GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

42 / 105
あの戦いから1ヶ月後、極東の面々はいつも通りの日々を過ごしていた。
そこに、ある人物がやってくる。
それが新たな戦いの幕開けとなった。


Chapter4:Thank You for Happiness
#38 英雄の帰還


「リンドウさん!待ってくださいよ!」

右手に金色のガントレットを装着した男の後ろを、金髪の少年がついて行く。

「新人が荷物を持つのは当たり前だろー。まあ、がんばれや。」

そう言いつつ、リンドウと呼ばれた男は面白がっているようだった。

その姿に呆れつつ、少年は必死についていった。

 

+++++

 

 

アナグラ 支部長室

 

「どうだい?久しぶりの極東支部は。」

サカキは目の前の男に尋ねる。

「変わりませんね~アットホームなままだ。」

そう言って、リンドウは笑う。

「お、来たようだね。入りたまえ。」

「おやおや、しっかり支部長職が染みついてますな~」

支部長室の扉が開く。

入ってきたのは、コウタとクロサキだった。

「失礼しまーす。サカキ博士、用っていったい...あ、あー!」

「リンドウさん!!」

コウタより先にクロサキが声をあげた。

「よう、コウタ。久しぶりだな。

それに、クロサキ。でっかくなったな。」

二人の登場に、リンドウはまた笑った。

「募る話はあるだろうけど、まずは本題に入ろうか。...リンドウ君。」

サカキ博士の言葉にリンドウは頷く。

「二人には俺達"クレイドル"が長年追いかけてきた、

新種のアラガミ"キュウビ"の討伐を手伝ってもらいたい。

詳しい話は...まあ、ソーマに任した方がいいな。」

と言って、途中で説明を放棄する。

「相変わらずっすね...」

さすがにここまで変わっていないと、逆に呆れてしまう。

「まあ、そんな感じでしばらくよろしくな!」

リンドウは拳を突き出す。

オレとコウタも拳を突出し、三人で拳をぶつけあった。

 

もう少しサカキ博士と話があるらしいリンドウを残して、オレ達はラウンジに向かった。

その道中。

「なあ、お前なんでリンドウさんのこと知ってたんだ?」

「え、ああ、ちょっとな...」

言葉を濁すクロサキに、コウタは首をかしげた。

 

+++++

 

 

アナグラ ロビー

 

先程言った通り、オレ達はラウンジで"キュウビ"の説明を受けていた。

集まったメンバーはブラッド、そして第一部隊だ。

画面には、キュウビの参考動画。

そこには圧倒的ともいえるキュウビの力が記録されていた。

数十体いるコンゴウをものの数秒で肉片にし、固いデミウルゴスの体表をかみ砕く姿。

皆が圧倒される中、オレは違った。

(戦いてぇ...)

マルドゥークや神機兵と対峙した時のような昂揚感を抱いていた。

「以上が偵察班から最後に送られたキュウビの映像だ。

今回の討伐対象"キュウビ"は外界から隔絶した地域に生息していたアラガミだ。

このキュウビのすごい所は...あーえーっと...レトロオラクル細胞が...

ダメだ!詳しいことはソーマ博士!頼んだぞ!」

そう言って、リンドウは親指を立てる。

「やめてくれ、博士はガラじゃない。」

ソーマはため息をつきつつ、説明を代わる。

「キュウビの持つ特殊なオラクル細胞。

レトロオラクル細胞は混じりっ気の無い純粋な細胞だ。」

ソーマが淡々と続けるが、

「博士ー!分かりにくいでーす!」

コウタが手をあげる。完全にからかっているような顔をしてる。

「お前は...要するにキュウビの細胞は特別製ってことだ。」

「ソーマ博士。ここでお前の研究ビジョンをぶち込むべきじゃないか?」

リンドウの無茶ぶりに、ソーマは少し考える。

「...お前ら、想像してみろ。

そこに置いておくだけで、勝手に展開して、

アラガミだけを捕食する防壁があるとしたらどうだ?」

「すごーい!そんなの作れるの?」

ナナの目が輝く。

「例え話だがな。ああ、一人用のシェルターなんかも良いな!」

「という感じに、レトロオラクル細胞は様々な技術に応用することが出来る。

さらに、この細胞は神機の偏食因子とは違って、複雑な命令を単独で行うことが出来るはずだ。」

話を理解できた者が、ギルとシエルの技術コンビ以外にいなかった。

その様子を見かねて、リンドウが口を開く。

「まあ話が難しくなってきそうだから、今日は解散!

