GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
フライア 庭園
庭園の中の東屋に彼は座っていた。
「やっちまったな...」
右手をさすりながら、ギルは嘆いた。
自身の境遇を心得ているからこそ、何も知らずに問いかけてくるアイツにイラついてしまった。
「編入したてで問題起こすようじゃ、俺もまだまだだな...」
軽くため息をついた時だった。
「おーいたいた。」
声のした方を向く。
そこには、あの場所にいた少年が立っていた。
確か、ギルだったっけ?
「ああ、お前か...オレの処分が決まったのか?」
ギルが立ち上がる。
「いーや、今回の件は不問にするとさ。」
お、少し驚いてる。
「ジュリウス隊長からお前と先輩との関係の修復を頼まれちゃってな。」
「へぇ、そうかい...案外おせっかい焼きなんだな。」
少し呆れたように言われた。
オレはちょっとムッとしながら、
「オレだって面倒なんだよ...でも今日から一緒に戦う"仲間"だろ?」
仲間...
「そうかい...俺は、やるべきことを、やるべき時にやった。他意はないさ。
ま、配属早々、つまんないもの見せたことは詫びるよ。
あとでロミオにも謝っとくか...」
そう言う彼の顔は、最初とうって変わって穏やかだった。
「...そうだ、あの時は変な流れになっちまったから改めて言わせてくれ、
俺はギルバート・マクレイン、グラスゴー支部からの転属だ。
ブラッドになったのはつい先日だが、神機使いとしての経歴は5年
槍はそれなりに使う...よろしくな...」
「おう!オレはクロサキ・レイジだ。よろしくな!」
二人は握手を交わす。
と、クロサキが思い出したように言う。
「あぁ、忘れてた...先輩とオレとギルでミッションとりつけたから。」
「は?」
「互いを理解するなら、まずお互いの戦い方を見ないとな。
じゃ、早く準備しろよ!」
「えっ、あ、ちょっと待て。」
強引な奴、それがギルが抱いた最初の印象だった。
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フライア ロビー
「ギルとロミオの件、動いてくれたようだな。お前に任せて正解だった。」
二人とのミッションを終えてロビーで休んでいたオレに隊長が話しかけてきた。
「いや、そんな大したことしてないっすよ。それに...」
「お前はもう少し狙いを定めて撃て!俺に当てるつもりか?」
「お前がよければいいだろ!出しゃばりすぎなんだよ!」
「...まだあんな感じで...でも、この前よりはよくなりましたよ。」
「そうか...皆、お前と話をすると、どうも落ち着くらしいな。」
「オレとですか?」
「ロミオもナナも、口を揃えて言っていた...面白い奴だ。」
面むかって言われるとさすがに照れるな...
「またよろしく頼む。」
そう言う彼の顔も穏やかだった。
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フライア 出撃ゲート前
オレとギルがミッションを終えて歩いていると、
「ブラッドというのは、君たちか?」
と声をかけられた。
振り返ると、いかにも金持ちといった格好の男が立っていた。
「フフ、緊張するのも無理は無い...だが安心したまえ!
この僕が来たからには、心配は無用だッ!」
しばしの沈黙が流れる。
(めんどくさいのに捕まった...)
おそらく、ギルもそう思っているのだろう、明後日の方を向いている。
「おっと、失礼した...」
彼は構わず続ける。
「僕はエミール...栄えある、極東支部"第一部隊"所属!」
そう言うと、彼は優雅に舞いながら、
「エミール・フォン・シュトラスブルグだッ!」
さて、どうするか...
「なあ、ギル...コイツどうす」
頼れる兄貴分はそこにはおらず、いつの間にかエレベーターに乗っていた。
ガンバレよ、と親指を立てながら。
「このフライアは良い船だね...実に趣味が良い...」
うんざりするオレに構わずエミールはしゃべり続ける。
結局、この後一時間ほど話を聞き続ける羽目になった。
(後で、ギルは説教だ...)
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嘆きの鉄塔
ブラッドと増援の神機使い-エミール-との外部連携は滞りなく進んだ。
そのミッション時のことだった、
「あらかた片付いたか?」
「ああ、そうだな。」
ギルは前々から思っていた疑問をぶつけてみた。
「...クロサキ、お前どうしてそんなに強いんだ?」
彼とミッションに行くようになってから実感するようになった。
今回も、二体のウコンバサラの内、一体をものの一分ほどで片づけてしまった。
「ん、そうだな...オレ、ゴッドイーターになる前いろんな支部を渡り歩いてたから...
もっとも、その前から戦えてはいたんだけど...」
「?...それってどういう...」
ギルがその先を聞こうとした時だった、
「うぁぁぁぁぁあ!!」
どこからか、聞いたことのある声が響いた。
「この声は...」
声のした方を向くと、エミールが、取り逃したのであろうウコンバサラと交戦していた。
「闇の眷属ども...ここは、僕の!騎士道精神にかけて!お前を土に還してやる!」
勢いよく立ち向かっていくエミールだったが、
「どわぁぁぁぁあ!!」
あっけなく弾き返される。
「おのれ、なかなかやる...だが!今度はこちらの番だ!!」
勢いよく飛び出しては、弾き返される。そのくりかえしだった。
「ちっ、一人で突っ走りやがって...さっさと片付けるぞ。」
「こいつは僕に任せてくれ!僕の騎士道を、君たちに、示して見せる!」
そういうとまた向かっていく。
「悪いが、お前の騎士道とやらに付き合っている暇はないんでな、
さっさと終わらせてもらうぞ。」
業を煮やしたギルを制止する。
「まあ、待てって。」
「あぁ?」
「今ここでアイツを助けたら、アイツは成長しない...任せてやってくれよ。」
「...勝手にしろ。」
それにアイツは簡単に折れる奴じゃないさ、多分。
エミールはふらふらになりながら、目の前の敵を見据える。
「ゴ...ゴッドイーターの戦いは...ただの戦いではない...
この絶望の世において!神機使いは!人々の希望の依代だ!
正義が勝つから、民は明日を信じッ!正義が負けぬから皆、前を向いて生きるッ!
故に僕は...騎士は...絶対に、倒れるわけにはいかないのだ!!」
エミールが上空に跳びあがる。
そこからの一撃をウコンバサラの脳天に叩き付けた。
打ち所が良かったのか、ウコンバサラはよろめくと静かに倒れた。
「なっ!大丈夫だったろ。」
オレはギルを見る。
「...バカなりに筋は通った奴みたいだな。」
ギルも一応見直したようだ。
エミールは勝利を噛み締める。
「や...やったぞ!騎士の!騎士道精神の勝利だ!
うおおおおおおおお!」
拳を振り上げ叫ぶ。
廃墟に勝利の雄叫びがこだました。
(まぁ、あきらめない奴は強いってことかな。)
二人も自然と笑っていた。
いかがだったでしょうか。エミール面白いので少しカッコよくしてみました。
階段を転げ落ちるシーンは省いてしまいました。
さて、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、前書きはクロサキの過去を抽象的に綴ってます。
本文でも過去に少しふれましたね。彼の過去については後々ね...
次回は皆さんお待ちかね覚醒回ですよ!!...と言いたいところなんですが、
次は、説明回にしようかなと思ってます。すんません。