仮面ライダー鎧武外伝・仮面ライダー斬月×戦姫絶唱シンフォギア   作:クロウド、

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だいぶ端折ってしまいました。


特異災害対策機動部二課

「特異災害対策機動部二課?」

 

「ああ、それが我々の組織の名前だ」

 

 目が覚めた貴虎は一通りのメディカルチェックが終了すると、弦十郎と了子、そして翼が奏と合流し、彼の病室で彼らの正体と自分が戦ったノイズという怪物についてのことを説明されていた。既に自己紹介はすんでいる。

 

「聖遺物の欠片と歌の力であの怪物と戦う、か……まるでインベスとアーマードライダーだな」

 

「インベス?」

 

「アーマードライダー?」

 

 貴虎が発したこの世界にはない言葉に奏と翼は疑問符を浮かべる。

 

 しかし、それを遮って了子が一つのトランクを持って前に出る。

 

「私達のことは理解してもらえたようだから、今度は私達から質問してもいいかしら?」

 

「あぁ」

 

「貴虎君―――貴方はこの世界の人間ではないわね?」

 

 いきなり革芯をつく、了子の質問それに対し貴虎は、

 

「ああ、そうだ」

 

「―――思ってたよりはっきりいうのね」

 

 即答した貴虎に了子は訝しむ。それに対し貴虎はほほえみながら、

 

「なにせ目が覚めたら、見知らぬ土地で見知らぬ怪物と戦ったんだ。この世界が違う世界だという方が納得できる」

 

「なるほどね」

 

「そちらこそ、なぜ私がこの世界の人間ではないことを知っている?」

 

「一つは貴方の社員証からこの世界にない企業の名前を見つけたことと、一番はこれかしら?」

 

 そう言って貴虎の前にトランクをおき、中を開く。そこには貴虎の錠前と戦極ドライバー、ゲネシスコア、そして、貴虎がヘルヘイムにいる間つけていた変身機能のないドライバーが入っていた。

 

「すまないがこの錠前とベルトについて色々調べさせてもらった」

 

「その結果、この世界にはない技術で作られていることがわかったの」

 

「なるほどな―――だが、コレがなにか話す前にいくつか質問していいだろうか?」

 

「なにかしら?」

 

「私はこんなに錠前を持っていたのか?」

 

「え?」

 

 貴虎の疑問に了子は目が点になった、なにせ自分の持ち物のことを自分で聞いているのだ。だが、それも仕方のないことこちらに来たとき数個しか持っていなかったはずの貴虎のロックシードは十数個に前で増えていた。

 

 そこで、貴虎は葛葉紘汰の口にした『餞別』という言葉を思い出した。

 

『葛葉の仕業か……。』

 

「すまない、今のは忘れてくれ。この錠前は起動させたのか?」

 

「ええ、だけど何も起こらなかったわ」

 

『インベスを呼ぶ能力は消えているというわけか』

 

 ロックシードはアーマードライダーに変身する以外にインベスをヘルヘイムから呼び出す力も有している。だが、それについては葛葉紘汰が外しているらしい。

 

「それで……私達が聞きたいのはコレがなにか、なぜノイズを倒せたのかということよ。さっきも説明したとおり、ノイズを倒せるのはシンフォギアのみ、それが今までの常識だったもの」

 

「できれば君があの現場にいた理由も聞きたい」

 

「―――構わないが、聞いて気持ちのいい話ではないぞ」

 

 そう、前置きをして貴虎は全てを語った。

 

 ―――彼の世界が数年前からヘルヘイムという世界に侵食されていたこと。

 

 ―――研究の結果、約十年の間にヘルヘイムの植物が地球を蝕むことがわかった。そしてその果実を口にするとインベスという怪物になってしまうこと、ヘルヘイムの森もその植物に侵食された成れの果てであること。

 

 ―――そして、その対策として作られたのが『ヘルヘイムの果実』の養分を安全に吸収するため戦極凌馬によって作られた『戦極ドライバー』と『ロックシード』のこと。

 

 ―――その量産のために街でロックシードを用いたインベスゲームというものを流行らせ、その上で戦極ドライバーをばらまきビートライダーズという青年たちに戦闘データを取らせるための人体実験を行ったこと。

 

 ―――『プロジェクト・アーク』。戦極ドライバーを量産できる限界である十億人に世界の人口を六分の一にするための計画をたてていたこと。

 

 ―――そして、森を支配できる力を持つ存在『オーバーロード』の存在が見つかり僅かな光明が見えたが、仲間であったデューク、シグルド、マリカ、三人のアーマードライダーに裏切られたこと。

 

「そして気づけば私はあの事件の近くにいた……これが、このベルトと錠前が生まれた経緯。そして私があの場にいた経緯だ」

 