もっと詳しく知りたい奴はソーマに直接聞いてくれ。」

ソーマがピクッと眉を吊り上げる。

リンドウはそれに気づかず続ける。

「そんじゃ、皆、死なない程度に頑張ろうぜ。

そんで、人々が安らかに暮らせる世界を作ろうぜ!」

 

+++++

 

 

皆が去った後のラウンジ。

ナナは一人でカルビ、もといカピバラと戯れていた。

「カルビはふわふわだねー。ずっとギュってしてたいよ~」

その時、ラウンジの扉が開く。

「あれ、ここじゃなかったかな?」

(...?誰だろう?)

気になったナナは立ち上がる。

入ってきた少年と目があった。

「あ...」

「え...」

『あああー!!!』

「お前、ナナか!?」

「わー!シュン君!?」

二人はお互いに駆け寄る。

「久しぶりだなー。養護施設以来か?」

「うん!そんなに経つね~でも、なんでここに?」

シュンが思い出したように続ける。

「っと、忘れてた。俺、今クレイドルに居るんだ。リンドウさんと一緒に派遣されたんだけど...」

「もしかして、相変わらずの方向音痴ですかな~」

ナナがシュンの顔を覗き込む。

「う、うるせー!とにかく、ここには居ないみたいだな。

じゃあ、俺は急ぐから。また、話そうぜ!」

「うん!じゃあねー」

シュンはそのまま去って行った。

「シュン君に会うなんて、驚きだねー。」

ナナは再び、カルビを撫でる。

「...この気持ちは...忘れてたはずなんだけどな...」

ナナはそっと呟いた。

 

+++++

 

 

時間は変わって再びラウンジ。

オレはリンドウさんと飲んでいた。

「それにしても、お前が極東に居るって聞いた時は驚いたぜ。」

リンドウがビールをあおる。

「はい...オレもリンドウさんが来てるとは思いませんでした。」

「どれくらい振りになるかな...」

「オレがブラッドに入隊する前...発足時のクレイドルに所属していた時ですから...5年くらいですかね。」

オレもビールに口をつける。

「そうか、お前も変わってないな。もっとも、強さは桁違いらしいがな。」

「そんなことないですよ。」

「色々聞いてるぞ。ブラッドの隊長に就任して、感応種相手に大立ち回り、

それに世界まで救ったんだろ?」

「いやいや、誇張し過ぎですよ。

オレなんか全然...あの人の方がすごいですよ。」

リンドウが遠い目をする。

「アイギスか...アイツもとんでもない奴だったな...」

「...アイギスさんは、今どこに?」

オレは恐る恐る尋ねる。

「...悪いな。まだ、分からない。心配すんな、アリサには言ってない。」

「そう、ですか...」

オレは目を伏せる。あの人の姿が脳裏に浮かんだ。

「生きてるさ。...まあ、気楽に待とうや。」

リンドウがオレの肩をたたく。

「...そうですね。」

オレ達はしばらく昔話に花を咲かせながら、酒を酌み交わした。

 

「そういや、リッカと付き合ってるらしいな。」

オレは吹き出しそうになるのをこらえる。

「ちょ、ちょっと!何処でそれを!?」

「ん?コウタに聞いた。」

「あの野郎!」

 




新編スタート!!
初めにしては色々詰め込み過ぎた。
これからどうしよう。
シュン君についてはまた次回。
クロサキ君の過去?アイギスの現状?
本当にどうすんだコレ。

まあ...また次回。サラダバー!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。