仮面ライダー鎧武外伝・仮面ライダー斬月×戦姫絶唱シンフォギア   作:クロウド、

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どうでしょうか?


ニ課の戦士達

「撃てェッ!!撃て、撃てェエエエエエエッ!!!」

 

 ーーー郊外、紅蓮の弾丸と轟音が行き交う。本来なら人々が歩くはずの公道は今や戦場へと姿を変えていた。

 

 指揮官の怒号とともに背後に控えていた者達が無数の銃弾を放つ、さらに背後に控えていたミサイル車両から噴射煙ととにミサイルが発射される。

 

 しかし、標的には通じず吸い込まれすり抜ける。

 

「チィッ!」

 

 こちらの攻撃は一切通じず、しかし、向こうは一度でもこちらが触れられればあっという間にその身は炭素に変えられ絶命する。

 

 民家を破壊しながらこちらに向かってくる特異災害ーーーノイズを見ながら舌打ちをする。

 

「やはり通常兵器では無理なのか……ッ!?」

 

 自衛隊、特異災害対策機動部一課……その実働部隊の一つを任せられた指揮官が、眼前の理不尽と己の無力に歯噛みする。

 

 それをあざ笑うように一体のノイズの体が崩れ、銃弾にも負けない速度でこちらに向かってくる。

 

「っ!」

 

 瞬間、死を理解してしまった指揮官。

 

 だが、

 

 

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

 

 

 

 突如聞こえた歌とともにノイズは指揮官に辿り着く前に目の前を過ぎ去る蒼に切り落とされた。

 

 その正体は風鳴翼。特異災害対策起動部ニ課所属、聖遺物『アメノハバキリ』を預かるシンフォギア装者だ。

 

 彼女は背後の指揮官が無事であることを確認するとノイズに向かって突貫していく。

 

 指揮官が呆けていると、彼らの部隊の背後からけたたましいエンジン音とともに二つのバイクが飛び出してくる。急ブレーキをかけてヘルメットを取ると、その運転手である二人はノイズへと向かっていった翼を見る。二人の腰には黒いバックル、戦極ドライバーが装着されている。

 

 翼と同じニ課所属のアーマードライダー、呉島貴虎と元『ガングニール』の装者、天羽奏だ。

 

「張り切っているな」

 

「ああ、あたしたちも負けてられないな」

 

「無論、遅れを取るつもりはない」

 

 貴虎は錠前を取り出し、それを見た奏もL.S.08の刻印が刻まれたバナナの錠前を構える。そして、自分達を戦士へと変えるあの言葉とともに錠前を解錠する。

 

「変身」

 

《メロン!》

 

「変身!」

 

《バナァーナ!》

 

 解錠とともに二人の頭上にクラックが出現し、ヘルヘイムの森で生成された錠前と同じ果物をもしたアームズが出現する。

 

《ロック・オン!》《ロック・オン!》

 

 中央の窪みにロックシードを嵌め込むと、二人の戦極ドライバーからそれぞれ違う音楽が流れる。貴虎のドライバーから法螺貝のような音が、奏のドライバーからは西洋風のファンファーレが。

 

 二人はカッティングブレードに、手をかけ持ち上げてロックシードを展開する。

 

《ソイヤッ!》《メロン・アームズ!天下・御免!》

 

《C'mon!》《バナァーナ・アームズ!Knights of Spiar!》

 

 ロックシードの展開とともに頭上にあったアームズが二人の頭に突き刺さりその全身ライダースーツで包んでいく、そして、果物の内部でマスクが頭部を覆うと兜が装着され複眼がアームズと同じ色になる。

 

 最後にアームズが展開され鎧へと変化し、二人の手にそれぞれのアームズウェポンが出現する。

 

 月光を纏う白き騎士アーマードライダー斬月 メロンアームズ!

 

 真紅のボディを持つ女騎士アーマードライダーバロネス バナナアームズ! 見参!

