GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
内容に変なところがあれば、教えてください。
すぐに修正します。
『いや~本当にすまないねぇ...こちらとしても精一杯交渉したんだが、
どうにもあちらの頭が固くてね。力不足で本当に申し訳ない!』
そう言って、サカキはいつものように笑った。
その態度にイラっとしたクロサキが、サカキに殴りかかろうとしたのを全員が必死で止めにかかる。
つい数時間前の出来事だ。
クロサキ達は急ぎ足でロビーへ向かっていた。
先頭を行くクロサキは誰が見ても分かるくらい機嫌が悪い顔をしている。
「ったく、一旦冷静になれよ。
そんなんじゃ出来る交渉も出来なくなっちまうぜ?」
「わーってるよ。これでもオレは見た目よりは冷静なんだ。」
「引きつった笑顔で言われても説得力ありませんよ、隊長。」
シエルに冷静に突っ込まれ、クロサキはグッと言葉に詰まりたじろぐ。
「い、いいから行くぞ!」
「あ、待ってよ隊長~!」
そそくさと歩いて行くクロサキを皆で追いかけていった。
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アナグラ ロビー
ロビーは多くの人が行きかっていた。
極東の職員に交じって本部の作業員や研究員が忙しそうに行ったり来たりしている。
そして、螺旋の木の観測状況などが映し出されている巨大モニターの前にその男はいた。
後ろからやってくるクロサキ達に気付き、目の前の画面から目を離す。
異様な雰囲気にその場が静まり返る。
「アンタが本部から来たって言う...」
「いかにも。...君がブラッドの隊長か...随分と若いな。」
そこまで言って、彼はこちらに向き直った。
物怖じしないような高圧的な目だ。
「私の名前はアイザック・フェルドマン。
フェンリル本部情報管理局及び本部直轄部隊の主任教官だ。」
自己紹介を済ませるやいなや、アイザックは核心をついてくる。
「さて、君たちの言いたいことは分かっている。
今回の作戦について不満があるのだな。」
「それなら話は早いな。オレ達も螺旋の木の調査に同行させてほしい。」
アイザックは少し考える素振りを見せる。
しかし、帰ってきた答えはやはり変わらなかった。
「NOだ。今回の作戦は本部の部隊及び職員でのみ行う。
君たちの余計な手出しは無用だ。」
と、アイザックは冷たく言い放った。
反論を許さないといった様子にクロサキも言い返す言葉が出なかった。
ここで黙っていたギルが口を開く。
「だったら、せめて情報だけは教えてほしいもんだな。」
「情報、か...」
「螺旋の木の中で、俺達の仲間が終末捕食を留めている。
...何の影響もないのか?」
しばしの沈黙の後、アイザックは近くの職員に指示する。
「良いだろう。情報だけなら提供しよう。」
画面に先ほどの螺旋の木の全体図が映し出される。
「我々が現在把握出来ているのは...ジュリウスの特異点反応が、消失した。という事実だ。」
一同に衝撃が走る。
誰もが動揺を隠せないようだ。
「それって...!」
「今回の件、恐らくジュリウスに何らかの影響があったからこそ、
螺旋の木が開花したのではないかと推測している。」
アイザックが改めてこちらに向き直る。
「ジュリウスの反応が消失した以上、内部で何らかの出来事が起きたに違いない。
そこで我々は本部の精鋭部隊を突入させ、ジュリウスの捜索及び回収を行うことを決定したのだ。」
「だったら!」
クロサキが前に出てくる。
「なおさら、オレ達は引き下がる訳にはいかない!あの人はオレ達の大切な仲間なんだ!
