GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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書き過ぎた...いつの間にか5000字超えておった...
今回は完全な説明回となっております。
会話ばっかりでなんかすいません。
後、挿絵は閲覧注意です。(ある意味グロ画像)

それと50000UAありがとうございます。
完結に向けて頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。


#75 神か化物か★

螺旋の木 クロサキSide

 

 

少し時間は戻り、ギル達がアラガミと交戦を開始しようとしていた頃。

「このっ!!...はぁはぁ、っつ...!」

クロサキは一人通路を駆けていた。

走り始めてから大分経つが、クロサキの足はアラガミ達に阻まれていた。

ここに来て小型のアラガミがそこら中から現れ始めたのだ。

(さっきから地鳴りが酷くなってる...アイツらに何かあったのか...?)

あちらのことも気にはなるが、今は進まなくてはならない。

「吹き飛べ!!」

オウガテイルの横っ腹を蹴り飛ばし強引に突破した。

振り切ろうとするが何匹も後ろを追ってくる。

「しつけぇなぁ!!」

そうして鬼ごっこを続けてから数分後。

ふと後ろを振り向くと、先程まで追いかけてきていたアラガミ達がその場で足踏みをしている。

というより、まるでここから先には近づきたくないといった様に見えた。

前を向くと少し先にひらけた場所が見える。

(あそこに何かあるのか...?)

おびえる様子のアラガミを尻目にクロサキはその場所へと向かう。

 

クロサキは目を見開く。

「ここは...!?」

通路を抜けた先に待っていた光景。

そこはフライアの神機兵格納庫そのものだった。

しかも、あの終末捕食の際に突入した時と全く変わっていない。

その証拠にジュリウスが眠っていた繭まで再現されていた。

「なんだよ、まるで再現ビデオを見てるみたいだ。....!」

少し周りを見渡した所で、二つの人影に気付いた。

気配を察知したのか二人はこちらを向く。

クロサキも警戒しつつ、ゆっくりと男たちに近づいて行った。

「アンタが...ナルカミ・リュウか...?」

「フッ...ようやく面と向かって話すことが出来たね。

会えて嬉しいよ、クロサキ君。

おや、その腕の調子も良さそうだね。」

笑顔を向けるナルカミに対し、隣の男は全くの無表情だ。

「ああ、おかげでな。」

ナルカミが自分の腕を再生させたのは、彼を調べていた段階で既に知っていた。

「とりあえず、会えて嬉しいのはオレも一緒だ。

アンタには聞きたいことが山ほどあるからな。」

クロサキはナルカミに詰め寄ろうとする。

するとナルカミは手で制した。

「まあ、待ちたまえ。

私は少しやらねばならないことがあるんだ。

君と話すのはその後でも良いかな?」

「は?」

ナルカミは踵を返し奥の繭へと向かっていく。

クロサキはいつでも飛び出せるように神機に手を掛けながらその様子を見ていた。

ナルカミは繭の下へと辿り着くと、おもむろにその中に手を突っ込む。

途端に繭が光り輝き始め、やがて色を無くしたように繭は朽ち始めていく。

繭から手を抜き出したナルカミは、満足げにこちらに戻ってくる。

その手には神々しく光り輝く、拳ぐらいの大きさの玉のようなものが握られていた。

隣でその様子を見ていた男がカプセルを取り出し、それを中にしまい込んだ。

「"原初の種"の回収はこれで完了だ。

さて、では話をしようか...?」

「!!」

呆気にとられていたクロサキは、突然声をかけられ我に返った。

「それは...?」

「ああ、これは原初の種といってね。

終末捕食を引き起こすためには重要な事象なんだ。

もっとも、今まではジュリウス君の力で守られていたんだけどね。」

「ジュリウスが...」

「ここは彼の記憶を具現化した場所だ。

思い入れの強い場所の方が滞留する力はより強大になるからね。

....しかし、彼の力は徐々に弱まりつつある。

その証拠に、君たちも見ただろう?こうして螺旋の木が開いた。」

「なるほどな...だから、アンタはこの期を逃さずソイツを回収したんだな。」

クロサキは眩しい光を放っているカプセルを指さす。

「...ジュリウス君の力が弱まっているということは、また別の事象の完成が近いことも示している。

ジュリウス君は特異点だ。それがその力が弱まるということは...?」

「...新たな特異点が生まれる...?」

「正解だ。さすがに優秀だね。

ジュリウス君は特異点として役目を終え、別のモノへと特異点としての役割が移り変わる。

終末捕食に必要な特異点の力は強大でなくてはならない。

だから新たな特異点が誕生しだい、終末捕食の準備を始めようとしているんだよ。」

「サカキ博士なら興味深いとかいうんだろうな...

