GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
アナグラ ラウンジ
俺達は目の前の画面に映し出された男に目を奪われていた。
全ての元凶、この事件の首謀者とも言えるであろうその男に。
『私はここに宣言しよう。』
彼-ナルカミ・リュウ-は全てを嘲笑うかの如く無邪気な笑みを浮かべる。
『一か月でこの世界を終わらせる...と。』
+++++
アナグラ ラウンジ 数時間前
「あー!!もう我慢できない!!」
一際大きな声を上げているのはマリアだ。
その目の前でナナがあわあわしている。
「マ、マリアさん...そんなに大声出さなくても。」
「だって気になるのよ!その恰好!」
マリアはビシッとナナを指さす。
「そんなに肌をさらけ出して、それに胸も...」
マリアは視線を下ろし、次に自らの体に視線を落とす。
まな板のように膨らみの無い体に、マリアは大きくため息をついた。
「でも...私は気にしないんだけどなぁ...」
「私が気にするのよ!」
「そんな無茶苦茶なぁ...」
無理やりナナを引っ張って行こうとするマリアの頭上に、鋭い手刀が降りてくる。
「痛い!?」
「ナナさんが迷惑がっているだろう。」
やれやれといった表情でテオが現れる。
このような状況にはいつも遭遇しているらしく、テオは慣れた口調でマリアをたしなめる。
「服装ぐらい自由なんだ。お前が口出しすることないだろう?」
「だからってこんな恰好は目に毒に決まってるじゃない!」
「目に毒にならない体型だからって逆恨みも...」
「あああ!!言ったわね!もう、久しぶりに切れてしまったわ...」
「お前は常にやかましいな...」
二人のやり取りを呆然と見ていたナナが、ふと、我に返りその場を収めようとする。
ここで二人の様子を見ていて気になったことを口にだす。
「...あの、二人って...付き合ってるの?」
二人の動きが硬直する。
マリアに至っては顔が引きつっている。
ナナから見れば二人のやり取りは、恋人同士の痴話喧嘩に見えたのだろう。
「あれ?」
「そ、そんな訳ないでしょ!誰がこんなでくの坊と...!」
「付き合ってるよ。」
「はあああああ!?」
取り乱すマリアに対し、テオはいたって冷静だ。
「付き合いだしてからもこんな感じだから、俺も大変でな。
全く、どうしてこう...素直になれないのか...」
「な、な、なな...」
マリアの顔が憤怒から羞恥の顔に変わって行く。
すでにゆでだこの様に真っ赤だ。
「ちなみに告白してきたのはマリアのほ」
「いやぁぁぁぁぁぁあ!!!」
ついに我慢の限界に達してしまったらしい。
マリアは真っ赤な顔を押えながら、ラウンジの外へ一目散に走り出していってしまった。
「とまぁ、こんな感じに当たりはキツイが面白い奴だから、仲良くしてやってほしい。」
「は、はい!」
ナナの返事にテオは嬉しそうに微笑む。
そして、猛スピードで駆けて行ったマリアを追いかけようとした時だった。
「あれ~おっかしいなぁ...」
声がした方を見ると、ラウンジのテレビの前でコウタが首をひねっている。
「どうしたの?コウタさん。」
ナナの呼びかけにコウタが気付く。
テオも足を止め、コウタのもとに向かった。
「いやさ、バガラリー見ようと思ったんだけど...
