GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
今回はちゃんと戦います。
贖罪の街 外れ
「こちらブラッド1、標的と接触した。交戦を開始する。」
-了解しました。他の皆さんも交戦中です。-
「分かった。こっちが片付いたらギルさん達と合流する。」
通信機を切り、神機を構えなおして前を見た。
突然現れたマルドゥークを相手取ってるうちに、皆から離されてしまった。
横で地に伏しているマルドゥークを一瞥する。
(皆と合流するためにも、この場をさっさと切り抜ける。)
一、二、...目視で数えただけでざっと十数体といったところか。
関節から蒸気を吹き出した神機兵が、赤い眼でこちらを睨みつける。
だいぶ前の話になるが、一度だけ一対多の戦闘を経験した時がある。
もっとも、相手は人間だったが。
「懐かしいなぁ...なんか。」
ニヤリと笑う。
最近では見せなくなったあのころの笑みだった。
危機的な状況にも関わらず、血が滾るような感覚を覚えた。
「さて、殺りますか...」
目の前の神機兵に剣を振りかざし、俺は地面を蹴った。
+++++
嘆きの平原
「嫌な風ね。だからココ嫌いなのよ。」
マリアはコンゴウの頭から神機を抜き取ると、ブツブツと呟く。
「マリアさんも嘆きの平げ」
「それ以上言ったら顔面削ぐわよ。」
ユウキの一言を聞き逃さなかったマリアが、ショートを鼻先に突きつける。
(あ、目が本気だ...)
「冗談ですよ...」
「なら、良いわ。」
神機を下ろすマリアを見て、ユウキは安堵する。
(単純で良かった...)
「そっちも終わったか。」
神機兵を殲滅し終えたテオとリュウが戻ってきた。
傷一つ無い所を見ると、そこまで手こずった訳でもないらしい。
「ふむ。あまり手ごたえがなかったのぉ。」
「外れ引いたか...」
「僕はそれで良いんですけど...」
「ちょっと、あんたらねぇ。」
マリアとユウキが二人に近づこうとした時だった。
『!!?』
地鳴りと共に間の地面が割れ、そこからアシュタロスが現れる。
「キチチチチチチ...」
体をくねらせながらアシュタロスは威嚇する。
が、テオ達は一切堪えない。
「やっと、骨があるやつが出てきたな。」
テオが飛び上がりアシュタロスの眼前に躍り出る。
突然のことにアシュタロスは目を丸くするが、すぐに視界が闇に包まれる。
右目をテオのスピアーの突きが潰し、もう片方の目にユウキのバレットが命中したのだ。
視界を奪われたアシュタロスは金切り声をあげながら大暴れする。
土煙をあげながら、両手の鎌で地面を抉って行く。
「キチャァァァァァァァ!!!」
「うるさい虫じゃ!」
鎌の攻撃を掻い潜り、リュウが懐でバスターを振りかぶる。
大きく振り下ろされた一撃は鈍い音と共にアシュタロスに衝撃を伝えた。
「キェァッ...!」
アシュタロスの動きが一瞬止まる。
だが、その一瞬で十分だった。
「うぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
テオが頭上からチャージしたスピアーで頭部を串刺しにしながら、勢いのまま地面まで持っていく。
地面に着くギリギリでテオが離脱し、今度はリュウがバスターで頭部をかちあげる。
すでにアシュタロスの顔面は結合崩壊を起こし、ふらふらと体を起こしたままでいる。
「倒れることも許さないとか、さすがに可哀想になってくるわ。」
マリアは半分ボー然としながら、二人の戦いを見ている。
「で、偉そうなこと言っといて、自分は何もしないと...」
「何よ。あんただって」
「僕は左目潰しました...」
引っ叩いてやろうかという気持ちをグッと堪える。
「良いのよ。どうせあいつらだけでどうにかなるし。」
「まあ、そうですね...」
可愛げのない隣の少年を睨んでいると、
「いやぁ、戦った戦った!!」
