GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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少年は嘆いた。友と家族との別れを。


#4 楽しい実戦

黎明の亡都

 

「ついに来たか...」

オレとナナはフィールドに出ていた。

目的はアラガミの討伐。つまりオレ達の初陣だ。

「どうしたの?置いてっちゃうよー」

ナナが少し先でオレに手を振る。

「あぁ、今行く!」

特に緊張感というものは無かった。

それが何故だかはオレが一番よく知っている。

何故なら、当の昔に初陣を済ましていたからだ。

 

-ジュリウス隊長、新人二人を同行させるとは聞かされておりませんが?-

通信機から聞きなれた声が聞こえる。

「すまない、だがあの二人なら実戦でも通用する実力を兼ね備えていると、判断している。」

-おっしゃることは承りました。ですが、今後は二度とこのようなことの無い様に...せめて、私にも一言ください。-

「もちろんだ。約束しよう。」

-では、一人も欠けることの無いよう...ご武運を。-

そう言い残し、通信は切れた。

同時に、後ろから賑やかな声が聞こえた。

「...来たか。」

 

新人二人は整列し、敬礼をする。

「フェンリル極致化技術開発局、ブラッド所属 第にゅき...」

まぁ、噛むよね...長いもん。

「うー、いぱーい。」

「とりあえず、候補生二名揃いました。」

結局、代わりにオレが言った。

ジュリウスも驚いていたようだが、軽く咳払いをすると、

「改めて、ようこそブラッドへ。隊長のジュリウス・ヴィスコンティだ。」

なんで、ここには噛みそうな名前しかないんだ...

「それでは....今より、実地訓練を行う。」

「えっ!?実戦なの!?」

まだ、舌を気にしていたナナは驚く。

「知らなかったのかよ?」

「知らなかったー」

こりゃホントに初耳か...

「見ろ...」

気にせずジュリウスは崖下を指さす。

「アレが、人類を脅かす災い、駆逐すべき天敵...アラガミだ。」

崖下に目をやると、数匹のオウガテイルが絶命したヴァジュラを捕食していた。

「手段は問わない、完膚なきにまでにアラガミを叩きのめせいいな?」

「でも、いきなり実戦なんて...」

「フッ、本物の戦場でやってこその、実地訓練だ。

お前達が実力を発揮できさえすれば問題になるような相手じゃない、いいな?」

「そうだぜナナ。」

オレがナナを説得しようとした時だった、

『グガァァァァァァァ』

いつの間にか近づいていたオウガテイルがオレ達に襲いかかってきた!

「ナナ!!」

オレは、無我夢中でナナに覆いかぶさった。

ヤベッ!油断した!

 

....だが、その時は来なかった。

オレが振り向くと、そこには、

「大丈夫か?」

片手でアラガミを受け止め、悠然と立っているジュリウスの姿があった。

ジュリウスはアラガミを処理すると、こちらに向きなおした。

「古来から人間は強大な敵と対峙し...常にそれを退けてきた。

鋭い牙も、強靭な爪も持たない人類がなぜ勝利したか。

共闘し、連携し、助け合う"戦略"と"戦術"...人という群れを一つにする、強い"意志"の力...

"意志"こそが俺達、人間に与えられた"最大の武器"なんだ。それを忘れるな!」

「意志の力....」

「時間だ、行くぞ!!」

そう言うと、ジュリウスは崖下に飛び降りた。

「よし!私達もいこっ!...クロサキ君?」

「あぁ、ゴメンちょっと考え事してた。」

「ふーん...のんびりしてると置いてっちゃうからねー」

ナナも飛び降りていった。

「あの時、隊長は振り向いてすらいなかった...どんだけすげぇんだよ...」

改めて、ジュリウスの強さを実感し、当面の目標を決めたクロサキだった。

 

+++++

 

 

黎明の亡都

 

相手はオウガテイル4匹。

ジュリウスに1匹、ナナに1匹、オレに2匹といったところだった。

「一匹余分なんだよ...」

愚痴をこぼしつつ目の前の敵と対峙する。

2匹続けて襲い掛かってきた。

(遅いぜ!!)

1匹目の攻撃を避け、すれ違いざまに横っ腹を切り裂く。

真っ二つになったアラガミはそのまま絶命した。

2匹目はスライディングで懐に入り込み、そのまま腹に剣先を突き立てる。

神機に突き刺さったままのオウガテイルは痙攣し、しばらくすると動かなくなった。

「ふぃー。体が覚えてるもんだな...」

剣をアラガミから引き抜くと、仲間のほうを向いた。

ジュリウスのほうはすでに終わっていた。

ナナもハンマーを振り下ろし、トドメを刺したところだった。

 

「今日の訓練は以上だ。各自、体を...」

そこまでいうと、ジュリウスはオレ達の後方に目を向けた。

つられてオレ達も振り返ると、そこには数体のオウガテイルが集まっていた。

「げっ、まだいんのかよ。」

うんざりしながら、神機をかまえると、

「フッ..ちょうど良い。」

と、ジュリウスが制した。

「お前達が目覚めるべき"血の力"をここで見せておこう。」

一歩前に出ると、

「はぁ!!」

掛け声と共に神機が展開する。

すると、

「お!?なんだこれ!?」

「力が...みなぎる...!」

「今から"ブラッドアーツ"を目標に対して放つ、少し離れていろ。」

「ブラッドアーツ...?」

「ロミオ先輩が言ってたあれか!!」

「戦況を覆す大いなる力...戦いの中どこまでも進化する、刻まれた血の為せる業...」

言い終わると同時に、ジュリウスはアラガミの群れに駆け出す。

「はぁぁぁ!!」

神機が赤い光に包まれ、無数の斬撃と疾風がアラガミを切り裂き、吹き飛ばした。

目の前で起こった光景にナナもオレもただただ驚くしかなかった。

服の汚れを払いジュリウスが戻ってきた。

「これが、ブラッドアーツだ。」

す、すげぇ...速過ぎて見えなかった...

「俺達ブラッドに宿る"血の力"、そして"ブラッドアーツ"。

これをどう伸ばし、生かしていくかは...

全て、お前達の"意志"次第だ。覚えておいてくれ、いいな?」

俺達は静かにうなずいた。

 

+++++

 

 

フライア 自室

 

クロサキはベッドに寝転がっていた。

「あれがブラッドアーツ...血の、意志の力...オレも負けてられないな。」

勢いよく起き上がると、机の上の写真に手をかけた。

家族と親友との写真だ。

「驚くことばっかだぜ、ここは。きれいな庭園もアラガミとの戦闘も全てが新鮮だった。

...お前も、一緒に来れたら良かったのにな...」

こみ上げる感情を抑え、そっと写真を元の場所に戻す。

「湿っぽいのは嫌だな。」

自分に言い聞かせるように呟き、クロサキは自室を後にした。

 

その日訓練室では、朝まで照明が灯っていた。

 




いやー戦闘シーンは難しい!!これが精一杯なんです...
それよりも、よくナナは呼称を噛まなかったよね。声優さんも大変だ。

さて次回は歌姫の登場ですよ。グラスゴーの兄貴までいけるかなー?
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