オレ達の手で救い出してやりたい!」
「ダメだ。」
またしてもアイザックは有無を言わさず拒否する。
「螺旋の木の内部状況が分からない以上、大人数での突入は危険を伴う。
我々は少数の隊に分けて順次突入するつもりだ。それに...」
アイザックは背を向ける。
「我々は螺旋の木の内部調査も並行して行う。
作業は迅速に行いたいのだ。」
その言葉にクロサキは不信感を露わにする。
どうやら彼らの目的は原因の解明以外にもあるようだ。
「だったら、せめて隊長だけでも加わらせていただけませんか?」
「シエル...」
「隊長は極東の神機使い、いえ他の神機使いよりも戦闘面・精神面において優れています。
今回の作戦、決してマイナスになるようなことは無いと思われます。」
アイザックはシエルの顔を静かに見据え、今度はクロサキに視線を移す。
「確かに、君の実績は目を見張るものがある。
それだけを見れば、本部の直轄部隊に招聘されても不思議はない実績だ。」
シュタインは手元の資料をパラパラとめくる。
どうやら、ブラッドの個人データらしい。
「それでは...」
シエルが口を開いた時だった。
「お言葉ですが。」
全員が声の方に顔を向ける。
ロビーの階段上から声の主が降りてきた。
メガネをかけ髪を後ろでまとめた、白髪の青年だった。
見ると本部の人間であるということを示す、より複雑に象られたフェンリルマークが胸に付いている。
「それは実績のみを見た場合です。
本当に今回の作戦にふさわしい人材ならば、このような真似はしないと思われますが。」
青年はそのままアイザックの横に立ちクロサキを一瞥して言った。
「これは、直轄第一部隊の隊長レオナルド・アインツベルン。
彼に今回の作戦の指揮をとってもらう。」
レオは軽く頭を下げる。
クロサキを見る目には一種の蔑みがあった。
「今回の作戦は本部の人間のみで行うと先に説明があった筈です。
我々もそちらが了承したと聞きました。
部隊の隊長ともあろうものが、上官の命令も守れないとは...」
「何...?」
「第一、一支部の神機使いの手を借りる気など我々には毛頭ありません。
雑兵は大人しく通常任務に勤しんでいただくのが、最も有効な協力方法です。」
「てめぇ、言わせておけば...」
ギルが睨みを効かせて前に出て行こうとする。
それを慌ててクロサキが止める。
「良いってオレのことは...元はオレが頼み込もうとしたことだし」
「だが、仲間をバカにされて黙ってろていうのかよ?」
「今は抑えろ、今は...」
必死にクロサキがなだめ、渋々ギルは壁に寄りかかる。
レオは眼鏡を押し上げ、フンッと鼻を鳴らした。
「もう反論はないな。では、話は終わりだ。」
どうやらもう話に取り合う気は無いらしい。
背を向けて資料と画面に集中している。
「...行こう。」
素直に去って行くクロサキの後を追って、ギル達もロビーを後にする。
アイザックは画面に目を向けたブラッドを見送った。
「作戦の決行は明日の明朝。各自準備をしておくように伝えろ。」
「了解しました。」
レオは敬礼をし軽く頭を下げるとロビーを去って行った。
「彼らを...ジュリウスに干渉させるわけにはいかないのだ...」
アイザックの呟きは忙しなく動く職員達の耳には入っていなかった。
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アナグラ ブラッド区間
「ちっ!なんなんだアイツらの態度は!」
ギルは壁に拳を打ち付ける。
どうやら今度はギルのほうが不機嫌になったらしい。
「ですが、どうしましょう。本格的に手詰まりです。」
「今回はサカキ博士も頼れないしねぇ。」
あのサカキですら手こずる相手なのだ、最初から望みは薄かったように思える。
半ば諦めたような空気の中、ギルがあることに気付く。
「そういや、シュンヤの奴はどうしたんだ?
今朝から姿が見えないが...」
「そういえば、見ていませんね。」
「ああ、シュン君なら朝早く出かけていったよ。
しばらく、極東を空けますだって。」
ナナが思い出したように告げる。
出かけた理由まではナナも知らないようだ。
「オレがちょっと仕事を頼んだんだ。
まあ、すぐに戻って来るよ。」
そう言うと、クロサキはスッと立ち上がる。
シュンヤに頼んだことは後で言うらしい。
「さて、準備するか。」
「準備って...何の?」
ナナが首を傾げる。
ギルもシエルも意図が汲めずにクロサキを見る。
「だから決まってんだろ。螺旋の木への突入の準備だよ。」
振り返ったクロサキの不敵に笑う顔は、今までにないくらい悪い顔だった。
しかし、他に手がない以上止めようがない。
「はぁ...厄介な奴が帰って来たもんだ。」
ため息をつくギルに対し、クロサキは意気揚々と部屋に戻って行った。
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?????
「予想していたよりも早い...」
キーボードを操作しながら男はボソッと呟く。
画面には螺旋の木が映し出されている。
「こんなにも早く、また極東に出向くことになろうとは...
まあ、良いでしょう。今度は彼も居る。」
男は端末の電源を落とし、部屋を後にする。
長い廊下に男の足音だけが響いていた。
頑張って更新スピードを上げれるようにしたいです。
でも、内容を考えるとつい投稿ペースに空きが...
寛大な精神でお待ちください。
それでは次回まで、サラダバー。
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