GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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#41 二刀流の目覚め

アナグラ ロビー

 

「よお、隊長。お疲れさん。」

ロビーで休んでいたオレにギルが声をかけてくる。

キュウビを討伐して戻ってきたオレに、皆は一斉に群がってきた。

ラケルに一目散に抱き着かれ、ナナやシエルに質問攻めにされ、今ようやく解放されたところだった。

「ああ、ありがとう。」

オレはギルが差し出した飲み物を手に取る。

初恋ジュース...?まあ、美味しければいいや。

「キュウビはどうだった?相手になんなかったか?」

ギルがからかうように笑う。

「買いかぶり過ぎだって。なかなか強かったよ。」

「なかなかねぇ...」

「もっと強くならなきゃなぁ...」

オレの言葉にギルが呆れたように見つめてくる。

なんか変なこと言ったか、オレ...?

「大型を一分もかからずに捌いて、小型なら数十体を相手取れるのに...

まだ満足出来ねぇのか....?」

「まだまだ満足できねぇぜ!」

ギルはため息をつくが、フッと笑うと、

「まあ、お前らしいな。」

そう言って、缶ジュースを開けようとする。

が、そこで何か思い出したかのようにギルがこちらを向く。

「そうだ...お前、リンドウさんにクレイドルに誘われたんだよな?」

「ああ、情報が早いな。」

と言っても、質問攻めを受けたオレが、うっかりこぼしちまったんだけどね。

「どうするんだ?行くのか?」

「ああ、その話だけどな...」

 

「なあ、隊長さん。俺はお前さんやその仲間が非常に気に入った。

...もし、良かったらクレイドルに来て、俺達と一緒に戦わないか?」

突然の誘いにオレは当然のように驚いた。

リンドウの顔は真剣そのものだったのだが...

「リンドウさん、相変わらずメンバーの勧誘ぎこちないですね~」

「ああ、見てるこっちが恥ずかしくなる。」

「俺は半分無理やりだったんですけど...」

ソーマ、アリサ、シュンヤがそれぞれに好き勝手言う。

「聞こえてるぞーお前ら!さっさと詰め込み終わらせろー!」

下からはいはいと返事が返ってきた。

リンドウはため息をつくと、もう一度真剣な顔で向き直る。

「あーとにかくだ。

俺達はお前達を歓迎するし、一緒に世界の人達が安心して眠れる"ゆりかご"を作りたいと思ってる。

...どうだ?」

真っ直ぐなリンドウの言葉にオレは考え込む。

世界中を回って、色んな人に出会って、強いアラガミと戦って、そして世界を救う...

そんな道もありなのかもしれない...

でも、今は...

「...すいません。話は嬉しいんですけど...オレはここに残ります。」

リンドウは少し寂しそうな顔をしたが、すぐ笑顔に戻る。

「...そうか...理由は聞かしてくれるか?」

「理由って言っても...大したことじゃないです。

単純にここを離れたくないっていうか、守りたいものがあるっていうか...」

いいあぐねるオレの肩をリンドウが叩く。

「まあ、お前さんの言いたいことはだいたい分かった。今回は諦めることにするよ。」

残念がるリンドウの姿に、オレは慌てて弁明する。

「ああ、でも!他の皆は分からないし、必要な時にはいつでも駆けつけますから!」

 

「なるほどな...」

「悪いな、勝手に決めちまって。」

「いや、良いさ。俺達にも選択肢を与えてくれたんだからな。」

その言葉にオレは少し安堵する。

オレは自分の道を決めた。あとは皆の問題。決めるのは自分自身だ。

「まあ、ゆっくり考えるか...」

「ああ、がんばれよ。」

二人は缶を開け、一気に中身を飲み干した。

 

+++++

 

 

アナグラ 研究室

 

「ん...?」

「どうした?」

「いや、悲鳴が聞こえた気がしたんだが...気のせいだな。」

研究室にはリンドウとソーマがいた。

先程、回収したキュウビの使用方法や運搬などについて話していた。

話が一段落し、ソーマが淹れたコーヒーを飲んでいた時だった。

「そう言えば、アイツに断られたんだな。」

「ああ、その話か。しょうがないだろ、勧誘は苦手なんだ。」

リンドウは自虐的に笑い、ソーマもフッと笑う。

「にしても、まさかコウタと同じようなこと言うとはなぁ...

守りたいものが居る男は違いますなぁー」

リンドウがニヤニヤしながら、ソーマの方を見る。

「なんだ...?」

「ソーマよぉ、お前もそろそろ身を固めろよ。

家族ってのは良いもんだぞ?」

「悪いが、そんな相手は居ないもんでな。」

そう言ってソーマはコーヒーをすする。

「そうかぁ?...ああ、エリナとかどうだ!」

「なんでその名前が出てくる。第一、相手はまだ子供だ...」

「いやいや、恋に年齢は関係ないぞ!」

ソーマは無視してコーヒーを啜り続ける。

「...はぁ、全く強情なんだからなぁお前は...

あ!まさか、お前まだシオのこと...!」

ソーマが咳き込む。

「お前は俺をどうしたいんだ...?」

 

+++++

 

 

アナグラ 整備室

 

「新しい神機?...ていうか、顔色悪いよ?」

リッカが覗き込んだクロサキの顔は真っ青だった。

何があったかは想像にお任せしよう。

「まあ、色々あってな...って、その話は良いんだ。

本題は新しい神機のことだ。」

リッカはますます分からないように首をかしげる。

「新しいっていっても、レイジ君の神機はまだ使えるし...

新しいのに取り替えなくても...神機がかわいそうだよ?」

リッカは少し怒っているようだ。

技術士からしてみれば、自分の魂のこもった作品が捨てられてしまうことと同じ。

リッカがむくれるの分からなくはない。

「いや、違うんだって。そういうことじゃないんだ。」

クロサキが慌てて否定する。

「つまりな、もう一本神機を作ってほしいんだよ。

ほら、オレの血の力知ってるだろ?"同化"による二刀流。」

クロサキにはある事情で、二つの血の力が目覚めている。

そのうちの一つの"同化"という能力は、偏食因子を自分にあったものに変化出来る。

つまり、他人の神機を拒否反応を起こさず扱えるのだ。

クロサキはそれを生かした二刀流で、数々のピンチを乗り越えた。

「でも、この前のキュウビの時、アリサさんに怒られちまって。」

 

『いきなり何をしているんですか!

本当にびっくりしたんですよ!どうして、最初に言ってくれなかったんですか!』

 

「だからさ、他人の神機じゃなくて、

ちゃんとしたもう一つの自分の神機を作ってもらおうと思って、頼みに来たんだ。」

「なるほどね...」

リッカは少し考える。

「頼めるのはリッカだけなんだ...」

リッカは頷き、こちらに笑顔を向ける。

「うん!良いよ!最高の神機作ったげる!」

「よっしゃあ!さすがリッカだぜ!」

「じゃあ、色々要望とか聞きたいから...これから時間ある?」

「ああ、もちろん。」

「じゃ、じゃあ、私の部屋で...夜も遅いし..」

顔を背けながらリッカは言うが、真っ赤になっているのはよく分かった。

(最近、本当に積極的になったな...まあ、嬉しいけど。)

「わかった。じゃあ、行くか。」

「うん...」

そう言って、二人は部屋の中に入って行った。

極東、いや、世界初の二刀流の神機使いが誕生するのも時間の問題だった。

 




どうしても書きたくなるリッカ×クロサキ...
しばらく書けなかったストレスかな...?

次回はオリジナル!あっと驚くことが起きるかも!?
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