Fate/EXTRA SSS   作:ぱらさいと

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Underground Corpse Pille:Ⅰ

 ――歩踏み込むと、強烈な光を浴びる感覚――

 

 何万年もの旅路を一瞬で通り過ぎる感覚のあと、自分たちは不思議な空間に放り出されていた。 

 

 

 まず視界に入ってきたのは。地平に沈む夕陽と、背の高い塔がひしめく街。

 今いるのは最下層で、最上層の様子は窺い知れない。

 日の光も十分に届かず、饐えた臭いの水が石畳の路地を濡らしている。周囲の住宅もかなり荒廃しており、明かりが漏れていなければ廃墟にしか見えないだろう。谷底のような路地を吹く風が血の臭いを運んでくる。

 この鬱屈した光景の本性を示すような――死と鉄の臭いを。

 

『信号、確認しました。聞こえますか白野さん。こちら生徒会です』

 

 レオからの通信だった。

 私はビーコンを兼ねているようで、わずかに周囲のマップが更新された。

 

『現在、旧校舎のリソースは白野さんの電脳体保護を最優先に設定しています。そこは月の裏側、虚数で構成された“ない”世界です、こうして白野さんを構成するあらゆる数値を観測することで意味崩壊を防いでいます』

 

 通信は良好、レオの声がよく聞こえる。

 数値の観測や意味崩壊というのは、とりあえず生徒会で私を観測している限り“位置を見失わない”ということで問題無いだろう。

 そういう電子戦、後方支援のスキルがないから足で情報収集する役目に就いたわけだし。

 

『そうだ。生徒会がそなたの肺に酸素を送り、溺死を防いでいる……マッピングは、ふむ。全域の計測は拒否されたか。だが己の周囲程度は見えていよう』

 

 尊大な口調はミナカタのサーヴァント、セミラミスだ。

 なんでもレオ曰く「旧校舎で最も優秀な魔術師」らしく、廃教会に設けられたあの祭壇からエリアマッピングとナビゲーションをしてくれる。

 レオと桜で観測、アサシンがナビゲート、そしてミナカタとマドカが情報分析。

 この役割分担で当面は進めていく。

 アサシンが魔術に通じているなんて奇妙な感覚だ。

 雰囲気的にも暗殺者(アサシン)らしさをまったく感じなかったが……。

 すぐにマップ全体、大まかな広さと生命反応の有無は解析し終わった。ここはそれほど広くないようだ。住宅街と住宅街の間、擬似的な谷の底になる。全体的に細長い構造もそのためだろう。 

 

『生命反応が気になる。お前より先にサクラメイキュウへ入った者はいないはずだ、まだ生存者がいるのであれば保護する必要がある』

 

『そなたが今いる場所にポータルを設置した。危険があればすぐにそれを起動せよ。即座に旧校舎へ帰還できる』

 

『では早速ですが、周囲の探索をお願いします。エネミーも徘徊しているようなので、死角やトラップには注意してください』

 

 目標は付近の探索。生存者がいればポータルまで案内し、旧校舎へ転送してもらおう。それに、回収できるアイテムがあれば回収しておきたい。

 バーサーカーは真っ直ぐに奥を見つめている。なにか気になるものでもあるのだろうか。

「足音が聞こえましたので。恐らくエネミーかと」

「分かった。ポータルもあるから、ここで迎撃しよう」

「仰せの通りに。では少々失礼して――」

 

 なにも見えない闇の奥から、荒い息が近づいてくる。

 徐々に大きくなる足音。

 地面の水をビシャビシャと鳴らしながら距離を縮める。

 たおやかな手で巨大な斧を握りしめたバーサーカー。

 暗闇から飛び出したソレへ、分厚い刃を振り下ろす。

 エネミーは、真っ赤な血飛沫のエフェクトをまき散らす。

「なに、今のは……」

「これがサクラメイキュウのエネミーなのでしょう――」

 さらに現れたもう一匹。飛びかかってくる大きな犬は、雷鳴のような破裂音とともに吹き飛ぶ。

 フアナが手にしているのは、ピストル?

