に吹っ飛んだ。
「あ、やり過ぎた。」
+++++
黎明の亡都
「ミッションの目的は、アラガミの掃討だが...
俺達の本当の目的は、金色のグボロ・グボロだ。」
ソーマが説明を続ける中、エリナはずっとそわそわしている。
「前衛は、俺と...お前だ。」
ソーマがオレの方を向く。
「エリナは距離を保ちつつ、支援射撃を...」
エリナは何か言いたそうにするが、
「あ...はい。」
そのまま黙ってしまった。
「行くぞ。」
ソーマが下に降りていく。
「まあ、落ち着いて行こうぜ。」
オレも下に降りる。
エリナのため息が聞こえたような気がした。
「居ないな。」
一応、グボロ・グボロの黄金種は希少だ。
めったに出るもんではない。
「あ、あれ...」
エリナが指を指す方向には、原種に紛れて黄金のグボロ・グボロが居た。
「よし、行くぞ!」
ソーマが飛び出し、二人もそれにつづく。
グボロ・グボロの討伐は慣れたものだった。
ヒレの攻撃をジャンプでよけ、砲台を切り裂く。
着地したところで、背びれにも一撃。
あっという間に、動かなくなったグボロ・グボロの山が出来上がる。
「よし、完了だ。」
ソーマも黄金種からコアの採取を終える。
そこで、ふと気がつく。エリナが居ない。
「おい、エリナはどうした。」
ソーマの顔に焦りがみえる。
すると、向こうからエリナが走ってくる。
「おーい、エリナ!どこ行って...たん...だ。」
二体のヴァジュラを連れて。
「ちっ...行くぞ!」
「ああ。」
二人はエリナと合流し、ヴァジュラと交戦を始める。
索敵中にヴァジュラと鉢合わせしてしまったらしい。
「一体はオレが!二人はもう一体を!」
ソーマがヴァジュラに向かい、エリナもそれに続こうとする。
「くっ、エリナ!お前は安全な場所に退避しろ!」
チャージクラッシュでヴァジュラを怯ませ、ソーマが叫ぶ。
しかし、エリナは下がらない。
「おい、エリナ...」
「安全な場所って何よ!」
エリナがものすごい剣幕で、ソーマに詰め寄る。
「ここは戦場でしょ!安全な場所なんてあるわけない!
それに、私だって戦える!そのためにゴッドイーターになったの!」
そこまで言うとエリナは顔を真っ赤にし、うつむいてしまった。
ソーマはしばらく唖然とするが、フッと笑うとエリナの頭に手をのせる。
「そうだったな...エリナ、背中は預けた。」
「...!は、はい!」
+++++
「今日は、ここでお別れだ。
俺は、フィールドワークが残ってるんでな...」
それだけ言うと、ソーマは去ろうとする。
エリナがオレを見る。
オレは小さく頷く。
「あのっ...お疲れ様でした...!」
ソーマは振り返り、エリナを見る。
「ああ、お疲れ。また...頼むな。」
その言葉にエリナの顔が明るくなる。
「はいっ!今日はありがとうございました...!」
ソーマはそのまま去って行った。その顔は笑っているようにも見えた。
「付添、ありがとね。おかげで楽になった。」
「おう、気にすんな。」
「でさ...言いたいこと思いっきり言っちゃたんだけど...良かったのかな?」
「良いけど、声がデカかったな。すごい剣幕だったし。」
「ええ!?ホントに!?」
エリナはまた顔を真っ赤にする。
「まあまあ、結果オーライだろ!」
その言葉にエリナも頷く。
「そだね...よし、じゃあ帰ろうか!」
その帰り道のこと。
「...?先輩?」
「そうそう、あなたのことは、極東の流儀に倣って、"先輩"って呼ぶからね。」
「まあ、良いよ...好きに呼んでくれ。」
そうは言いつつ少し新鮮だった。
「やったー!じゃあ、先輩これからもよろしくね!」
先輩...悪くない響きだ。
エミールってこんな残念なキャラだったか...?
とりあえずキャラエピ消化!
異論は認めない!
次回はちょっとだけ話が進むよ。