GODEATER2  AnotherBlood   作:Vekterアイギス

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#84 終末の地へ

アナグラ 訓練室

 

 

本来神機使いの訓練の場所である訓練室は、多くの怪我人でごった返していた。

「そっちの包帯持ってきてくれ!!

よし、処置は終わりだ。頑張ったな。」

少年の腕に包帯を巻き終わりソーマは立ち上がる。

ここにきて怪我人が増えたのは予想外だった。

やはりさっきのが原因だったのだろうか...?

「ここを任せてもいいか?」

近くの職員に声をかけ、ソーマは訓練室を後にする。

すれ違い様に新たに運ばれてきた数名の怪我人を見る。

やはり大半は、受け入れの際に押されて出来たような怪我では無かった。

彼らを見送りソーマは歩みを早める。

 

 

アナグラ エントランス

 

 

「オッサン。」

エントランスに着くと同時に、目に入った人物に声をかける。

声をかけられた人物-サカキはヒバリ達に何か指示をすると、カウンターから出てソーマのもとへと来る。

「何かあったのか?怪我人の数がグッと増えた。」

「ああ、そうか...君は訓練室に居たんだったね。」

二人が話している間にも職員が世話しなく動き回る。

見るだけでも切羽詰まったのが分かる。

「ほんの数分前のことさ。」

 

 

+++++

 

 

数分前

防壁前 ブラッドSide

 

 

「ウラァァァ!!」

力任せの突きだが、神機兵の胴体を貫くのには十分だった。

ガクッと膝をついた神機兵はそのまま沈黙する。

神機を引き抜くとギルは改めて状況を確認する。

どうやら防壁はまだ無事らしい。

もう少しここで神機兵の侵入を阻みたいところだが...

それでも、自分達の疲労は隠しきれないものがある。

「一旦退くか...」

正面を見渡すが、近づいてきているアラガミは見受けられ無かった。

それに防壁の内側にはシエル達が待機している。

多少のアラガミの侵入なら押し返すことができるはずだ。

「シュンヤ!!一旦退くぞ!!」

ギルの呼び掛けに、アラガミの顔面を切り刻んでトドメをさしたシュンヤが戻ってくる。

「ちょうど良かった...かれこれ一時間も戦いっぱなしですからね...」

「ああ、活動限界もある。連続であと30分位だろうな。」

チラッと腕輪を見てギルは言う。

長丁場になることは予想していたので焦りは無かった。

「じゃあ急ぎましょう。」

二人は防壁に向かって歩き出す。

しかし、ギルとシュンヤは忘れていた。

視界に入らずとも移動出来るアラガミがいることを。

そのアラガミは隙を伺いながら地中を移動していた。

 

 

防壁内 ブラッドSide

 

 

外部と内部を行き来する為に防壁に設けられているゲート。

その前でシエルとナナは待機していた。

門を隔てて爆音や神機兵の咆哮が響いてくる。

「大丈夫かなぁ...二人で大丈夫だって言ってたけど...」

「心配しても仕方がありません。私たちが出来ることをしましょう。」

そうは言いつつも、シエルは心配そうに防壁を見上げる。

「説得力ないね...ん?」

ナナは視界の端に入ったものを見つめる。

「何でこんな所に...」

ナナが駆け出すのと同時に、シエルの通信機に通信が入る。

(ギル...?)

「こちらシエル。どうし」

『今すぐそこから離れろ!!!』

切羽詰まった様子でギルの声が響く。

突然のことにシエルは首を傾げる。

「一体何が...」

詳しく聞こうとするシエル。

しかし、そこから先を口に出すことが出来なかった。

目の前が眩い光で包まれる。

直後、猛烈な爆風がシエルを吹き飛ばした。

(これは...!?)

地面に叩きつけられたシエルは、痛みに呻きながら目をかすかに開く。

その目が見たものは、大きく崩れ去ったゲートと崩れ落ちる巨大なアラガミの影だった。

 

 

防壁内 コウタSide

 

 

耳をつんざくような爆音にコウタとリンドウは足を止める。

「今のは...!?」

「おいおい、マジかよ。」

爆心地はどうやら防壁のゲート付近らしかった。

目視出来るくらいに黒い煙が上がっている。

駆け出したリンドウを追ってコウタも走り出す。

「さっきのってアラガミがやったんですかね?」

「だろうな。チラッとだが、でけぇのが倒れるのが見えた!

なんつったけな...あしゅたろす、だっけ?」

「アシュタロス...あの蛇みたいやつかよ!」

防壁近くに着いたリンドウは絶句する。

どうやら想定していたものよりだいぶ酷かったらしい。

周辺の家屋は爆風に押し倒され、防壁は崩壊したゲートを中心に崩れかかっていた。

アラガミにとっては格好の侵入口だ。

その様子を見てリンドウは思案する。

(ここはブラッドが守っていたはずだ...やられたってことはねぇだろ...?

