GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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すさまじくお待たせしました。
本当に遅くなり申し訳ないです。



#69 動き出す本部

翌朝、日が出て間もない頃。

オレは眠気を吹き飛ばすような大きな揺れに襲われ、ベッドから跳ね起きた。

「な、地震か!?」

突然のことに戸惑いつつも、揺れが収まるのを確認してからベッドから出た。

上着を羽織って廊下に出ると、同じく廊下に出てきたギルと鉢合わせた。

「ギル!今のは!?」

「分からねぇ!だが、ただ事でないのは確かだ。」

今までに体験したことの無いような大きな揺れ。

震源は恐らく極東支部の近くだろう。

状況を確認すべくオレ達は急いでラウンジへと向かった。

 

ラウンジのテラスには既に何人かの職員が集まっていた。

人々はしきりに遠くを指さし、不安と混乱に満ちた顔を見合わせ喚いている。

「シエル!」

「隊長!ギル!」

一足先に起きていたというシエルと合流し、オレ達もラウンジに出た。

「これは...」

ラウンジに出てオレ達の目に真っ先に飛び込んできたのは、遠くにそびえ立つ螺旋の木。

しかし、それは一目で分かる程に様変わりしていた。

「開いた...?」

ギルが率直な感想は的を得ていた。

螺旋の木の頂部、本来なら丸く渦を巻くように閉じていた幹の塊が、

まるで、手の平の様に大きく開いていたのだ。

「どういうことだ...」

突如として発生した謎の異変。

この異変が後に大きな意味を残すことになるのに気付くのはまだ先のことだった。

 

+++++

 

 

アナグラ ロビー

 

 

しばらくして、それぞれの部隊の隊長格がここに召集された。

第一部隊からはエリナ、防衛班からはハルオミ、偵察班からはコウタ、と顔なじみのメンバーもいた。

もちろん、あまり面識のない部隊の隊長も集まっていた。

皆が注目する中で、サカキは考え込む仕草を止めた。

「とにかく、さっきも話した通り、現状ではまだなんの影響も確認されていない。

だが、螺旋の木周辺の立ち入りは制限し、その周辺に暮らしている住民には居住区へ移ってもらった。」

「でも、サカキ博士。今まであんなこと一度もなかったんですよ?

やっぱり、ちゃんと調査した方が良いんじゃないんですか?」

コウタの意見はもっともだ。

本来ならすぐにでも調査や解析が行われるはず。

それがサカキならなおさらだと思ったのだが。

「そうしたいのは山々なんだけどね...」

サカキが残念そうにため息をつく。

「本部の方から勅令が来ててね。

あっちが許可するまでこちらは動くことも調べることも出来ないらしいんだ。」

サカキの言葉に辺りがざわつく。

 

...やっぱりか...    ...またかよ...

  ...なんか胡散臭いんだよな...

 

どうやら本部に不信感を覚えているのは自分だけではないようだ。

「うむ...とにかく、新たに情報がしだい追って連絡する。」

不満を残しつつ、ここで解散となった。

 

 

皆が解散したあと、オレは支部長室に向かった。

「サカキ博士。」

オレが呼び止めると、サカキは分かっていたような様子でこちらを振り向いた。

「すまないね。私の力不足だ。

本当は、君たちには真っ先に調査に行って欲しかったんだが...」

「いや...仕方がないですよ。

それより、螺旋の木に異変が起きたってことは...」

「うん。おそらくジュリウス君になんらかの影響があったと考えるのが当然だろう。

それが原因で螺旋の木にも変化が起きた、ということだろうね。」

サカキはチラッと窓の外の螺旋の木に目をやる。

木自体の形は変わっているものの、頂部の光は変わらず綺羅めいている。

「そうだ、ついさっき連絡が入ってね。

本部から調査部隊が来ることになったそうだ。

もっとも、調査の主導権を握っているのはあちらだがね。」

「本部からですか?」

オレは不信感をあらわにする。

「心配しなくても良いよ。

私から上手く掛け合ってみよう。」

「...ありがとうございます。」

オレは頭を下げ部屋を後にした。

「...さて、ここからが大変だな。

彼が簡単にこちらの要望に応えてくれるかどうか...」

ブツブツと呟きながらサカキは奥の部屋へと戻っていった。

 

 

+++++

 

 

アナグラ ラウンジ

 

 

