GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
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アメリカ支部 談話室
「本当に当たるんですか?」
「ああ、俺の占いは外れない。」
訝しげに尋ねるアリサに、目の前の男は冷静に告げる。
二人を挟んだテーブルの上にはタロットカードが広がっている。
「確かにチャーリーの占いは外れたことがないなぁ。
俺の嫁さんの腹の中の子供の性別まで当てちまったからな。」
リンドウはそう言ってあっけらかんと笑う。
「そう言えば、レン君はお兄ちゃんになるんでしたよね。
おめでとうございます。」
「おうよ。早く会いたいって大はしゃぎしてたな。」
嬉しそうに笑うリンドウの目はとても優しげだった。
「元気な子が生まれてくる。断言するよ。」
「おお!チャーリーが言うんだったら間違いないな。」
チャーリーはフッと笑うと、今度はアリサに目を向ける。
「君も占ってあげよう。」
「え、私ですか?」
始めは疑っていたが、リンドウの話を聞いている内に興味がわいてきた。
占ってもらっても損は無いだろう。
(変なこと言われたら信じなければ良いし。)
「じゃあ、お願いします。」
アリサは椅子に座り直しチャーリーを見る。
「さて...」
チャーリーは深く深呼吸すると、タロットをシャッフルし一枚ずつ広げていく。
素人目には分からないので、アリサもリンドウも口を挟まずただ見つめる。
全てのカードが広げ終わった所でチャーリーが口を開く。
「ふむ、なかなか悪くない。
今日の君には幸運がついてくるようだ。」
「幸運ですか?」
「別れもまた新たな幸せにつながる、って感じかな。」
「はぁ...」
アリサは感嘆の息を漏らす。
もう少し詳しく聞こうとアリサが口を拓こうとした時、談話室にアイギスが入ってきた。
「なんだ、ここに居たのか。
もうすぐ、ヘリの時間だぞ。」
アリサはハッとした顔で時計を見る。
「もうそんな時間だったんですね...!荷物とってこないと。」
アリサは席を立つと、
「チャーリーさん、ありがとうございました。」
とお礼を言って談話室を後にしていってしまった。
「秘密、未来、苦悩...か。」
「ん?」
チャーリーはボソッと呟く。
「ああ、いやなんでもない。
...そうだ、アイギス君のことも占ってたんだ。」
「俺も?」
首を傾げるアイギスに、タロットをしまいながらチャーリーは続ける。
「別れの後の、新たな出会い...だそうだ。」
「出会いねぇ。」
「新たな彼女出現か?」
「それ、絶対にアリサの前で言わないでくださいよ...」
呑気に笑うリンドウに、アイギスは苦笑いで釘を刺した。
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アメリカ支部 出撃ゲート
プロペラを回しいつでも飛べるといった状態のヘリ。
いざ乗り込もうとした時、アイギスに呼び止められた。
息を切らしている所を見るとそうとう急いできたようだ。
「リーダー...!どうしたんですか?」
「ああ...渡したいものがあって走ってきた。」
アイギスが懐から出したのは小さな箱。
中には女神の姿が描かれた銀のペンダントだった。
「これ、私に...?」
「ああ、またしばらく会えないだろうから。
せめて、俺のペンダント預かってて欲しいんだ。」
少し照れくさそうにアイギスは手渡してきた。
「嬉しいです...絶対、大切にしますから。
...あの、着けてもらえますか?」
「ああ。」
アリサの首に手を回しペンダントを首に下げる。
しばらくペンダントを眺めていたアリサ。
満足そうにその様子を見ていたアイギスに気付き、慌てて彼に向き直る。
「次はロシアだっけ。」
「はい。そこの居住区で支援活動を。
