GODEATER2 AnotherBlood 作:Vekterアイギス
螺旋の木 ギルSide
「良かったんですか?」
シエルは心配そうにギルに尋ねた。
もう既に反対側にクロサキは居ないだろう。
シエルがさっき言っていたアラガミの声も気になるが...
「大丈夫だ。アイツは腹に穴が開く位じゃねぇと、死んだりしねぇさ。」
「そうだよシエルちゃん!隊長はある意味不死身だから!」
「...確かにそうですね。
では、早くジュリウスを探して、隊長と合流しましょう。」
一行は先程の道を引き返し、唯一繋がっていた横穴を突き進んでいった。
「だが、この螺旋の木に何が起きてるってんだ?」
「....ジュリウスの身に何かがあったと考えるのがやはり妥当ですかね。
瀕死の重傷を負っただとか、もしくは....」
「....」
「や、やめようよ!ジュリウスに限ってそんなことある訳ないよ!」
「そうでした。すいません...」
「謝らなくても良い。誰でも一瞬はそんな考えがよぎる。
もっとも俺はそんなこと信じちゃいねぇけどな。」
「私も!ジュリウスはある意味不死身だからね!」
「それ、さっきも聞いたぞ。」
「あれ?そうだっけ?」
「フフッ......!」
突然シエルがその場に立ち止まる。
「どうした?大丈夫か?」
シエルの目は一心に先の通路を見据えている。
良く目を凝らすと、どうやらひらけた場所に出るようだ。
「もしかして...居るの?」
「....はい。それもかなり強力な...」
シエルの言葉に警戒が最大になる。
「さっきの地響きの原因か...」
「はい。恐らく...そして、ここまでの道のりを考えると、
あそこが螺旋の木の最深部になるかと。」
「じゃあ、あそこにジュリウスが?」
自然と神機を持つ手に力が入る。
「行くぞ。」
二人は無言で頷き、ギルの後を追った。
「何...これ...?」
広場に到達した三人が見たものは、見るも無残な光景だった。
そこらに転がっているのは、あの時見た本部の部隊の隊員の亡骸だ。
そして、その中央には...
『ギギャアアアアアアアアアァァァァ!!!!』
見たこともない体躯をした、巨大なアラガミが鎮座していた。
「こいつが...」
本部の神機使いは過酷な訓練、そして最上級の装備を携えた最強の部隊。
それを蹴散らしてしまうこのアラガミの力はまさに未知数だった。
しかし、
「行くぞ。」
ブラッド隊は神機を構え臨戦態勢に入る。
ここでこのアラガミを逃がしてしまえば、何時外に出てくるか分からない。
だとするならば、ここで食い止めなくてはならなかった。
『ギギャァァァァァァアアア!!』
耳をつんざく様な咆哮に、地面に張り付けられたかのように足がすくむ。
「ぐっ...!行くぞ!」
ギルがアラガミに向かって走り出す。
それに気づいたアラガミもギルにに向かって動き出した。
その巨体からは想像できない様な速さだ。
「ちっ!」
とっさに飛び上がり、振り下ろされた爪の一撃を回避する。
そのままチャージグラインドを背部に突き立てた。
と同時に、ナナが振り回したハンマーのチャージが横腹にヒットする。
「入ったぁ!!...って、あれ!?」
アラガミはびくともしないどころか、傷一つ入っていなかった。
フシューと白い息を吐き出し、アラガミがゆっくりと振り向きナナを視界にとらえる。
危険を感じとっさにナナは後ろに飛び退る。
「コイツ...胴体は鋼造りか...!?」
距離を取って着地したギルも苦い顔をした。
「ハンマーも効かないなんて...」
ジリッと後ずさった所で、アラガミの顔面にモルターが炸裂し爆発する。
シエルの神機の銃口が白い硝煙を上げていた。
「シエル...!」
「二人ともしっかりしてください!
まだ、勝機はある筈です!」
アラガミは顔を振って視界を取り戻し、依然として体勢を崩さない。
その血走ったような眼を一心にこちらに向けてくる。
「クソがぁ!!」
ギルが一気に懐に飛び込んでいく。
強力な突きの連撃を食らわせるが、やはり攻撃が通る様子は見せない。
それどころか、増々攻撃力とその凶暴性に拍車がかかり始める。
鋼の翼を振るわせながら、強靭な爪で地面と共にギル達の体力をも削って行く。
盾で防ぐのにも限界があった。
「ジリ貧かよ...!」
「うっ!このままじゃ...」
アラガミの猛攻を受け続ける二人の後方でシエルは必死に銃撃を続ける。
どうにも攻撃が通る場所が見つけられずにいた。
「モルターでも傷つかない...!」
焦りと緊張が重なり銃口がぶれそうになる。
(せめて...せめて、ポイント弱点さえ分かれば...)
