GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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執筆途中で投稿してしまいました!申し訳ない!
後書きにお知らせとおまけをつけましたので、最後まで是非お読みください!


#46.9 この幸せをありがとう★

黎明の亡都

 

「よし、これで終わりっと...」

デミウルゴスの絶命を確認すると、後ろでアバトンを追いかけまわしているベルに声をかけた。

「おーい帰るぞー!」

オレの言葉に反応すると、ベルは逃げ出すアバドンを置いて駆け寄ってくる。

最近はベルにも戦闘訓練を行うようにしている。

親のマルドゥークの強さもあってか、ベルにもそれなりの戦闘力があった。

集中力の無さが玉に傷だが...

「おーよしよし!お前の毛はさわり心地最高だなぁ~」

背中を撫でてやると気持ちよさそうにするのは最近発見したことだ。

「いや~....はぁ...」

オレの突然のため息にベルは不思議そうに顔を振る。

「ん...ああ、ゴメンな。...実はさ、今日皆の様子が変なんだよね~」

 

クロサキがミッションに出る前のこと。

「よお皆、おはよー!」

オレはロビーに居たギル達にいつも通り挨拶をした。だが。

「ああ...」

「おはようございます...」

「おはよー...」

オレの姿を見るなりさっさと挨拶を済ませて、そそくさとその場を去って行ってしまった。

「あ、あれ...?」

皆の態度に不信感を抱きつつ、ラウンジに向かおうとする。

「ん?あ、あれ?」

いつもは開いているはずの鍵が今日に限っては閉まっていた。

「んー?ムツミちゃん休みなのかな...?」

ラウンジに行くのを諦め、エレベーターに戻った。

「え...」

しかし、扉が閉まる瞬間、オレは見てしまった。

ラウンジの扉が開き、普通にムツミが出てきたのだ。

増々意味が分からなくなってしまった。

(なんか皆、オレのこと避けてる?)

その後も、フランやヒバリさんに執拗にミッションに行くように言われたり、

廊下でオレの姿を見ると、すぐに立ち去ってしまう、など妙な行動は続いた。

そして極めつけは...

「ま、マジですか...」

いつもは元気に微笑みかけてくれる最愛の彼女が居る整備室。

しかし、その扉には鍵がかかり、重たく閉じられていた。

辛うじて中からは微かに機械音などの物音は聞こえていることから、中に人が居るのは確認できた。

だが、逆にそれが自分が疎外されているような気分にさせた。

「....はぁ....ミッション行こ...」

ガックリと肩を落としながら、オレは整備室を後にした。

 

「ベル~」

オレはベルに抱き着く。

ちなみに忘れてはいけないがここは戦場だ。

しかし、そんなことを忘れてしまうほど今はベルに癒されたかった。

「あ~帰りたくねぇ...」

ボソッと嘆いた時だった。

-クロサキ隊長。聞こえていますか?-

通信機から聞こえてきたのはオペレーターのフランの声だった。

「もう良いよ~オレなんて~」

ここまでの出来事で若干、ネガティブ状態になっていた。

-?何を言ってるんですか?皆さんが待っていますよ-

「え...?」

フランはそれだけ言うと通信機を切ってしまった。

頭の中が整理できていなかったが、オレは重い足を引きずりアナグラへ戻った。

 

+++++

 

 

アナグラへ戻ると、フランからすぐにラウンジに行くようにと言われた。

理由を聞いても、行けば分かりますの一点張りだった。

不信感を募らせながらラウンジの扉にてをかける。

ゆっくりと開いた扉の先には、予想外の光景が広がっていた。

 

「隊長!!誕生日おめでとう!」

クラッカーの音と共に、皆が大声で叫んだ。

ラウンジは色とりどりに装飾されており、極東の皆など顔なじみのメンバーが揃っていた。

「えっと...これは一体...?」

突然のことに頭が真っ白になってしまったオレに皆が駆け寄る。

「隊長、今日誕生日でしょ?皆でサプライズしようと思って!」

「朝から全員でばれないようにしてたんですけど...迷惑でしたでしょうか?」

「だから避けるのはやり過ぎだって言ったんだ...」

最近ずっと忙しくて忘れていた。

今日、5月2日はオレの誕生日だった。

誕生日会なんていつ以来だろう...

呆気にとられているオレの手を皆が引く。

「さあさあ、主役はこちらへ~!」

さっきまでの憂鬱な気持ちはどこかへ吹き飛び、今は皆の厚意がとても嬉しかった。

 

「じゃあ、これは私からね!」

パーティも中盤、皆がオレにプレゼントを渡しに来る。

ナナからは...分かってた。おでんパンです。

「これは私から。」

「こいつは俺からだ。」

シエルからはオレ専用のモルター弾、ギルからは整備用の手袋をもらった。

他にもたくさんのプレゼントを貰って気付いた時には部屋の一角に山が出来ていた。

 

「じゃあ、俺からも。」

シュンヤがグラスを片手にやって来た。

もう片方の手には袋をぶら下げている。

「いやー雑貨屋さんでもなかなか見つからなくて~」

袋の中から姿を現したのは...

「何ぞこれ...?」

黒い金魚のような小さなぬいぐるみだった。

(これはもしかして...)

