仮面ライダー鎧武外伝・仮面ライダー斬月×戦姫絶唱シンフォギア   作:クロウド、

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頑張ったんです……。


プロローグ

「お前は俺の影だ、俺が犯してきた過ちの全てだ」

 

「僕が兄さんの影だっていうなら、僕は……アンタを消すことでしか本物になれないじゃないか……!?」

 

「そうだな……だからこそ、お前はここで終わる」

 

『メロン!』

 

「………。」

 

『メロンエナジー……!』

 

 運命に翻弄された兄弟、二人の刃が混じり合う。

 

 

 

「なぜ俺の影ばかりを引き受けた!?俺よりも輝くはずの才能を持っておきながら!」

 

「それをアンタが言うのか?僕にアンタの理屈ばかり押し付けてきたくせに!」

 

 

「アンタはいつも言ってたねノブレス・オブリージュ。優れたものほどまっさきに犠牲を払わねばならないそれこそが本当の名誉だと」

 

「そのとおりだ!」

 

「名誉ってなんだよ?他人のために傷ついて、利用されて、そんなもの嬉しくもなんともないよ!」

 

「光実ぇ!」

 

 

 

「ねえ、兄さん……アンタは誰よりも優れた人間なんだろ?だったらさ、最後は僕のために犠牲になってよ。それがアンタの務めだろッ!」

 

 

 

 

 戦極ドライバーとゲネシスドライバー、性能の差は歴然、だが、兄の技量は弟を遥かに凌駕している、その程度のハンデを物ともせず戦いは兄の優勢だった。

 

(光実、これがお前の求めていたものなのか?)

 

 だが、最後の一太刀幼い頃の弟の顔が脳裏をよぎりそれを振り下ろせなかった。

 

「………ッ!」

 

『メロンエナジー・スカッシュ!』

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 その一瞬に必殺の一撃を食らい、兄は海に投げ出された。

 

 

 

 ―――コレはそこから分岐したもう一つの物語。アーマードライダー斬月、呉島貴虎のもう一つの物語だ。

 

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 ―――呉島貴虎が目を覚ますと、彼はずぶ濡れの状態で街の一角で倒れたいた。

 

「うっ!」

 

 先の戦いで斬撃を喰らった頭部を抑えながら立ち上がる。貴虎はあたりを見回す、人気は少ないが少し離れたところで大勢の人間の声が聞こえる。恐らくイベントか何かをやっているのだろう。ふと視線を上げると、沢芽市のシンボルマークであるユグドラシルタワーがないことに僅かな驚きを見せる。

 

「ユグドラシルタワーがない……ここは、沢芽市ではないのか?」

 

 そこで貴虎は気づいた、この状況はおかしい。今世界ではオーバーロードによるクラックからでてきたインベスによって大混乱に陥っているはずだ。だが、この街の静けさはなんだ、平和そのものだ。仮にこの場所がインベスに狙われていないとしても避難勧告くらいはでているはずだ。

 

 ではこの状況は一体。

 

「―――まさか、また別の世界に来てしまったのか?」

 

 貴虎は以前、仮面ライダーウイザードや仮面ライダー鎧武とともに武神鎧武というライダーを倒したときのことを思い出した。あのときも自分は別世界に迷い込んだが今のこの状況を説明できる手段としてはコレが一番有力だった。

 

 貴虎はとりあえず自分の今の状況を確認する。

 

「戦極ドライバーとロックシードは無事か、残りの手持ちのロックシードは凌馬から渡されたウォーターメロンロックシードと……。」

 

 そこまで言って、貴虎は自身の手の中にあるものを見る。それはゲネシスコアに嵌め込まれたままのメロンエナジーロックシード、光実に切り飛ばされる瞬間咄嗟に掴んだものだ。斬撃の衝撃でパーツと一緒に貴虎が握りしめる形持っていた。

 

(光実……。)

 

 貴虎は自分を殺そうとした弟のことを思い出す。自分が理想論ばかりを押し付けたばかりに自らの影としてしまった弟のことを。

 

『うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

「なんだ、今の声は……?」

 

 凄まじい悲鳴があたりに響き、貴虎はその場所に向かって駆け出す。そこで貴虎が見たのは大勢の人間でごった返す建物の入口とその奥で蠢くカラフルな色のオタマジャクシのような怪物だった。その怪物が人間に触れるとその人間は瞬く間に炭となって崩れ落ちる。

 

「なんだあれは?」

 

(まさか、インベス?いや、インベスにあんな力はない)

 

 思考を巡らす貴虎だったが、一人の女声にその怪物の手が届きそうになる。

 

「きゃぁ!」

 

「危ない!」

 

 貴虎は咄嗟に女性を突き飛ばすことで怪物の新候方向から女性を逃がす、だが、代わりに貴虎がその場所に立ってしまう。

 

「くっ!」

 

 貴虎は両手を構え防御しようとするがそんな行為が無駄なことはさっきの一部始終で明らかだった。

 

 ―――だが、貴虎の体は炭にはならずそのまま吹き飛ばされる。

 

「くっ!」

 

 吹き飛ばされ壁に激突した痛みに顔をしかめるが自身の体になんの変化もないことに驚く。

 

 そこで、貴虎は自身のポケットから淡い緑の光が漏れていることに気づいた。ポケットからその光の発生源をとりだす、それは貴虎が長い間愛用していたメロンの錠前、『メロンロックシード』だった。

 

(コレが私を守ってくれたのか?)

 

 貴虎はロックシードを強く握ると、立ち上がり自分を吹き飛ばした異形に視線を向ける。確証はない、だがやって見る価値はある。

 

「どうやら私は、この世界でも戦いの運命からは逃れられないらしい」

 

 自嘲気味に笑いながら、貴虎は腰に戦極ドライバーを装着する。そして、ロックシードを顔の横に構えると掛け声とともにロックシードを解錠する。

 

「変身」

 

『メロン!』

 

 錠前のスイッチを入れるとロックが外れ、上空にジッパーのような穴『クラック』が出現しそこからメロンに酷似した鉄の塊がゆっくり降下しながら現れる。貴虎はロックシードを空中に投げ上げ、落ちてきたロックシードを絶妙な力加減でキャッチして戦極ドライバーに嵌め込む。

 

『ロック・オン!』

 

 ハンガーをベルトに通すと法螺貝のような待機音が流れる中、貴虎はカッティングブレードを下ろしロックシードを割る。

 

『ソイヤッ!メロン・アームズ!天下・御免!』

 

 ロックシードが割れるとともに貴虎めがけて落下してきたメロンから溢れたエネルギーが貴虎の全身を白いライダースーツへと変化させる。メロンの中で頭部をマスクが覆い兜がセットされると、メロンが展開されアーマーへと変化する。そして、左手に現れたメロンの皮模様の盾『メロンディフェンダー』と左腰に銃剣一体の『無双セイバー』が現れる。

 

「はああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 無双セイバーを腰から抜くと、貴虎―――いや、アーマードライダー斬月は雄叫びを上げながら異形に向かって駆け出した。




貴虎さんまじかっけー。そう思った方は感想評価、お待ちしています。
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