 

 バロネスはかつて駆紋戒斗が変身したアーマードライダー、バロンと殆ど同じ姿だが唯一腰布のようなものがついているという違いがある。

 

「奏、遅れるなよ」

 

「誰がっ!」

 

 斬月は左手に大型の刃のついたシールド形のアームズウェポン『メロンディフェンダー』を構えながら右手で腰にさしてある斬月の基本装備『無双セイバー』を抜き駆け出すと、バロネスも突撃槍型のアームズウェポン『バナスピアー』を構えノイズに向かっていく。

 

「はあ!」

 

 バロネスは槍を振り回し次々とノイズを蹴散らしていく。その姿はまさしく戦場を駆る突撃兵。

 

「うじゃうじゃとうっとおしい!」

 

《バナァーナ・スカッシュ!》

 

「まとめて吹っ飛べ!!」

 

 ロックシードを一回きり、バナスピアーにエネルギーを収束すると巨大なバナナ型のエネルギーが槍の先から放たれそれを横薙ぎにしてノイズを一掃する。

 

「ふんっ!はぁっ!」

 

 一方斬月は無双セイバーとメロンディフェンダーの刃『ハサイシン』によって次々とノイズを消滅させていく。

 

「―――人類を脅かすものにはこの世から、消えてもらう」

 

《メロン・スカッシュ!》

 

「はっ!はぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!」

 

 斬月は無慈悲な声とともにカッティングブレードでロックシードを切り、右足にエネルギーを収束して飛び上がりノイズの一体に向かって『無刃キック』を放つ。斬月のキックにより吹き飛ばされたノイズはそのまま他のノイズを巻き込み連鎖的に爆発していく。

 

 一人の戦姫と二人の騎士による剣閃が次々と理不尽を蹂躙していく。

 

 そして、残るは最後の一体巨大な身体を持つノイズを前にバロネスは意気揚々と吠える。

 

「デカブツは力で押しつぶすに限るだろ!」

 

《マンゴー!》

 

 バロネスがあらたな錠前を解錠するとバナナのアームズが消失し、あらたに頭上に開いたクラックからマンゴーの形をした新たなアームズが出現する。

 

《ロック・オン!》

 

 バナナロックシードを外し、新たなマンゴーの錠前をはめ込み、カッティングブレードでそれを展開する。

 

《C'mon!》《マンゴー・アームズ!Fight of Hummer!》

 

 バナナアームズからマンゴーアームズへとアームズチェンジを果たしたバロネスの手には突撃やりの代わりにマンゴーをもしたメイス型のアームズウェポン『マンゴパニッシャー』を構え、カッテイングブレードを二回連続で切る。

 

《マンゴー・オーレ!》

 

「オォォォォォラァァァァァァァ!!」

 

 ハンマー投げの要領でマンゴパニッシャーを振り回し、エネルギーをためながらそのまま大型ノイズに向かってぶん投げる。ノイズはハサミのような腕で防御しようとするが、それを無視してマンゴパニッシャーが直撃してマンゴー型のエネルギーに包まれるとノイズは大爆発とともに吹き飛ぶ。

 

 その姿を指揮官は圧倒された様子で見ていた。わずか十数分足らずで自分たちが苦戦していた相手を完全に蹴散らした。

 

「アレが、二課の力ということか……!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 敵の殲滅を確認すると翼はシンフォギアを解除し、貴虎と奏はドライバーのロックシードを折りたたみ変身を解除した。

 

「どうよ、兄貴?あたしの戦いっぷり」

 

「及第点だ、あのレベルならわざわざアームズを変えるスキを作る必要はなかっただろう」

 

「ちぇぇ……。」

 

 最後の一体を瞬殺した奏は誇らしげに貴虎に尋ねるが貴虎はさして表情を変えずに辛口の評価をする。それに奏は唇を尖らせるがそれに貴虎はふっと笑うと、

 