「アバドン!可愛いっすよね!」

シュンヤの目が子供のように輝いている。

「あ、ありがとう。大事にするよ。」

「アバドンには幸運をもたらすっていう噂がありますからね。

きっと良いことありますよ!」

確かに、もうすでに起きているのだから否定できない。

ここでふと、あることに気付く。

「雑貨屋?一人で行ってきたのか?」

シュンヤの動きが止まる。

「え、いや...一人ってわけでは...」

口ごもるシュンヤの姿に全てを察した。

「そっか...そういうデートプランもあるか...」

「ちょっ!?で、デートではないっすよ!ただ、一人で店に入るのが恥ずかしかっただけで...」

狼狽えるシュンヤだったが、その顔は緩んでいる。

「まあ、深くは追及しねえよ。」

「そ、そうしてください...」

「あ、ちょっと待て。」

足早にその場から逃げようとするシュンヤを呼び止める。

「ちゃんとナナに自分の誕生日伝えておけよ。」

「!わ、分かってますよ!」

顔を真っ赤にしてシュンヤは去って行った。

コウタと同じ匂いがする、そう改めて思った。

 

皆に酔いが回り始めた頃、オレは一人難しい顔をしていた。

腑に落ちないことがあったからだ。

ラウンジを見渡してもどこにも彼女の姿が無い。

どうしても気になったオレは近くに居たナナに聞いてみた。

「...なあナナ。リッカのこと見なかったか?」

ナナも辺りを見渡し、オレの言ったことを理解したようだ。

「そう言えば...見てないね。まだ、整備室にいるんじゃない?」

昼間行ったときには整備室には鍵がかかっていた。

中に居るのは音で分かったのだが...

「そっか...」

少し残念だが、今は楽しもうと皆の輪の中に戻って行った。

 

+++++

 

 

パーティもお開きになり、ラウンジの喧騒は収まっていた。

半分はラウンジで酔いつぶれその場で寝落ちしていた。

そんな皆を置いてオレは目的の場所へ向かう。

「リッカの所に行くのか...?」

酔い覚ましにベランダに行っていたギルが声をかける。

「ああ...ちょっと顔を見たくなって。ギルは?部屋に戻らないのか?」

「ん?ああ、オレは...もう少し居るさ。寝落ちした奴を放っておけないからな...」

ギルの視線の先には、スヤスヤと寝息をたてているシエルが居た。

なるほどね...皆、青春してるな~

「じゃあ、ギルくれぐれも...」

「襲わねえよ。さっさと行け。」

ギルの苦笑いを確認すると、物音をたてないようにラウンジを後にした。

 

予想通り、整備室からは明かりが漏れていた。

「やっぱり作業してたか...」

見慣れた整備室の扉に手を掛けようとした時だった。

「おわっ!?」

突然出てきた人影にぶつかりそうになる。

服装から判断するに整備士だろうか。

ソイツはオレに気付くと、ろくに挨拶もせずに去って行ってしまった。

「何だったんだ...?」

闇に消えた姿を目で追っていると後ろから肩を掴まれた。

「あれ、レイジ君?」

少し驚いた顔でリッカがこっちを見ていた。

「よお、リッカ。ちょっといいか?」

リッカの了承を得て、オレ達は整備室に戻った。

「今のは整備班の人?」

「うん...ちょっと神機のことでね...」

「夜中まで大変だな。...頑張り過ぎるなよ?」

そう言ってリッカの頭を優しく撫でる。

「うん...あ、そうだ!誕生日プレゼント!」

リッカは慌てて自分の部屋に戻ると、息を切らして戻って来た。

その手にはリボンで飾られた小さな小箱が握られている。

「気に入ってもらえるか分からないけど...」

リボンを解き、包みを開けるとその中に入っていたのは...

「おお...スゴイな...!」

エメラルドに輝く石が綺麗な手作りのペンダントだった。

「オラクル輝石を削って作ったんだけど...どうかな?」

リッカが反応を伺う為に上目遣いで見てくる。

「ありがとう。すげー嬉しい。」

「本当!良かった...」

オレの喜ぶ様子を見て、リッカはホッと胸を撫で下ろし安堵する。

よく見ると首筋に汗を滲ませ、頬を赤く染めるリッカの姿はとても艶やかだった。

つい我慢できず、油断しているリッカの手を取りグッと引き寄せる。

突然のことに驚いた様子だったが、リッカも背中に手をまわして来てくれた。

「ペンダントも嬉しいけど...もっと何か欲しいかな~なんて。」

オレの意図を察しリッカが呆れ顔でこちらを見つめてくる。

「君、最近本当に変態になってきてるよ?こんな人の彼女さんは大変だろうね~」

「そうだな。...でも、その彼女さんはその人のこと嫌いじゃないだろ?」

イタズラっぽい笑みを浮かべてリッカの耳元で囁く。

「...意地悪。」

頬を染めるリッカの顔を隠すように、オレは顔を重ねる。

手に持ったペンダントが月明かりに照らされてキラキラ光っていた。

 

+++++

 

 

「はい、承諾をいただきました。彼の名前を出すとすぐに...

大切な人を守りたいという気持ちは素晴らしいですね。

では、当初の計画通りに数日のうちに実行します。」

男は通信を切ると、整備服を脱ぎ捨て闇の中に消えて行った。

 

 




戦闘描写が少ない!?糖分が多い!?な、なんのことですか…?

さて、今回のお話で一旦区切ります。
当初の予定では4月中に書き終えるつもりでしたが...この有様です。
という訳で再開は6月ごろになると思います。
それまでお楽しみに!!

では、最後に我が弟の描いたエンドカードで締めたいと思います。
それではサラダバー!!

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