GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
挿絵に力を入れた結果がこれだよ。
#65 帰ってきた戦鬼~大規模侵攻5~
螺旋の木の下で一匹のアラガミと一人の神機使いが対峙する。
その巨体をくねらせながらアシュタロスは、赤く光る複眼で目の前の男を見据えた。
男は視線を感じながらも動じず、後方で瀕死の状態の後輩を気にしていた。
まだ息があることを信じて神機を構えた。
鋭い目で目の前の獲物を睨み付ける。
口元は不敵に微笑んでいた。
「そういや、生身でやるのは久しぶりだな...」
右手の神機を振り、その感触を確かめる。
(...?)
なんとなく神機に違和感を感じた。
いつもと違って挙動が遅く神機そのものが重い気がする。
「...まあ、気にしてる場合じゃないか。」
「キシャアアアアアアアア!!!!!」
アシュタロスが耳をつんざく様な咆哮を上げる。
アシュタロスの複眼は360度、周囲をほぼ完全に見渡せる。
故に、その挙動には一切の隙がなかった。
「ちっ...」
クロサキの一瞬の後ずさりを見逃さずアシュタロスが仕掛けた。
地面を滑る様に牙を剥き出しにしながら突っ込んでくる。
「ハッ!!」
とっさに地面を蹴り、アシュタロスの上に飛び上がり避ける。
(コイツは...予想以上に速いな。)
空中で神機を構え身体をひねり、回転ノコギリの如く背中を切りつけていく。
甲殻と神機がぶつかりあい一直線に火花が散る。
「キッ...!!」
わずかにアシュタロスは声をあげるが、致命傷とはなっていない。
むしろダメージが通っていない様にも見える。
(むぅ~腕が鈍ってんのか...?)
クロサキは空中で落下しながらアシュタロスの反応を観察していた。
ちなみに頭が下になって地面に真っ逆さまだ。
アシュタロスの無数ある複眼がギョロっと後方のクロサキを捉える。
「げっ...!」
すぐさま空中で体勢を立て直し神機をアシュタロスに向ける。
(右からか、左からか...どっちに体を曲げてくる...?)
後方にいるクロサキを狙うには、自らの体を大きく曲げて後ろを向かなくてはならない。
だが、それは人間の常識で考えた場合だ。
「キシャアアアアアアアアア!!」
「はあっ!?」
驚きのあまり思わず声をあげてしまった。
アシュタロスはそのままの体勢から大きくエビ反り....をしたのだ。
一瞬の内に鋭い牙が並ぶその大口がクロサキの頭上に覆いかぶさった。
「なんでもありかよ!!」
クロサキは神機を銃形態に換装する。
(エビ反りまで...いや、虫反りか?)
くだらないことを考えながらもバレットをチャージする
その銃口はアシュタロスではなく真横へと向けられていた。
アシュタロスが大口で食らいつこうとしたその瞬間、神機から放たれたバレットがクロサキを吹き飛ばす。
推進力による空中移動はクロサキの十八番だ。
アシュタロスは地面にかじりつき、クロサキは地面に叩き付けられて転がった。
土煙が晴れるとアシュタロスが体をくねらせて体勢を戻す。
「キシャアアアアアアアアアア!!!」
身体を起こすとアシュタロスは空に向けて咆哮し、すぐさま捉え損ねた獲物の姿を探す様に首を振る。
「ってえーな。」
わずかに聞こえた声の方にアシュタロスが顔を向ける。
クロサキは口元の血を拭いながら立ち上がった。
「...ちょっと、キレた。」
と、ボソッと呟く。
その瞬間、神機を構えたクロサキの体を赤い光が包む。
その異常な気迫に空気が震え、アシュタロスも気圧される。
目つきは鋭く、ただ1点を見つめる。
「ふぅ....」
目を閉じ深く息を吐く。
張り詰める空の中で先に動いたのはアシュタロスだった。
生物の本能がその巨体を動かした。
先に仕掛けなければやられる、それがアシュタロスの本能が導き出した答えだった。
「キシャアアアアアアアアア!!!」
鋭い牙を、鋭利な鎌を、剥き出しにしながらアシュタロスはクロサキに食らいついた。
そして、勝負は一瞬で決した。
「神機...解放!!!」
カッと目を見開く。
クロサキの叫びと共に振りぬかれた神機は、赤い閃光を放ち全てを切り裂く巨大な十字の刃となった。
アシュタロスの本能は間違ってはいなかった。
ただ、先に動こうが後に動こうが勝敗が決していた、それだけのことだった。
深紅の光の刃はアシュタロスの巨体を切り裂きながら通り過ぎ消滅した。
「....悪ぃな。」
クロサキの眼前わずか数十メートルで、アシュタロスはその牙を剥き出しにしたまま地に伏した。
「ん...?」
わずかに感じた揺れで目が覚めた。
誰かに背負われている。
顔を覗き込もうとしたが、身体中に痛みが走り思うように体が動かせない。
(誰だ...?)
