GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
なぜクロサキが姿を消したのかが明らかに。
失ったものの大きさは失ってから知る...良く言ったものだと思う。
まさにその通りだ。
オレの隣にいた彼女の笑顔はもう、無い。
あの事件以来オレは何かに取りつかれたようにアラガミを狩り続けた。
このどうしようもない喪失感を、何も出来ない自分自身への憤りを、なんとか誤魔化すために。
彼女は生きているのだろうか...
+++++
オレは薄暗い部屋で目を覚ました。
「また嫌な夢を見ちまったな...」
最近は一人でアラガミを狩るか、部屋に引きこもるかの繰り返しだ。
そう言えば皆にもしばらく会っていないな...元気だろうか。
オレは眠たい目をこすり洗面台へ向かう。
「ひでぇ顔だな...」
目の下には隈がはっきりと浮き出て、少し痩せたような気がする。
オレは鏡から目を背け、喉を潤してから机に向かう。
机の引き出しの中にはあのペンダントが入っていた。
リッカから貰った大切な宝物だ。
手に収まるぐらいの円錐状の緑の石がキラキラと光っていた。
「...なんで...」
自然と涙が零れてきた。
「なんで、居なくなっちまったんだよ...」
心の中では彼女を信じている。
でも、体が意志に反して彼女の存在を拒んでいた。
何度このペンダントを捨てようとしただろう。
そんなこと出来ないって分かってるのに...
「ちくしょう...リッカ...」
涙を拭おうとして、手からペンダントがするりと抜け落ちた。
「あ...」
慌てて拾い上げようとして、ふと気づいた。
「あれ...?これって...」
石とペンダントを繋ぐ金具が外れている。
その金具に何か板のようなものがついていた。
どうやら今まで石の中に収納されていて気付かなかったようだ。
「これは...USBか...?」
どうしてこんなものがここに...
そう思いつつ、部屋の隅にあるターミナルにUSBを接続する。
中に添付されていたのは...
「データと...動画?」
まずはデータの方に目を通す。
「これは...!」
本部の不審な金の流れ、研究所で研究されている神機兵。
そして、ナルカミ・リュウという男の資料。
「一人で調べたのか...」
確かに技術屋という仕事なら、研究者とも通ずるところがある。
情報を集めるのは難しくはないだろう。
「もしかして、リッカはオレにこのことを...?」
そう言えば、リッカにこのペンダントを貰ってから、一度だけ紛失した時があった。
あの時は気にも留めなかったが、
無くしたのもリッカの部屋で、見つけてくれたのもリッカだった。
おそらくその時に細工をしたのだと思う。
「あ、そうだ...」
オレは一緒に添付されていた動画ファイルを開く。
画面に映し出されたのはリッカからのメッセージだった。
こんにちは、っていうのも変かな?
リッカです。
レイジ君がこれを見ているということは、私はそこには居ないということかな。
だから、君に情報を託します。
本当は直接伝えられれば良かったんだけど、しつこく脅されて時間がなかったの。
君に迷惑かけたくなくて...だからこうしてデータに残しました。
「そうか。あの時ぶつかったのは本部の奴だったのか...」
オレはリッカの部屋から飛び出してきた男を思い出す。
顔は直接は見ていないが、おそらくそうだ。
~~~~~~というのが今の所、私が調べて分かったこと。
ナルカミという男は本当に危険な人だから、絶対に止めてね。
君ならやってくれるって信じてるから。
「リッカ...」
最後に、ゴメンね。
君に迷惑かけないつもりだったのに、結果的に大事になっちゃって...
ホントにダメだね私。
もし、これを読み終わっても私のことなんか探さないでね。
君にはもっと大事な使命があるんだから。
それに私なんかより良い人が沢山居るんだから、私のことなんか忘れて頑張ってね。
だから、だから...助けてレイジ君。
私...レイジ君に会いたいよ...!
ボロボロと泣き出すリッカ。
その姿に彼女を疑おうとした自分を許せなくなる。
「会いたいのはこっちも同じだ...リッカ...!」
グス...私、信じてるからレイジ君とまた会えること。
だから、絶対止めてね。
...愛してるレイジ君。
そこで動画は終わった。
+++++
クロサキは画面が暗転したターミナルの前にたたずんでいた。
その目には決意が見て取れた。
「愛してるぜ、リッカ。」
そう呟くと、ペンダントを元に戻し、机に奥に大切にしまう。
「必ず見つけてやるからな。」
たとえ、どんなことがあろうと彼女を護ると決めたのは自分だ。
もうどうしようもない喪失感や後悔などない。
それから二日後の夜のこと。
クロサキは荷物をまとめ部屋を出た。
皆には迷惑を掛けられない。
ブラッドの皆には言わずに行こうと決めていた。
「また、ギルに怒られちまうな...」
苦笑いを浮かべられる余裕があるだけ、彼女の言葉は救いだった。
何はともあれまずは、情報集めだ。
リッカのこともそうだが、本部の不信な動きについても調べなくてはならない。
「行ってくる...!」
出撃ゲートから支部を眺め、クロサキはそう呟いた。
というわけでいかがでした?
番外編なので短めに。
ちゃんと補足できたでしょうか?
ちなみに#46.9前からリッカは脅されていました。
内容は協力しないとクロサキが死ぬという内容です。
実際、強力な神機兵が極東に現れましたね。
設定ではクロサキと互角かそれ以上のスペックを持っています。
というわけで久しぶりの番外編でした。
内容におかしい所があれば教えてください。
それでは、来週までサラダバー!