GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
フライア ロビー
「やっぱりおでんパンは最強だよね!」
「そればっかだな、他に無いのかよ。」
「うーん...他の料理も作れたほうが良いかな?」
仲良くなった(と言っても数時間前だが)ナナと他愛もない会話をしていると、
「ふふ~ん♪ふふ~♪」
どこからかともなく陽気な鼻歌が聞こえてくる。
「...あれ?見ない顔だね、君ら。」
「こんにちは。」
オレもナナにつられて立ち上がり、挨拶する。
「どうもです。」
もう何度も同じミスはしないさ。
先輩でも同期でも対応出来る無難な挨拶をした。
「あっ、ひょっとして噂の新人さん!?」
「はい、コレからお世話になります、先輩!!」
とたんに彼の目が輝いた。
「先輩...いいね!なんか、良い響き.....!」
そんなに嬉しかったのか...
目がキラキラしてるぞ...
上機嫌になった彼は二人の前に座った。
「よし、俺はロミオっていうんだ。
何でも聞いてくれ、色々と教えてやるぜ!」
「じゃあ良いっすか?先輩?」
「おっ、勉強熱心だな!!感心感心♪」
「ブラッドってなんすか?オレ、よく分かんなくて。」
「お、おぉ...良い質問だね!」
ロミオは少し狼狽えた。
(あれ、聞いちゃ不味かったかな?)
「うーん、そうだなぁ.....」
ロミオは、腕を組んでしばらく考えると、
「"ブラッド"は...えーと、"血の力"を秘めていて.....そう!
"血の力"に目覚めると.....必殺技が使えるんだ!
うちの隊長なんて、すごいんだぜ?
どんなアラガミだってズバーン、ドバーンって倒しちまうんだからな!!」
「確かに、強かったですね...」
ジュリウスとの訓練を思い出す。
「クロサキくんスゴいんだよ!ジュリウス隊長と引き分けたんだから!」
「うぇ、アイツと!?」
やっぱり驚かれるのか...
どんだけ強いんだ隊長...
「ロミオ先輩はどんな感じなんですか?」
「ば、バッカ、お前、ほら.....必殺技ってのはさ
そんな、すぐに手にはいるもんじゃないんだよ…」
あれ、もしかしてロミオ先輩って...
「あ、そうだ!今みたいな質問は"ブラッド"を設立した
"ラケル博士"に、どんどん聞けば良いと思うな!」
そう言うと、すぐに立ち上がり、
「じゃ、またな!」
そそくさと退散してしまった。
「あれ、質問タイム、もう終わり?」
「みたいだな。」
「なんか、不味いこと聞いちゃったかなー?」
ナナが首をかしげる。
「いや...あの感じは...」
頼りになる?先輩との出会いは、不完全なまま終わってしまった。
+++++
ラケル博士研究室
あの後、オレ達は研究室に呼び出された。
なんでも、大事な話があるらしい。
オレ達は高級そうなソファーに腰かけた。
「よく来ましたね、ブラッド候補生の皆さん。
本来なら、正式な晩餐会を催したいところですが...」
話し出したのは、ラケル博士だ。
まだ幼く見える彼女だが、ブラッドの創設者であり、歴代最高の頭脳を持つ科学者らしい。
人は見た目で判断出来ねぇと思った。
「あれ?ロミオ先輩も候補生なの?」
「うっ、うるさいぞナナ....!」
ロミオがわかりやすく慌てる。
(やっぱりか...)
「ふふっ...すっかり仲良くなったようで、うれしいわ。」
二人のやり取りをみて博士が微笑む。
その笑顔に何か違和感みたいなものを感じたが、今はよく分からなかった。
まぁ..気のせいだろう。
「それでね、今日は皆さんにブラッドとしての心得を、お伝えしておきたくて...」
「よっ、よろしくお願いします!」
ロミオもナナも姿勢を正す。
オレも気を引き締める。
「ご存じの通り、アラガミによって世界は滅びの道を進んでいます。
それを、押しとめてきたのは、神を食らう者"ゴッドイーター"...
そして今、ゴッドイーターを超える"ブラッド"が新たな時代を切り開こうとしています。」
「そっ、そうなんだよな!ジュリウスや俺達が、"血の力"で....!」
ロミオが身を乗り出す。
「ブラッドに選ばれた者の中には、"血の力"が眠っています...
"血の力"は、意志の力...
"血の目覚め"を迎えたブラッドは、その強い感応の力であまねくゴッドイーター達を高め、導く...
ロミオ...
ナナ...
そして、クロサキとジュリウス...
皆さんは、ブラッドとして、ゴッドイーターの先頭に立ち、彼らを教導する存在なのです。
今はまだ眠れる種ですが...強い願いが、強い意志の力を生み
やがて"血の力"を目覚めさせるでしょう...
その日、楽しみにしていますよ...」
「ラケル博士...!俺、頑張ります!」
「応援してるよ、ロミオ先輩!」
「おーガンバレ先輩」
「ばっ、ばか!他人事じゃないんだぞ!お前らも頑張るんだよ!」
盛り上がる三人を見てラケル博士は再び微笑んだ。
+++++
三人が退出した後、ラケルは画面に向き直った。
-やはり、王の贄となるべき者は決まっている-
-でも、これからの事の次第によっては...-
-ふふっ-
ラケルの他に部屋には誰も居ない。
「あなたも楽しみでしょ...」
虚空に向かって彼女はそうささやいた。
+++++
フライア ロビー
ラケルに呼び出された後、クロサキは訓練、ナナとロミオはロビーで話していた。
「そうだ!ロミオ先輩に渡すの忘れてた!」
思い出したようにナナは足元の袋の中を探る。
ロミオは不思議そうに見ていたが、ナナが取り出したものを見て顔が引きつった。
「な、なんだよそれ?」
「おでんパンだよ~おいしいから、先輩もどうぞ!」
戸惑うロミオに構わず、半ば強引にそれを手渡す。
「ささ、どうぞどうぞ。」
最初は躊躇っていたロミオだったが、意を決してかじりつく。
「....!おいしい...」
予想の斜め上を行く美味さに、すぐに平らげてしまった。
「おおー良い食べっぷりだね、ロミオ先輩!」
「うん、結構美味かったな。ナナは良いお嫁さんになれるかもな。」
ロミオの言葉にナナは照れたように頭を掻く。
「えへへ~そうかな~」
その日はなんだかおでんパンが一層美味しく感じられたナナだった。
連投おつでーす。第3話いかがでしたでしょうか。
書くのって楽しいね。時間を忘れちまうよ...
次回はついに実戦ですよ!戦闘シーンどうしようか...