また意識が遠のいていく。
眠りにつく一瞬、視界の端に懐かしい銀髪が揺れていた。
+++++
黎明の亡都
「終わったか...」
廃墟の上で神機を構えていた神機兵が回れ右をして戻っていくのを見て、リンドウは確信した。
結局の所、奴らの目的は分からなかったが、極東を脅威から守ることは出来た。
今はそれだけでも十分な成果だろう。
「よし、皆お疲れさん!とりあえずはどうにかなったみたいだ。
サカキ博士の指示を待ってから、支部に帰還するぞ。」
後方で息をついている仲間たちにリンドウは告げた。
コウタやエリナ達が地面に座り込む中、リュウがリンドウの元へ来る。
「お疲れさん。まだまだ腕は鈍っておらんかったな。」
「当たり前だろ?後輩があんなに頑張ってるのに、情けない姿を見せてられないからな。
お前こそ、図体だけがデカくなったわけじゃなくて良かったよ。」
リュウはガッハッハと疲れも見せず相変わらず豪快に笑う。
「当然じゃ、わしは日夜鍛えておるからな。
...さて、久しぶりにお前さんと一緒に戦えて良かったぞ。」
「ああ、俺もだ。」
二人はゴツッと拳をぶつけ合った。
贖罪の街
黎明の亡都で神機兵が退いて行った頃、こちらでも同じ動きが起きていた。
テオの神機の一撃が蜘蛛型のコアを貫くと、崩れるようにして神機兵は地面に沈む。
活動停止を確認したと同時に後方で銃撃を行っていた神機兵が撤退していく。
「神機兵が...」
シエルはスコープを覗き込み背中を向ける神機兵に狙いを定める。
気付いたテオがそれを制する。
「!」
「深追いはしない方が良い。...どうやら奴らは目的を果たしたようだ。」
「目的...」
「うむ...とにかく戻ろうシエルさん。
彼の怪我の具合も心配だ。」
「救護班が来れるって!ギルを運ぶから手伝って!」
ナナが手を振り二人を呼ぶ。
マリアも通信機で誰かと話している。
「分かりました。」
隊列を成して遠ざかって行く神機兵を一瞥し、シエルはテオの後を追った。
+++++
アナグラ 支部長室
部隊への指示をフランとヒバリに任せ、サカキは一人支部長室へと戻って生きていた。
サカキは戻って来るやいなやすぐに本部へと通信を入れる。
数秒の間を空けて相手が出た。
『サカキか。しばらくだな。』
「そうだね。君も声を聞く限り元気そうで良かったよ。」
『...連絡をよこしたということは、何か動きあったのか?』
「さすがに鋭いね。
ナルカミによる神機兵の襲撃、その混乱に乗じて彼は螺旋の木を調べていたようだ。」
『!...やはり狙いはそこだったか。
知っての通り、今螺旋の木は非常にデリケートな状態だ。
恐らく、彼はそれを知って螺旋の木を調査したのだろう。』
感情を押し殺しているが、イラつきが感じ取れた。
「やはり、観測データに異常が出ているのかい?
許可が出れば、こちらでも螺旋の木の調査をはじめれるが...?」
考えているのか、しばし無言が続く。
『いや、まだだ。今回の話は本部でも極秘事項だ。
もうしばらく動きをみてから、正式に極東にも調査を申し出よう。』
「フッ...相変わらずだね。」
自嘲的に相手も笑う。
『人のことを言えるとは思えないが?
まあ、良い。用はそれだけか?』
「ん?ああ、そうだ。例の件どうなってるかな。
君の立場なら取り消せることだと思うんだけど...」
『全く無茶をいう...既に手配は済んでいる。
直にすべての支部へ通達が行くだろう。』
相手のため息に対し、サカキは満足げに笑う。
「感謝するよ。」
『これっきりにして欲しいものだな。
...では、切るぞ。私も忙しいのでな。』
そうして通信は切れ、部屋はまた静寂に包まれる。
リザルト
居住区及び極東支部への被害は無し
負傷者数名 死傷者無し
こうして様々な思惑が絡む戦いは終わりを告げた。
そして、新たな戦いの幕があく。
出た!クロサキさんの兵長カッターだ!
(なんて進撃知ってる人しかわからないネタだな。)
さて、今回から第六章スタート。
少し日常回を挟んでから、レイジバーストの内容を入れれたら良いかな...
でも、なんか間に合いそうにないな。来年っぽいし。
とりあえず螺旋の木には入ります。そん時はオリジナルで行きます。
では、この辺で。サラダバー!!
挿絵、本編の感想ご意見お待ちしております。
ここからは雑談。
1."僕のヒーローアカデミア"
最近、ジャンプで面白いのやってますね。
王道ヒーローアクションってやっぱり良いですよね。
おもしろいので打ち切りにならないように頑張ってほしいです。
あ、さすがに創作はしないですよ。
戦闘シーン難しいですし。
2."遊戯王"
GEの次に書こうと思ってるんですけど...
デュエル描写は単調になりがちで難しいですね。
キャラとモンスターの案は決まってるんですけど...
暇があったらUPしたいです。