仮面ライダー鎧武外伝・仮面ライダー斬月×戦姫絶唱シンフォギア 作:クロウド、
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
斬月へと変身した貴虎は無双セイバーを振り上げカラフルな異形――ノイズに斬りかかった。そして、貴虎の予想通り一刀の元へと切り捨てられた。
(やはりヘルヘイムの力なら対抗できるようだな)
どういう理屈なのかは貴虎自身も理解できない、なにせ相手は今まで戦ってきたインベスとは違い全く未知の生命体だ。それでも分の悪い賭けに出たのは、彼が目の前で人の命が消えるのを黙って見ていられるような人間ではなかったということだ。
「お、おい、アレ……!?」
「ノイズと戦っている、のか?」
人間がノイズと戦っている、この世界ではありえないそんな光景を見て統率の取れていなかった避難民達が足を止める。だが、貴虎の一喝ですぐに再び歩を進める。
「ここは俺が食い止める!その間に、早く行くんだ!」
そのいさまじい風貌に自分が生き残ることばかりが思考を締めていた避難民がようやく周りに目を向けた。
「っ!……おいアンタ!足、怪我してんだろ。肩かすぜ」
「あ、ありがとう……。」
その声にこもる想いとカリスマに掻き立てられて一人の男性が瓦礫の破片で足に怪我をした男性に肩を貸す。
「おじいさん、大丈夫ですか?」
「お嬢ちゃん、しっかり捕まっててね」
その勇気ある一人目に喚起され、一人また一人と満足に動けないものに手を貸していく。統制が取れ始め、避難民自分だけでなく周りの人間に意識を向け始めた。
コレはこの場にいたのが貴虎だったからこそできたことだ。生まれながらに名門、呉島家の人間として人の上に立つことについて学び、ユグドラシルでは主任という立場におり、決して部下の命を軽んじなかったこの男だからできたことだ。
そして、これにより斬月はようやくなんの憂いなく本気で敵を殲滅することに集中できる。
「……此処から先には一歩も通さん」
カシュっと言う音ともにドライバーのカッティングブレードでロックシードを一回切る。
《ソイヤッ!メロン・スカッシュ!》
「はあぁぁぁぁ!!はぁっ!ぜあっ!」
戦極ドライバーの声が発せられるとロックシードの力が無双セイバーに集約し、その状態で強力な四回連続の斬撃を放つ斬月の必殺技、『無双刃』をノイズ共に見舞い、一気に蹴散らす。
(コイツラの出どころはこの先にありそうだな。急ぐか)
斬月は根源を断つため、ノイズが溢れ出る奥に向かって走り出す。
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「おいっ、しっかりしろ!頼む、死ぬな!」
ボロボロのライブ会場で鎧をまとう一人の女性―――天羽奏―――が一人の少女へと必死に呼びかける。自身の不注意のせいで大怪我を追わせてしまった少女、胸からは血が流れ、今にもその命が尽きようとしている。
必死に呼びかける、ここで彼女の命を終わらせないためにも。
「目を開けてくれ!―――生きるのを諦めるなっ!」
その一言で光を失いかけていた少女の目に僅かな光が灯った。
―――そして、その声に答えるようにノイズの一角が吹き飛んだ。
「「!!!?」」
その光景に奏とその相棒である蒼い鎧をまとった少女―――風鳴翼―――そちらに視線を向けた。そして、そこにいたのは、
「なんだ、アイツ?」
「白い仮面の、鎧武者?」
盾と刀を構え、ノイズの大群を突っ切っていく白い鎧武者―――斬月。走り抜ける先に立ちふさがる大量のノイズたち、だが、斬月は止まることなくドライバーのロックシードを外し、無双セイバーの『ドライブランチ』に嵌め込む。
《ロック・オン!一・十・百……!》
数字の桁が上がるほどに無双セイバーに緑のエネルギーが収束する。一度腰のホルダーに無双セイバーを戻し、刃にエネルギーが充填されると凄まじい居合とともに斬撃を放つ。
《メロンチャージ!》
「はあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」
一陣の剣閃が煌めくとノイズ達は次々と崩れ去っていく。
「凄い……」
翼はその凄まじい居合にただそんななありふれた言葉しか出てこなかった。その後も白い鎧武者は自身に群がるノイズ達を盾で防いで斬りつけ、あるときは盾で殴りつけるなどして撃退する。
(やはり数が多い、このアームズでは不利か……。ならば……!)