だとしたら...そういや、あのアラガミは地中を移動出来るんだったんじゃなかったか?

隙をつかれたってことか...これは俺も想定してなかったな...)

「リンドウさん!!」

自分を呼ぶコウタの声に思考を一旦中断する。

「どうした!!」

と言ったものの、コウタの元に駆け寄る頃には状況を理解した。

コウタ共に家屋の残骸を避ける。

その中から姿を現した人物に二人は目を見開く。

「ナナ!!おい大丈夫か!?」

コウタの呼び掛けにナナはかすかに目を開ける。

「う...」

「今、支部に運んでやるから!」

「女の子を...」

うづくまっていたナナの中から小さな少女が顔を出す。

「リンドウさんこの子!」

コウタが捜索を頼まれた少女と特徴が一致していた。

 

あの爆発の直前。

住居の前で不安げに立ち尽くしていた少女をナナは見つけていた。

親とはぐれたのだと察したナナはすぐに駆け寄った。

「どうしたの?」

「お母さん居なくなっちゃった...」

今にも泣き出しそうな少女を抱き上げて、シエルの元へと戻ろうとする。

一旦、この子を支部に届けようとしたのだった。

爆発が発生したのはそのすぐ後だった。

 

 

とっさに少女を守った為に、ナナは家屋の下敷きになったのだった。

かろうじて少女は無事、ナナも掠り傷程度の軽傷だった。

「そうだ!シエルちゃんは!?」

少女を抱き抱えながらナナは防壁の方を見る。

(そうだ!防壁のそばにいたブラッド奴らは...!)

「ナナちゃん、その子を支部まで送り届けてくれ。

俺たちが様子を見てくる。行くぞコウタ!」

「はい!」

爆発跡へと向かおうとするリンドウ達に新たな絶望が突きつけられる。

「おいおい、それはヤバいだろうが...」

リンドウの目線の先、はるか遠くの防壁のゲートで爆発が起きた。

そしてそれは、連鎖するように時間差で他のゲートでも起きていた。

ここの崩壊はただの始まりに過ぎなかったのだ。

 

 

+++++

 

 

居住区での爆発よりもさらに前。

ギル達がアラガミと交戦しているさなかのこと。

クロサキはマルドゥークのベルと共に支部の地下へと来ていた。

目の間には補修作業が終わったエイジスへの地下通路。

すでに、職員やクレイドルの隊員は上の応援の為に出払っている。

他を皆に任せっきりにしたのはやはり気が重かった。

しかし、根源を叩かなくてはいずれ消耗戦になってしまう。

頬を思いっきり叩き、気合いを入れ直し気の重さを払拭する。

「じゃあ行くか...」

ベルの顔を撫でその背に股がる。

十分に成長していたベルの身体は、人一人乗せるには十分過ぎる位だった。

「オレのことは考えなくていい!思いっきり走ってくれ!」

「ウォォォォォン!!!」

ベルは雄々しく咆哮をあげると、ロケットスタートで一気に通路を駆け出す。

落とされないように必死にベルの毛を掴み踏ん張るクロサキ。

狼がモチーフとされているだけにそのスピードは桁違いだった。

それに通路がほぼ直進だと言うのが幸いして、ものの数分で通路の出口が見えてくる。

徐々に速度を緩めベルは立ち止まった。

「ふぅ...ありがとうなベル。」

背中を優しく撫でてから、クロサキは地面に降り立つ。

すでにここはエイジスの内部であり、様々な機械音が耐えることなくなり続けていた。

クロサキはベルの方を振り向く。

「ここでお別れだ。」

ベルは低く唸り、クロサキに顔をすり付ける。

「オレ寂しいよ。でも、オレにもお前にもやらなくちゃいけないことがある。

早く戻って、皆のことを助けてやってくれ...」

そう言ってクロサキはベルから離れる。

ベルも顔を一瞬伏せるが通路を戻っていった。

何度も振り替えるベルの姿にクロサキは心が傷んだ。

「大丈夫。お前はもっと強くなる。

オレが居なくても大丈夫だ...」

クロサキは通路に背を向け、暗い道をまっすぐに歩いていく。

やがて開けた場所へと出る。

 

かつて人類の希望であった場所。

 

アイギスが命がけで終末捕食を止めた場所。

 

そして、また全てが終わろうとしている場所。

 

そこで二人の男が相対する。

 

「ようこそ、終末の地へ...」

 

「終わるのはテメェの野望だ。」

 

世界の終末を決める最後の闘いの始まり。

その始まりを告げるように、遠くで爆音がなった。

 




このペースで行けば2月中に終わるかねぇ...
なんか内容が適当になってる気がするが...
頑張って書ききります!!(なんか同じこと言ってばかりだなぁ...)
それでは次回!!サラダバー!!
感想お待ちしております~
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