「だが、状況に応じて最適の武器を選ぶ判断は評価に値する。成長したな、奏」

 

「……兄貴ってこう、ホントに落として上げるの得意だよね」

 

 貴虎の評価に奏はそっと顔を背けて小声でそんなことを呟いた。その姿を翼は複雑な心境で見ていた。だが、貴虎は翼にも言葉をかける。

 

「翼も随分成長したな、二年前とは比べ物ならないほどに」

 

「い、いえ……私なんてそんな……」

 

「いや、君が動かなければ少なくとも数人は命を落としただろう。あの行動は正しかったと私は思う」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 さっきまでの複雑な表情はどこへやら、一転して喜びの色が見える表情へと変わった。しかし、そのせいで今度は奏がジト目で貴虎を見る。

 

「なんだよ、翼に対しては随分ストレートじゃん」

 

「何を言う、私は正当な評価しかしない」

 

 ―――もう二度と、大事なものから目を背けないためにも。

 

 純粋な誓いと後悔をうつす瞳でそう呟いた。その意味を知る()が奏を遮る。

 

「奏、そのへんで。そろそろ戻りましょう」

 

「ちぇ、翼が言うなら仕方ないか〜」

 

「さて、事後処理は私達に任せて翼はもう休め。明日も学校だろう。君は学生でもあるんだ、学生としての責任も果たさなくてはな」

 

「で、でも……。」

 

『貴虎の言うとおりだ、体を休めるのも大事な役目だ』

 

「叔父様……わかりました」

 

 通信機から届いた弦十郎の声に翼は渋々頷く。

 

「それじゃ、翼。お言葉に甘えて、あたし達はもう休もうぜ」

 

「―――だが、奏。お前は大人としての責務を果たせ」

 

「え?」

 

 翼と一緒にどさくさに紛れて逃げようとした奏の肩を貴虎が掴む。まさか、巻き込まれると思っていなかったのか、奏が呆けた顔で貴虎に尋ねる。

 

「お前は既に成人しているだろう。それに、戦極ドライバーを渡すときに言っただろう?力を持つ以上、義務と責任をもってもらうと」

 

「え?それとコレって話が別じゃ……?」

 

「どう違うんだ?」

 

「え?いや、その……助けて翼ぁ!」

 

 翼に助けを求める奏を無視し、その腕をひっぱり引きずっていく。その様子を唖然と見ていた翼に貴虎は一声かける。

 

「そのうち緒川が回収に来るだろう」

 

「わかりました―――お疲れさまです」

 

 翼は泣き言を述べる奏のその様子にクスリと笑い、貴虎に一礼した。

 

 丁度、そのタイミングで貴虎の携帯電話がメールの受信を知らせる音を鳴らす。

 

「誰から?」

 

 奏もその音は知っているので気になって画面を覗き込もうとする。貴虎はさして気にする様子もなく、携帯を奏に渡す、その傍らから翼が画面を覗き込む。

 

「響からじゃん、『また皆で遊びに行きたいです』か……そういえば、最近会えてないっけ」

 

 奏がメールの内容を要約して読み上げるとどこか寂しそうな表情をする。彼女にとってメールの相手は妹のような存在だからだ。

 

「私は今朝、学院の食堂であったわ」

 

「そうか……元気だったか?」

 

「はい、相変わらず明るい娘でした。あれならば、すぐに友人ができるでしょう」

 

「そうか。なら、よかった」

 

 翼の言葉に貴虎は安心したように微笑んだ。

 

 立花 響、二年前貴虎が偶然病院で知り合った少女だ。丁度、今日から翼も通う私立リディアン音楽院の高等科に通い始めたはずだ。

 

 いつの間にやら彼女の親友や家族とも顔見知りになっており、それなりの信頼も置かれている。そして、貴虎にとってどこか葛葉紘汰を思い出す相手でもあった。

 

 近いうちに会いに行くかと思いながら、貴虎は奏を引っ張って二課の本部へと戻った。




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