 貴虎の話に弦十郎達は声を失うしかなかった。インベス、ヘルヘイム、アーマードライダー、世界の危機。想像していた以上に大きな話に実感がわかないのもあるが、それ以上にやるせない気持ちが強かった。

 

「―――軽蔑してくれて構わない。私は―――世界を救うという名目で大勢の命を踏みにじってきた。挙句の果てに、仲間に裏切られその全てを無駄にした。我ながら自分の愚かしさに情けなくなる」

 

 手の中にある錠前を強く握りしめ自嘲気味に笑う。全てを話しただが、一つだけ()()()()()()は話せなかった。

 

「俺達に……君になにかいう資格はないさ」

 

「どういう意味だ?」

 

 弦十郎は話す、あのライブは元々ネフシュタンの鎧と呼ばれる完全聖遺物―――劣化や損傷が見れない聖遺物―――の起動実験のためのものだったということを。あのライブ会場に集まった観客の声援によって引き上げられた奏と翼の力によって休眠状態だった、聖遺物を目覚めさせようとしたこと。

 

 その結果、引き上げられすぎた力によって暴走した鎧はあの混乱の中失われてしまったこと。

 

「我々も君と同じ穴の狢だ、あの実験がなければ今回のような悲劇は起こっていなかったんだからな」

 

「―――そう言ってもらえると、少しは胸がすく思いだ」

 

「そうか」

 

 貴虎は今度は少し楽になったような笑みを浮かべる。

 

「それで、なぜアーマードライダーがノイズを倒せるかだが……ヘルヘイムの実には時空を超える力がある、おそらくその力が位相差障壁とやらを破った。そうとしか説明がつかないな」

 

「では、炭素化しなかったのは……。」

 

「可能性としてはその実から出る養分が肉体に何らかの抗体をもたらしたか、じゃないかしら?」

 

 了子の考えに胸の中で『なるほど』と納得する。

 

「そういや、コレあたしが腰につけても反応しなかったんだけど」

 

「そっちのドライバーにはイニシャライズ機能が搭載されている、最初につけた人間、つまり俺にしか使うことができないんだ」

 

「そういうことだったのか……。」

 

 奏の質問に答えると貴虎はブレードのついていない方のドライバーを手に取る。

 

「こっちのドライバーは養分を吸収するためだけの代物だから誰でもつけることは可能だが変身する機能はない」

 

「それはもう試してみたわ」

 

 お互いの正体がはっきりすると弦十郎はいよいよ本題に入る。

 

「―――さて、貴虎君。我々は君に協力を要請したい」

 

「私に、アーマードライダーとしてノイズと戦えと?」

 

「あぁ」

 

 貴虎は弦十郎がこの提案をすることは察しが付いていた。インベスと戦えたのがドライバーを持つ葛葉紘汰や自身だけであったようにあの怪物と戦うことができるのはシンフォギアを持っている彼女たちと、このドライバーを持つ己だけだ。だからこそ、この要請は自然なものだと感じた。

 

「勿論、この世界での君の住居や生活については保証しよう。頼む、我々には君の力が必要だ」

 

 そう言って頭を下げる弦十郎、先程の話は嘘偽りがないと彼は直感していただからこそ、人の『善性』を信じたい彼は貴虎に協力を頼みたかった。

 

『葛葉、お前はこうなることを見越して錠前を俺に渡したのか』

 

 ケースの中から彼がよく使っていたオレンジの描かれた錠前を手に取る。

 

『―――変身だよ、貴虎』

 

 瞳を閉じ、彼が自分に与えてくれた言葉を思い出す。覚悟が決まると瞳を開き、真っ直ぐと弦十郎を見て、手を差し出す。

 

「―――私の力で良ければいくらでも使ってほしい」

 

「!」

 

 差し出された手を弦十郎は強く握り返す。

 

「ありがとう、貴虎君」

 

「貴虎でいい」

 

「では俺も、弦十郎でかまわない」

 

 ―――こうして貴虎は新たな戦いに身を投じる事になった。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜二年後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「出現位置の特定できました、座標出します!」

 

 ―――特異災害対策起動二課の本部、その司令室の巨大なモニターに街の地図とノイズの姿が点として映し出される。

 

 その脇では数人のオペレーター達が目まぐるしく危機を操作している。

 

「よし、装者及びアーマードライダー()()は出動だ!!」

 

「了解した。行くぞ、奏、翼」

 

「あいよ、兄貴」

 

「了解しました、貴虎さん」

 

 弦十郎の号令に身を翻し、現場へと向かおうとする貴虎、その後ろを奏と翼がおう。

 

 ―――そして、物語は加速する。




奏や翼、弦十郎との掛け合いは後に出します。
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