それに、両親のお墓参りにも行きたいので。」
「そうか...俺もいつか行かなくちゃな。」
「お待ちしてます。一緒に見て回りたい所もありますから。」
そう言うとアリサは静かに微笑んだ。
アリサの乗ったヘリが空高く浮上していく。
小さくなっていく影をアイギスは、その姿が見えなくなるまで眺めていた。
+++++
アメリカ支部 食堂
職員が帰宅し静まり返った食堂。
その片隅では二人の男が酒を酌み交わしていた。
空になったアイギスのグラスに、リンドウが酒を注ぎたす。
「お前、これからどうするんだ?」
「どうするって何がですか?」
首を傾げるアイギスに、リンドウは呆れた様子で続ける。
「何ってアリサのことに決まってんだろ。
お前らもいい年なんだし、さっさと結婚しちまえよ。」
「さっさとって...俺に結婚はむりですよ。」
アイギスはコップの中身を飲み干し苦笑いする。
「結婚は良いぞ~子供も可愛いしな。
まぁ、サクヤは怖いが...」
「サクヤさんの性格だと、リンドウさんが尻に敷かれるのは皆が分かってましたからね。」
「お前、多分人のこと言えないぞ。」
呆れ顔のリンドウにアイギスはカラカラと笑う。
「それに、俺にはゴッドイーターとしてやることがありますからね。
イギリス支部にいるシュンヤのことも、これからもっと鍛えてやらないと。」
「あいつか...最初お前が連れてきたときはどうなることかと思ったぜ。
誰とも話さないわ、逃げ出そうとするわで。」
「でも、今じゃアイツもだいぶ変わりましたよ。
俺が鍛えただけの甲斐はありましたね。」
アイギスは満足そうにうなずく。
「まあ、そうだな。
もうすぐアイツも適正試験受けるだろうから、そっからはクレイドルの正式なメンバーだ。
お前には嫌でも働いてもらわねぇとな。」
「分かってますよ。
だから、俺はまだ家庭を持つ気はないですよ。」
そう言って、アイギスは立ち上がる。
「じゃあ、俺はもう寝ますよ。」
「おう。お休み。」
リンドウが軽く手を上げる。
「はい、おやす」
(あれ?)
目の前のリンドウの顔が歪む。
それだけではない。
視界のすべてが歪んで見える。
その瞬間、激しい頭痛に襲われた。
(なっ、これは...!)
アイギスの手からグラスが滑り落ちる。
頭が割れる様な痛みに堪らず床に膝をつく。
「がっ...あっ...!」
「お、おい!?」
リンドウが慌てて駆け寄る。
しばらく頭を抱えていたアイギスだったが、ようやく落ち着きを取り戻す。
まだ息が荒く、ふらふらと立ち上がる。
「だ、大丈夫です。」
誰が見ても無理をしているのは明らかだった。
「顔色悪いぞ。今からでも医務室に。」
「大丈夫ですよ、寝たら楽になります。
...じゃあ、俺はこれで。」
引き留めようとするリンドウから逃げるようにアイギスは食堂をあとにした。
「アイギス...」
一人残されたリンドウは言い知れぬ不安を抱いていた。
「っべえな...」
自室のベッドで横になりながらアイギスは呟いた。
自分を襲った突然の頭痛。
彼には心当たりがあった。
そして、それは同時に彼には時間が無いことを示していることも。
食堂でリンドウに言った言葉の真意。
俺に結婚はむりですよ。
恐らく彼女にはもう会えないだろう。
だからこそあのペンダントを託したのだ。
「アリサ...ゴメンな...」
拳を握りしめ歯を食いしばる。
嘆いてばかりはいられない、自分にはまだやることがある。
自らを鼓舞させるように強く胸を叩いた。
ある人の作品を見て思ったのですが...
私の文章ってワンパターンですかね?
他の皆さんと比べると表現が微妙な気がして。
私の思い込みなら良いのですが...
それはそうと、アイギスの立ち絵です。
【挿絵表示】
ちなみに色を塗っていないだけで、彼はれっきとした黒髪です。
さて、過去編もあと二話三話ぐらいですかね。
そういえば、Rのネタも考えないと。
それではサラダバー。