「あらかた片付いたな。」
大笑いするリュウと、テオが戻ってきた。
後方には見るも無残な姿のアシュタロスが転がっていた。
幾ら装置のお陰で神機の弱体化を防いだとはいえ、アシュタロスはそうとうの強敵のはず。
それをものの数分で屍に変える辺り、この二人はやはり化け物なのだろう。
「ん?どうしたんだ、マリア?」
テオを見つめる彼女の視線に彼が気付いたようだ。
「な、なんでも無いわよ!」
「?」
さっと顔を背けるマリアの様子を見て、ユウキは笑いを抑えるのに必死だった。
-皆さん、聞こえますか。-
ここで、フランからの通信が入る。
「ああ、聞こえている。」
-付近のアラガミの反応が全て無くなったので、他のエリアに支援をお願いします。-
「了解した。皆聞いたよな。」
テオの言葉に皆が頷く。
「じゃあ、俺とマリアは贖罪の街に、ユウキとリュウは黎明の亡都に向かってくれ。」
言葉は交わさず目くばせだけで意思疎通を図ると、二手に分かれて走り出した。
+++++
贖罪の街 廃墟内
「ゴァァァァァ!!」
神機兵の叫びと共に、その胴体と頭が引き離される。
「はしゃぐなよ...」
崩れ落ちる巨体の前にシュンヤは静かに降り立つ。
「後は...三体か。」
振り向き辺りを見渡す。
わずかに瓦礫を踏む音がする。
(奥に一体、外にも一体...そして、)
「上から一体...!」
頭上の天井の穴から神機兵が剣先を向けながら飛び降りてくる。
「ゴァァァァァ!!」
奇襲を狙ったつもりだったのだろうが、シュンヤはすでにその動きを読んでいた。
神機の剣先で落ちてくる神機兵の攻撃をいなし、そのまま顔面を串刺しにする。
「うぉああああああ!!!」
神機兵が刺さったままの神機を振り回し、その勢いのままに奥の部屋の壁に打ち付ける。
轟音と共に壁が崩れ、神機兵の体が崩れた瓦礫に飲まれる。
偶然にも奥にいた神機兵も巻き込んだようだ。
「おお、ラッキーラッキー。」
瓦礫の中から神機兵が立ち上がるが、片方はすでに体から火花を散らしている。
「タフだねぇ...」
そう呟いた瞬間、神機兵の目の前からシュンヤの姿が消える。
停止寸前だった神機兵は気付く間もなく体を切り裂かれ、地面に倒れこむ。
もう一体の神機兵はシュンヤの姿をカメラで探すが見当たらない。
が、突然カメラの映像が途切れる。
シュンヤが神機兵の頭部を後ろから貫いたのだった。
「じゃあな。」
シュンヤは感情のこもっていない目で、一切の迷いも見せずに神機兵の体を切り下した。
「ふう。」
屍となった神機兵の体に腰をおろす。
「感情殺すと楽で良いな。」
無心になって戦うというのは、昔教えられたことだった。
相手に慈悲を与えないというのが本当だが、相手が機械なら別だ。
ましてや複数の敵を相手取るならこの方が効率的だと思う。
「でも、なんか変だよな...」
シュンヤは神機兵の戦い方に少し疑問を感じていた。
あの数なら一斉に襲い掛かった方が良かったはず。
たぶん、一人で同時に相手していたらただでは済まなかっただろう。
「まあ、考えても仕方ないか。皆と合流しよ。」
シュンヤは神機兵から飛び降りると、入口へと歩いて行った。
+++++
「上か!?」
ギルが気配を察知し上を向く。
天井に張り付いていた巨大な影が蠢く。
「大丈夫ですか、ナナさん!」
「う、うん...」
シエルがナナの体を起こす。
その体には白く細い糸が絡みついていた。
はいどーも。
久しぶりの戦闘描写。
やっぱり難しいですねぇ...頑張ります。
描写に関してのご意見ご感想お待ちしてます。
さて、次回は新アラガミの登場です。
ラストにも影だけ出ましたね。
まあ、モチーフとなった生き物は分かりますよね?
挿絵が出来上がるまで、サラダバー!
P.S.
なんと!うちのクロサキが出張するらしいです。
楽しみですねぇ。
(希望を打ち砕くのが、俺のファンサービ》以下略)