-今のポイントから、右に20度上に18度-
「!!」
シエルはとっさにその方向に銃口を向ける。
-落ち着くんだ お前は絶対に外さない-
銃口のブレが静まり、シエルは無心に帰る。
(ただ一点 一撃で狙い撃つ...!)
引き金が引かれ、銃口が火を噴く。
放たれた弾丸は、一瞬動きを止めたアラガミの下顎にヒットする。
着弾と同時に弾丸は潰れ、内部の火薬に引火し爆散した。
『ギギャァァァァァァ!!?』
アラガミが大きく仰け反り後ずさる。
「当たった...」
ふと我に返り、後ろを振り向いた。
当然、後ろには誰も居ない。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
仰け反るアラガミに追い打ちをかけるように、ギルは神機を構え飛び掛かる。
モルターが炸裂した下顎は結合崩壊が起き、ボロボロと外表が崩れていた。
ギルの攻撃は一点を突くのではなく、神機を振るい抉るようにして肉を断つものだった。
そして、最後の一撃と言わんばかりに、ナナがハンマーで顎をかち上げた。
「どうだ!?」
アラガミは唸り声を上げながら、ふらふらと後ずさる。
その目には見る限り戦意は感じられなかった。
臆せずアラガミを睨みつけ神機を構える。
「.....」
しばらく睨み合いが続いた後、アラガミはその巨体を揺らしながら奥へと戻って行った。
緊張の糸が切れ、ナナは地面にへたりと座り込む。
「つ、疲れたぁ...」
「なんだったんだ、あのアラガミは...?
急に戦意を無くして戻っちまうなんて...なぁシエル?」
「....」
シエルはボーっと神機を眺めている。
「どうした?怪我でもしたか?」
「い、いえ!...あのですね。」
シエルは先の戦いで聞いた声について二人に話した。
すると、二人から返ってきた答えは意外なものだった。
「私も聞いたよ、それ。」
「俺もだ。」
-コイツは肉を抉るようにしてダメージを与えるのが有効だ 次の銃撃で一気に飛び掛かるんだ-
-ありったけの力で下顎を狙うんだ ギルが注意を引き付けたらすぐに-
「でも、誰だったんだろう?」
今、この空間に動ける者はブラッド隊の三人のみだった。
しかも、この状況でアドバイスをかけられる者など皆無だ。
「...この螺旋の木に共生する者なら、可能...?」
「ジュリウスが?そんな漫画みたいなことある訳...」
「でも、あの声...私は懐かしく感じたな。」
あの声の主は何だったのか?
答えはこの場所で考えても出そうにもなかった。
「とりあえず、それを考えるのはひとまず後だ。
この場所にアラガミが居たってことは、クロサキの方にも居る可能性が出てきたってことになる。
アイツ一人じゃ、さすがにヤバいかもしれねぇ。」
「そうですね。まずは先を急ぎましょう。
まだ、ジュリウスも見つかってませんし...」
「じゃあ、このまま真っ直ぐだね。」
一行はあのアラガミが消えた通路を進んでいく。
再遭遇する可能性も否めないが、道は一本しかない。
迷っている時間などないのだから。
+++++
クロサキSide
アラガミの咆哮が響き渡る。
ギル達が遭遇したものとは、別のアラガミの声だ。
もし、このアラガミに遭遇した場合。
戦おうとはせずに、ただ必死にたとえ無様だとしても逃げなくてはならない。
なぜなら、このアラガミは生物としての禁忌を犯し、その概念すら捻じ曲げようとしたのだから。
決して戦ってはいけない。
戦うことはその者の...
死を招くことになるのだから...
はい。二日続けての投稿となりました。
相変わらず戦闘描写が(ry
さて、次は来週になります。
あの終わり方だもの。
ちゃんと内容を考えないと、皆様が納得しませんよね。
それでは次回までサラダバー!
挿絵や小説の感想もお待ちしております!
作者と共に弟(絵師)も喜びますので。
久々の雑談コーナー
1."GE2RB"
発売日決定しましたね。
もっとも、ビータ君を持ってないので買う予定はないっす。
プレイ動画で満足するしかないじゃないか...(鬼柳感)
2."キャラ候補"
だいぶ間が空きましたが...
今回も女の子キャラ。
立ち位置は...5'Dのカーリー的キャラといえば...後は分かるな。
ちなみに唯一、ミーナという名前が決まっております。(私のお気に入りの子です。)
今後、弟にデジ絵を描いてもらう予定。
【挿絵表示】
後ろにうっすら見えてるのは、切り札のモンスター。