GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
オマケもあるので最後までOK?
あの事件から半年後。
シュンヤを取り巻く環境は、目まぐるしく変化していた。
そんな中、極東に本部からのある通達が届く。
???
「悪い...後のことは頼んだ。」
「待ってください!意味が分かんないっすよ!」
「これはオレの問題だ...皆には迷惑かけたくない。」
そう言って彼は振り向くことなく歩き出した。
その背中に少年はぽつりと呟く。
「クロサキ先輩...」
+++++
嘆きの平原
「よし、これで終わりっと...」
一帯のアラガミを殲滅し終わり、俺は神機を肩に担ぎ一息つく。
「相変わらず天気悪いなここは...」
薄暗い雲が漂う空を見てため息をついた時、後ろから声を掛けられる。
「終わったみたいだな。シュンヤ。」
紫の帽子を目深にかぶった青年。ギルだった。
「はい、この辺にはもう反応は無いみたいです、隊長...。」
そう言ってから、しまったと思った。
ギルもバツが悪そうに頭を掻いている。
「代理だ...まだ、慣れねぇな...」
「もう半年ですか...」
俺は遠くの空にあの時のことを思い出す。
断片的だが俺の把握している範囲で話そうと思う。
半年前、ある事件が起きた。
レトロオラクル細胞を乗せた輸送機が、アメリカにあるクレイドルの本部前でアラガミの襲撃に遭い、
そのまま山中に墜落した。
この世界ではよくある話だが、この事件はある点で極めて重大な事件となった。
なぜなら、墜落した機体から細胞の入ったケースが発見されなかったからだ。
襲撃したアラガミが持ち去ったということは考えられない。
だとすると、第三者による犯行ということになるのだが...
そこまで回想して、ギルの呼び声で現実に戻ってきた。
「大丈夫か?」
ギルが心配そうに俺を見てくる。
どうやら俺はだいぶ上の空になっていたようだ。
「あ、はい...戻りますか。」
「そうだな。」
ギルは踵を返し俺の少し先を歩いて行く。
この半年で俺の周りの環境は少しずつ変化していった。
俺は今、ある理由でブラッドに所属している。
当然適正試験には合格し、俺の腕には赤い腕輪がはめられている。
俺は腕を上げ、透かすようにして腕輪を見つめる。
「どうなるんだろうな、これから...」
俺はボソッと呟きギルの後を追っていった。
+++++
アナグラ 支部長室
「じゃあ、報告書は出しておいてね。」
「わかりました。」
サカキへの任務報告を終えた俺はそのまま部屋をあとにしようとする。
「あ、少し待ってくれるかい?」
「へ?あ、はい。」
呼び止められた俺は振り向き首を傾げるが、すぐに真剣な顔になる。
サカキが複雑な表情で立っていたからだ。
その手には書類のようなものが握られている。
「今朝、フェンリル本部から送られてきたんだ...」
サカキから手渡された書類に目を落とした。
「...!そんな...」
そこに書いてあった内容は、俺を驚愕させるには十分だった。
-極東支部整備班所属『楠リッカ』ヲ重要参考人トシテ手配スルコトヲ決定ス-
思考が停止していた俺の肩をサカキが揺らす。
長い沈黙の後、サカキが口を開いた。
「本部の決定は絶対だ。覆すことは...難しいだろうね。」
「まだ、本部の奴らはリッカさんのことを...!」
俺は歯を食いしばり書類を握りつぶす。
「私は彼女を信じている。極東の皆もそうさ。
だが、状況はリッカ君に不利だ。」
そう言ってサカキは眼鏡を押し上げる。
あの事件の日。
リッカさんはクレイドルの本部で研究に協力する為に、襲撃された輸送機に乗り込んでいた。
そして、墜落した機体及び、その付近からリッカさんは発見されなかった。
辺りにはアラガミに捕食された乗組員の遺体が、散乱していたのにもかかわらずにだ。
リッカさんだけがそこから忽然と姿を消してしまった。
さらに、リッカさんの部屋の机の中から飛行ルートの資料などが発見されたことが、
ますます本部の彼女への疑いの目を強めてしまった。
未だに彼女の行方は知れず、生死すら定かではない。
「...皆は知ってるんですか?」
「まだ、知らせてないよ。...言わないつもりかい?」
俺は振り返り部屋の外へと歩いて行く。
