ハリー・ポッターと天使の眼   作:はぎ

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賢者の石編
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ガタンガタンと一定のリズムで揺れる車内で僕はなんとも不思議な出来事に遭遇していた。僕が誰も居ないことをいい事に、少しだけ目を開けようと意識した瞬間、勢いよく音を立てコンパートメントの扉が開き、「あら、人が居たのね」とズカズカと入って目の前の席に腰を下ろす人物がいるのだ。声からして女の子だと理解したが、家族以外の女性と話した経験のない僕はなんて話しかければいいのかわからなかった。

 

「私ハーマイオニー・グレンジャーって言うの。今年からホグワーツに通うのよ。 あなたもよね? 私の家族の中に魔法族なんて一人もいないの。だから手紙が届いた時すごく驚いたわ。 嬉しかったし、家族も最後は信じて喜んでくれた。…最高の魔法学校って聞いているしね。…あ、ごめんなさい。あなたの名前は?」

 

いつ息継ぎするのかな、と彼女がいるであろう正面に顔を向けていたが、どうやら僕の名前を尋ねているらしい。

 

「僕はグレイス・ハーマー。今年入学だよ。 マグルなのに全く知らない、まるで未知の魔法界に君を送り出すなんて、よっぽど君のことを信じてくれているんだね」

 

ハーマイオニーの長い話に対抗しようと慣れないながらも、言葉を繋いだが、小っ恥ずかしい、しかも捉え方によっては馬鹿にしているような言葉を口にしてしまった。

 

「そう…そうなの! …ところでグレイス、あなたずっと目を瞑っているけど、どうしてなの?」

 

どうやら気を悪くしていないようで安心した。

 

「僕はちょっと特殊なんだ。 ああ、でもちょっと待ってて…確かこの辺りに…」

 

自分の横に置いたカバンを漁り、入学許可証とともに送られてきたものを探す。目を閉じていることもあって中々見つけられないのを気にしてか、それともその様子が鬱陶しく思ったのか、彼女はわざわざ隣に座り、僕のカバンを一緒に漁り出した。

 

「探しているのは何?」

「スクエア型って言うのかな。スモークレンズのメガネなんだけど…」

 

そう言って直ぐに、ハーマイオニーはメガネを見つけ出し、「これね?」と僕に手渡す。軽く彼女に礼を言うと、サッと正面に戻るのを感じる。このメガネはホグワーツの入学許可証と一緒にダンブルドア校長が送ってきたものらしい。なんでも、エバネスコとノックスがかかっていて、魔力の光を少し押えてくれる…らしい。どれも父から聞いた話だからよくわかっていない。手紙も同伴されていたようだが、光の線が見えるだけで読むことが出来なかった。

 

そんなことを思い出しながら、僕はメガネをかけ、ゆっくりと目を開く。久々に見る魔力光。 正面に座るハーマイオニーの色は濃いオレンジ、彼女の話のように、周りの色を押しのけ、主張しているように感じられた。

 

「ごめんね。僕実は目が見えなくてさ。…これ付けても薄らと光が見えるようになるくらいなんだ」

 

僕の言葉を聞き彼女は俯く。

 

「あ…ごめんなさい。私…」

「いいって、何も気にしてないよ」

 

急に縮こまって謝罪してくる彼女を慰めながら、僕は改めて、そのメガネを確認する。これをつけたことで、弱い魔力が見えなくなるようだ。しかし、人や、魔法道具などは相も変わらず眩い光を放っている。

 

「それに、不便だらけって訳でもないんだ。 君が今まで見てきた世界よりももっと色鮮やかな世界を僕は見てるんだよ」

 

僕の言葉にキョトンとし、「それはどういうこと?」とたまらず聞いてくるハーマイオニー。

 

「生まれつき僕は目が見えなくてさ、この目も本物じゃないんだよ。 この目は像を映さないけど、魔力を光として映すんだ…まあそれに至った経緯とかは省かせてもらうね」

 

僕が最後にそう言うと、少し不満げな顔をするハーマイオニーだが、ここは素直に言うことを聞き、急に立ち上がり、目を覗くように、僕の頭を両手で優しく抑えた。暫くじっと観察しているようだったが、突然手を離し、僕に問いかける。

 

「でも、それって凄く大変で辛いことだと思うわ。 グレイスは気にしてないって言うけれど、私が気にする。…なにか困ったことがあったり、して欲しいことがあったら、なんでも言って欲しい」

 

オレンジ色に光る彼女はおそらく僕の目をじっと見つめているのだろう。人型に光っている魔力も微動だにせず、こちらを眺めているように見えた。

 

「どうして…初めてあった僕にそこまでできるの?」

 

「え…? だって友達ってそういうものでしょう?」

 

初めて聞いた友達って言葉は僕の胸に刺さるように、ぐっと何かが込み上げてくるような感覚がした。「何それ」と彼女に笑いかけるが、片目から涙が頬を伝ってちょうど、腿の辺りに落ちる。

 

「じゃあ…頼んでもいいかな…?」

「もちろん!」

 

期待するかのような彼女の言葉に背中を押され、遠慮なく自分のしたい事を口に出す。

 

「僕に文字の読み方を教えて欲しいんだ」

 

その言葉にハーマイオニーは少し戸惑っているようだったが、快く引き受けてくれた。お互いに見合いながらクスクスと暫く笑いあった。その後は、僕とハーマイオニーが交互に外に出て、ローブに着替える。

そして余った時間で彼女に教科書を読んでもらって過ごした。

 





ハーマイオニーが初めからここまで人に気を配れるって思ってないんですけど、僕は優しいハーマイオニーがみたい。そして、ネビルすまん、トレバーは一人で探してくれ
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