GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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戦闘描写が本当に(ry



#76 本当の血の目覚め★

螺旋の木 クロサキSide

 

 

「どこまで人間を冒涜するつもりだぁぁ!!!」

激しい憎悪と怒りを込めて言い放った叫び。

それは目の前に立ちふさがる異形に、一瞬にしてかき消されてしまう。

あの男に届いたかどうかなどさしたる問題ではない。

立ち去り際に垣間見た、あの不敵な笑みが脳裏に酷くこびりついた。

「クソッ...!」

まずは目の前のコイツをどうにかしなくてはならない。

一刻も早くここを出る為には、戻ってギル達と合流している暇などなかった。

クロサキを気を落ち着け前を見据える。

出来損ないの化物共が雑に混じり合った醜悪な姿。

おおよそ人間だったと判断できるのは、まるでキリストの様に胸部に埋め込まれているあの男の姿くらいだ。

もっとも、キリストの様な神聖さなど微塵も感じる筈もない。

むしろ、嫌悪感の方が強い。

「今、楽にしてやる...」

この男がどのような胸中でアラガミとなったかは知らない。

だからこそ、ここで葬らなくてはならない。

神機を強く握りしめ、クロサキは地面を強く蹴ってアラガミへと向かっていく。

アラガミも悲鳴のような叫びを上げると、剛腕を振り上げクロサキに向かって突き出してくる。

ゴォッっと風を切る凄まじい拳。

とっさに神機で受け流そうとするが、予想以上の反動に弾き飛ばされ地面を滑る。

(腕が持ってかれそうになった...)

痺れる腕を庇いながら飛び上がり、大口を開いている下腹部を踏み台にさらに上へと飛ぶ。

竜を模した顔の噛みつきを神機で押し退け、首元から一気に全身を真下に切り裂いていく。

アラガミの悲鳴と共に血が吹き出す。

(...!)

クロサキはとっさに体を蹴り、アラガミから距離を取って着地する。

その瞬間、アラガミの拳が間髪入れずに飛んでくる。

まるで痛みを感じていないかと思えるような凄まじいスピード。

紙一重と言った所で避け続けるが、次第に激しさを増し見る見るうちに地面が抉れていく。

攻撃に集中する内に足元がおろそかになり、ひび割れた地面の隙間に足を取られる。

「ッ!?」

回避が間に合わず、アラガミのパンチを神機の装甲でまともに受けることになる。

「うぉっ、あっ...!!」

直撃ではないにしろ、重量級のアラガミ並の威力に体の芯が揺らぐ。

休む間もなく拳の雨がクロサキへと降り注ぐ。

神機の耐久力にも限界がある。

ましてや剣速の強化の為に小型化されているクロサキの神機の装甲は、すでに限界に到達しようとしていた。

限界は耐えるクロサキ自身の体にも来ていた。

神機を支えている腕が悲鳴を上げ、たまらず片膝をつく。

(これはちと、マズイなぁ...)

危機的な状況を前に、クロサキの額を汗が伝う。

次の瞬間、クロサキの体が宙に浮く。

上空から降り注ぐ攻撃に集中していたクロサキは、正面からの攻撃に対応できなかった。

下腹部の口から長い舌が、クロサキの腹部をボディブローように打ち抜いていた。

宙に放り出されたクロサキは無防備な状態になる。

辛うじて開いた目線の先には、迫りくるアラガミの巨大な腕。

「ざっけんなよ...クソがッ...」

突き出された拳はクロサキの体を容易に押しつぶし、そのまま壁まで弾き飛ばす。

一瞬、思考が停止し真っ白になる。

壁からずるりと地面に落下するクロサキ。

「あ...がっ...」

全身の骨が折れているような、内臓をぐちゃぐちゃにされたような、そんな破壊的な一撃だった。

必死に地面を這いつくばり、そして血を流しながらもフラフラと立ち上がる。

神機は彼のすぐそばに転がっていたが、もう取り行く気力などない。

立ち上がることだけで精一杯だ。

虚ろな目でアラガミを睨みつける。

それが戦う術を失ったクロサキの最後のあがきだった。

アラガミは静かに右腕を正面に突き出す。

霞む目にもはっきりと鋭い槍のようなものが見えた。

「ハハッ...まじか...」

アラガミの咆哮と同時に、腕の機関部から弾丸の如くそれは発射される。

クロサキは最後の力を振り絞り後ろに飛ぶ。

しかし、それも空しく終わる。

打ち出された槍は空中で分散し、追い打ちをかけるがごとくクロサキに降り注ぐ。

(まだだ...まだ、オレは...)

