GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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ギル
「隊長。」
クロサキ
「どうした?」
ギル
「エリナが槍の使い方を教えてほしいって言ってきたんだが...
教えてる時の顔が怖いって言われたんだが...」
クロサキ
「....」




#28 深まる疑惑

「いやー疲れた...」

ミッションを終えたクロサキは自室に戻ってきていた。

鍵を開けて部屋に入る...鍵を...

「あれ、閉め忘れてたかな。」

たいして気に留めずに部屋に入る。

「お帰りなさーい。」

「ああ、ただいま。」

無意識に言ってから、ふと考えて我に返る。

(あれ、同居人なんていたっけ...?)

不審に思い振り返ると、

「どうかしました?」

さも当たり前のように、サツキがソファーでくつろいでいた。

「...どうかしたじゃねえ!」

クロサキの声がアナグラ中に響く。

 

「で、何の用ですか?ピッキングまでして。」

「えーと、なんでしたっけ...?」

サツキはのん気に雑誌を読んでいる。

「通報しますよ。」

「アハハ、冗談です。」

サツキは雑誌を置くと、ようやく真剣な顔になる。

「最近ユノ、様子が変でしょ?」

突然なんだと思いつつ、記憶をたどる。

心当たりは何となくあった。

 

昨日のこと。

オレはラウンジでナナと話していた。

「あ、ユノさんだ!ユノさーん!」

ナナはユノに気付くと、呼びかける。

しかし、ユノは考え事をしているのか全く気付かない。

「あれー?聞こえてないのかな?」

それどころか、同じ場所を行ったり来たりしていた

オレとナナは顔を見合わせ、首をかしげる。

「やっぱり心配...でも、突然行ったら...」

声が小さく聞こえずらかったが、何やら深刻な悩みがありそうだった。

 

「まあ、確かに...」

「でしょ。実はですね、先日ユノがアスナちゃんに会いにフライアに行ったんですよ。」

フライアは現在、神機兵の開発と並行して、黒蛛病の患者の受け入れを行っている。

サテライトの集中管理室に居た、黒蛛病患者も収容されていた。

「で、どうしたんですか?入れてもらえなかったんですか?」

冗談で言ったつもりだったが、サツキは大きく頷く。

「鋭いですね。

確か、ラケル博士でしたっけ、あの人がどうしても会わせてくれなかったんですよねー。」

「ラケル博士が...?」

「んで、メールの類も禁止されていて、外部からの接触が出来ないんです。」

そう言うと、サツキは一冊のノートを取り出す。

「そこで、フライアに居るある方に取材をしてきました。」

「ある方...?」

フライアに居る人物で話を聞けそうな人物...

「...フランか。」

「そうです。おかげでちょっとしたスクープが取れましたよ。」

そう言ってサツキはノートを開いて見せる。

そこには何かのデータが掲載されていた。

「ずばり、フライアにおいて、患者の治療は行われていない。

...としか思えない。」

「どういうことだ...?」

サツキは先程のデータを指さす。

「これは医薬品の納入記録。

病院開設から、頭痛薬ひとつ納入されていない。」

サツキは次のページをめくる。

今度は名簿のようなものだった。

「それから、医師や看護師が全員、本部や支部に転属。

つまり、フライアには姉妹の博士しか居ない。...医者と言っていいのか分からないけど。」

「じゃあ、何の為に患者を...」

「それが分かんないんですよねー。政治的なパフォーマンス?

に、しても大がかりですよねー。」

考えても答えは見つからなかった。

「...とりあえず、報告はこれでおしまい。

あ、このこと、ユノには内緒でお願いしますね。

本気出すと、突っ走っちゃいますからねー、あの子...」

そう言うと、サツキは出て行った。

「何がどうなってんだ...?」

オレはベッドに横になる。

「ああ、忘れてました!」

突然戻ってきたサツキに驚き、ベッドから転げ落ちる。

「この情報をくれた、フランさん。フライアのオペレーターの!

何か、フライアがキナ臭いし、本人の希望もあって

サカキ博士が極東支部に連れてきたみたいですよ?