なんか、どのチャンネルも画面が映んないんだよね」
「ん~?」
ナナがチャンネルを手に取り、手当たり次第にリモコンを操作する。
しかし、どのチャンネルも黒い画面を映すばかりで一向に番組は始まらない。
「アンテナの故障か?」
「なんだよ~せっかく再放送楽しみにしてたのによ...」
コウタが唇を尖らせながら、不満そうに電源を切ろうとした時だった。
「ちょっと待って!」
ナナが慌てて止めに入る。
「!なんか映ったぞ。」
黒い画面が徐々に鮮明になっていく。
「誰だ...?」
画面には眼鏡を掛けた銀髪の男が現れた。
+++++
アナグラ 訓練室
「ふん!」
「せい!」
ロングブレードとバスターブレードが火花を散らしながらぶつかり合う。
リーチ・攻撃力、速度に違いはあれど互角の勝負だ。
「はい。五分終了です。」
暇そうに壁に寄りかかっていたユウキが告げる。
向かい合っていた二人が神機をゆっくりと降ろした。
「うむ。なかなかの身のこなし。
リーチの差を機動力で埋めてくるとは、なかなかの腕前だ。」
「いや、そんなことは無いっすよ。」
謙遜する俺に、ユウキが近づいてくる。
「いや、実際スゴイと思うよ。
バスター相手にあそこまで深く切り込める度胸がある奴はそういない。」
(褒められてる...んだよな?)
なんとも微妙な表情をする俺に、リュウはガッハッハッハと笑いかけてくる。
「口下手な奴ですまなんだ。
これでもお前のこと評価してるんだぞ。」
「うるさいです。」
めんどくさそうに顔を背けるユウキに、リュウは相も変わらず大声で笑い続ける。
不思議な人たちだなぁ、と考えていると...
ぐぎゅるるるる。
「む。俺だ。」
そういえば朝からぶっ通しで訓練室に籠っていたのを忘れていた。
時間的には昼ごろだったのでちょうどいい時間だろう。
「じゃあ、昼にしよう。」
ユウキはそう言うとそそくさと訓練室を出て行く。
「俺達もいくとしよう。」
「あ、ちょっと待っていてください。」
俺はリュウにそう告げると、訓練室の隅へ目を向ける。
「おーいベル!お前も来るかぁ?」
隅で丸まっていた白い塊が、声に反応するようにしてムクリと起き上がる。
ベルは大きくあくびをすると、
「ガゥッ!」
と、一回大きく吠えてこちらに歩み寄ってくる。
「よーしよーし。」
首元を撫でると、ベルは気持ちよさそうに体を摺り寄せてくる。
「ほぉ...よく懐いているものだな。」
リュウは驚いた様子で、ベルを見ている。
「はい。ここまで懐くようになったのも先輩のおかげですよ。」
「先輩...か。」
「あの人がコイツを拾ってきて、ここまで育ててくれたんです。
今ではここのマスコットキャラクターみたいなもんですよ。」
大型犬程だったベルも今では、オウガテイル並に大きくなった。
クロサキが居なくなった時は、エサも食べずやせ細って行ったが、
最近では元気をとりもどし、皆と触れ合ったり特訓相手になったりしている。
「先、行っちゃいますよ?」
ユウキがやれやれといった感じで呼んでくる。
「おっと、行きますか。」
リュウと俺はベルを連れて訓練室をあとにした。
「マリアは何を走っているんだ?」
「さぁ?」
ラウンジの扉を開けると、みんながテレビの前に集まっていた。
「あ、シュン君こっちこっち。」
ナナがこちらに気付いたらしく、手を振って呼んでいる。
皆のもとに向かうと、テレビ画面に目がいった。
どこかで見たような男が画面に映し出されていた。
(確かこの人は...ナルカミ)
レア博士と会った時に写真を見たはずだ。
記憶を辿ろうとする俺を遮るかのように、男が口を開く。
男の口から語られた言葉は俺達を驚かせるには十分だった。
『私は人間が嫌いだ。
傲慢で、強欲で、破壊的で、エゴの塊である人間が...