《ロック・オフ……!》
このままでは埒があかないと戦極ドライバーに嵌め込まれたメロンロックシードを解錠し、ドライバーから外すとメロンアームズが光となって消失する。
「こいつを使うか」
そして、斬月はPROTO-10の文字が刻まれた僅かに小さい西瓜の描かれた錠前を解錠する。
『ウォーターメロン!』
頭上に再びクラックが出現し、中から小玉の西瓜を模したアームズが出現する。
「なんかでたっ!?」
「アレは……西瓜なのか?」
奏と翼は突然上空に現れた西瓜をもした鉄の塊に目を剥いた。
『ロック・オン!』
その錠前、『ウォーターメロンロックシード』をドライバーに嵌め込むとドライバーの左側にある斬月の横顔が描かれた『フェイスプレート』の色が赤を基調としたものへと変化する。
『ソイヤッ!』
最後にカッティングブレードでロックシードを割るとアームズを纏っていない斬月の頭に西瓜がささり展開されてウォーターメロンアームズへと変わる.
《ウォーターメロン・アームズ!乱れ玉・ババババン!》
「姿が変わった!?」
(というかなんだよ、その乱れ玉・ババババンて)
翼は斬月の姿が変わったことに驚いているが、奏は変身の際ロックシードから発せられた声に首を傾げていた。この場に戦極ドライバーとロックシードの開発者であるプロフェッサー某がいれば『私の趣味だ、いいだろう?』といったに違いない。
斬月が新たに纏ったウォーターメロン・アームズは外側が緑に黒いストライプ模様で内側やライダースーツの一部が金色から赤くなっており、まさにスイカをもした姿へと変化した。装備も『メロンディフェンダー』から下部に機関銃がついた『ウォーターメロンガトリング』へと変化している。
「はぁっ!」
斬月は機関銃の標的をノイズ共に定める。そして、次の瞬間ドドドドドド!という凄まじい発砲音とともに無数の弾丸がノイズ達を貫いていった。
「す、すごっ……。」
そのあまりの迫力に奏は半ば放心したようにそう呟く。
「うっ……!」
だが、当の斬月はウォーターメロン・アームズの反動で苦しげな声を漏らす。
(やはり威力はあるが、反動が強いか……!)
―――巨大なスイカ・アームズのプロトタイプとして生み出されたこのロックシードは強力だが反動が強い。短期決戦にするためにカッティングブレードに手をかける。
「頭を下げろ!」
「わ、わかった!」
貴虎は二人に向かって叫ぶと、カッティングブレードでロックシードを三回連続で切る。
『ウォーターメロン・スパーキング!』
ロックシードのエネルギーがウォータメロンガトリングにチャージされていく。そして、異形たちに向かって弾丸として発射される。凄まじい数の弾丸がノイズたちを貫いていった。
「これだけ数が減れば……!」
奏と翼はその光景に驚愕していた。自分たちが苦戦していたノイズ達を一瞬で半分以下に減らした白い戦士の力に。
「くっ……!」
「お、おい、大丈夫か?」
ウォーターメロン・アームズの反動で膝をついた斬月に奏は心配の声をかける。
斬月は自分と同じように戦える様子の翼に目を向けると、
「……あとは任せる」
「!無論だ」
翼はそれだけいうと残ったノイズを全滅させるために駆け出した。
貴虎はそれを見届けるとドライバーのロックシードを折りたたみ、変身を解除して立ち上がる。だが、ウォーターメロンの反動から足元がおぼつかない。
「くっ……!」
「大丈夫かよ!ふらふらじゃんか」
「―――君も人のことを言えんだろう。それに、私のことなど……後でいい。早くその少女を……うっ……!」
「お、おいっ!!」
言い終えるよりも先に貴虎はその場に倒れた。慌てて奏が貴虎を抱き上げると彼の胸部からおびただしい量の血が流れていることに気づく。ウオーターメロンの反動で光実に食らったダメージが流血という形で現れたのだ。いや、それ以前に貴虎の身体は度重なるダメージで既に限界を迎えていた。
「おいっ、アンタこんな怪我で戦ってたのか!?」
赤い少女は問いかけるが貴虎は既に完全に気絶していて返答はない。
「……もうすぐ医療班が来るから絶対死ぬなよ」
赤い少女、天羽奏は倒れ伏している貴虎に向かってそう呟いた。
後にこの事件に関わった者達の間で一つの噂が流れた。
無数のノイズ達に怯みもせず、たった一人で人々を守りながら戦った仮面を被った白き鎧武者。彼を人々は口々にこう呼んだ。
―――『仮面ライダー』、と。
さぁて、奏さんですが…貴虎が持ってたあのブレードがついてない未完成品?の戦極ドライバー、あれ良子さんなら完成版にできるんじゃなかろうか?
丁度槍を使うライダー欠番だし