GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
追記:内容を若干変更しました。
まあ、結局は変わってないけど。
鉄塔の森
(シエル?)
ふと何かを感じ、ギルは辺りを見渡す。
「どうしたんですか?」
「いや、何でもない。」
シュンヤは不思議そうな顔を見せるが、そのまま歩いて行く。
(気のせいか...)
そう思いつつ、ギルは妙な胸騒ぎを覚えた。
+++++
黎明の亡都
「うっ...」
「大丈夫ですか!シエルさん!」
シエルの右腕からは絶えず血が流れていた。
「だ、大丈夫です。」
腕だけで済んだのは、目の前のエリナのおかげだろう。
近くでアラガミの討伐にあたっていた彼女は、アシュタロスの姿を見つけ偵察していたところ、
シエルとナナが襲われている所にたどり着いたそうだ。
「とにかくコイツをどうにかしないと...!ナナさんお願いします!」
「分かった!」
ナナはアシュタロスの背後に回り、こちらに向かってくる。
どうにかする言ったものの、シエルを助けた銃撃はアシュタロスがこちらに気付いていなかったから出来たものだ。
あの反応スピードでは、次の銃撃が当たるかどうかは分からない。
考えている間にもアシュタロスは距離を詰めてくる。
迷っている暇などなかった。
「はぁぁぁぁあ!!」
エリナは神機を突出し、果敢に挑んでいった。
エリナの実力は配属当時とは比べ物にならないほど成長していた。
第一部隊の隊長を任されたのも、その実力を認められたからだろう。
だが、目の前の相手はその実力をいとも容易く打ち砕く。
「コイツ...!」
エリナのスピアーから繰り出される突きは胴体を掠めるばかりで、決定打には至らない。
その巨体を縦横無尽に揺らし、エリナを徐々に追いつめてくる。
『キシャァァァァァ!!』
「きゃっ!!」
チャージグラインドが外れたところに、すかさず体当たりを仕掛けてきた。
エリナは体制を崩され、そのまま弾き飛ばされる。
地面を転がるエリナは打ち所が悪かったのか、呻くばかりで立ち上がれない。
「させないよ!」
今度はナナがエリナとアシュタロスの間に割って入る。
実力の差は分かっている。
だが、何もしないわけにはいかない。
「せやぁぁぁぁぁぁ!!」
懐に入り込み、ナナのハンマーが腹部に炸裂する。
しかし、ハンマーの重い一撃をもってしても、アシュタロスは一瞬怯む素振りを見せるだけで、
すぐに鋭い鎌で地面を抉ってくる。
「きゃあっ!!」
ナナまでもがその力に負け、同様に吹き飛ばされる。
「ナナさん!エリナさん!」
シエルは神機を構えようとするが、腕に力が入らない。
このままでは全滅する...!
今この場に戦えそうな者はいない。
ならば、自分のすべきことは一つ。
「こっちです!!」
「シエルちゃん!」
シエルは腕を庇いながら、二人とは逆方向に走り出す。
アシュタロスもそれに気づき、その姿を追いかけようとする。
「今の内に!逃げてください!」
囮になり二人を逃がす。
それがシエルの考えた最善の策だった。
狙い通りアシュタロスはシエルの後を追いかけてきた。
シエルは二人の叫びを背で受けながら、廃墟の奥へと走って行く。
「これなら...!」
二人の姿が見えなったのを確認すると、近くの岩陰に隠れる。
アシュタロスはその横をズルズルと音をたてながら過ぎて行った。
「......」
引きずる音が小さくなり、アシュタロスの姿が見えなくなった。
シエルは岩肌に寄りかかり体を休める。
腕の出血はいまだに止まらず、意識が朦朧としてきた。
止血をしようにも体が思うように動かない。
「また、怒られてしまいますね...」
ずっと前、同じような経験があった。
課せられた任務を優先し、一人その場に待機したあの任務。
あれのおかげで仲間を信頼し、頼ることを覚えた。
軍人として孤独に生きる私に、気がつけば沢山の大切なものが増えていた。
自分を受けて入れてくれた大切な仲間たち。
心を落ち着かせられる我が家のような場所。
そして、私の大事な人。
「まるで走馬灯みたい...」
人は死ぬ瞬間に自らの人生を思い出すのだという。
だとすると自分はここで死ぬのだろうか?
自然と後悔はなかった。
皆に会えて、仲間の為にその命を捧げたのだ。
人としてこれ以上の功績はないだろう。
でも一つだけ心残りがあるとすれば、最後に皆に会いたい。
ただそれだけだった。
「ごめんなさい...皆...ギル...」
シエルの頬をゆっくりと涙が伝った。
その時、何かの気配が近づいてくるのを感じた。
アシュタロスが戻ってきたと思ったが、どうやら違うようだ。
朦朧とする意識の中で、シエルが最後に見たのは自分を見下ろす大きな影だった。
「神機兵...?」
その赤い眼に見守られながら、シエルの意識は闇の中へと溶けていった
+++++
アナグラ 支部長室
シエルとナナがアシュタロスと接触する数時間前。
支部長室にはサカキと見慣れない二人の男が立っていた。
「よく来てくれたね二人とも!
今回は召集に応じてくれてありがとう!」
「只ならぬサカキさんの頼みなら、この真田どこでも駆けつけますから!」
「暑苦しいぞ筋肉バカ。俺達第二支部も精一杯協力させてもらいますよ。」
二人の言葉にサカキは満足げに頷く。
「ところで、俺達が呼ばれたって事は、そうとうヤバい状況ってことですか?」
「うむ。どうやらアラガミがここに集まりつつある。
今の戦力では対応しきれない。そう思って君たち呼んだんだ。」
「うん!!腕が鳴るぞ!」
「よろしく頼むよ。真田君、テオ君。」
二人はそれぞれに頭を下げると部屋を後にした。
サカキは椅子に腰かけ難しい顔で考え事を始める。
(極東にアラガミを仕向けているということは、やはり何か狙いが...?
終末捕食関連、それとも別の目的が...)
今回二つの支部から神機使いの呼んだのも、本部の脅威からここを護るためだ。
だが、その本部の狙いはいまだにはっきりしない。
この判断は間違っていないと信じたい。
サカキはそればかりを考えていた。
新キャラをちょっとだけ出しました。
本格的な登場は次回以降になりますかね。
ちなみに今回分。
真田リュウ 極東第三支部
戦闘部隊 部隊長 バスター使い
テオドア・ボルサリーノ 極東第二支部
第一部隊 隊長 スピアー使い
後、二人ですか...大変だな。
まあ、次回をお楽しみに。
サラダバー!
え?説明してないことがあるって?
....あえて触れないようにしてるんです。