クロサキは宙を仰ぐ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

鈍い音と共に腹部を貫いた槍は、そのまま貫通し地面に突き刺さった。

クロサキは仰向けにゆらりと倒れる。

鮮血が辺りに広がり、腹部から全身に鋭い痛みが伝わる。

呻き声のような耳障りなアラガミの咆哮が遠くに聞こえる。

全身の力が抜けていく。

血を流し過ぎたからだろう、手先の感覚が薄れていく。

彼にとっては永久のような長い時間。

そして、彼の絶え絶えだった呼吸はゆっくりと止まった。

 

 

+++++

 

 

アナグラ ロビー

 

 

サカキは深刻そうな表情でブラッドの身を案じていた。

フランの報告では、原因不明の地殻変動で分断されてしまったらしい。

しかも、クロサキとは一向に通信が繋がらないままだ。

「...!サカキ博士!」

内部の解析を行っていたヒバリが困惑した表情でサカキを呼ぶ。

サカキが覗き込んだ画面には、サーモグラフィーの様に内部図が映し出されている。

「この数値は...!」

赤く広がる波紋、強力な感応波の発生を示している。

数値はマルドゥークなどの感応波を軽く超えている。

「ふむ...フラン君。

早急にブラッドの諸君に警戒を促してくれ。

恐らく、まだ強力なアラガミが潜んでいる可能性がある。

ヒバリ君はこのまま解析を...」

「それが...」

サカキがそこまで言った所で、ヒバリが割り込んでくる。

「この感応波、アラガミのものじゃないんです。」

「何だって...?」

当のヒバリもどうしたものか迷っている。

 

「これは、クロサキ隊長のものです。」

 

+++++

 

 

(.....)

どこまでも真っ暗な視界に一筋の赤い光がさす。

歩いているのか、飛んでいるのか、よく分からないままその光を追っていく。

心臓の鼓動がやけに大きく聞こえ、血液が全身を満たしていくのを感じた。

鈍いような鋭いようなあの痛みも息が詰まるような脱力感も自然に消えていた。

脚も手も...まだ、動く。

ゆっくりと目を開け、彼はまた立ち上がった。

 

アラガミの動きがぴたりと止まる。

酷く濁った眼が一点を見つめる。

小さな池の様に広がった血だまりの中心に、静かにたたずむ男の姿。

このアラガミには人間だったころ頃の自我など無い。

しかし、単純な思考ならどのアラガミにも出来る。

全身の骨を砕いた、腹部を貫いた、普通なら死ぬ。

この単純な思考に収まらない目の前の存在。

自身を睨みつけてくるその男の真紅の目に、生物としての本能が警戒を促した。

クロサキの体をいつの間にか赤い光が包む。

転がっていた神機が引き寄せられるかのように、クロサキの手に収まった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

すうっと静かに息を吐く。

次の瞬間、クロサキの姿が消える。

高速で地面を踏み出したクロサキは、アラガミが気付く間もなくその距離を詰めていた。

振り下ろした拳がクロサキを捕えたかに見えたが、瞬時に腕が切り裂かれ槍を発射した機関部が地面に落下する。

そのまま腕を駆けのぼると、通った後から腕が次々と細切れに切断される。

何が起こっているか分からないアラガミは、とにかくその影を捕えようとする。

四肢や表皮が鋭い棘や刃に変化しクロサキに襲い掛かる。

しかし、クロサキのスピードは加速しついにアラガミの目にも映らなくなる。

ゼロスタンスを遥かに超える超加速。

クロサキの肉体は限界を超越し、むしろ急速に活性化していた。

折れていた骨も欠損していた細胞も自然に修復され始める。

「がああああああああああああああ!!!!!!!」

極限を超えたスピードで瞬間移動するクロサキは、アラガミの肉体を次々と切り裂いていく。

切り裂いた箇所を踏み台に、次の箇所へと飛びまた切り裂く。

辺りにアラガミの鮮血や肉片が飛び散る。

『キルァァァァァァァァァァアア!!!』

悲痛な叫びと共に、竜型のアラガミの首が落ちる。

すれ違いざまにアラガミと目が合った。

充血した酷く醜い眼にクロサキの姿が写る。

クロサキは渾身の力でアラガミの胴体に神機を突き立て、ブラッドアーツを発動させる。

赤い稲妻のような輝きが神機からアラガミに流し込まれる。

「うああああああああああああ!!!!」

突き立てた神機の周りの肉体が削ぐようにして切り崩していく。

そして、神機を居合の様に大きく振りかぶり一閃。

赤く輝く光の刃は容易く胴体を真っ二つにした。

『キ...キァァァ....』

呻くような声が響き、肉塊が地面に崩れていく。

クロサキは地面に降り立ち、降り注ぐ血の雨を全身に浴びる。

辛うじて息のあるアラガミに憐みの目を向ける。

「これが、お前のなろうとしたものか...

哀しいな、こんな終わり方なんて...」

クロサキはアラガミの喉元に神機を当て、スッと引き抜いた。

アラガミの目から光が消え本当にただの肉塊へと変わった。

「.......」

クロサキは神機を手放し地面に落とす。

「オレも、化物だな...」

クロサキは自嘲気味に弱々しく笑い、その場に膝から崩れ落ち気を失った。

 




疲れた。本当に疲れた。
もうすぐこの章も終わりなので頑張ります。
挿絵も頑張ります。

感想とか書いてくれると、次も頑張れます。
それではサラダバー!!

雑談のコーナー
1."Pixiv"
前にも話したかもしれませんが、ここでもこの作品の投稿を始めました。
挿絵の他、弟の描きおろしのイラストも投稿しております。
ユーザー名はVekter@アイギスのままですので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
気が向いたらGE以外も投稿したいです。
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