 時代がかった前装式。いわゆるマスケット銃が火を吹いた。

 いつのまに……いや、それ以前に、彼女に武具の逸話などあっただろうか。

 発狂と幽閉、それだけであった気がするのだけれど。

 こちらの疑問に気づいたのだろう。

 振り返りながらにこりと微笑んだ。

「かつての所有ではありません。宝具の機能を利用して召喚しているのです」

 宝具の機能、と言われても。あなた、魔術とも武具とも無縁のはずですよね?

 疑問はますます深まっていく。

 けれど、現実に即するなら、そういうことなのだろう。

 バーサーカーと別に、彼女専属の魔術師がいると考えればいい。

 敬虔な信徒が魔術師を抱えているというのも、変な話ではあるが……。

 だが、今はそれ以上に引っかかることがある。小刻みに手脚を痙攣させている眼前の屍がまさしく疑問そのもの。

「今のエネミー、すごく本物みたいだった」

『はい。エネミーはあくまで敵性プログラムです。ムーンセルもアリーナの階層に応じた能力値(スペック)と、必要最低限の外観(アバター)しか用意していないはずなのに、さっきの個体は……』

『敵サーヴァントの宝具ないしスキルによって使役されていると仮定すべきでしょう。ハクノさん、なるべく戦闘は避けてください』

 レオの言うとおりだ。ここはあまりに異様すぎる。

 いっそ狂気的なほど精密にデザインされたこの空間。

 ひとつひとつのデータが、過剰に()()

 単純な情報密度だけではない。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 常軌を逸した妄執によって創造されたこの迷宮そのものが、重圧を放っている。

 すでに窒息しそうな私である。

 しかし事態はこちらに都合よく待ってくれない。

 勇ましくエネミーを倒したバーサーカー。にも関わらず、その表情は敗者のものだった。

「………………これは」

 手が震えるほど打ちひしがれている。

 不安定な黒い瞳がさらに揺らいでいる。

「我がマスター。岸波様。どうか冷静にお聞き願いたく…………憚りながら、直截に申し上げますと、宝具の出力が大幅に、きわめて大幅に低下しております」

 サーヴァントからの報告は予想外のものだったが、驚きは少なかった。

 自分も似たようなものだから。聖杯戦争での記憶のみならず、コードキャストさえほとんど失ってしまっている。戦闘においてはごく最低限の補助が精いっぱいのありさまだ

 ほとんどの記憶と経験を失ったマスターに、宝具の機能がいちじるしく制限されたサーヴァント。

 ある意味では似たもの同士と言えなくもない。

 困惑しているのはむしろ生徒会の方だった。

『――――――本当ですか? おかしいですね、ボクのガウェインはまったく正常ですが』

 セミラミスとマドカのサーヴァントも右に同じだった。

 レオは当然のこと、レオが協力の申し出を受諾したのだから、ミナカタとマドカも一線級のマスターなのだろう。

 だとすれば、この三人と私には決定的な差違がある。

 当然、宝具の性能に支障をきたすほどのレベルである。

 沈黙を保ってきたユリウスもその可能性を認めた。

『レオ、宝具について質問を。真名解放は可能か?』

 すべてのサーヴァントが必ず保有する切り札――宝具。

 その英雄を象徴する逸話から形作られる、具現化した奇跡。

 武器ないしアイテムとして物質化したものに留まらない。

 秘剣・燕返しのような“技術”の形態もあり、蘇生や変身などの怪能力として獲得する場合もある。

 もちろん切り札であるからには相応の魔力を必要とする。

 これがそもそも不足していれば真名解放など不可能だ。

 そしてもうひとつ。真名解放ないし出力に問題を生じさせる原因として、宝具の使用になんらかの()()が課せられている場合も考えられる。

 ユリウスの問いに対するバーサーカーの答えは「否」。

 つまり、私が供給している魔力ではまったく足りないのだ。

「先ほどのような低級のエネミーであれば差し障りありません。ですが、ことサーヴァントとなると……」

 脳裏をよぎるのは廃教会前で遭遇した襲撃者たち。BBを名乗る少女と、殺生院キアラを葬った不可視の“六本腕”だ。マドカやミナカタはたまたま生徒会(こちら)の味方になってくれたが、このさきBBに従うマスターとサーヴァントが現れたとしてもなんら不自然ではない。