でも、分からないことがある。」

「ほぉ、何かな。」

「決まってんだろ?アンタがそうまでして終末捕食を実行しようとしている理由だ。

世界の救済なんて、そんな大雑把な理由じゃないんだろ?」

ナルカミは静かに笑っている。

クロサキはその様子を冷ややかな目で見つめる。

「彼はね、人間が嫌いだったんだ。」

「は?」

突然、訳の分からないこと言い始めたナルカミ。

しかし、その目には誤魔化しているような雰囲気はなかった。

「自らの為に他者を蹴落とし、権力をもって弱者を淘汰する人間。

脆弱なくせに、理不尽で傲慢な人間の本質がこの上無く嫌いだった。

当然、そんな人間の一人である自分自身もね....」

ナルカミの目はどこか別の場所を見ているかのようだった。

クロサキにはある予感があった。

ずっと感じていたこの男の違和感。

だからこそシュンヤに仕事を頼んだのだった。

もっとも、その前に直接本人に話を聞けるとは思っていなかったのだが。

「少し、昔話をしよう。百年ほど前の話だ。」

「.....」

クロサキは黙ってナルカミの言葉に耳を傾けた。

 

「その頃の世界は、自己中心的な支配者層によって引き起こされた戦乱で満ち溢れていた。

地球資源の過剰採取、急速な土地開発...当然、世界は荒廃の一途を辿った。

このままではいけないと考えた賢人たちは、一旦争いを止め考えを募らせた。

しかし、地球の滅亡を止める、そんな方法など簡単に思いつくはずはなかった。

そんな時だ、一人の科学者が非常にシンプルで合理的な方法を思いついた。」

「まさか...」

「そう、それが終末捕食だ。

彼はこの世界からありとあらゆる生命が、いや人間が消え去れば良いと考えた。

当然、他の科学者は彼を非難し追放した。愚かなことだよ...全く。

...それでも彼はひっそりと研究を続け、ついに終末捕食に必要な特異点を生み出すことに成功した。

そして、何の前触れも無く世界は浄化された。」

「...!!」

「荒れ果てた大地、荒廃する世界を見かねて、地球自身が発動させた究極の浄化装置。

彼の研究は成功し、一日と待たずに地球は生命の再分配を始めた。

生命が新たな姿に生まれ変わって行く過程で、イレギュラー的に生まれたのがアラガミだ。

人間の醜悪さ、凶暴性、残虐性...このような本質を兼ね備えた生命体。

人間こそが!アラガミのルーツだったんだよ!!」

「....それで、話は終わりか...?」

ナルカミは高らかに笑う。

「君は素晴らしいとは思わないのかい?

人が恐れ憎み、忌み嫌っていた存在は、その実人間の本質そのものだったんだよ!

これほど滑稽で、愚かしいものは無い!全く興味深くて仕方がない!」

「もう良い。関係無い話を続けるんだったら、その口を閉じろ。

お前の話を聞いてると吐き気がしてくる...」

クロサキは軽蔑とも取れる目をナルカミに向ける。

「フッ...いや、済まない。つい、熱が入ってベラベラと喋ってしまった。

さて、終末捕食を完遂させた彼自身も、それに飲み込まれていった。

その中で彼もアラガミという不確定な存在に興味を持った。

彼が最も嫌っていた人間の本質が、あのような異形の怪物たちへと成り下がったのだから。

そして、彼の意識が世界と一体化する直前、ある奇蹟が起きた。」

「奇跡だと...」

「彼は彼自身のまま、再分配された世界に舞い戻ったんだよ。

正確には、意識は彼のままで見た目は全くの別物だがね。

まさに科学でも、過去の賢人たちでも証明しようがない奇蹟だ。

彼が最初のアラヒトガミになったんだ...」

「アラヒトガミ...」

現人神...人でありながら神へと転生した異端の存在。

起源は様々だが、ここでその話を聞くことになるとは...

「アラヒトガミとなった彼は、人として生命そして世界の行く末を見続けた。

そして、己の肉体が朽ち始めた頃、新たな肉体へと精神を昇華させた。

新たな姿となった彼は、自身と同じく終末捕食を成し遂げようとする者たちを手助けした。

まあ、全てが失敗に終わってしまったが...」

(やっぱり、ラケル博士とも繋がっていたのか...)

「そこで彼は自らの手で、終末捕食を再び引き起こそうとした。

人類の救済...?新たな秩序の構築...?

そんなくだらない目的ではない、この世界は救われなくてはならないのだ。

再び蔓延りはじめた愚かな人間たちの手からな...」

「...!やっぱり、あんたは...」

 

+++++

 

 

フェンリル本部

 

 

「こちらです。」

年老いた研究員に連れられてシュンヤは資料庫に来た。

「すいません、無理言って。」

「良いんだ。娘が世話になっているお礼だよ。」

「世話ってか、結構迷惑かかってるていうか...」

「はっはっは...あの子はスクープを取るのが大好きでね。

大目に見てやってくれないか?」

「はぁ...」

「さて、用が済んだら呼んでくれ。」

そう言って、彼は行ってしまった。

シュンヤは棚の索引をなぞり、目当てのものがある棚へと出向く。

「これか...」

一冊のファイルを取り出す。

本来なら重要機密だ。

これもサツキのコネのお陰か、単なる親バカのお陰か...