私はそんな人間から世界を護りたいと思っている。
この美しき母なる地球、それを汚れた人間が手を加えていいはずがない。
そう、私はここに宣言しよう。
一か月でこの世界を終わらせる...と。
そして、この世界を必ず救って見せよう。』
「なんだよこれ...」
テレビの前で皆が唖然としている。
俺も途中から思考が追い付いていない。
「どうやら、全世界に一斉配信されているようですね。
恐らく電波ジャックでしょう。」
シエルは戸惑いを抑えながらそう言った。
「だとしても、訳分かんねえよ。」
『意味が分からないと思うものも多いだろう。
だが、すでに準備は整いつつある。これを見たまえ。』
新たに画面に映し出されたものに、俺達はまた驚愕する。
おそらくどこかの格納庫であろう場所の映像。
そこには百を超えるであろう神機兵が鎮座していた。
所々修復してあるところを見ると、おそらく先の戦いで遭遇した改造神機兵だろう。
大型のものから、人間サイズの小型な神機兵もいる。
俺達が画面に釘付けになっていると、画面が切り替わりナルカミの姿が映し出される。
『人間などに頼らずとも、世界は進化を迎えることが出来る。
アラガミという圧倒的な力をモノにした今。
私は新たな未来を切り開く時が来たと、そう考えたのだ。
....では、世界を終わらせようか。
手始めに私が本気であるということを証明しよう。
それでは、この世界に良き終末が訪れんことを...』
そこで映像は途切れ、代わりにバガラリーのEDが流れる。
誰一人口を開かず、ラウンジは静寂に包まれる。
ナナが不安そうな顔で静かに手を握ってきた。
俺は大丈夫だ、とその手を握り返す。
その時勢いよくラウンジの扉が開き、ヒバリが入ってくる。
「た、大変です!」
その声と顔は焦りの色が見えた。
「どうした!」
ヒバリは息を整えると、こちらをみて言う。
「本部が、フェンリル本部が爆破されました。」
テレビ画面は別番組に切り替わり、緊急ニュースを伝えていた。
その内容は見るまでもなく明らかだった。
+++++
???? 研究室
「どういうことだね!」
怒気に満ちた様子でイゴールが声を上げる。
ナルカミは平然とした態度で、コーヒーを啜る。
「どうもこうもテレビで見たでしょう。
私は世界を終わらせる。それだけです。」
「な...貴様、私がどれほどの出資をしたと思っている!
アラガミの力だぁ?人間が嫌いだぁ?
何をバカなことを!貴様も人間だろうが!
さっさと発言を撤回しろ!」
ナルカミは冷めた目でイゴールを見る。
「私は貴方には感謝しているんですよ。
ですが、すでにあんたの役目は終わった。
...少し早いですがチケットを渡しておきますよ。」
「チケットだと...?」
怪訝な顔をするイゴールの前にナルカミが立つ。
「そうだ、イゴールさん。
あんたは一つ勘違いをしていますよ。」
「なんのこ」
イゴールが言葉を綴る途中で、その体は壁に押しやられていた。
「が...ぁ...」
脂肪で丸まると太った腹部には、おおよそ人のものとは思えない異形の腕が深々と突き刺さっていた。
イゴールは口からドバっと血を吐き出す。
「おれはすでに人間じゃありませんだよ。
すでにアラガミとして肉体が変貌してるんですだよ。」
ナルカミは腕を引き抜き、床に転がるイゴールにそっと告げた。
「ようこそ。理想郷ユートピアへ。」
はい。という訳でいかがでしたでしょうか?
なんか訳分かんなくなってきちゃったな...
ご意見ご感想お願いします。
下のはちょっとした補足説明とただの妄想。
・キャラについて
本文中の呼称
結城マコト→ユウキ
真田リュウ→リュウ
テオドア・ボルサリーノ→テオ
マリア・デリンジャー→マリア
ナルカミ・リュウ→ナルカミ
・キャラについて2
-ベル-
極東第二、第三にも通達済み。
他にはまだ極秘事項。
-ラケル-
極東からレアのもとへ。
現在すくすくと成長中。
・妄想
クロサキ→おまけ絵参考・細谷佳正
シュンヤ→リボーンのコロネロ(大人Ver)・梶裕貴
ユウキ→ペルソナ
リュウ→鉄拳のリュウ・石塚運昇さん
テオ→黒執事のバルド(料理長?)・小野D
マリア→皆の想像で自由に・日笠陽子(中の人も無いか...)
ナルカミ→ペルソナ・遊佐浩二
豪華やな...
あくまで作者の勝手な妄想なのであしからず。