 そんな状況でバーサーカーは実質的に宝具を封印されている。

 けれど生徒会長はあっけらかんとしていた。

『おや、そうなのですか。では問題ありません、むしろ幸運だと考えましょう』

「い、いま、なんと」

『幸運ですよ』

 凍りつくバーサーカーと対照的にレオは朗らかだった。

『一から十に進む。最強から最弱に至る。何もないところから、窮地を乗り越えて成長する――それが誰の得意技か、ボクはよく知っています』

 絶対的な確信がゆらめいた怒りの炎を鎮める。

『リハビリの必要性は認めざるを得ませんが。安心、いえ――刮目してくださいフアナ女王。貴方が認めたマスターは、類い希な資質を持つ人物ですので』

 レオの言葉でバーサーカーは落ち着いたようだ。記憶があいまいな自分よりも、レオの方が岸波白野について詳しいのはどうにもヘンな気分だが、足を止めてもいられない。

 慎重に慎重を重ねて、暗闇の中を進んで行こう。

 

 

 

 

 セミラミスのナビゲーションに従いつつサクラメイキュウの探索をつづける。

 いまのことろサクラメイキュウにいるのは私とバーサーカーのほかにあの猟犬だけらしい。

 人の気配は皆無で、住宅街の灯りが辛うじて視界を確保してくれている。

 嗅覚を麻痺させるほどの強烈な血の臭いに耐えながら進むうち壁に行き当たった。

 探索した領域はちょうどこの階層の五割ほど。この先にも迷宮が広がっているはずなのだが、堅牢なつくりの門扉(シールド)が道を塞いでいる。

『迂回路もなし。ふむ、材質はブラックアイス型防壁(プログラム)とある。してマスター、なんだこの巫山戯たセキュリティレベルは』

『俺に聞かないでくれないか。いくらなんでも専門外だ』

『どれどれ――――――ランク(スター)、とありますね。桜、この記号の意味について確認しても?』

 尋ねられたミナカタはお手上げという風に匙を投げた。

 マスターよりもサーヴァントの方が優秀な魔術師というのも気苦労が多そうだ。

 あの陰鬱な無表情はもしかするとそのせいなのかもしれない。だとすれば哀れむ気持ちもわいてくる。

 微妙に緊張感のない廃教会組はさておき、プロフェッショナルが集う生徒会は異常事態を察知した。

 レオに問いかけられた桜はひどく驚いている。そんなに例外的な事象なのだろうか?

『わ、私もはじめて見ました。セキュリティ段階のランクはサーヴァントのパラメーターと同じなんです』

『Eをもっとも低いものとして、Aを最高とする五段階。規格外としてEXがある、ということですね』

 ごく珍しいケースで(プラス)(マイナス)がつくこともある、と桜はつけ加えた。しかし✰という表記は存在しないという。

 桜とマドカが映像データをもとに防壁のスキャニングを試みたものの成果なし。計測そのものが不可能という結果だけが判明した。

『ん、んん……? あれ? カウントオーバーじゃないな、数値化不能って出てるんだけど?』

『あり得ません! ムーンセルのライブラリにも存在しない、新種の防壁なんて――!』

 ムーンセルのAIから見てこの扉は非常識なもの。それどころか、存在してはいけないもののようだ。

 悲鳴じみた声を挙げる桜とは対照的にマスターたちは冷静そのもの。現状を打破すべく各々で動き始めている。

 事実、まずはとにかく目の前のコレをどうにかしない限り迷宮探索は無期限で中断せざるをえない。

 こちらでもバーサーカーとともに周囲の様子を調べてみようと動き始めたところ、

『扉についてはひとまず後だ。岸波白野、周囲の霊子が大きく揺らいでいる。用心しろ、俺の勘だが――』

 ユリウスの忠告は途中でばっさり途切れた。

 生徒会や廃教会との通信がすべて切断された。砂嵐のようなノイズにかき消されて、旧校舎からの声がまったく聞こえない。

 明確な妨害行為。悪意にみちた工作だ。おかげでこちらは不利に陥っている。

 当然、敵にとってはこのうえなく有利な状況。死角からの襲撃だけは避けなければと身構える。

 そして――

 