ぺらぺらとページをめくり手を止める。

「あった...やっぱり、そうだったのか...」

シュンヤが見ていたのは医療部に保管されていた過去のカルテだった。

「先輩...どうやらアタリらしいっすよ...」

 

[Ryu-Narukami]  2045年 "死亡"

           死因  不明

 

+++++

 

 

螺旋の木 クロサキSide

 

 

「すべての真実を話し終えた時、私の役目は終わることになっている。

全てに絶望し自ら死を選んだ私に、最後の使命を与えてくれた(...)に心から感謝している。

それでは、美しく尊い世界で....」

ナルカミはそこまで言うと、ガクンとうなだれる。

「...!」

静かにナルカミは顔を上げた。

顔つきは変わっていない、しかし醸し出す雰囲気が確実に別人だった。

「さて、改めて自己紹介をしよう。」

 

(.)(.)(.)(.)(.)...俺が、アルバート・ロックフォードだ。』

彼はニヤリと笑った。

 

+++++

 

 

「これで分かってもらえたかな?

私が終末捕食を引き起こそうとしている理由が。」

「ああ、人間が嫌いだからこの世界から抹消しようってことだろ?

ようは、ただのてめぇの狂った自己満足だ。」

クロサキは神機の先をナルカミに向ける。

「止めてやるよ、命に代えてもな...」

「好きにすると良い。」

ナルカミもといアルバートは、表情を一切変えずに言った。

まるで余裕と言った態度だ。

「レトロオラクル細胞、特異点となった者、そして原初の種。

必要なものはすべて揃っている。

後は、この始まりの地"極東"で終末捕食を完遂させるだけだ。」

今の一瞬、聞きたいことは山ほどあった。

中でも一番気になったこと。

"特異点となった者"...?

「おや?言ってなかったかな?」

アルバートは心を読んだかのように続ける。

「アイギス・ノーブルーシュだよ。

君にもなじみ深い名前だろう?

彼は人とアラガミの中間といえる存在に成り、間もなく特異点として完成する。」

「なん、だと...」

「時間の問題だ。

アイギスを奪え返す、俺の邪魔をする、いずれも早くすることだ。」

アルバートが言い終わる前に、クロサキは動き出していた。

せめて、あの原初の種を奪え返せれば...

「もっとも...」

突然視界が遮られる。

今まで黙っていた男がクロサキの前に飛び出してきたのだ。

「君を生かしておく義理は無いがな。」

「っつ!そこをどけ!」

男は無言のままそこを動かない。

(仕方がないか...)

クロサキが神機で峰打ちしようとした時。

男が懐から何かを取り出す。

前にシュンヤが銃で撃たれたことを思い出し、とっさに後ろに飛び退いた。

しかし、男が取り出したものはおおよそ銃には見えない。

(注射器...?)

あの中の緑の液体の正体は分からない。

だが、本能的にあれを打たせてはならないと思った。

「待てッ!」

「....!」

クロサキの制止を尻目に、男は注射器を首元に突き刺した。

途端に男はもだえ苦しみ始めた。

「始まったか...」

「てめぇ、何をした!」

男の肉体がみるみる膨張していく。

人間の姿を留めることを止めたかのように。

「彼が投与したのはアラガミの偏食因子さ。

私が独自に研究した特別なね。」

人間という器の質量を完全に無視し巨大化していく体。

「強制的に肉体の構造を変化させ、足りない部分は細胞を超活性させ補っていく。

いわば、人工的なアラヒトガミだよ。」

「てめぇは...!」

まるで出来損ないのアラガミ。

様々なアラガミが集合した異形の怪物。

「彼には人としての自我などない。

純粋なアラガミとしての闘争本能のみがあるだけだ。

まあ、中途半端な姿になってしまったのが残念だけどね。」

これが神だというのならば、サリエルやシユウなどの方が神々しく見えるだろ。

ヴァジュラやマルドゥークの猛々しく荘厳に見えるだろう。

 

 

【挿絵表示】

 

 

おおよそ、クロサキはこんなものを神など呼ぶつもりはなかった。

「どこまで...!」

「まあ、良しとしようか。

人間が神に成ろうとすれば、所詮はこんなものだろう。

それじゃあ、もしまた逢えたら、始まりの場所で待っているよ。」

クロサキはギリッと歯を食いしばる。

神機を構え、ゆっくりと歩を早める。

 

「どこまで、人間を冒涜するつもりだぁぁ!!!」

 

クロサキの悲痛な叫びは、醜いアラガミと化した異形の咆哮にかき消された。

「さらばだ、クロサキ・レイジ...」

アルバートは後ろで響く衝突音に、まるで気にも留めず歩き出した。

 




さて、つまらない話ですいません。
長すぎたので、戦闘は次回のお楽しみということで。

衝撃の事実が発覚しましたが、もし内容でおかしなことがありましたら、
いつも通り、コメントをお待ちしております。
大分、時系列や設定に矛盾が出てきそうな気がするので...

当然のことながら感想もお待ちしております!!
それでは次回までサラダバー!!

雑談のコーナー
1."オッサンの名前"
今月のVジャンで確認したのですが、あの本部の強面のオッサン。
アイザック・フェルドマンというらしいですね。
まさかのニアミスというね。
本誌をみたときマジで声あげましたもん。
暇があったら修正しておきます。
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