GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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#45 死力の狐狩り

闇夜に紛れ、気配を殺し、対象の後ろから忍び寄る。

相手が気付いたころにはすでに首がかき切られていた。

養護施設にいた俺は、ある組織に引き取られた。

いままでより過酷な訓練、厳しい仕置き...俺の人格を保っていたのは養護時代の記憶だけだった。

しかし、何時しかそれも忘れて、俺は冷酷無比なアサシンとなった。

正義も悪も何もかも関係無く...殺して殺して殺してコロしてコロシテ...

そんな時だった、あの人に出会ったのは...

 

仕事を終え組織のアジトに戻ると、そこはアラガミに襲撃されていた。

自然と仲間が殺されていく悲しみもアラガミに対する恐怖も湧かなかった。

ただ、自分の命はここまでなのだと、そう思っただけだ。

アラガミが気配に気づき、こちらに牙を剥ける。

覚悟を決め目を閉じた時だった。

 

『よかった...まだ、生きてるやつがいたか...!』

 

目を開けるとそこには、倒れたヴァジュラを背にして一人の男が立っていた。

『怪我ないか?って、まだ子供じゃないか...ほら、立てるか?』

そう言って男は手を差し出し、俺に微笑みかける。

その笑顔には憶えがある。

ずっと昔に忘れていた大切な人の笑顔にそっくりだった。

 

+++++

 

 

創痕の防壁

 

「どうした?」

ぼーっとしていたシュンヤに声をかける。

「あ、いえ。大丈夫です。」

シュンヤはそこで我に返り、改めて下を見下ろす。

崩れて原型を失った住居の残骸の中に、黒い毛並をもつそいつが居た。

マガツ・キュウビだ。

「のん気に寝てやがるなぁ...さて、どうするか。」

「対処法は?」

シュンヤの問いかけに、クロサキは少し考え言い放つ。

「....うん、とりあえず勢いで押し通す!」

余りにも単純な答えにシュンヤは拍子抜けしてしまう。

しかし、クロサキはこれでも大真面目だったので、彼の大物ぶりを改めて実感した。

「さすがっすね...ところで、その神機どうしたんですか?」

クロサキの神機に目を向けたシュンヤがふと、彼の持つ二本の神機に気づいた。

彼の右手にはいつもの神機、そして左手には見慣れない神機が握られている。

その神機は黒一色の配色の日本刀...二つ合わさると白と黒の神機で対を成しているようだった。

「ああ、これな。リッカに頼んでたんだ。試し切りはバッチリだぜ!」

そう言って、親指を立て二カッと笑う。

「よし、じゃあ行こうぜ!」

クロサキの合図と共に、二人は飛び降りマガツに切りかかる。

「ギュァァァァァァァァァ!!」

こちらに気付いたキュウビは咆哮をあげ、こちらを睨みつける。

一瞬のうちに間合いを詰め、キュウビの爪と二人の神機がぶつかりあった。

 

+++++

 

 

アナグラ ロビー

 

「リンドウさん!どういうことですか!?」

ロビーではギルとシエルがリンドウに詰め寄っていた。

その顔には焦りと憤りがみえた。

それに対し、リンドウはいたって冷静だった。

「マガツに対しての交戦禁止命令が出ていた筈です。何故、隊長を行かせたんですか?」

シエルが静かに尋ねる。

「ああ、アイツなら大丈夫だと思ったからな...お前らも知ってるだろ?アイツの強さは。」

そう言うとリンドウは手にしていた缶ビールを、一口すする。

「それに、シュンヤもいるからな...」

「どういう、意味ですか...?」

リンドウはニヤリと笑い、ラウンジに戻っていく。

「あの二人の前に...倒せないアラガミは居ないさ。まあ、気楽に待とうや。」

 

+++++

 

 

創痕の防壁

 

