GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
アナグラ ロビー
「という訳で、こいつがクレイドルに新しく入った...ほれ、自己紹介!」
リンドウに促されて、隣の少年が前に出る。
「あ、どうも。禊シュンヤです。これからよろしくお願いします!」
礼儀正しそうな彼はお辞儀をし、また元の場所に戻る。
「礼儀正しくて、腕はあるんだが...方向音痴が酷くてなあ...」
「ちょ、リンドウさん!?」
「まあ、しばらくここに所属するから、サポートしてやってくれ。」
オレ達は頷くと、シュンヤが前に出てきた。
「これからよろしくお願いします。」
シュンヤが手を出してくる。
「おう、よろしくな」。
オレはその手を握り返す。
「よろしくお願いしますね。」
「まあ、よろしくな。」
「わーい!また、シュン君と一緒だね!」
「また...?」
ナナの言葉に皆が首をかしげる。
「ああ、すいません。俺、マグノリア・コンパス出身で...そこで、ナナと友達だったんです。」
「ああ、なるほど。」
「でも、シエルさんとは別でしたね。」
「そうでしたね。私もしりませんでした。」
と、オレ達のやり取りを見ていたリンドウが口を開いた。
「よし、クロサキ隊長。コイツのこと頼むわ。」
出たよ、丸投げ...
「分かりました...」
「よし、じゃあ俺は仕事に戻るぜ。じゃあな。」
そう言って、リンドウはラウンジに向かっていった。
(ラウンジに仕事は無い!)
+++++
しばらくして、オレとシュンヤは二人でミッションで出ていた。
親睦を深めるという意図もあったが、単にシュンヤの実力を見たいのもあった。
「シュンヤの神機はショートか...」
オレはシュンヤの神機を見て言う。
シュンヤの神機は全体的に、赤のカラーリングでまとめられたものだった。
「はい。ショートの方が振り回しやすいんで。」
そう言って、シュンヤは笑う。
「先輩のは...なんか珍しいタイプですね。」
それも当然だ。装甲は通常の半分ほど、銃身に至ってはランチャー程の大きさしかない。
「まあな。これの方が振り回しやすい。」
「なんか、似てますね。俺達。」
オレも同意し、二人で笑う。
その時、近くで咆哮が聞こえる。
「お、居たかな。」
「みたいっすね。」
岩陰を抜けると、ちょうど二体のヴァジュラが死骸を捕食している所だった。
気配を察知したのか、ヴァジュラをこちらを向く。
「よし、始めるか。シュンヤは右を頼む。オレは左を...」
「了解です!」
オレ達は二手に分かれ、ヴァジュラを分断させる。
「さあ、行くぜ!」
オレは振り向き、追いかけてくるヴァジュラの前に立つ。
ヴァジュラは勢いを殺せずに、そのまま突っ込んでくる。
神機を構え、そのままヴァジュラを待つ。
「....!!」
すれ違いざまオレは懐に滑り込んだ。
すかさず神機を突き立て、ヴァジュラの勢いを利用して腹を裂く。
「ゴギャァァァァァァ!!」
ヴァジュラは悲鳴を上げ、転がっていく。
オレは立ち上がり、呻くヴァジュラの顔に神機を突き刺し、その命を終わらせた。
「学習しろっつーの。...さて。」
オレはシュンヤの姿を探して、辺りを見渡す。
「お、居た。」
シュンヤはまだ交戦中だった。
少し苦戦しているようだったので、加勢に向かおうとする。
「なめんなぁ!!」
シュンヤが叫び、神機を片手に持つ。
次の瞬間、シュンヤから放たれた剣撃はオレの目にも捉えることが出来なかった。
自らに何が起きたか分からないまま、ヴァジュラは崩れ去った。
その光景を少しの間、オレは立ち尽くしながら見ていた。
狩りを終えたシュンヤが、手を振りながらこちらに歩いてくる。
「どうでした、俺の剣捌き。早かったでしょ!」
シュンヤはニコニコと笑っている。
その様子に何となくオレも笑ってしまう。
「ああ、すげえよ。オレも見習わなくちゃな。」
「いやいや、先輩の居合切りも凄かったっすよ。」
極東のチート神機使い達は互いの健闘を称えながら、アナグラへ帰投した。
+++++