隊長各位の召集が終わってからのこと。

「ところで先輩、聞きたいことがあるんすけど。」

シュンヤの問いかけに昼食をかきこんでいたクロサキの手が止まる。

「んっ、ふぅ...なんだ?」

改まった様子を見せるシュンヤに、クロサキは首を傾げる。

「俺、よくよく考えたらジュリウスさんのこと殆ど知らないんですよ。

先輩の前のブラッド隊長ってことは分かってるんですけど...」

「ああ、そうか。そういや...ほとんど話したこと無かったっけな。

お互いに色々あったしなぁ。」

「はい。どんな人だったんですか?」

「ん~...一言で言うならスゴイ人だった。

神機使いとして一流って意味もあるが、それ以上に隊長として尊敬できる人だった。」

「そうなんですか...」

「ああ。まあ、あの人もたまに抜けてるところがあってさ。」

 

+++++

 

 

「えっと...なんですかこれ?」

突然部屋を訪ねてきたジュリウスは手に小さな小箱を持っていた。

「今日はバレンタインデーというのだろう。

日頃世話になっている仲間に、感謝の意味を込めてチョコを渡すと聞いた。」

「え...?」

一瞬ジュリウスが何を言っているか分からなかった。

「あ、いや....。!もしかして、何か勘違いしてないですか?

てか、誰に聞いたんですか?」

と言っても、おおよそ検討はつくのだが。

良家の御坊ちゃまだったジュリウスは、たまに世間とずれている時があった。

その後、施設で軍人として育てられてきたのだからなおさらだろう。

「?どういうことだ?」

「いや、バレンタインってのは...」

 

「ロミオ!」

「やべっ!ジュリウスだ!」

一目散に走り出すロミオを、真相を知ったジュリウスが追いかけていった。

 

+++++

 

 

「なんか、想像と違ったんですけど。」

困惑するシュンヤに対し、クロサキは楽しそうに笑う。

「それでもあの人は、オレ達のことをいつも考えた。

だからこそ、一人で無茶しちまったのかもな...」

「クーデター事件...ですか。」

「どこまでも優しいんだよジュリウスは。

皆を心配させまいと、あえて汚れ役を引き受けて一人で抱え込んで...

結局、皆で帰ることは出来なかった。」

クロサキは少し寂しそうな顔を見せると、コップの水を一気に飲み干す。

「まあ、人のこと言えないけどな。」

今思うと、オレも一人で抱えこんで支部を飛び出した。

そういう所では自分もジュリウスと共通するところはあるのだろうか。

「先輩は...」

「ん?」

「先輩は帰って来ないなんて、無いですよね?」

「!...当たり前だろ。」

クロサキはシュンヤの背中を叩いて笑い飛ばした。

複雑な心境を抱えながら。

 

+++++

 

 

アナグラ 出撃ゲート

 

 

「極東か...相変わらず辺鄙なところだ。」

遠方からプロペラの音が近づいてくる。

大人数を収容できる本部の輸送ヘリだ。

太陽に照らされた真っ黒な機体にはフェンリルのシンボルマークが見える。

ヘリはゆっくりと出撃ゲート手前のヘリポートに着陸する。

「来たか。」

サカキは眼鏡をくいっと押し上げ機体に近づいていく。

ヘリからは機材を運ぶ職員や白衣姿の研究者らしき男たちが続々と降りてくる。

サカキは人ごみの中からきょろきょろと見回し、一人の男に声をかける。

男は周りに秘書らしき男を連れながらこちらに歩いてくる。

「久しぶりだな、ペイラー榊。

どうやら、いまだに悪知恵が働きそうな顔をしているな。」

「君こそ元気そうで何よりだよ。

まだお堅いところは抜けていないようだがね。」

二人の間にピリッとした空気が張り詰める。

「フッ、まあいい。

早速だが、調査班の編成を行う。案内してくれ。」

やれやれと言った感じでサカキは「こっちだ。」と踵を返す。

その態度に少々不満をもったが男はサカキの後をついて行った。

 




構成や話の展開を考えている内に二週間ぐらいたってしまいました。
考えた結果がこれだよ...(もうだめかもしれん)
オリジナル展開はやっぱり難しいですね。
頑張って本編全てを三月までに終わらせられるように頑張ります!

それはそうと、各話タイトルをすべて変えました。
もし前の方が良かったなって人はご一報ください。
それでは感想もお待ちしてます。サラダバー!!
今回は雑談はなし!!
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