「まだ皆動揺してるんです。これ以上、心配事は増やす必要なんてないです。」
「...分かった。皆には伏せておこう。...一人で抱え込むのはダメだからね。」
サカキは念を押すように静かに言った。
俺はサカキの言葉を背で受けながら、無言で部屋を後にした。
+++++
俺は部屋の前で佇んでいる。だが、自分の部屋ではない。
ブラッド隊隊長、俺の尊敬する先輩、クロサキ・レイジの部屋だった。
俺はノブに手をかけ部屋に入る。
鍵はかかっておらず部屋の中はひっそりとしていた。
意外と整理されている部屋はそのままの状態で残されている。
この部屋の主はここには居ない。
あの事件の二か月後、部屋に書置きを残して彼は姿を消した。
『後のことは頼む。』
あまりにも短い、たった一言の手紙だった。
リッカさんと同様に先輩の行方も分からずじまいだ。
だが、彼はそう簡単に死んだりはしない。
少なくとも極東の皆も俺もそう信じている。
薄暗い部屋を進み窓際のテーブルにたどり着く。
机の引き出しの中には、大切に箱にしまわれたペンダントがあった。
緑のオラクル輝石がキラキラと輝いている。
「先輩...」
俺はそれを取り出し月明かりに照らす。
実は皆には言っていないことが俺にはまだある。
先輩が姿を消す少し前、俺は先輩と話した。
先輩はあの事件以来、憑りつかれたようにアラガミを狩り続けていた。
当然のようにその顔は憔悴しきっていた。
二人だけでミッションに出た時、しばらく極東を空けることを聞いた。
俺は混乱してしまったが、先輩の真剣な目に何も言えなくなってしまった。
結局、引き留めることは叶わず今に至る。
俺はため息をついてペンダントを引き出しに戻す。
「俺達がしっかりしなくちゃな。」
自らを鼓舞するように呟き部屋を後にした。
今は悩んでいる時ではない。
アラガミの被害は未だに増え続けている。
誰かがそこで立ち止まれば、それだけ犠牲になる人が出てくる。
だから、俺達は戦わなくてはならない。
俺は自分に言い聞かせるようにして部屋へと戻った。
+++++
「君の研究には高額な投資をした。分かっているのか?ナルカミ君!」
恰幅の良い男は机を強く叩き、目の前のメガネをかけた男に訴える。
「分かっています。最良の結果をお見せすることをお約束しますよ。」
「...ふん。研究は進んでいるのか?」
ナルカミは調子を変えずに手元の端末をいじる。
「もちろんです。被検体にも異常はありませんし、メサイアの完成も間もなくです。」
「メサイアの前に試作していた奴はどうなった?」
「ああ、アレはすでに完成していますよ。データが揃い次第、すぐにでも。」
「圧倒的な軍事力が大きな利益を生み出す...それが私の考えだ。」
「ええ...存じてます。その為にも教導と調整を急げ、と。」
「分かっているじゃあないか...おっと、こんな時間か。
俺は会議があるのでな。くれぐれも頼むぞ。」
ナルカミの答えに男は満足すると部屋を出て行った。
男が出て行った扉をしばらく見つめ、セイガは椅子にもたれかかる。
「イゴールさん、支援感謝します。おかげで研究が進んでいますよ。」
先程出て行った男の名前を呟き、ナルカミはニヤリと笑う。
「しかし、人間というものは実に傲慢だ。
欲を求め、力を振りかざし、争いを巻き起こす...
やはりこの世界が可哀想だ...」
ナルカミは椅子ごと振り返り、背後にあった水槽のパネルを操作する。
「人々からこの世界を取り戻す。
この素晴らしい世界を、美しき母なる惑星を...」
水槽が下に降下し、代わりに現れたのは実験室を映したモニターだった。
ナルカミは画面に映し出されている人物に話しかける。
「その為には大いなる終末の儀式、そして救世主が必要だ。...そう思うだろ?」
「アイギス君...」
まずはお待たせして申し訳ありませんでした。
これからは週一ペースで更新していきたいと思います。
さて、初っ端から衝撃展開...あ、批判の声が聞こえる...
で、でもタグに鬱展開って書いたし...多少の覚悟はね。
それでも良ければこれからもよろしくお願いします。
あ、後感想の方もよろしくね♪
では次の話までサラダバー!
おまけ1
オリキャラの名前
アイギス、イゴール、ナルカミ...さて気付きましたか?シュンヤ?ああ...忘れてた。
おまけ2
リッカ可愛い(メガネ)
【挿絵表示】