「ハァァァァ!!」

「ウォォォォォォ!!」

キュウビの攻撃を見切りながら、一か所に留まらず動きながらダメージを与えていく。

休む間もなく浴びせられる怒涛の連撃に、マガツもたまらず後ろにさがる。

しかし、その隙を見逃さずに二人が一気に距離を詰め正面に立つ。

「行くぜ!シュンヤ!」

「せやぁぁぁぁぁあ!!」

上空から振り下ろされた爪を弾き、もう片方の神機でクロサキが切りつける。

そこからのゼロ・スタンスで二刀流の高速連撃を与える。

マガツも反撃しようと牙を剥けるが、瞬時に入れ替わったシュンヤの居合に視界を奪われる。

神速の一閃で、キュウビの目を切り裂いたのだった。

そこから、もう一度入れ替わりクロサキの連撃、シュンヤの居合と、

入れ替わり立ち替わり、息の合った連撃でマガツを追いつめていく。

全身に大ダメージを受け、此処に来てマガツが動きを止めた。

これを好機とみた二人は、直ぐにマガツに向かって走り出した。

だが、気がつけば二人の足は止まっていた。

いや、止まっていたというより、動かなくなってしまった。

「な...んだ、これ...」

「力が...入らな...」

全身から力が抜けていく感覚に襲われた二人は、たまらず膝をついてしまう。

「ギュァァァァァァ!!」

マガツが甲高い咆哮をあげる。

どうにか顔をあげると、マガツの頭上には禍々しい光を放つ黒い球体が浮いていた。

それを保ったまま、マガツがこちらを睨んでくる。

(まずい、このままじゃ...)

油断があったにせよ、警戒もせずに距離を詰めすぎたのは完全にこちらの落ち度だ。

「クロサキ先輩...」

マガツがゆっくり近づき、トドメを刺そうと腕を振り上げる。

為す術が無い...これで、終わりか...

シュンヤは絶望した表情で、もう一度クロサキを見る。

クロサキは依然黙ったまま動こうとしない。

だが、目を閉じたクロサキは笑っていた。

「え...」

マガツの腕が振り下ろされ、クロサキの命を奪おうとした時だった。

その瞬間クロサキの目が見開かれ、その姿が突然消える。

否、消えたように見えただけだった。

マガツの一撃と同時に、クロサキは残った力で神機を変形し銃形態に変えていた。

体が動かないなら、別のもので動かせばいい。

銃身から放たれたモルターの推進力で、上空に放り出されたクロサキはそのまま黒い球に突っ込む。

「がぁぁぁぁぁあ!!」

雄叫びと共に、黒い球は霧散した。

シュンヤの体にも力が戻る。

何が起きたのか分からないキュウビは、体をくねらせ暴れる。

「うるせぇ!!」

クロサキの二本の神機が背中を切り裂き、マガツが仰け反る。

その致命的な隙を、立ち上がったシュンヤは逃がさなかった。

「俺も負けてらんねぇぇぇ!!」

シュンヤの代名詞ともいえる神速の居合切り。

キュウビの胸を切り崩した斬撃は、赤い光と風を纏っていた。

「ギュォォォォォォ!!」

今の一撃は大きかったらしく、その痛みにマガツが膝をつく。

「シュンヤ!!合わせろぉ!!」

「はい!!」

マガツの前に降り立ったクロサキの号令に、シュンヤも答える。

二人のブラッドアーツが同時に発動し、神機が深紅に輝く。

怒涛の斬撃の嵐と、弱点を的確に捉える神速の居合切り、それは確実にマガツの体力を削り取った。

「ギュァァァァァァ!!!」

『ウォォォォォォォォ!!』

最後の瞬間、マガツの腕をシュンヤが弾き、クロサキの一撃が頭部を引き裂いた。

マガツは空を仰ぎ、ゆっくりと息を引き取った。

 

「終わったのか...」

クロサキはヘタッと座り込む。

「お疲れ様です。」

シュンヤもその場に倒れこんでいる。

「仇取れたな...」

「はい...」

「ナナにちゃんと伝えに行けよ。」

「はい...」

「...よし、帰ろうぜ!」

「はい!...あ、ついでにコア回収しちゃいましょう。」

「したたかな奴め。」

「先輩に言われたくないっす!」

激戦が行われた空間に二人の笑い声が響いた。

 




戦闘描写がお粗末!!
本当に適当になってきてる...

き、切り替えていきましょう!
次回で第四章は最終回!お楽しみに!!
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