「そこまでよ、三流マスターとその僕。素寒貧のクセに人の心をまじまじと見ないでくださる?」

 

 突然の声に振り返るが背後には誰もいない。

 今の声はいったいどこから――いや、それより、この声は確か……。

 真っ先に“まさか”という感情がわく。そんなハズがない。なにかの間違い、あるいは自分の勘違いでありますように。

 どれだけ脳裏から追い払っても最悪の可能性を予感してしまう。

 逃避しようとしても残酷な光景が私の目の前で現実化した。

 

「ようこそ、私の城へ。これっぽっちも嬉しくないけど歓迎だけはしてあげる」

 

 目に焼きつく鮮やかな赤。間違いなく彼女の、遠坂 凛の象徴的な色。

 私と同じく聖牌戦争に参加したマスターの一人。その中でもレオとともに優勝候補に数えられる超一流の魔術師(ウィザード)だ。

 そんな彼女がどうして……まるで、この迷宮の主のような口ぶりを……。

「まるで、じゃないわ。まさしく、よ。あいかわらず気の抜けた娘ね」

「このように陰惨な城の、主? 岸波様? もしやとは存じますが、この方とはお知り合いで……?」

「そうだって言ってるじゃない。私はこの城の女王(クイーン)にしてムーンセルの新たな支配者――――そう、しぶとく生き残ったあなたたちを管理・支配する、月の女王様とお呼びなさい!」

「は、はぁ。あの、この方はいつもこのように泥酔して醜態を? え? 違う?」

 バーサーカーは凛の宣言を酒に酔ってのものだと解釈したらしい。残念ながらあのコは素面です。

 お知り合いである私からの訂正を受けて果てしない困惑は深い憐憫へと移り変わった。

 目に涙を浮かべてしまっているではないか。あまり人のサーヴァントを困らせるような真似はしないでほしい。

 それはともかく、凛が月の女王? セミラミスが耳にしたら立腹しそうな、否――しぶとく生き残った、とは私やレオのことだろう。それを管理・支配すると言ったのか。彼女が正気であるとすれば、文字通り生徒会への敵対宣言に他ならない。

「ふん。レオの考えそうなことね、月の裏側から出たいなんて。だから唯一の脱出口であるこの迷宮にやってきた。でも残念、ぜッッたいに出してあげないんだから」

 高圧的な、あるいは挑発的な態度から一変。冷たさすら感じる静けさで、凛は鋭く指摘する。

「だいたい表に戻ってどうするの白野? 貴方の実力とそのバーサーカーじゃせいぜい二回戦止まり、すぐにやられて死んじゃうだけよ」

 さらにサーヴァントの現状も一目で見抜いている。

 聖牌戦争でのそれと遜色ない才能を披露しながら、言動の残酷さは別人だ。

「それとも、自分から死にたい趣味なワケ? そういうことなら――――――――ここで私が()()()()()()OKよね?」

 信じがたい。信じたくない。記憶があいまいな自分でも酷いショックを受けるほど、それは、凛に不釣り合いな言葉だった。

 実力主義でも清廉潔白。誰よりも頼りになるライバルが。

 何故あんな、凄惨な空気をまとっているのか。

 畳みかけるように凛は「旧校舎から出てこなければよかったのに」と微笑む。

 大人しく引きこもっていれば。安全な場所に隠れていればいい、と。

 むざむざ約束された安寧を捨ててサクラメイキュウへ出てくるから、と。

 つまり今の岸波白野はまさしくカモネギ。

 ()()()()()へノコノコ迷い込んだ、()()()()()()であり()()()()()()()

 

 

 だから――――覚悟なさい?