あとで会いに行ってあげてくださいねー、伝えましたよー。」

そうして再び、サツキは去って行った。

しばらくは警戒して眠れなかったのは言うまでもない。

 

+++++

 

 

アナグラ ラウンジ

 

翌日、オレはラウンジにいたフランを見つけた。

「お久しぶりです。クロサキ隊長。」

フランが頭を下げる。

相変わらずきっちりしてんなあ...

「また皆さんと働くことができて、本当に良かったです。」

表情には見せないが、その声は安心感に満ちていた。

「そうか...これからもよろしくな!」

「はい、よろしくお願いします。」

そう言うとフランは微笑む。

ちょっとした衝撃だった。

(笑った!?)

少し驚きつつ、話を本題に移す。

「それで、サツキが言っていたことはホントなんだな。」

「はい...全ては把握できていませんが、サツキさんにお話ししたことは事実です。

私も患者さんを見たのは、受け入れの時のみでした。

それに、以前より立ち入り禁止のエリアが増えているようでした。」

「そうか...」

クロサキはかねてよりの疑問を口にする。

「...ジュリウスはどうしてる?」

フランの顔が曇る。

「...分かりません。皆さんが極東に転属になった日に、少しだけ話したきりで...」

「そうか...」

「"すまない"」

「えっ...?」

「ジュリウスさんは一言だけ、"すまない"とだけ言って、行ってしまわれました。」

すまない、か...

一体フライアでは何が起こってんだ...

より一層、フライアに不信感を高めたクロサキは、ラウンジを後にした。

 

+++++

 

 

ユノは自室で思い悩んでいた。

先程、クロサキの部屋を通りかかった時、偶然サツキと彼の会話を聞いてしまったのだ。

(フライアでは黒蛛病の治療は行われてはいない...?)

(なら、今、アスナちゃん達はどうしてるの...?)

胸に嫌なざわめきがが広がり、涙がこぼれそうになる。

(教えて、ジュリウス...貴方は何をしようとしてるの...?)

ユノは嫌な想像を振り払い、決意したように立ち上がる。

「確かめに行かなくちゃ...!」

 

+++++

 

 

アナグラ ロビー

 

「なるほどな...」

「フライアでは何が起きてるんでしょう?」

クロサキはブラッドのメンバーに、サツキから聞いたことを話していた。

当然、サツキからはOKをもらっている。

「ジュリウスも、どうしてるか分かんないんだよね...」

ナナが呟く。

「...確かめに行くか...」

クロサキの言葉に皆が顔をあげる。

「そうですね...ここで考えていても仕方がありません。」

「うん!正面から乗り込もう!」

「ロミオの墓参りにも行かねえとな。」

それぞれが立ち上がる。

「よし、行くか!」

クロサキが腰をあげたときだった。

「大変です!皆さん!」

サツキが焦った様子で走ってくる。

「どうしたんですか、サツキさん。」

シエルが尋ねる。

「はあはあ...ユノが、ユノがどこにもいないんです!」

オレはこの時、サツキの言葉を思い出していた。

 

『本気出すと、突っ走っちゃいますからねー、あの子...』

 

「...多分、フライアだ。

何処で聞いたんだか、分かんねえけど...確かめに行ったんだろうな。」

サツキはひどく落ち込んでいた。

「私のせいだ...私がちゃんとユノに話しておけば...」

「自分を責めるな。どっちにしろ、俺達もフライアに向かうつもりだ。

その途中で拾ってくればいい...だろ?隊長?」

「ああ、そうだな。」

ギルの言葉に同意する。

「よし、今度こそブラッド隊出るぞ!」

『了解!』

俺達は真実を確かめるため、ユノを迎えに行くため、フライアに向かった。

 




ええーどうなっちゃうのー!!
うちのユノは行動力のパロメーターが振り切っています。
(振り切るぜ!!)

次回もオリジナル展開が続き、原作とはイベントの順番が前後します。
(レア博士出てきてないもんね)
それでは感想お待ちしてます!サラダバー!
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