アナグラ 整備室
「それが凄いんだよ。オレにも見えなかったからさ。」
「レイジ君にもってことは...彼、相当強いんじゃない?」
オレはリッカに今日のことを話した。
リッカは神機を整備しながら、オレの話に耳を傾けてる。
「彼の神機、かなり丁寧に使い込まれてるよ。どっかの誰かさんと大違いだね。」
リッカはこっちを向き笑う。
実際、装甲をほぼ使わずに攻撃を刃で受けていたので、刀身は毎回ボロボロだった。
「うるせー。良いんだよ、オレには専属の整備士さんがいるからな。」
「もう、褒めたってなにもないよ?」
そう言う割には、リッカは真っ赤になっている。
その顔見ると、どうしてもイタズラしたくなる。
オレはゆっくりと近づき、背を向けて作業をするリッカに抱き着く。
「ふわぁ!!」
「何もなくても無理やり貰おうかな?」
「もう、仕事にならないー」
「じゃあ、離そうか?」
「...うぅ、意地悪...」
結局、リッカが作業に戻れたのは三時間後のことだった。
+++++
アナグラ ラウンジ
「お、迷わず来れた。」
俺はラウンジに来ていた。
「あれ、シュン君どしたの?」
ラウンジにはナナが居た。
どうやらカピバラと戯れていたらしい。
「いや、クロサキ先輩を探しててな。」
「あーそれなら、たぶん整備室だね。」
「そうか、ありがとうな。」
ラウンジを去ろうとすると、ナナに呼び止められた。
「待って!今は行かない方が良いよー」
「?どういうこと?」
「なんていうか...邪魔しない方が良い?ってことかな?」
「?」
結局なんだか分からなかった。整備室になんかあるのか?
(後で誰かに聞いてみるか)
とりあえず、ナナと少し話すことにした。
「私なんて全然だよー。皆すごいもん。」
「でも、ナナもブラッドだろ?それだけ十分凄いよ。」
「えーそうかな?」
ナナはエヘヘと笑い、頭を掻く。
その笑顔は今も昔も変わっていなかった。
何となくナナの顔を見つめていると、ナナも気付いた。
「どうしたの?」
「ああ、いや。なんでもない。」
慌てて目線を逸らすオレを、ナナは不思議そうに見ていた。
それからしばらく話をして、俺はナナと別れた。
クロサキ先輩への用事は明日にして、俺は自室へ戻っている。
「変わってないな...前のままの明るいナナだ...」
養護施設に居た時、塞ぎ込んでいた俺を外の世界に引っ張りだしてくれたのはナナだった。
母親を失って自分が一番辛いはずなのに、明るく振舞って俺を励ましたくれた。
そんな彼女のおかげで、今の俺はここに居る。
「...だから...好きになったのかな...」
俺はそっと呟いた。
ちなみに、自室に戻れたのはそれから三十分後のことだった。
シュンヤがラウンジから去った後。
「はあ...変わってないなシュン君。」
ナナはカウンターに突っ伏していた。
シュンヤと話している間、気が気ではなかった。
「前よりカッコ良くなってるんだもんなー」
再びシュンヤのことを思い出し、ナナは少しにやける。
だが、すぐ浮かない顔になる。
ナナはこの気持ちを表に出してはいけないことを分かっていた。
自分が好きになった者は、必ず自分の前からいなくなる。
ただの思い込みかもしれない...でも、忘れることが出来なかった。
「どうしたら良いんだろ...ねえ、カルビ?」
呼びかけてもカルビはあくびをするばかりだった。
+++++
おまけ
「...!」
「どうしたの?」
「いや、なんとなく...寒気がして。」
「風邪?大丈夫?」
「問題ないさ。リッカに暖めてもらうから。」
「もう!あ、ちょっと...!」
六割が糖分という...さすが深夜テンション...R-18かすめてるぞ...
はい、という訳でシュンヤ君です。
一応4部のサブ主人公的な立ち位置です。
容姿は金髪...後は勝手に妄想で...
神機はキグルミの装備を意識してます。
当然、チート能力"神速"を有してます。
居合の速度ならばクロサキを超えてます。
(まあ、クロサキもまだまだ進化しますけどね...)
という訳二人の活躍にこうご期待!!それではサラダバー!!