 

 真っ赤な舌で唇を舐める。獰猛な目でこちらを捉え、離さない。

 片腕を高くかかげる様は捕食者が威嚇するように見える。

 手の甲に浮かび上がる令呪を示しながら、

 

「マスター、サーヴァントが来ます!」

 

「ご名答! 来なさい、ランサー!」

 

 マスターの命によって参じた偉丈夫は、しかし憂いを帯びていた。

 首から下を覆う青の戦装束。手にした真紅の長槍が彼の宝具だろうか。

 しかし端正な顔立ちのランサーはひどく消耗した様子だ。全身いたるところに傷がある。

 どれも致命傷にはほど遠いけれど、かなり激しい戦闘を繰り広げてきたように見える。

 凛も異常に気づいて落ち着きを失う。戦闘なんてほかにどこで発生するというんだ?

「何やってるのよランサー! 貴方、さっきまで歌姫(ディーヴァ)のところにいたんじゃ……」

「コレか? あぁ、コレはなんてことねぇよ。ただの世間バナシみたいなもんだ」

「ッ――――またバーサーカーが暴れたのね!? 何度目よあのポンコツサーヴァント、ちょっと目を離したらすぐにこうなんだから!」

 怒りに任せて地団駄を踏む凛。私の知る彼女よりも感情の起伏が激しい。なんらかの魔術で精神的に不安定化されているみたいだ。

 当のランサーは大笑しながら暴走癖のある仲間をフォローした。

「ちょいと気合いが入りすぎてるくらいがちょうどいいってな!」

 懐の広い兄貴肌のランサーも凛に睨みつけられて肩をすくめた。

 こんな風でもマスターの意向には従うのかと意外に思ってしまった。

 内輪もめの件はそれでひとまず打ち切られた。ランサーはかろやかな動作で長槍を構え直し「さて」と一言置いた。たったそれだけの槍捌きからも彼の熟達した技を見て取れる。

「そこの()()()()にお引き取り願えってんならそれでも構わんが。姿をくらましたキャスターを探すのは後回しと認識していいんだな?」

 愉快そうなランサーは流し目をこちらによこしてくる。私としてはリアクションに困るばかりなのだが、バーサーカーの方はまたもや憤怒の炎が燃え上がりはじめている。かすかに聞こえた歪な音は、バーサーカーの歯ぎしりか。飄々とした色男に忌避感を抱いているようで、見れば斧を携えた手が激しく震えている。

 陣営の内情を暴露された凛はそのことよりキャスターの動向を気がかりにしている。

 魔術師の英霊ともなれば防衛線で無類の強さを発揮するクラスだ。迷宮に扉を設けてまで道を塞ごうとする凛にしてみれば是が非でも押えておきたいサーヴァントには違いないが、しかし動揺の程は私の想定を超えて深刻だった。

「なんですって――――!? あのキャスターは歌姫(ディーヴァ)の牢獄に閉じ込めていたのよ!? それがどうして脱出なんて、もしかしてショコラリリーがまた余計なマネを……!!」

「いやあバーサーカーと気分よく死合ってたらウッカリ鉄格子をぶっ壊しちまってな。いや本当にスマン、このとーり」

「ラ~~~~~~~~~ン~~~~~~~~サ~~~~~~~~~~~!!!!」

 凛は眼球にまで青筋が浮かびかねない勢いで怒り狂っている。

 果たしてランサーの真意はさておきこれは好都合だ。万全の状態でないにせよ、いまの私たちでは凛とランサーを正面切ってしのぎきれる可能性など万に一つもあり得ない。ここは三十六計。すなわち逃げるに如かず。

 いよいよ我慢の限界に達して理性が吹き飛んでしまった凛はこちらに気づいていない。

 バーサーカーともどもそろり、そろりと後退する。

 二人のやり取りが遠くなり、十分な距離をとって一気に脱出――――!

 

 凛と蒼衣のサーヴァントの声を背に、迷宮を走り抜ける。

 追撃はないようだがさらに二つの謎が生まれてしまった。

 行く手を阻む絶対防壁(ファイヤーウォール)に、豹変した遠坂凛。

 あの口ぶりでは彼女がこの迷宮の主であり、私たちを旧校舎に閉じ込めた元凶のようだ。

 

 いったい凛の身になにが起きたのだろう――――――――?

 

 

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